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命売ります
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命売りますの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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★3.3/累計2126冊目/2024年81冊目/2月1冊目/『命売ります』(ちくま文庫/筑摩書房)/三島 由紀夫/P.272/1998年/680円+税 #読書 #読書2024 #読了 #読了2024 三島由紀夫は自殺する話が好きだ(そして本書を公開した2年後に本人も自殺)。主人公・羽仁男は「命を売る」広告を新聞に出し、意図と反してお金を得ながら生き延びていく。しかし、平凡な生活を手に入れるようになると「猫を抱いて寝ているように、温かい毛だらけの恐怖が、彼の胸に縋りつき、しっかりと爪を立てて」いるようになる。そしてラストは三島由紀夫よろしく「ここで終わり?」という内容で締めくくられる。生きたいと思ったり、死にたいと思ったり。人の生命感はつまるところ、軽佻浮薄なものなのかもしれない。 | ||||
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新聞紙の活字がすべてゴキブリに見えたことがきっかけで自殺を決意して失敗し、「命売ります」という新聞広告を出す序盤は魅力的。 その広告を見た依頼人が次々と現れて数珠つなぎ的にストーリーが展開し、全体としては長編となっている構成だが、正直言って個々のエピソードの魅力が乏しい。 物語運びの巧妙さに欠けているし、いまいち人間心理の掘り下げも足りないように思う。 「三島由紀夫」の看板がなければ、もう少しレビューの評価も下がったのではあるまいか。 「死を覚悟して自暴自棄になった主人公」、「数珠つなぎ的なストーリーが長編としてまとまる」、「物語運びの巧さ」、「人間心理の掘り下げ」といったキーワードで思い起こしたのは、山田風太郎作品の「棺の中の悦楽」。 こちらの方が面白いと感じたのが率直な感想です。 | ||||
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自身の自決する最後を思うと、何か予感するものがあったのでは、と感じさせる作品。裏読みしたくなるが、やはりさほどの出来ではなく、三島由紀夫が書いたというのが、最大のセールスポイントであった。 戯作と言うのが、正当な評価だろうか。そこそこ楽しめたのは確かだが。 | ||||
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最近、三島由紀夫を2冊読んだ。 大学生の時、周りには、三島由紀夫は必読書だ!みたいな空気が流れていて、代表作を何冊か読んだが、 ほとんど内容を覚えておらず、ちゃんと読んでなかったなあと、ずっと気にかかっていた。 最近のブームに便乗して、再び読んでみようという気になって、まず最初に「金閣寺」を読み返してみた。 「日本文学の最高傑作。ため息が出るほど美しい文章」 と言われているが、 私の頭では表現が難解すぎて、400項近い文庫本を読み終えるのはキツかった。倒れそうになりながらなんとかマラソンを完走した感じ。 やっと読み終わって、こりゃあかん、もっと容易なものをと思って次に読んだのが、 週刊プレイボーイに連載されたという「命売ります」 読みやすくて面白い。なあんだ、三島由紀夫もこんな文章書けるんだ。この路線で金閣寺も書いてくれればもっと理解できたのに、なんて思いながら読み進む。 この小説には、死への確信と、生への憧れに揺れ動く、 孤独と不安に包まれた主人公が描かれている。 前半は明るい心地よい小説が、進むに連れて、暗くて心に刺さるような内容へ変わっていく。 もしこの主人公が、三島由紀夫自身の死生観を代弁しているのであれば、 この小説を書いた2年後に割腹自決した三島由紀夫の心の動き、葛藤って、どれほどのものだったろう。想像もつかないし、恐ろしい。 この本を読んだら何故か、「金閣寺」にも、私に読みとれなかった何かがある様な気がしてきた。 もうちょっと経ったらまた読み返してみよう。 三島由紀夫を読みこなすのは、かなり根気がいりそうだ。 | ||||
