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(短編集)
殺しの掟
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殺しの掟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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ここが梅安シリーズの発端だったのですね。全編を彩る雰囲気はかなり陰惨というか暗いですね。どのストーリーも哀しいものばかりです。もっとも梅安シリーズの最後もかなり暗いですけど。たとえ話によってはそれなりのハッピーエンドが用意されていても、著者の描き方はかなりシニカルなものです。というわけで僕にとっては必ずしもあっという間に全編を読める作品ではありませんでした。 ここからスタートした仕掛人シリーズがあれほど継続されたのが不思議なくらいですね。ディテールと旅や梅安を囲む登場人物の増加で持たせたようなもんでしょうか。でも仕掛人の話というのはこのような描き方になってしまうのはある意味その本質からは当然なのでしょう。梅安シリーズの長寿はおそらくさまざまな要因が重なっての結果であり、必然的に最後はかなり破綻した構成になっています。そのため著者に相当のプレッシャーを与えたのかもしれません。 さて短い間に相当な数の仕掛け人ものを読みましたが、僕にとってはこのように一話で完結する短編の方が、引き締まっていて面白かったというのが正直な感想でした。 | ||||
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池波正太郎氏の、鬼平・小兵衛・梅安とくれば三大作であり、私の大切な蔵書である。 とりわけ、梅安と彦次郎の掛け合いは、読む者にとっては血生臭い殺しの場面を救う 一服の清涼剤と言いたい。本編に書かれている彦次郎は、梅安に傾倒し、信頼し、当初は 別個の仕掛け人であったが、やがていつも離れがたい盟友となる。本編では、彦次郎は 優しげな、大人しげな、そして凄みのある殺し屋であるが、本編に先がけて短編の 「梅雨の湯豆腐」があると知って、その彦次郎に会いたい知りたいと本書を購入した。 短編集「殺しの掟」は梅安に至る先駆けであり、私の希望通り彦次郎を知ることが できたが、この本では彦次郎は殺されてしまう。彦次郎そのものの描き方も少し荒く 本編に至る成熟度はないように思えたが、こんなことを言ったら先生に叱られそうだ。 でも面白かった。他にも、香具師の親分など本編をにぎわすメンバーが出場する。 | ||||
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「梅安シリーズ」の原型というのだから、必殺仕掛け人シリーズのご先祖みたいな小説だ。 しかし、この頃というか、テレビ時代劇の必殺シリーズとは違い、池波正太郎の殺し屋が出てくる小説は、人情小説なのだ。 殺す側、殺される側、そして殺しを頼む側、それぞれの都合と事情を描いたうえで、依頼は実行される。 世の中に殺されても良い、死に値する人間なんて、いてほしくないのだが、池波正太郎の小説の世界には存在する。 どうしようもないヤツなのだ。いてはそいつに関わる人が災いを受けるだけ。 そいつはもう十分、この世で法外な極楽を堪能しているから、もうそれ以上生き延びる必要はない。 そんな人たちが消えていく。 | ||||
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