苦役列車

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評判

苦役列車の評価:

3.84/5点 レビュー 276件。 C ランク

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平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全184件 81〜100 5/10ページ
No.104
(3pt)

ただの私小説じゃあない

この人文章がうまい。芥川賞作家にこういう言い方も失礼だが、ぐんぐんひきこまれるうまさを感じられた。文学界の対談にものっていたが、すべての表現に効果を期待しているとのこと。納得。私小説というのはとかく露悪的な面が強いジャンルでもあるとは思うが、わざと悪い面を体感的に気持ち悪さとして読者に伝えることに執心しているのではないか?と勘ぐってみた。というのも、読後感としては、ある意味最悪だったからだ。あとで思い返して「これも計算だったのでは?」と思った次第。やや物事を裏面からみる単純化された観点があるものの、それもまた一つのキャラとして考えれば納得がいく。

 蛇足ではあるが、同時受賞の「きことわ」に比べてとても読みやすく、かつ肉感的に迫る小説の醍醐味があるような気がした。私小説なので、表現の幅はともかく書かれるキャラの幅に限りがあるとは思うものの、人物自体の考えにバラエティがでてくるともっと面白いのではないかと愚考。いわば一連の作品が認識面での成長小説のようになっていければ今後もっと面白い展開がみられるのではないかと期待している。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.103
(3pt)

私にとって初の芥川賞作品でした

本書の著者である西村賢太氏は、芥川賞受賞作家としては異色な経歴の持ち主で、その個性的なキャラからも

ニュースや文芸誌でも注目を浴びました。私もそんな彼がいったいどういった作風を醸し出すのかとても興味が

湧き、手に取った次第。まったく内容としては華々しさも、ハッピーな展開もあったものじゃない。ただあるのは、

中卒であり、父親が性犯罪者であり、日雇いで日銭を稼ぐ人足のありのままの姿。

主人公がなにが凄いわけではない。こんな奴だったら今の日本にでもいくらでもいる。この本では、そんな彼らの生活態を

如実に描き、心情や葛藤を代弁している。…「世の中には、自分より駄目な奴はいる」そう感じたのなら、この本の投げかける

意味を十二分に汲んだことになるでしょう。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.102
(3pt)

なんか惜しい

読みやすく面白かったです。 ただラストが…。 ラストがただの説明文ってのは小説としてどうなんでしょう。もう少し含みを持たせて…というと、それはそれで臭くなるのかもしれませんが、もう少し考えて欲しかったです。主人公が19歳時点のまま終わっても良かったし、どうしてもその後を書きたいなら説明調にならないようそれなりにきちんと書いて欲しかったですね。 あと、あくまで私小説と銘打ってるんですから 文学だ映画だと語りながらも郵便屋止まりだった日下部〜〜的な文章に対し、寛多は日下部も羨むであろう一人前の作家になってるんですよね。底辺のならず者を描いているのであれば、あの部分は計算ミスだと思います。 面白かった分、残念な箇所が目について惜しいです。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.101
(3pt)

読みやすかったですが・・。

薄いので2時間半ほどで読み終えました。
「こうはなりたくないなぁー、」と思っただけでした。('・ω・` )
不景気な日本を中卒の人がたくましく生きていく話とばかり思い込んでました。
予約で10万部売れたそうですが私と同じ人が多かったのではないかと思います。
内容が悪いのではないですが、内容が『以外過ぎ』でした。(あくまで私見です。)
この私のレビューを読んでから読むと先入感を持たずに読めて別の感想に至るかもです。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.100
(2pt)

いまいち

私小説だからこんな感じだろうか、あまり期待しすぎたから期待はずれでした、
文語的な言い回しが少々癇にさわり、
苦役列車とは大仰で、私の周りには苦役列車にもっと思い荷物を積んだ人生を
送っている人がいます。
総じておもしろくない小説。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.99
(3pt)

今日的私小説の世界

マスコミによる批評の数々を眺めれば、久々の本格的私小説といった評価が並んでいるようだ。同受賞作品を一読したところ、確かに際立って個人的な事柄を題材に、恥部や暗部をこれでもかというくらいにさらけ出し、独特の筆致で一編の物語りにまとめ上げている。

だがどうも、おいらが永い間受け入れてきた「私小説」とは異質なのだ。例えば太宰治、坂口安吾といった昭和の巨匠作家たちのような、芸術文学に殉ずるといった志向性を感じ取ることが出来ない。

西村氏の極私的生活の中でのあれやこれやは、派遣事業者によって搾取された貧困が故の困窮だったり、父親が猥褻罪で逮捕されたという身内的の恥的体験だったりと、特殊な環境に由来するのだが、それらを越えるテーマが皆目見当たらない。たぶん作家自身によって設定されることがないのではないかと思われるのだ。

私生活を越えるテーマを持ち得ない作家が芥川賞を受賞する意味は、はてな、如何なるものなのだろうか?

