本にだって雄と雌があります

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評判

本にだって雄と雌がありますの評価:

3.92/5点 レビュー 25件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.92pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 1〜20 1/2ページ
No.34
(5pt)

最初から最後まで楽しく読める本です。

ジャンルとしてはファンタジー系の小説になるんだろうけど
まずタイトルの掴みがインパクトがあって、でも読み終わると納得するタイトルになってる
ところが凄い。
内容は1ページめくる度にニヤリとしてしまう一昔前の面白い漫才みたいなトーンで続きつつも、
夫妻の愛情テーマと最後の方の因果の迷宮みたいなところはとても良かった。
全体通じて楽しく読める一冊で、こんな風に人生終わりたいなと思えるようなお話。
本好きの人にはなかなかたまらないです。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.33
(5pt)

最初から最後まで楽しく読める本です。

ジャンルとしてはファンタジー系の小説になるんだろうけど
まずタイトルの掴みがインパクトがあって、でも読み終わると納得するタイトルになってる
ところが凄い。
内容は1ページめくる度にニヤリとしてしまう一昔前の面白い漫才みたいなトーンで続きつつも、
夫妻の愛情テーマと最後の方の因果の迷宮みたいなところはとても良かった。
全体通じて楽しく読める一冊で、こんな風に人生終わりたいなと思えるようなお話。
本好きの人にはなかなかたまらないです。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.32
(5pt)

レビュー

満足です
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.31
(5pt)

レビュー

満足です
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.30
(4pt)

結果としては『面白かった』です。

評価が高いので読んでみました。
前半から中盤にかけては、ユーモア小説のような感じが強いのですが、
それがとにかく面白くない。
「夜に傑作感出して書いてはみたが、朝読み返し破り捨てるヤツ」を
そのまま読まされる感じでした。

頑張って読み進めてみると、中盤を過ぎた辺りから急激に面白くなり
「あれ、この作者これまでわざと無能演じてたの?ちゃんと面白小説書けるやん」と。

結果『面白かった』です。 人にお薦めするかは微妙ですが。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.29
(4pt)

結果としては『面白かった』です。

評価が高いので読んでみました。
前半から中盤にかけては、ユーモア小説のような感じが強いのですが、
それがとにかく面白くない。
「夜に傑作感出して書いてはみたが、朝読み返し破り捨てるヤツ」を
そのまま読まされる感じでした。

頑張って読み進めてみると、中盤を過ぎた辺りから急激に面白くなり
「あれ、この作者これまでわざと無能演じてたの?ちゃんと面白小説書けるやん」と。

結果『面白かった』です。 人にお薦めするかは微妙ですが。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.28
(5pt)

最後まで読まずにほっといてます

何か意味がわからない内容なので、ほってあります。気が向いたらまた読みます
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.27
(5pt)

最後まで読まずにほっといてます

何か意味がわからない内容なので、ほってあります。気が向いたらまた読みます
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.26
(5pt)

ファンタジーなんだけどリアルを感じる

私の語彙が少ないからか、分からない言葉や読めない言葉を調べながらだったので、読み進めるのに時間がかかった。登場人物の関係を頭に入れるのも大変だった。人物相関をメモしながらでないと話の流れを理解できなくなるくらいだった。そんなわけで、最初の内は読むのを途中で諦めようと思ったが、いろいろ(特に家系図)整理しながら読むと段々面白くなってきて、結局最後まで読んでしまった。特に戦場での不思議体験は、戦場という特殊な状況における話であり、作者がリアルに体験したのではなかろうかと思うほど、臨場感豊かな描写である。戦場に本が登場するのもおかしな話だとは思うが、本が好きな人は戦場という異常な場所だからこそ本が必要だったのではないかと想像する。

本書は本が好きでたまらない人が書いているのだと思う。本に対する愛を感じる。一方で、本書を面白いと感じる人も本好きなのだと思う。そもそも小説は本が好きな人が読むものだろう。本に雄と雌があって幻書が生まれるとか、本がジタバタと暴れてどこかに飛んでいくとか、本を生き物のように扱うのは本好きには共感できるものだ。また、本好きにとって本とは、知識を与えてくれる先生であったりワクワクドキドキを与えてくれるエンターテイナーであったり、単なる物体ではない存在になりえるだろう。そんな重度の本好きには、本書の世界が実在するといいなと思うに違いない。

