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コロナ漂流録
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コロナ漂流録の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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フィクションとはいえネットで確認できる事実との類似性にゾッとする | ||||
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フィクションのなのに現実と混ぜてながら、作者の怨嗟を作品にしていて気持ち良く読める作品ではない。 正々堂々とフィクショとして実名作品にすればいいと思う。 | ||||
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海堂尊作品は、読むと毎度、展開が漫画みたいと感じるが、 この本こそ、内容が複雑であるがゆえに、 漫画や映像化してもらえるとより理解しやすく、 面白さが何倍にもなるのではと思った。 ネットフリックスやAmazonプライムで制作してもらえれば見たいなと。 コロナの裏で、なるほど、医療界ではこんなこといかがわしいことが行われていたのか、 的な話は読み応えがあるものの、では読み手に何ができるだろう。 世は複雑でもはやどうにもできない社会、希望のなさを感じた。 オイしいことを求める黒さが自分の中にも大いにあるとは思っているが、それでも、 もう少しマシな社会にするためには、私たちはどうすればいいのか、モヤモヤした。 | ||||
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思わず初出を確認してしまった。…書き下ろしか…ほっ…みたいな 今回は前作に比して「これまでのおさらい」と「物語」のバランスが良いので「啓蒙の書」「記録の書」って感じは薄く、普通に楽しく読めた。苛々させられる新キャラ「ラッコ」の功績かな | ||||
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去年、元首相が射殺されてしまった時に、著者の「桜宮シリーズ」「コロナシリーズ」ではどのように描かれるだろうか、と思ってしまった。そして本作品を見かけて購読。 現実世界のさまざまな出来事が物語世界の中に落とし込まれさまざまな事柄が描かれる。描かれる範囲は政治に限定されない。その点で本作は社会小説とでもいう風情だ。それで何かがスッキリ解決ということもなく物語そのものに静かな絶望感が広がる。その分「芸術的な感じ」がする。しかし「浪速白虎党」の顛末は「大阪維新」の有様よりもよりよほどましだ。 | ||||
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海堂尊の作風は、なかなか独特だ。 突き詰めるとかなりシリアスで重いテーマを、ユーモアミステリの衣をまとわせて、ジェットコースター的な展開で一気に読ませられる腕には、毎度、唸らされるものがある。 今回の漂流録も、おなじみの田口医師(って、もう還暦かよ...)、厚労省の白鳥技官(ということはそろそろ定年か?)、流浪の病理医彦根(も、当然ながら、いい年だ)が活躍する。加納は偉くなって、玉村警部補も警部に昇進して、まさかの「あの役」を果たす。高階院長に至っては.... (これ以上はネタバレになるのでやめておこう) 一方、「螺鈿迷宮」の天馬君はなかなか立派になっている。 とはいえ、このコロナ三部作に関しては、レギュラー以外の登場人物のモデルが誰とそれぞれがはっきりわかるあたり、生々しさが半端ないので、そのあたりに忌避感を持つ人もいるかもしれない(むろん、Dappi問題でわかるように、まさにそれを理由に「誹謗中傷」したくなる人たちがいても不自然ではない)が、この三部作が、あえて、そこまでの生々しさを持って書かれたのは、まさに、医師でもある海堂氏の日本の現状への真摯な危機感の表れだろう。 それは、政府の、行き当たりばったりなコロナ対応だけにとどまらず、この危機を利権にしようと群がる(そして、実際に利権そのものにした)人々への痛烈な怒りだ。 それにしても、製薬業界の内実や○○性表示食品の胡散臭さはもとより、それが五輪や大○万博とすべてつながっているあたり、(そして、そこがおそらく作家の単なる創作とは思えないあたり)、病巣は深いとしか言い様がないし、ある意味、そのデリケートさは、今の日本ではエンターテインメントという形でしか書けないものなのかもしれない。 この激動の三年間の間、日本で何が起こっていたか、その備忘録としても、たぶん重要なものとなるであろう三部作である。 | ||||
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今回出版された「コロナ漂流録」で、「狂騒録」「黙示録」と続いた、海堂尊氏のコロナ3部作が完結した。 世の中の人々の多くは、未だマスクをしたままだが、街にはコロナ以前の賑わいが戻りつつあり、かつての「日常」が取り戻されつつあるように見える。 しかし、この3部作を読み終えて、コロナ以前と以後では、この国の根本が後戻りできぬ形で変質してしまったことをあらためて実感させられた。いや、こうした言い方は正確ではないだろう、その変質とは、この30年間ずっと進行していて、コロナ禍は、それを完膚なきまでに露わにしてしまったに過ぎない。この3部作に対するアマゾンのコメントなどを見ると、海堂氏の医療小説の従来のファンから「政治的に偏った内容」といった失望の声が聞かれるが、お門違いの批評だ。この3部作の海堂氏の執筆の動因となっていたのは、この国の基底部分が変質、崩壊して、落ちぶれていく赤裸々な現実に立ち会っていることの「怒り」である。その怒りを共有できないボンクラどもが、この作品に描かれた現実を「政治的」といって切り捨てようとする。 今回の「コロナ漂流録」の中で、「エンゼル創薬」という名前で登場する創薬ベンチャー企業が、DNAワクチンの開発に名乗りを上げ、100億円に上る補助金を手にし、株価操作を仕組む姿が描かれている。これは正に現実を下敷きにしている。実際この問題は、ワクチン開発に知見を持つ専門家から当社の開発能力に対して当初から疑問の声が上がっており、昨年、現実の国会の場でも野党がその妥当性について質問・追及している。私も同じ疑問を抱いていた一人だが、国の会計監査が入るのでさすがに詐欺のようなことはできないだろうと思っていた。ところが、この本を読んで、現実にもワクチン開発に伴う補助金やオリンピック予算などは、ほとんど無監査の状態にあるということを知って愕然としてしまった。 しかも、DNAワクチン開発に伴う詐欺や株価操作の疑惑を大手メディアは、ほとんどといっていいほど報じておらず、海堂氏のこの作品によって知ることができるのみ。ジャーナリズムも機能しない中にあって、この小説が唯一真実を告発しているのだ。 幕末に瓦版が、この小説のように登場人物を仮名にして物語を流布し幕府批判の先鋒となったが、この3部作には、そうした昔の瓦版のあり様が重なって見えてくる。 海堂尊氏という作家は、予言的な作家ともいわれる。「ナニワモンスター」(2009年)という作品では、今回のようなパンデミックの到来により、この国が機能不全に陥る姿が正確に描かれていた。海堂作品では、虚実が目まぐるしく入れ替わり、その先に真実の物語が浮かびあがってくる。たぶん、海堂氏が、作家としてこの3部作のその先に見ているのは、この先突き進んでいくであろう混乱と零落、もっといえば崩壊かもしれない。 本書のタイトルのように、この国は、「狂騒」を経て「漂流」しはじめた。5年後、この3部作を人々は、予言の書と呼んでいるかもしれない。 | ||||
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