中上健次の再来と評する向きもあるようだが、残念ながら、それほどの凄みも感じさせることはない。

苛酷な労働環境に身を置きつつ「苦役列車」の旅を続ける作家の私生活は惨めで滑稽でさえある。この芥川賞作家は、これからどのような未来を描いてゆくのであろうか? 個人的にはどうでもよいことではあるが、少々の関心は持ち続けていきたいと思うのである。
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4101312842
No.98
(3pt)

一気に読めて、読み返す

購入して一気に読みました。描写的に苦手な表現が所々見られましたが苦痛に感じ、本を閉じる程では無かったので一気に読みました。諸方が内容について詳しく述べているので割愛致しますが、もう一度じっくり読みなおしてみたいと思ったのが本音です。主人公の(多分著者ご本人)その日暮らしから小説を書くに至るまでの移行が余りに唐突で「え?!」頭の中に疑問符が散らばってしまいました。芥川賞を受けられた小説なので興味本位で手に取りましたが、「引き込まれた」等、読み終えた充足感は残りませんでした。もう一度じっくり読んでみようと思っています。自分の感想が変わる事を願って・・・
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4101312842
No.97
(3pt)

これから、もっともっと

西村さんの小説初めて読みました!芥川賞がどのこうのって言われてますが、候補にならなければ手に取らなかった小説がいくつもあり、その中には素晴らしいものがいくつもあったので、やっぱり必要な賞だと思っています。父親のことも本格的にこれから書いていくとインタビューでおっしゃってましたし、これからもっともっと書いていかれると思います。はっきり言って、こんなものじゃないだろうという思いもありますので、これからに期待です。過去の著書を見ていないので何とも言えませんが、もっともっと壊れて、吐きだして、人間の黒い部分をもっと出してほしいです。でも、この方、お父さんの件で人生一変しただけであって、根底にある部分は優しく、文学少年ぽいし、悪ではないのでしょうね。どちらかというと癒し系?すっとぼけた部分があると思う。
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4101312842
No.96
(3pt)

出口が見つからない感じがした。

とことん落ち込みたいときに読むとよいかもしれません。なんかだ出口がないままに終わってしまった印象です。すごくごつごつとした感じの文体であり、重苦しい。実際に、このような生活をしている人は多そうな気がします。アングラな横町のイメージで、昔の肉体労働者=立ち飲み屋(コップ酒)のイメージが浮かび、なんとも言えないやるせなさとコンプレックスの塊を投げつけられたような感じでした。(今は立ち飲み屋が割とお洒落となっている様子ですが…)常にトラブルの中に身を置き、イライラしている様子が伝わってきます。
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4101312842
No.95
(1pt)

「男」への嫌悪感満載

勝手な感覚で失礼しますが、
元々の男性不振が、さらに男性嫌いにさせられました。
でも、きっとこれが「雄」の実態ですよね。
プライドとか見栄とか全部取り去った姿なんでしょうか。
いやぁ、とにかく読んでる間、
いや〜な気分が続き、最後に救いがあるかと思って
頑張りましたが、、、
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.94
(1pt)

どうなんだろー??もっと書けるんじゃないか?な?