冷静に読めば、法螺話でしかないのだが「本とはこんな感じでつきあいたいな」とか思わせてくれる。ウイットに富んだ文章もあり、いろいろ楽しめるのがこの本の特徴だ。ラストの方はワクワクしながら読んで、そうきたかと読み手を唸らせる。あえて残念なところを触れると、少々話が長いのでもう少しコンパクトにまとまっていればテンポ良く読めたかなと思うくらいだ。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.25
(5pt)

ファンタジーなんだけどリアルを感じる

私の語彙が少ないからか、分からない言葉や読めない言葉を調べながらだったので、読み進めるのに時間がかかった。登場人物の関係を頭に入れるのも大変だった。人物相関をメモしながらでないと話の流れを理解できなくなるくらいだった。そんなわけで、最初の内は読むのを途中で諦めようと思ったが、いろいろ(特に家系図)整理しながら読むと段々面白くなってきて、結局最後まで読んでしまった。特に戦場での不思議体験は、戦場という特殊な状況における話であり、作者がリアルに体験したのではなかろうかと思うほど、臨場感豊かな描写である。戦場に本が登場するのもおかしな話だとは思うが、本が好きな人は戦場という異常な場所だからこそ本が必要だったのではないかと想像する。

本書は本が好きでたまらない人が書いているのだと思う。本に対する愛を感じる。一方で、本書を面白いと感じる人も本好きなのだと思う。そもそも小説は本が好きな人が読むものだろう。本に雄と雌があって幻書が生まれるとか、本がジタバタと暴れてどこかに飛んでいくとか、本を生き物のように扱うのは本好きには共感できるものだ。また、本好きにとって本とは、知識を与えてくれる先生であったりワクワクドキドキを与えてくれるエンターテイナーであったり、単なる物体ではない存在になりえるだろう。そんな重度の本好きには、本書の世界が実在するといいなと思うに違いない。

冷静に読めば、法螺話でしかないのだが「本とはこんな感じでつきあいたいな」とか思わせてくれる。ウイットに富んだ文章もあり、いろいろ楽しめるのがこの本の特徴だ。ラストの方はワクワクしながら読んで、そうきたかと読み手を唸らせる。あえて残念なところを触れると、少々話が長いのでもう少しコンパクトにまとまっていればテンポ良く読めたかなと思うくらいだ。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.24
(5pt)

何だかとてもうれしくなる本

「蔵書はどうして増えるのか?」

「それは本がつがうから」

こういうの好きだな……

作中に漂う時代の雰囲気も好きだ。旧制教育のニオイが伝わってきます。
ラディナヘラ幻想図書館にも行ってみたくなりました。

G.マルケス『百年の孤独』のマコンド村から地続きで行けそうな気がします。

この作品はもっともっと有名になっていいと思う。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.23
(5pt)

何だかとてもうれしくなる本

「蔵書はどうして増えるのか?」

「それは本がつがうから」

こういうの好きだな……

作中に漂う時代の雰囲気も好きだ。旧制教育のニオイが伝わってきます。
ラディナヘラ幻想図書館にも行ってみたくなりました。

G.マルケス『百年の孤独』のマコンド村から地続きで行けそうな気がします。

この作品はもっともっと有名になっていいと思う。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.22
(5pt)

入り組んだ時系列が物語に深みを与える

夫婦の愛の物語であり,家族を思う物語であり,書物や知識・生への欲望の物語であり,
一人の男の与太話であり,ファンタジであり,SFであり,もういろいろ何でもありの一冊.

一ページ目の一行目からタイトルの一文が現れ,直後にその意味は語られるのですが,
そちらの話はそこそこに,一人の男を巡るバカげた日常といくつもの下ネタが展開され,
何度も笑わされはするものの,飛び飛びの時系列もあり,序盤は掴み所に戸惑いがちです.

ただ,中盤を過ぎるころから軸が見え始め,『楽しい』が『面白い』に変わるのを感じ,
入り組んだ時系列が物語に深みを与えるとともに,書物と老夫婦の愛を描いたファンタジ,
さらには,「ん?」と事の起こりを考えさせられるSFチックな幕引きと余韻が後を引きます.

