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命売ります
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命売りますの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 1~20 1/5ページ
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金閣寺よりはましかな。 | ||||
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「命売ります」という人を食ったタイトル、そして連載誌は「プレイボーイ」。 早熟の詩人としてデビューし、「金閣寺」「豊饒の海」などの 格調高い文学も生み出している作家の、本作は肩の凝らない気軽に読める一作。 とにかく主人公はモテます。 抜群の体を持つ女性から、地味な図書館勤務の女性、怪しげな未亡人などなどより取り見取り。 ひょいと立ち寄った店でも彼が一声かけるだけであっという間に女性が釣れます。 でもそんな彼は人生に倦み、自殺を図って失敗し、自分の命を売り出す広告を出してるんです。 そんな彼のもとに様々な訳アリ人が訪れ…一見「勝ち組」っぽく進んで行くのですが…。 頭からっぽにして三島版俺TUEEE小説を楽しめます。 しかし、 「そりゃ四畳半の部屋だって、青い電気をつければ青くなるさ。…青くなったからって、別に、その部屋が海になったわけじゃないんだ。」 「彼が命を売るのは一回かぎりの行為であり、川へ花束を一つずつ捨てるようなものだった。その花束が拾われて、どこかの花瓶に飾られている、などということがあるべきではなかった。」 みたいな表現が散見されて、流石御大、油断はできません。 軽く読めるのに文学的香気も漂う、なんとも贅沢な小説です。 個人的には結末が消化不良でしたが、解説を読んでなんとなく納得しました。 | ||||
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★3.3/累計2126冊目/2024年81冊目/2月1冊目/『命売ります』(ちくま文庫/筑摩書房)/三島 由紀夫/P.272/1998年/680円+税 #読書 #読書2024 #読了 #読了2024 三島由紀夫は自殺する話が好きだ(そして本書を公開した2年後に本人も自殺)。主人公・羽仁男は「命を売る」広告を新聞に出し、意図と反してお金を得ながら生き延びていく。しかし、平凡な生活を手に入れるようになると「猫を抱いて寝ているように、温かい毛だらけの恐怖が、彼の胸に縋りつき、しっかりと爪を立てて」いるようになる。そしてラストは三島由紀夫よろしく「ここで終わり?」という内容で締めくくられる。生きたいと思ったり、死にたいと思ったり。人の生命感はつまるところ、軽佻浮薄なものなのかもしれない。 | ||||
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三島由紀夫の本はシリアスなものが多いのだが、この小説はおかしさもあり、面白かった。 | ||||
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"世界が意味があるものに変れば、死んでも悔いないという気持ちと、世界が無意味だから、死んでもかまわないという気持ちとは、どこで折れ合うのだろうか。"1968年発表の本書は自殺に失敗した青年が必要とも思えない自らの命を売ろうとする連作形式、スピーディーなエンタメ小説。 個人的に『金閣寺』や『潮騒』など、代表作数知れず、戦後の日本の文学界を代表する作家の1人による"隠れた怪作小説"という帯に惹かれて手にとりました。 さて、そんな本書は自殺しそこなって"何だかカラッポな、すばらしい自由な世界が開けた"青年、羽仁男(はにお)が、会社も辞めて、新聞の求人欄に"命売ります。お好きな目的にお使い下さい。当方、二十七歳男子。秘密は一切守り、決して迷惑はおかけしません"と広告を出したところ、さっそく不思議な買い手からの依頼『浮気した妻と一緒に死んでくれ』から始まり、続々と依頼が舞い込んでくるわけですが。 まあ。発表誌が当時の若者向きの雑誌『プレイボーイ』だけあって、厭世的な羽仁男はグラマー美人に怪しげな未亡人、同じく命を売ろうとする薬漬けのお嬢様と次々と関係を結んでいくわけですが。その展開の早さが次第にツボにはまってきます。 また、本書には『ACS(アジア・コンフィデンシャル・サーヴィス)』という謎の組織の存在が仄めかされ、全てのエピソードを繋げていくのですが。多少の駆け足感は感じましたが、終わりまでのテンポ良い展開は流石だなあと感じました。 著者ファンはもちろん、昭和の時代を感じさせる連続エンタメ短編に興味ある方にも是非。 | ||||