3回読みました。春秋の全文掲載で読みました。まず、苦役列車って題名は、なんなんだろー?僕には意味不明。賞受賞の報道やナンカで、西村さんの写真を拝見したとき、お!しばらくぶりに(いい?顔をしたモノ書きがデテキタゾ・・なんか、ナカガミの様に怒った顔をシテイルゾ・・期待大・・早速・読むよ・・・・)とばかりに楽しみにしていたのに。西村さんとほぼ同年代です。私は、昭和39年の生まれです。んん、あの、これを読んでいてくださる方で、同年代の方?どうでしょう?こんな私小説って何なんでしょうか?僕らの時代の19歳?どんな仕事でも、ありました。たしかに西村さんの様な仕事もありましたし、5,500円が?いいギャラなのか?低い?ギャラなのか覚えていませんが、西村さんの書くこの苦役列車の環境が、私にはどうしても(苦役?)に感じないのです。高等学校へ進まなかった?大学での教育を受けてない?安いアパートに住み(トイレも共同)汚くて不衛生?・・・当たり前でした。大きなお金を援助してもらっていた友人達も僕の周りには、沢山いましたし、彼ら彼女達は、小奇麗なマンションに住んでいました。が?しかし、それは、親の環境ですよね、自分の働きや才能?じゃなかったハズですよね。金が?なかったから、なんとかしようとイロイロ頑張ったり、人間関係を円滑にするべく努力したり、上司に可愛がってもらいたくてイヤイヤお世辞を云ったり。ワードプロセッサが発売されたり、CPが身近になってきたり、携帯電話が必需品になったり、日常のトヤカクに我慢できなくなり全てをヤリナオシテミタリ・・・当たり前ですよね。なんで?苦労?なんですか?なんかこの書き手のこの書き方で苦労?みたいなモノを感じてしまう今のご時世って何ナんだろう?直木賞って、何だ?西村さん?こんな事かいて?僕たちの様な大人になった人間って?もっとやらなきゃならない事が山積してるぜ!何で寝てるんだよイツマデモ!子供達が世界中で苦しんでいたり、国をツカサドル奴らの無能も正さなきゃならないし・手伝うべきだし!近所の老人が路で倒れてたりするし・小学生が変質者に追われているし・なんか!おい!何?寝ぼけてるんだ・・西村さん?そんな事40も過ぎて書き、仕事にするなんて!わかんないよ!ワケわかんないよ。。受賞時写真を今、ヨクヨクみたら、なんかフヤケタ顔だ、怒って無かったよ。。残念。直木賞を選ぶ先生方も、ダメ。。。だめだ。。。。。。
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4101312842
No.93
(2pt)

「創り込み」が足らない〜もし現代社会情勢が無ければ.....

受賞後のインタビューによると、本作の内容は「9割方、自身の体験談」だと言う。私小説に一生を捧げる意志を標榜している作者らしい言説だが、その姿勢も上述の回答もファイクだとの印象を受けた。元より、身辺に起こった出来事をそのまま綴るだけでは文学足り得ず、何らかの創り込みが必要であるが、本作の特徴は以下の点にあると思う。

(1) 「主人公貫多=作者」のように見えて、作者は貫多を突き放し戯画化している。貫多の行動・心理描写を通じて笑いを取っている感もある。
(2) ワザと昭和初期の私小説作家のような文体・言葉遣いをして、それらしい雰囲気を醸し出す一方、親しい事を「intimateな」等と貫多に似合わない表現をして、読者に妙な違和感を抱かせている。
(3) 貫多の置かれている状況を、就職難・雇用不安と言った現代社会情勢に合わせている。ともすると、貫多の身の上に共感を覚える読者もいるかもしれない。あるいは、貫多に対し優越感を抱く読者もいるかもしれない。
(4) 貫多に対比する人物として日下部というスノッブな男を配し、二人の距離間を「友人めいた関係→反目関係」として描き、貫多の孤立性(孤高ではないだろう)を浮き彫りにしている。

作品のテーマとしては(3), (4)が主で、日常がどんなに困難でも人はそれなりに生きて行かねばならない、という趣旨だと思う。だが、貫多の性格・行動は常識の範囲内であり、ピカレスク小説という程に日常を逸脱している訳ではない。(3)の現代社会情勢が無ければ注目さえ受けなかった作品なのではないか。その意味で、「創り込み」が足らないように映った。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.92
(3pt)