先の通り,クセのある作風ということで,決して多くに好まれるタイプではありませんが,
森見登美彦さんや東川篤哉さんらがお好きであれば,まず楽しめるのではないかと思います.
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.21
(5pt)

入り組んだ時系列が物語に深みを与える

夫婦の愛の物語であり,家族を思う物語であり,書物や知識・生への欲望の物語であり,
一人の男の与太話であり,ファンタジであり,SFであり,もういろいろ何でもありの一冊.

一ページ目の一行目からタイトルの一文が現れ,直後にその意味は語られるのですが,
そちらの話はそこそこに,一人の男を巡るバカげた日常といくつもの下ネタが展開され,
何度も笑わされはするものの,飛び飛びの時系列もあり,序盤は掴み所に戸惑いがちです.

ただ,中盤を過ぎるころから軸が見え始め,『楽しい』が『面白い』に変わるのを感じ,
入り組んだ時系列が物語に深みを与えるとともに,書物と老夫婦の愛を描いたファンタジ,
さらには,「ん?」と事の起こりを考えさせられるSFチックな幕引きと余韻が後を引きます.

先の通り,クセのある作風ということで,決して多くに好まれるタイプではありませんが,
森見登美彦さんや東川篤哉さんらがお好きであれば,まず楽しめるのではないかと思います.
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.20
(5pt)

文体も世界観もいい

最初はこのふざけた文体についていけるのか不安だったけど、こういう親子三代ものとか自分は大好きなので、好きになりました。文章も達者で本をよく知っている人が書いたのだなあと思いながら読みました。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.19
(5pt)

文体も世界観もいい

最初はこのふざけた文体についていけるのか不安だったけど、こういう親子三代ものとか自分は大好きなので、好きになりました。文章も達者で本をよく知っている人が書いたのだなあと思いながら読みました。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.18
(4pt)

心と時間にゆとり、文学史と駄洒落と漫才と冗談が好きなら大丈夫

とにかく一気に読もうにも話の展開があちらこちらに飛ぶので、付いて行くのに体力がいる。(知的体力・読書力)
1ヶ月以上掛かって行きつ戻りつしながら何とか概ね読了。

本文そのものも文学史的な知識が邪魔をして話の本筋から横道に逸れるし、
読み手としてもあれこれ思い巡らしてしまうので、ある意味物凄く読み込みにくい展開。
駄洒落や言葉遊びが好きな人には良いのだろうが、
冗長で独りよがりな独壇場に巻き込まれる読書が苦手な人には向かない。

人名、場所、エピソード、歴史的な背景、タイプスリップとファンタジー、本にまつわる逸話とゴシップ、
戦争や航空機墜落事故も交えて恋愛と友情、家族愛を描く。とにもかくにも盛り沢山。
社会現象も三面記事も何でも文字なら読んでしまおう、家族の歴史も過去も未来も、
文字の交わる所、奇書の生まれる所、今ここ! という勢いはある。
読み通せば、それなりにほろりとさせられる場面も多々。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.17
(4pt)

心と時間にゆとり、文学史と駄洒落と漫才と冗談が好きなら大丈夫

とにかく一気に読もうにも話の展開があちらこちらに飛ぶので、付いて行くのに体力がいる。(知的体力・読書力)
1ヶ月以上掛かって行きつ戻りつしながら何とか概ね読了。

本文そのものも文学史的な知識が邪魔をして話の本筋から横道に逸れるし、
読み手としてもあれこれ思い巡らしてしまうので、ある意味物凄く読み込みにくい展開。
駄洒落や言葉遊びが好きな人には良いのだろうが、
冗長で独りよがりな独壇場に巻き込まれる読書が苦手な人には向かない。

人名、場所、エピソード、歴史的な背景、タイプスリップとファンタジー、本にまつわる逸話とゴシップ、
戦争や航空機墜落事故も交えて恋愛と友情、家族愛を描く。とにもかくにも盛り沢山。
社会現象も三面記事も何でも文字なら読んでしまおう、家族の歴史も過去も未来も、
文字の交わる所、奇書の生まれる所、今ここ! という勢いはある。
読み通せば、それなりにほろりとさせられる場面も多々。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226
No.16
(5pt)