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"世界が意味があるものに変れば、死んでも悔いないという気持ちと、世界が無意味だから、死んでもかまわないという気持ちとは、どこで折れ合うのだろうか。"1968年発表の本書は自殺に失敗した青年が必要とも思えない自らの命を売ろうとする連作形式、スピーディーなエンタメ小説。 個人的に『金閣寺』や『潮騒』など、代表作数知れず、戦後の日本の文学界を代表する作家の1人による"隠れた怪作小説"という帯に惹かれて手にとりました。 さて、そんな本書は自殺しそこなって"何だかカラッポな、すばらしい自由な世界が開けた"青年、羽仁男(はにお)が、会社も辞めて、新聞の求人欄に"命売ります。お好きな目的にお使い下さい。当方、二十七歳男子。秘密は一切守り、決して迷惑はおかけしません"と広告を出したところ、さっそく不思議な買い手からの依頼『浮気した妻と一緒に死んでくれ』から始まり、続々と依頼が舞い込んでくるわけですが。 まあ。発表誌が当時の若者向きの雑誌『プレイボーイ』だけあって、厭世的な羽仁男はグラマー美人に怪しげな未亡人、同じく命を売ろうとする薬漬けのお嬢様と次々と関係を結んでいくわけですが。その展開の早さが次第にツボにはまってきます。 また、本書には『ACS(アジア・コンフィデンシャル・サーヴィス)』という謎の組織の存在が仄めかされ、全てのエピソードを繋げていくのですが。多少の駆け足感は感じましたが、終わりまでのテンポ良い展開は流石だなあと感じました。 著者ファンはもちろん、昭和の時代を感じさせる連続エンタメ短編に興味ある方にも是非。 | ||||
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三島由紀夫にこんなエンタメ小説があったとは。 さすがの発想力とスピーディな展開で、一気読みでした。面白かった! | ||||
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新聞紙の活字がすべてゴキブリに見えたことがきっかけで自殺を決意して失敗し、「命売ります」という新聞広告を出す序盤は魅力的。 その広告を見た依頼人が次々と現れて数珠つなぎ的にストーリーが展開し、全体としては長編となっている構成だが、正直言って個々のエピソードの魅力が乏しい。 物語運びの巧妙さに欠けているし、いまいち人間心理の掘り下げも足りないように思う。 「三島由紀夫」の看板がなければ、もう少しレビューの評価も下がったのではあるまいか。 「死を覚悟して自暴自棄になった主人公」、「数珠つなぎ的なストーリーが長編としてまとまる」、「物語運びの巧さ」、「人間心理の掘り下げ」といったキーワードで思い起こしたのは、山田風太郎作品の「棺の中の悦楽」。 こちらの方が面白いと感じたのが率直な感想です。 | ||||
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三島由紀夫の本を色々読みたいと思って購入しましたが、手元に有った本を間違えて購入してしまいました。 | ||||
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自身の自決する最後を思うと、何か予感するものがあったのでは、と感じさせる作品。裏読みしたくなるが、やはりさほどの出来ではなく、三島由紀夫が書いたというのが、最大のセールスポイントであった。 戯作と言うのが、正当な評価だろうか。そこそこ楽しめたのは確かだが。 | ||||
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三島由紀夫の本の中では一番好き | ||||
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三島由紀夫の作品はkindle化されておらず残念です。 評論では作者の死生観等々が表現されているなど書かれていますが、そんなことを抜きに素直に楽しめる作品です。娯楽小説も書いているところを想像すると、三島由紀夫へのイメージも大きく変わりました。 | ||||
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「週刊プレイボーイ」に連載されたものなので、短編の連作形式で読みやすい、娯楽作品です。 三島の警句や思想がちりばめられていて、三島由紀夫を理解するうえでも重要な小説だと思います。 ただ「起」「承」「転」の「結」の部分は、私の期待に合わなかったのでマイナス 1です。 | ||||
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文豪三島由紀夫さんらしからぬノンストップエンターテインメント。1968年くらいの作品見たいですが、これは21世紀の現代の作品としても十分通用するような、新鮮さがあしますね。いっそ、現代の方が受け入れられるテーマじゃないでしょうか。現代の日本社会なら本当にこんなことあり得そうな感じです。 節のつなぎ、つなぎの表現はやはり三島さんらしく耽美的な美しい言葉と表現でまさに日本文学なんですけど、ストーリー、内容は新進気鋭の若手作家みたいな意欲的な感じですもんね。三島さんのすごさを改めて確認させられる作品です。三島さんのために命を捧げた森田必勝さんのことを思って書いたみたいな文章をどこかで読んだ気がします。そう思うと感慨深く、また違った趣を感じる作品でした。 | ||||
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面白かったです。 | ||||