強烈なにおい

土埃、泥、汗、体臭と”ぬめり”を強烈に感じるような小説。
難を言えば、文体は、ところどころ古めかしい言葉を用いて、ダラダラと妙に長い一文が続く。
男っぽい、力強い言葉を使い、猛々しいかと思うと「おそば」「お菜」など、不意に丁寧な言葉で表現されるので、少しとまどった。
性犯罪加害者の父親を持つ青年、貫多が主人公。
貫多が、やがて親しくなるのは、学生アルバイトの日下部。
初めは、貫多が優越感を持って付き合うが、やがてあることがきっかけで逆転が起きる。
この心理描写と展開はわかりやすい。
誰もが、こういう心理状態に陥ることがあるからだ。
このねじれた心は、加害者を親に持つ青年だけが持つ特有の感情ではない。
誰もが、今まで自分の方が優れているという思い上がった気持ちがあれば、真実を知り、相手の方が恵まれている、優れていると感じた時、プライドが傷ついた時のダメージは大きい。
友情が、ひがみ、ねたみ、劣等感、憎悪に切り替わる時の反動はすさまじく、負のエネルギーが爆発する。
貫多は「どうしようもない男、哀れな男」でもある。
だが、この世の中、誰もがどうしようもない人間であり、悲しみを抱えていると思う。
その事に気付いているか、気付いていないだけの差なのかもしれない。
人生自体が、苦役とも言える。
日下部達に毒舌を吐きながらも、自分自身にも唾を吐いている事を自覚している悲しさが、こちらにも伝わってきた。
格差社会、持って生まれた運命、甘っちょろい生き方への、憤りの挑戦状とも感じられる。
文体は粗いし、好みは分かれると思う。
特に若い女性には、苦手な部類に入りそうな作品。
だが、メッセージは力強い。
性表現が露骨で荒々しく、独特の古い言い回しも多いので、どちらかと言えば、男性向けの小説だと思う。
★は3・5
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.91
(3pt)

私小説である迫力と、おぞましい付き纏われ感が残る

性犯罪者の父親を持つ人間の私小説であるということを知っていて読むと、より物凄さを感じます。主人公の貫多に対しては、「こういう人間とは付き合いたくない」という感情が湧きます。友人の借金も返せず、家賃も踏み倒すとんでもない人物で、「それでも憎めないところ」というものが全く存在しない、おぞましさというか、嫌な付き纏われ感が残ります。その次に、絶望感とか、寂寥感とか、無力感とか、そういったことを感じさせます。貫多のような人間を切り捨てる訳にもいかず(少なくとも表面的には)、国政を担っていかなければならない政治家や官僚というのは何なんだろうとも思います。

私にとって小説というのは、主人公が一連の人との繋がりなどを通じて、何らかの形で「成長」することに、その価値というか、読む楽しさを見出すものだと思っており、それからすると、本書は本当に全く異質な衝撃的な作品であり、ずっと気持ち悪さが残っています。それだけ、文学的にはレベルの高い作品というか、受賞には値する作品ということになるのでしょう。

こういう作品もあるということです。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.90
(3pt)

「苦役」と言うには軽すぎる

「話題の本」を読むのはほぼ初めて。
どれだけ重いテーマが…と期待して読み始めると、裏切られる。
非常に軽い。テーマも軽いし、読後感も軽い。

つまらないわけではない。読んで損はない。
「中卒+日雇い」というまったく違う世界の19歳の日常に、「なるほど、こういう生き方もあるんだ。ふーん」くらいの感想は得られる。

しかし、まったく共感はできない。境遇が違いすぎる。
その割には、主人公の背負うものが軽すぎるし、あまりにも低俗な「酒、タバコ、風俗」の生き方に感情移入さえもできない。

出張中の時間つぶしには良かったので後悔はない。
しかし、これで芥川賞はちょっと…。

自宅に戻り「人間失格」を開き、その格差のあまりの大きさに愕然とする。

「文学」というものが、現在の日本では切実な存在ではなく、せいぜい「やや高尚な暇つぶし」程度の位置付けということなんだろう、と自分を納得させるしかない。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.89
(2pt)

「商品の説明」に決定的な誤記が…

作品云々よりもまず、「商品の説明」の誤字を指摘したい。(誰か早く直してほしい)

内容(「BOOK」データベースより)
友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫太。…(2011年2月12日現在)

主人公の名前は「貫太」ではなくて「貫多」では!?