夜な夜な、本が愛し合い、新しい本が生まれていた

てやんでえ、すっとこどっこい、駄洒落や軽口が分からねえ奴は引っこんでろい!――と言わんばかりの『本にだって雄と雌があります』(小田雅久仁著、新潮社)は、戯作の匂いがぷんぷんする。井上ひさしが『手鎖心中』を引っ提げて登場した時に雰囲気が似通っているのだ。

大阪の広大な敷地を有する旧家の書庫では、夜な夜な、隣り合った本同士がコトコトカタカタと合体して、新しい本が生まれる。それらの「幻書」と呼ばれる本たちは、鳥のようにバタバタ羽ばたいて外へ飛んでいこうとするので、まじないを込めた蔵書印を押した上で、紐で縛ると、幾分大人しくなる。

これは、今は亡き祖父・深井與次郎の蔵書にまつわる秘密を知ってしまった「私」が、祖父を初めとする一族の面々と、祖父の幻書蒐集のライヴァル・鶴山釈苦利(しゃっくり)の波瀾に富んだ驚くべき歴史を、一人息子に伝えるために書き綴った手記である。

「しかし問題は與次郎の書物蒐集癖である。苦しい言い訳を重ねながらせっせと蔵書を肥やす與次郎であったが、生涯に亘ってしつこいぐらいに繰りかえした一等お気に入りの言い訳があった。それが、書物がナニして子供をこしらえる、というやつで、深井家においては、あの言い訳は與次郎のすかしっ屁のように当たり前に漂っていたから、誰も吸いこまずにはおれなかったものだ」。

「実際、書物には明白に相性というものがある。どれとどれが、と鼻の利かぬ人間に言いあてられるものでもないが、その相性のいい好きあった惚れあった二冊の本を偶然にでも書架に並べ置いたが百年目、確かに子供をこしらえたとでも言いあらわさねばすまない現象が起きる。その一連の進みゆきを與次郎は『本が騒ぐ』と言い、『子ォを産んだ』と言っていた」。

「與次郎曰く、『おい、ひろぼん(私のこと)。本いうんはな、読めば読むほど知らんことが増えていくんや。どいつもこいつもおのれの脳味噌を肥えさそう思て知識を喰らうんやろうけど、ほんまは書物のほうが人間の脳味噌を喰らうんや。いや、脳味噌だけやないで。魂ごと喰らうんや。せやから言うてな、わしみたいにここまで来てまうと、もう読むのをやめるわけにいかん。マグロと一緒や。ひろぼん、知ってるか。マグロは泳ぐんやめたらな、息できんようなって死んでまうんやでェ』というわけで、結局、與次郎は書物と喰いつ喰われつの果てしない格闘を生涯に亘って継続することを選択した」。

「(君のお母さんと文通を始めた頃のことだが)本棚を見ればその人が分かる、というような言葉を聞いたことがあるが、それが事実だとすれば、どんな本が好きだ、こんな本が好きだ、などと小出しに打ち明けあうのはまさに精神のチラリズムであり、心の服を一枚一枚剥いでゆくようなイメージが浮かんでしまうのだ」。

「・・・などと口から出まかせの見解を缶ビール三本分のほろ酔い機嫌で君のお母さんのお耳に入れたところ、『普通に普通に読め読め、阿呆阿呆』などと身もふたも底も取っ手もないことを言われてしまった。・・・ちなみにお母さんの毒舌はただの毒舌ではなく、れっきとした商売道具なのであり、おそらくは君もすでに知るとおり、お母さんは筆先より毒汁滴る書きっぷりであまねく知れわたる気鋭の書評家なのだ。しかしそんなお母さんが荒んだ胸中を吐露するところによると、歯に衣着せぬにもほどがあると煙たがられるその書評の実体とは、歯に衣着せた上に婆シャツも着せてジャージも着せてちゃんちゃんこも着せて十二単も着せて宇宙服も着せてさらにガンダムのコクピットに押しこんだぐらいに本来の毒の希釈せられたものであるらしい」。

與次郎や釈苦利の域には遠く及ばないにしても、本好きの私にとっては、これらの書物に取り憑かれた人々の物語は決して他人事とは思えないのだ。
本にだって雄と雌があります (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌があります (新潮文庫)より
4101200211
No.15
(5pt)

