スモールワールズ
評判
スモールワールズの評価:
4.27/5点 レビュー 85件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1〜14 1/1ページ
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スモールワールズの評価:
4.27/5点 レビュー 85件。 B ランク
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ガテン系の姉の話はキャラが立っていて面白かった。
しかし、過失致死を犯した男と被害者の妹が恋愛する話だけは、陳腐に描いてはいけないことを陳腐に描いていて、薄ら気持ち悪く、不快だった。
両者間に横たわるはずの問題を真摯に描く気が感じられず、矮小化して簡単に解決しようとしているのが「素敵な恋愛の前では人が死んだことなど大した問題ではない」と言っているかのように感じた。
加害者の描き方も、自分本位で軽率に暴力を振るう人間が抱える「共感性と思考力の低さ」という問題が軽視されている。
最初だけそのように描写しているが、すぐに消え去ってしまい、自分の犯した罪の大きさに怯える素直な少年のような描写になる。彼の書く手紙の文章は表面だけたどたどしさを装っているが、自分の状況をきちんと認知できていて、安易に過失致死を犯す人間が書く文には見えない。
一番気持ち悪いのは被害者遺族の会の下りで、「同じ被害者でも悲しむ権利に大小がある」と言われているかのようで不快だったと主人公が怒るシーンなのだが、このあとには死んだ兄はろくでもない人間だったし両親は既に他界しているという話が出てくる。そのような説明が何のために必要なのかと考えれば「同じ殺人ではあっても被害は小さいものである」と暗に言っているとしか思えない。であれば読者が感じるべきなのは作者のデリカシーの無さに対する怒りであろう。
現実の至る所にある深刻な問題を過小に描いた上で描かれる物語は、不快になるだけで感動することは出来ない。
他の短編も、描かれている問題を自分の身近に感じる人にとっては不快に映ったのかもしれない。
それを面白いと感じてしまったのは、私もこの作者と同じくらいデリカシーが無いからかもしれないと反省した。