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美作の風



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美作の風の評価: 3.60/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

今井さんの作品は、いつも変わらぬ清涼剤です。

今井さんの作品は、読むたびに心が洗われる思いがします。特に子供たちの会話は、何度も読み返しては味わっています。
今の日本は逆淘汰社会、つまり衆愚連がのさばる社会ですが、今井さんの作品における子供たちの会話は、私には何服かの清涼剤となり、心身をリフレッシュしています。感謝しています。
美作の風 (角川時代小説倶楽部)Amazon書評・レビュー:美作の風 (角川時代小説倶楽部)より
4758411182
No.2:
(5pt)

広く読んでもらいたいものです

岡山県北の美作の地で享保年間に起きた山中一揆が小説になるなんて思ってもみませんでした。うれしい!!
 地元に住んでいる者からすると、自分たちの地域で江戸時代にこれほど大きな一揆がおきながらも、あまり知られていないのは、残念に思っていました。一揆といえば、首謀者がせいぜい一人とか数人の処罰で終わると何かの本に書いてあったように思います。それがこんなに、51人もの人が処刑された。命をかけて立ち上がった人々の様子をこのような形で、小説になり、昔の人の偉大さを感じます。
 主人公生瀬圭吾は役人として登場するので、一揆をおこした者たちからは敵ということになる。しかし、作者は強訴に立ち上がった農民たちの様子を生き生きと描いている。
 今も湯原では義民として顕彰されている。
 多くの人に読んでもらって、山中一揆(さんちゅういっき)というすごい一揆があったのだということを知ってもらいたいものです。
美作の風 (角川時代小説倶楽部)Amazon書評・レビュー:美作の風 (角川時代小説倶楽部)より
4758411182
No.1:
(5pt)

今井絵美子の代表作!

「美作の風」読みました。
小説ではなく、一編の映画を見たあとのようなリアルな感覚が、今も私の中に残っています。
何か映像的なものを感じました。

特にラストの、圭吾が美作を再び訪れるシーンは、あざやかに私の心に残りました。
この作品は映画化される前に、すでに読者を映像の世界に誘っているようです。

物語の全体については、激しいカタストロフィと静かなパッションに満ちていますが、それにもかかわらず、
何かなつかしいイタリア映画のような詩情を感じるのです。

それにしてもこの国は、いつまでも変わらない国ですね。
100年以上前の農民一揆から、40年程前の連合赤軍事件まで、
常に権力者に反逆する者は容赦なく抹殺される運命にありました。

貧しい普通の国民の手に、権力を奪回する日は永遠に訪れないのでしょうか。
ついぐちっぽくなりましたが、何かやるせない気がしてなりません。

これは贅沢な願いかもしれませんが、何かもう少し貧しい農民や市民にとっての、未来への希望を強調するような
内容があればと思いました。

つい個人的な、勝手なことを書き連ねてしまいましたが、テーマとしては非常に面白く、
内容的にも破綻のない、刺激的な力作だと思います。
ぬるま湯に浸ったような、この国の文学界に、これからも刺激とパッションを与えてくださるよう、著者のいっそうのご活躍を期待します。
美作の風 (角川時代小説倶楽部)Amazon書評・レビュー:美作の風 (角川時代小説倶楽部)より
4758411182

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