夜な夜な、本が愛し合い、新しい本が生まれていた

てやんでえ、すっとこどっこい、駄洒落や軽口が分からねえ奴は引っこんでろい!――と言わんばかりの『本にだって雄と雌があります』(小田雅久仁著、新潮社)は、戯作の匂いがぷんぷんする。井上ひさしが『手鎖心中』を引っ提げて登場した時に雰囲気が似通っているのだ。

大阪の広大な敷地を有する旧家の書庫では、夜な夜な、隣り合った本同士がコトコトカタカタと合体して、新しい本が生まれる。それらの「幻書」と呼ばれる本たちは、鳥のようにバタバタ羽ばたいて外へ飛んでいこうとするので、まじないを込めた蔵書印を押した上で、紐で縛ると、幾分大人しくなる。

これは、今は亡き祖父・深井與次郎の蔵書にまつわる秘密を知ってしまった「私」が、祖父を初めとする一族の面々と、祖父の幻書蒐集のライヴァル・鶴山釈苦利(しゃっくり)の波瀾に富んだ驚くべき歴史を、一人息子に伝えるために書き綴った手記である。

「しかし問題は與次郎の書物蒐集癖である。苦しい言い訳を重ねながらせっせと蔵書を肥やす與次郎であったが、生涯に亘ってしつこいぐらいに繰りかえした一等お気に入りの言い訳があった。それが、書物がナニして子供をこしらえる、というやつで、深井家においては、あの言い訳は與次郎のすかしっ屁のように当たり前に漂っていたから、誰も吸いこまずにはおれなかったものだ」。

「実際、書物には明白に相性というものがある。どれとどれが、と鼻の利かぬ人間に言いあてられるものでもないが、その相性のいい好きあった惚れあった二冊の本を偶然にでも書架に並べ置いたが百年目、確かに子供をこしらえたとでも言いあらわさねばすまない現象が起きる。その一連の進みゆきを與次郎は『本が騒ぐ』と言い、『子ォを産んだ』と言っていた」。

「與次郎曰く、『おい、ひろぼん(私のこと)。本いうんはな、読めば読むほど知らんことが増えていくんや。どいつもこいつもおのれの脳味噌を肥えさそう思て知識を喰らうんやろうけど、ほんまは書物のほうが人間の脳味噌を喰らうんや。いや、脳味噌だけやないで。魂ごと喰らうんや。せやから言うてな、わしみたいにここまで来てまうと、もう読むのをやめるわけにいかん。マグロと一緒や。ひろぼん、知ってるか。マグロは泳ぐんやめたらな、息できんようなって死んでまうんやでェ』というわけで、結局、與次郎は書物と喰いつ喰われつの果てしない格闘を生涯に亘って継続することを選択した」。

「(君のお母さんと文通を始めた頃のことだが)本棚を見ればその人が分かる、というような言葉を聞いたことがあるが、それが事実だとすれば、どんな本が好きだ、こんな本が好きだ、などと小出しに打ち明けあうのはまさに精神のチラリズムであり、心の服を一枚一枚剥いでゆくようなイメージが浮かんでしまうのだ」。

「・・・などと口から出まかせの見解を缶ビール三本分のほろ酔い機嫌で君のお母さんのお耳に入れたところ、『普通に普通に読め読め、阿呆阿呆』などと身もふたも底も取っ手もないことを言われてしまった。・・・ちなみにお母さんの毒舌はただの毒舌ではなく、れっきとした商売道具なのであり、おそらくは君もすでに知るとおり、お母さんは筆先より毒汁滴る書きっぷりであまねく知れわたる気鋭の書評家なのだ。しかしそんなお母さんが荒んだ胸中を吐露するところによると、歯に衣着せぬにもほどがあると煙たがられるその書評の実体とは、歯に衣着せた上に婆シャツも着せてジャージも着せてちゃんちゃんこも着せて十二単も着せて宇宙服も着せてさらにガンダムのコクピットに押しこんだぐらいに本来の毒の希釈せられたものであるらしい」。

與次郎や釈苦利の域には遠く及ばないにしても、本好きの私にとっては、これらの書物に取り憑かれた人々の物語は決して他人事とは思えないのだ。
本にだって雄と雌があります Amazon書評・レビュー: 本にだって雄と雌がありますより
4103197226