レビューを書く人が登場人物の名前を書き間違えてるのはさらっと読み過ごすのですが、「商品の説明」で登場人物(しかも主人公!)の名前を間違えたまま放置されているのは、見過ごせないなぁ。著者にも失礼ではないかと…。

(レビューを書く気にはなれないので、今日はここまで)
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.88
(3pt)

駄目なものには魅かれるが・・・

駄目人間の仲間の僕としてもすんなりと共感できないほどの駄目さ加減がいい。しかし、その文章表現はとってつけたような・・・昔の小説家やガロ系漫画家達からの影響をつぎはぎしたような“なかなかリズムにノレない”ギクシャク感があって、読むうちに不快感に襲われる。普通に書きゃいいのに・・・と素直に思う。その言い回しというかノレない小栗虫太郎のような底の浅い虚飾に満ちあふれた文章は、秋葉オタク系のような作者の見た目のようではある。

文芸春秋に掲載されている、ある芥川賞選者の選評に「現代のピカレスク」とあるが、果たしてそうだろうか? 裕福な家に生まれた選者の、自身とは真逆の汚さへの憧れというか、もしかしたら内心は侮蔑の様な感想である。裕福なる選者には決して西村氏の様な人間やその精神世界など理解できるはずがない。ものは言いようだが奔放・・・で貞操感のない奇をてらっただけのくだらない性交渉や恋愛にうつつを抜かす物語ばかり受賞する様なイメージがあって芥川賞受賞作なんて読まないのだが、今回は魔が差したのだとため息ばかり。ま、夜読むのはインスマスがいいと言う同受賞のもうひとりの女性作家による「きことわ」を読んでいる途中で、今回の受賞作は2つともこれまでのものとは違うのだな? と少し安心したのです。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.87
(3pt)

文学の限界

十数年ぶりに文藝春秋を購入してこの作品を読んでみましたが、「えっ、この程度で芥川賞?」というのが率直な感想。

漫画の福本 伸行の「最強伝説 黒沢」に、つげ義春の「無能の人」を混ぜて「畢竟」だの、「陥穽」だのの死語すれすれの言葉を添えてあるだけの作品に思えた。

ま、これが日本の文学の新人賞のであることは間違いないのだから、文学ってこんなものなんでしよう。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.86
(3pt)

何ともいえない不思議な文体

口語的に気軽に読めるような文体でありながら、いつの時代の言葉なのというような熟語が現れるという摩訶不思議な文章。そこに綴られた内容は人生を早々に諦めた人間の青春の記録?私小説ということですが、自分をここまで客観的に見つめていられることに著者の力強さを感じます。
 ただ、個人的には朗読できるような文体の小説が好きなので、ちょっと苦手な作風した。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.85
(2pt)

野坂さんはどう読むだろう?

発表と同時にその作品を読むなんてことはこれが初めてである。「限りなく透明に近いブルー」などいまだに読んでない。感想は、大衆文芸誌の性風俗特集小説の一篇としか思えなかった。少年が浮かぶ瀬もなく塵芥(ちりあくた)のように、人生の川を流されてゆくのだが、芥川賞というより、芥側症といった感じだった。こういう「蟹工船」みたいな身も世もない貧乏小説は今時、珍しいのか。社会色の強い「蟹工船」というよりも、「私」小説の復活とでもいうのだろうか。

 彼の性格の悪さや救い難いねじ曲がり方というのは、描写はたしかに正直ではあるが、自分と比べてもそんなにヒドイことはないと思う。たしかに父親が性犯罪者で有名とかいうのは異常というか特殊な環境であるとは思う。だが、特殊な環境でそうなってしまったんなら読む方は「それじゃ無理もないな」と感じてしまう。

 人間の心理心情は特殊な事情を設定しなくても、もっと真っ黒い注連縄のごとくであり、とてもこんなもんじゃない。むしろ一人で悶々とする明日なき心情に一種のユーモアを感じてしまったくらいだ。それが狙いなのかな。読んでいる最中、こいつは誰か殺して終わるのかと思ったが、そういう華々しさはなかった。

 読後感としては、この困った人について特別な感慨はわかなかった。自分が冷淡なのかとも思った。が、これは小説の中だけで生きている主人公だと理解してしまったのかもしれない。恋人のいる親友に対する嫉妬心の描写などは赤裸々なことは認めるが、評判ほど迫真的だとは思わない。苦役列車というタイトルも意味不明だった。ただし、文体は独特であり、この他の作品も読みたい作家ではある。文体の独特な、と言えばあの人、野坂昭如さんはこの作品をどう読むだろうと思った。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842