苦役列車

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苦役列車の評価:

3.84/5点 レビュー 276件。 C ランク

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Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全184件 61〜80 4/10ページ
No.124
(2pt)

より不幸を!

作者の波乱万丈ともいえる人生を書き写した私小説という事で、貧困と孤独に苛まれ一般的な幸せを羨望しながらも妬む
鬱屈としたストーリーを期待したのですが、全くの期待はずれでした。

父親の性犯罪を機に歪んだ人生を歩まざるをえなくなった主人公に同情はしますが、その呪縛から逃れようとせず敢えて甘受し自らを堕落させていくさまには
稚拙で身勝手と言わざるをえないでしょう。
一事が万事、そのような性根の主人公ですから、社会の底辺を生きる事となっても自らを律する考えは生じず、諸悪の根源は自らの外から振りかかってきたのだと
事あるごとに父親と社会に呪詛の念を吐いています。

主人公にあるのは、刹那的に食欲や性欲を満たしたい欲求と自堕落な性格が招いたともいえる社会からの隔離に対する怨嗟だけです。
このような薄っぺらな人間性しか持たない主人公から紡がれていく物語は実に底が浅く、なんの救いもなければ読後に達成感や考えさせられる事もありません。
それでも何か心に引っかかるものがあるのは作者の文才に因るものなのかもしれません。

そこで私が期待するのは、作者は私小説家とのことなので、ぜひ今までの半生を上回る不幸を体験していただいて、それを基に新たな作品を発表していただく事です。

今でこそ芥川賞受賞作家として脚光を浴びる存在ですが、今のままでは今後発表される作品もこれと大差なく底の浅い不幸を呪った浅薄な内容となる気がします。
すれば、競争の激しい世界なのですから凋落著しい結果となり、人並みを超えた幸せを掴んだあとの没落はさぞ御身に耐え難い不幸となって襲い掛かることでしょう。
その不幸は必ず今までよりもどす黒く淀み、身を引き千切らんばかりの衝動となって作者の作品に反映されると思います。

自らの望む作品を読みたいがために人の不幸を願うのも卑しい限りですが、ぜひより深く昏い作品を作者には書いてもらいたいと思います。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.123
(2pt)

文章が短すぎる

下流社会を感じるところと、誰にも思い当たる不器用な人間が感じる
心理描写がかなりいいです

しかし、いかんせん文章が短すぎるので、キャッチコピーみたいな小説です
下流社会を描いたというTVから受ける作者のイメージが文章から抜けること
がないので、タレントが書いた文書のような印象があります

もちろん、長いだけでつまらない小説よりマシなのは確かですが、これが漫画
ではなく小説でならなくてはならない理由がまったく感じられない

これであれば、闇金融ウシジマくんを小説化した方がいいのではないかと思っ
た次第です

小説である意味があるのか、小説ならではのメリットを出せた作品かと問われ
れば疑問が残る
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.122
(1pt)

期待ハズレ

父親が性犯罪を犯して逮捕され、いびつな性格になってしまった主人公が友人がほしいんだけど、わざとききょうな行動に走ってしまうというか、内容はそれだけでした。人との距離感をうまくつめられないというのはけっこうよくあるはなしでは? 八割は事実らしいけれど、こういう私小説っぽいのがいまどき珍しいというだけで話題になっているのではないかという印象です。 同時受賞の「きことわ」がいまいちだったし、その対極にあるようないいやさぐれ感はでています。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.121
(1pt)

日記以下?

物語としての構成がまったく無い小説。
これはもはや小説とは言えない。
起承転結も無ければオチもない。
ただ、だらだらと日々の生活を綴っているだけ。
最後に強烈なカタルシスを期待したがみごとに肩透かし・・・・
読むだけ時間の無駄。芥川賞は日記コンテストではないはずだが・・・・。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.120
(3pt)

単調肉体労働者カタログ

豊かな何でもある日本の国で、報われない働きかたをする労働者の紹介小説。人間は快楽(=お金)を感じる方へ動く。青年も中年も高齢者もできることの中で快楽の取り方に差があるだけで快楽を求めて活動する。この話しは無学歴、無資格で体だけを唯一の道具にして単調労働で働くモデルはいかに対価が薄いかを紹介している。アルバイト、契約社員、正社員とあるなかで、同じ作業をするにも付くオプションが違う。無学歴、無資格の身で作業をすると単調な一本の筋でしか対価は生まれないカタログ。一本の筋道で真面目に働いても報われないという見本カタログだろう。そこから脱け出すためには何を信じれば開けるのか!と思った。宗教か、資格取得か。人はお金稼ぎができる何者かになる為に宗教をしたり、資格取得に精をだす。稼げる身になる為に何に気づけばいいのか!何をおもい実践すればいいのか!そこを活字にできる人はいないものか。高校生、青年、中年も高齢者までそれを探している。現代日本には家電から食物、TSUTAYAにコンビニと何でもある国なのに、人を意欲的にする思想的なソフトがない国になった。そんなアプリがあっていい。 恵まれた国に生まれているのに、やるべき事が見つけられないのは何故だろう。そんな自分を他人のように大切に思える気持ちが読後にでた。逆転する働きかたは芥川賞授賞に匹敵する資格取得だけか。一般の労働者にとっては。小さな芥川賞に匹敵するものなら見つかりそう、そんなことをおもった。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.119
(3pt)

普通の作品

それなりの内容ではありますが二度読み返したくなるものではなく、買うほどではありません。中卒で自意識過剰の救われない人間が書いた作品という意味では稀有ではありますが、文章力は作家の標準と比べて劣っているとさえ感じました。経済的困窮の象徴として、商業主義に基づいて選出されたんだと思います。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.118
(1pt)

