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命売ります
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命売りますの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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金閣寺よりはましかな。 | ||||
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広告会社に勤める羽仁男はある日、新聞の活字がすべてゴキブリに見えてくる。「ああ、世の中はこんな仕組になってるんだな」と悟った途端、彼は死ぬことに囚われてしまう。そこで自分の命を売ると新聞広告を出したところ、次々と奇妙奇天烈な買い手が彼を訪ねてくるようになる…。 ------------------------------- 数年前、勤務先に近い大型書店で平積みになっていたのを記憶しています。その書店が力を入れて売ろうとしていて、目立つポップとともに並べていたのが気にはなったものの、今日まで手に取る機会を逸していました。 カバー背面の<裏筋>には「三島の考える命とは?」と意味深長な惹句が綴られていて、読書欲をそそります。 しかし、これはよく言えばブラック・ユーモア(ギャグ)小説としか感じられません。三島由紀夫の死生観をそこに読み解くという大そうな企ての対象にはおよそならないと思います。 文体は、どうみても星新一のショートショート風です。星新一は私も大好きですし、その飄々とした乾いた文体が、あの超短編群を常にシニカルで怖ろし気な結末へと読者をいざなうにはぴったりだと感じています。 その星新一流の筆致を当てはめて長編に仕立て上げたこの『命売ります』は、羽仁男の抱える奇妙な希死念慮をただひたすら冗漫に意味不明瞭なまま、吸血鬼や国際スパイ団といったホラーと冒険活劇を一緒くたにした法螺話で、私を260頁ものあいだ引きずりまわしていったのです。 この小説が週刊プレイボーイ誌に昭和43年(1968年)に掲載されたと、巻末の種村季弘の解説に教えられ、そこで少し合点するところがありました。「オールドミス」だの「トウの立ったフーテン娘」だのと偏見・差別の語彙が当時ならば許されるものだったとはいえ、それでも男性誌ならではの女性観が色濃く出ていて、それは三島の世界観でもあるでしょうが、三島が限定的な層の読者サービスをよりいっそう意識したうえでの言葉遣いであったようにも想像します。読者に阿(おもね)った文体、と言うと語弊があるかもしれませんが、そこは売文業に携わる者としては一定程度の評価はできるのではないでしょうか。つまり、読者層を意識したうえでの巧みな筆致だと私は褒めたいのです。 三島自身はこの小説発表後のわずか2年後に自ら命を絶っています。そこで、死を鴻毛の軽きに比した三島自身と、物語の終盤で命に執着を感じ始めた羽仁男とを比べると、三島は羽仁男的な読者層を侮蔑していたと深読みすることもできるかもしれません。作家自身が死に先立つ2年前に、世間に向けて放った皮肉に満ちた礫(つぶて)だったのではないでしょうか。だからこそあまりありがたくは感じないのですが。 ---------------------------------- この『命売ります』は「あの三島由紀夫がこんな怪作を遺していた」といった論調で販促が行われたようですが、私が思うに、ずっとお勧めの三島の怪作は以下の書です。 ◆三島由紀夫『 美しい星 』(新潮文庫) :30年以上も前に私はこの小説で初めて三島由紀夫に出会いました。三島由紀夫って馥郁とした文学臭が強い作家だ、と勝手に思い込んで食わず嫌いでいたのですが、これは神とは何かといった三島の宗教観が読み取れるSF作品であり、抜群に面白い怪作でした。 . | ||||
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極上のエンターテイメントだと帯に書いてありますがエンターテイメントとしてはB級以下で期待外れに終わります。 景色や人の動きの表現力がとても高いですが、読み終わってみるとストーリーは炭酸の抜けたコーラだと気が付かされました。 漫画に例えれば絵はとても上手いけど話はジャンプ10週打ち切りコースです。 一応伏線は全て回収しているのですが最後はえ?ここで終わり?と言う物足りなさがあります。 ここで絶賛や深読みしている人たちも著者が三島由紀夫でなく、無名の作家ならば評価も無く記憶から消えて行く作品では無いでしょうか。 かくいう私も帯の広告に騙されて購入した一人に過ぎませんが。 | ||||
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なんだかいきなり売れているそうなので読んでみた。三島は純文学作家としては三文作家だが、『美徳のよろめき』とか『永すぎた春』とかの通俗小説はうまいので期待した。しかしさすがに『プレイボーイ』連載、しかも1968年とだいぶおかしくなった時期のそれなので、星新一のできそこないみたいなものになっていてバカバカしいことこの上ない。 | ||||
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