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#命売ります #命賣ります 1968 #三島由紀夫 #ちくま文庫 1998 #LifeforSale #種村季弘 解説 #サイケデリック冒険小説 ----------- 久々に読んでみた三島由紀夫。 私が著者について持ってるイメージは、硬質、構築的、雅言葉、思想性などを備えた重戦車のような作家であることです。この小説を読み始めて感じた違和感、その軽さ、浅はかさな一人語りにびっくりです。そもそも初出は1968年『週刊プレイボーイ』連載、イメージされる購読層の「女にモテたい」青年達に向けて書かれていたわけです。自殺に失敗した語り手が、新聞の求職欄に「命売ります」という広告を出すところから始まる似非ハードボイルド。前半は読者の期待に答えて美女達を「モノにする」挿話が語られます。ストーリーそのものが<文章=命>を大衆誌に売っている大作家の隠喩という皮肉。そもそも<活字が全てゴキブリに見えて世の中が無意味と感じたのが自殺の動機>という設定が、世の中の言説を嘆く著者の姿そのもののように感じられます。私が好きなのは、後半に入って主人公が死を恐れ始めるところからです。#飯能 への逃避小旅行。無意味を星空に解き放って、自らを「#星の王子さま」かもしれないと語るところが最も共感する下りでした。 1960-70年代、小説家は文筆業以外にも有名人として自らの社会的イメージをコントロールしなければいけない時代、結果的に三島由紀夫は市ヶ谷自衛隊駐屯地で事件を起こして、スキャンダラスに自決します。彼の残した高尚な文学作品とは異なる次元だと思っていた彼の人生の出来事との接点を考えさせるような作品でした。甲冑を脱いで、丸腰になった三島がカジュアルに語っている本音が垣間見えました。 | ||||
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いがいにもエンタメ小説だった。読み切り探偵ものみたいな。どんでん返しみたいのもある。終わり方が純文学の人っぽくはあるが。 | ||||
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たしかに「そんなんゆっといてや」という怪奇趣味の作品。 ただ、「全学連」「ヒッピー」「グループ・サウンズ」の時代背景や男尊女卑思想を随所に色濃くちりばめているので、煽られて読んでみると、前半のSFショートショートな設定よりもこちらの方が浮き出て見えてくる。 「ただあんた方が、人間を見れば何らかの組織に属していると考える、その迷信を打破してやりたいんだ」 という主人公の叫びは、組織や秩序が大好きだった三島先生の代弁者ではないことは確か。 | ||||
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ドラマのほうが良かった | ||||
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普通に読めました。 | ||||
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いつもの三島由紀夫を期待すると肩すかしかも知れない 読みやすいが軽く平坦な印象も抱く 所々は面白いし全体としてストーリーが濃くあるけど 今の時代に三島を読む人はこのような作風は求めていないと思う 三島でもこういうのあるよ、という作品 | ||||
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三島由紀夫氏の作品は過去、随分読んだつもりでしたが、この作品の存在は知りませんでした。本作は、氏の生誕90年である2015年に、何故か突然売れ始め重版。なんと丸善や紀伊国屋で文庫週間ランキング1位になってしまったそうです。所謂「文豪の自分だけの“隠れた名作”を再発見したい。」という読者熱?ブーム?のようなものが起きつつあるのでは?と解説している方もいるようですが、本当の理由は判りません。三島由紀夫氏自身も草葉の陰で流石に、この現象にはびっくりしているのではないでしょうか? 主人公は、売れっ子のコピイ・ライター。(表記そのまま) 読んでいた新聞の内側のページが、蛇が脱皮するように、ズズっと下に落ちたことをきっかけに、今の自分の気持ちには自殺が似合っている!と倏忽と自殺を決心します。睡眠薬を飲んで、終電に乗り込むも、助けられ自殺に失敗。ただし、彼の気持ちは、今風に言うとリセットされ、解放・・・。 生きるという事に執着しなくなった主人公は、自身の命を売ることを思いつきます。実に様々な依頼者が訪れ、主人公は彼らに命を売りますが、覚悟があり過ぎるゆえか、(肝が据わり過ぎている?)何故か死ねずに、都度生き残ってしまいます。 しかしながら、その後、妙な事件に巻き込まれ、命を狙われることに・・・。自分の意志で死ねなくなった途端、主人公の気持ちは変わって行き・・・。 本著は1968年から「週刊プレイボーイ」に連載されたものだそうです。1968年と言えば、三島氏が“盾の会”を結成した年(割腹自殺する2年前)ですが、その精神状態の中でこのようなエンタメ性の強い作品を執筆したということが、自分の中ではどうしても繋がって来ません・・・。 三島作品というと、自分にとっては文章も描写も流れるように美しいイメージがあるのですが、本作は少々毛色の異なる作品かと・・・。まさに、天才、三島由紀夫氏の意外な一面を知る事のできる1冊だと思います。 もう直ぐ「令和」を迎えます。そんな時に、ふたつも前の元号となる、昭和時代の文豪の作品を読むのは、逆に新鮮な気持ちがします。そんなところに、この読者熱?ブーム?の背景があるのかもしれませんね・・・。 | ||||