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最近、三島由紀夫を2冊読んだ。 大学生の時、周りには、三島由紀夫は必読書だ!みたいな空気が流れていて、代表作を何冊か読んだが、 ほとんど内容を覚えておらず、ちゃんと読んでなかったなあと、ずっと気にかかっていた。 最近のブームに便乗して、再び読んでみようという気になって、まず最初に「金閣寺」を読み返してみた。 「日本文学の最高傑作。ため息が出るほど美しい文章」 と言われているが、 私の頭では表現が難解すぎて、400項近い文庫本を読み終えるのはキツかった。倒れそうになりながらなんとかマラソンを完走した感じ。 やっと読み終わって、こりゃあかん、もっと容易なものをと思って次に読んだのが、 週刊プレイボーイに連載されたという「命売ります」 読みやすくて面白い。なあんだ、三島由紀夫もこんな文章書けるんだ。この路線で金閣寺も書いてくれればもっと理解できたのに、なんて思いながら読み進む。 この小説には、死への確信と、生への憧れに揺れ動く、 孤独と不安に包まれた主人公が描かれている。 前半は明るい心地よい小説が、進むに連れて、暗くて心に刺さるような内容へ変わっていく。 もしこの主人公が、三島由紀夫自身の死生観を代弁しているのであれば、 この小説を書いた2年後に割腹自決した三島由紀夫の心の動き、葛藤って、どれほどのものだったろう。想像もつかないし、恐ろしい。 この本を読んだら何故か、「金閣寺」にも、私に読みとれなかった何かがある様な気がしてきた。 もうちょっと経ったらまた読み返してみよう。 三島由紀夫を読みこなすのは、かなり根気がいりそうだ。 | ||||
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本書の作者を伏せて読まされれば、少なくとも私は三島由紀夫とは答えまい。それほど金閣寺、豊穣の海を書いた三島の作風とは様子が違う。 話は阿部公房的と言えるし、一部の文体や雰囲気は村上春樹的とも言える。甘ったるく、軽快で、キャッチーである。もちろん主観であるから、万人がうなずくとは思っていないけれど。 とにかく奇妙で不思議な作品である。 三島にとっては大衆小説であり、小品だったであろうが、遺作となった天人五衰の少し前の作品だから、その思想性がにじんでいないはずはない。「空腹である」と言うのを、「腹ペコ」と言えるように、本書では彼の死生観をとりわけ大衆的に書いただけである。 星をマイナス1としたのは、私はそれでも金閣寺や豊穣の海の方が好きだからであり、また本書は娯楽として消費され得るが、上記の方はそんなふうに消化するほど簡単でもなく、かえって噛めば噛むほど味わいが深まるように思えるからである。 私は消費よりも投資を望んでいる。が、こんな面倒なことを考えずに、本書を手にとって、純粋に読書を愉しむということを否定するわけではない。むしろ賛成である。 なぜなら、こんな面倒なことを書く私が、瞬く間にそういう読書の愉しみに引きずられていったのだから。 つまり、ここまでは閑話あって、本題は一言で終わる。 面白いから、読んだ方がよい。 | ||||
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#命売ります #命賣ります 1968 #三島由紀夫 #ちくま文庫 1998 #LifeforSale #種村季弘 解説 #サイケデリック冒険小説 ----------- 久々に読んでみた三島由紀夫。 私が著者について持ってるイメージは、硬質、構築的、雅言葉、思想性などを備えた重戦車のような作家であることです。この小説を読み始めて感じた違和感、その軽さ、浅はかさな一人語りにびっくりです。そもそも初出は1968年『週刊プレイボーイ』連載、イメージされる購読層の「女にモテたい」青年達に向けて書かれていたわけです。自殺に失敗した語り手が、新聞の求職欄に「命売ります」という広告を出すところから始まる似非ハードボイルド。前半は読者の期待に答えて美女達を「モノにする」挿話が語られます。ストーリーそのものが<文章=命>を大衆誌に売っている大作家の隠喩という皮肉。そもそも<活字が全てゴキブリに見えて世の中が無意味と感じたのが自殺の動機>という設定が、世の中の言説を嘆く著者の姿そのもののように感じられます。私が好きなのは、後半に入って主人公が死を恐れ始めるところからです。#飯能 への逃避小旅行。無意味を星空に解き放って、自らを「#星の王子さま」かもしれないと語るところが最も共感する下りでした。 1960-70年代、小説家は文筆業以外にも有名人として自らの社会的イメージをコントロールしなければいけない時代、結果的に三島由紀夫は市ヶ谷自衛隊駐屯地で事件を起こして、スキャンダラスに自決します。彼の残した高尚な文学作品とは異なる次元だと思っていた彼の人生の出来事との接点を考えさせるような作品でした。甲冑を脱いで、丸腰になった三島がカジュアルに語っている本音が垣間見えました。 | ||||
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三島由紀夫らしからぬ、前衛的な軽い作品。 自殺を失敗し、自らの命を売る仕事を始めた男と命を買う客達との話。命を売る人間は屑、命を買う人間は人生のどん底。 生への執着が恐怖をもたらすことを教えてくれる。 | ||||
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いがいにもエンタメ小説だった。読み切り探偵ものみたいな。どんでん返しみたいのもある。終わり方が純文学の人っぽくはあるが。 | ||||
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