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三島由紀夫が書いた!っていうことで、あの三島がこんなモノを書いていた!っていうことで、それだけで話題になってる感が強い「面白くない本!」っていうこと。 なんなんでしょう、これって! | ||||
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最近の小説っぽくて、軽やかでいい、でももう一度読み返したいとは思わない。 | ||||
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三島由紀夫は、死さえもユーモアとしてしまうのだろうか?主人公は、自殺の求人広告を出す。 「命 売ります」果たして、ここからどのように出来事が展開されるのだろうか?物語を読んでいると死から生の本質を探求かのようにも思える。決して映画には出来ない物語。しかし、真実味を帯びている。命のつまらなさという自意識がゆえのに起こる面白さがある。そして散らばった三島イズムは、なぜか読者にこの男の死を追いかけさせてしまう。スパイや吸血鬼といった世界も点綴されている。まるで死がまがいものであるかのように生を見せる。どこか秘密めいた一人の男の人生が描かれている。こんなにも命を投げ出した男が魅力的なことがあろうか? 全く謎めいた主人公の存在が今も物語とともに心に残っている。 | ||||
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皆さん「三島なのに」とか「三島だから」などといろいろ書いて おられて、私も好奇心に駆られて購入しました。が、すみませんが 私には面白くも何とも感じられませんでした。おそらくは三島作品 でなかったら、誰も読む気になれなかったと思います。この程度の エンタメ作品は今の作家さんは普通に書けているのではないかと。 | ||||
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三島由紀夫にこんな作品あったのか、ていう本でした。 本屋で平積みにされていたので思わず衝動買い。 想像以上に取っつき易かった。 ストーリー:自殺未遂を起こした男が、一度捨てかけた命、と「命売ります」という商売を始めた。その結末やいかに…。 個人的にはそれほどストーリー自体は面白いとは思わなかった。むしろ、何気ない文章の中に三島の死生観がにじみ出ているようで、そうしたところに本書の魅力があるように思う。 | ||||
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「あの三島由紀夫の極上エンタメ小説」という触れ込みで評判も上々、よく売れているらしい。これは読まずばなるまいぞ。そう思って読み始めると、なんだかちゃちだ。自殺に失敗し、死を恐れなくなった主人公が己の命を売りに出し、図らずも様々な事件に巻き込まれていく。確かに主人公はニヒルだし物語のムードはハードボイルドで格好いい。また、三島ならではの独創的な比喩や語り口も楽しめる。でも、主人公が遭遇する事件のひとつひとつがどうにもちゃちい。2大国間のスパイ合戦の謎解きなんかチープの極みで、終ぞこの小説の作品世界にのめり込むこと叶わなかった。初出は昭和43年のプレイボーイ誌上だったようで、当時私は小学校の高学年。まだプレイボーイ誌を購読する年齢ではなかったものの、そろそろ思春期に突入か、という年頃だった。当時の記憶は鮮明だが、作中人物たちの台詞を読むにつけ、あの頃の日本人ってこんな日本語を喋っていたっけ?と思ってしまった。ハードボイルド小説の主人公や殺し屋が、こんなに女性的で上品な(?)物言いをしているのが信じ難い、と今日的な感覚ではそう思ってしまって苦笑させられた。 | ||||
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睡眠薬自殺に失敗した羽仁男が、生きていても仕方が無いが、自殺のやり直しも億劫だと思い、命売りますの新聞広告を出して物語は始まります。 三島先生は、一番目か二番目に好きな作家なのですが、これにはあまり魅力を感じませんでした。時々出てくる流石というべき描写、フレーズにはアイデンティティーがあるとしても、帯にあるエンタメ小説としての面白さがあるとは思いません。このカテゴリには、読み手の心をぐいぐい揺さぶる現代作品が沢山あります。 | ||||
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