期待していた程ではなかった

話題になっていたので衝動買いをしてしまいました。
「苦役列車」確かに、主人公北町貫多の19歳という若い時代の、日雇労働時の自業自得の厳しい生活については、興味をそそられる部分もあったが、ラストはなんか中途半端に終わってしまっているように感じてしまいました。
「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」は冴えない40男になった貫多の姿を描いているのですが、これらを通して読むと、なぜ、「苦役列車」時代の貫多が小説を書いていて、賞を貰えるまでになったのか、20、30代の貫多が描かれていないので消化不良を起こしてしまいました。
確かに自分勝手な主人公の話、私小説なのでしょうが、私には「芥川賞」を受賞した意味がわかりませんでした。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.117
(3pt)

話題だったので…

芥川賞受賞ということと、受賞式のニュースで見た西村氏の風貌や言動に興味を覚え、買いました。
著者をモデルにした主人公の小説、こんな人生もあるんだなと…一気に、興味深く読みました。※ネタバレになるので内容は省かせて頂きます。
私にとっては読み慣れない、聞き慣れない言い回しや言葉が若干多くて戸惑った感もあります。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.116
(1pt)

なぜ受賞されたのかわからない

「苦役列車」というからには、どれだけの苦労を
してきたのだろうと思っていたのに、
ちょっとでも嫌なことがあるとすぐ逃げ出し、
人のことを妬み、悪いことは人のせいにする。
全然良い作品だと思えるところは一つもなかった。
何とか最後まで読み終えた後テレビの受賞コメントを
思い出して、「ああ、この人は結局昔と変っていないんだな」
と思った。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.115
(3pt)

うーむ・・・・。

芥川賞受賞直後に受賞作掲載の文芸春秋で読んだ。率直に言って小説としてはきちんと描けているし、特段の傷もない。だがいわゆる小説としてどうか?と言われると正直言って普通・・・。車谷長吉氏のような凄味と超絶的な巧さがあるわけでもないし、実際に西村氏は相当しんどい人生だったと思うのだがそのソウルが作品に表れておらず、戯画的に笑えるほどでもない。だが朝日新聞の広告記事やAMAZONのベストセラーリスト上位にあって「なんでそんなに売れてんの?」と思った際、はたと気付いた。
「格差社会だからなんだ・・・・。」
僕自身は「自分が感じている事を書いてくれてる」というノリで小説を読む生理や性分が無いのだが、大部分の人はそういう感覚で純文学を読む傾向が多い。それは太宰治と村上春樹氏の中核読者層が良い例だ。僕は若い時そういう傾向を唾棄すべきものと考えていたが、年をとったせいか「そういうありかたもあっていいじゃないか」と思うようになってきている。かつ純文学作家の若年デビュー=読書・経験不足で数年で消えてしまう傾向が続いてきていたが、40歳を超えた西村氏が受賞した事自体はいい傾向だと思う。色々書いてしまったが西村氏はもっと凄い小説をかけるようぜひ頑張って欲しい。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.114
(3pt)

読後感が微妙です

今時の小説では珍しい強烈な私小説です。

貫太(西村)が青春時代を過ごした時と、40代になった貫太という2部構成で書かれています。
父が性犯罪者という世間に対する強い劣等感を貫太(西村)は持っており中卒、日雇い労働者、短気、所謂``ダメ人間``で
毎日を日雇いで食いぶちを繋ぎ、自らの人生を先が見えず、どこまでもレールが続く``苦役列車``と表現してます。

文才はあると思いました。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.113
(1pt)

「ダメさ」に期待したような迫力がない。

『苦役列車』は芥川賞を受賞した私小説作品で、エピソードはほとんど実話に近いらしい。父親が犯した性犯罪のおかげで学校には居場所がなく、中卒で東京に出て物流倉庫の日雇い仕事でその日暮らしを送り、カネも友達も女もなく、たまの風俗通いだけを楽しみに生きている19歳の少年が主人公。日雇いの仕事場に専門学校生で同い年の友達ができて、無二の親友のような付き合いが始まるかと思ったら、彼には親からの仕送りもあるし、友達もいるし、しまいには彼女もできるぐらいで、結局主人公とは棲む世界の違う恵まれた男として去ってゆく。
 本書には『苦役列車』と、売れない小説家が川端康成賞の候補に選ばれて云々という内容の『落ちぶれて袖に涙のふりかかる』という短編が収録されている。

 作者の西村賢太氏については、芥川賞受賞のニュースとかを読んでる分には「あぁなんかちょっと面白そうな人」ぐらいには思ったし、「中卒」「性犯罪者の息子」「前科者」「友達いない」「風俗好き」等々というプロフィールは人目を引きます。そういう人が「自分のことしか書けない」と言って私小説を書き、賞を取ったと言うんで単行本を買いました。もちろんべつに芥川賞なんかに期待は全くしていない。だけどインタビューでしきりに風俗云々とかわけのわからんことを語っているのは、いったいどんな奴なんだろうと思って(笑)

 でも残念なことに作品自体は、上記のようなプロフィールとか受賞ニュースを読んで期待したほど凄惨でもないし滑稽でもなくて、はっきりいえば迫力ゼロですね。
 なんというか、もっぱら「ダメキャラ」だけをネタにしていながら、そのダメさが中途半端っていうのがさぶいです。著者はインタビュー等でもひたすら自分は「どうしようもない人間」「ダメな人間」だと言ってますが、その人生の「どうしようもなさ」の作り込みが小説中では大して徹底されてないんです。さほど「どうしようもなく」ない(笑)

 たとえば父の「性犯罪」とやらも、単に性犯罪と言われるだけで何が起きたのか語られない。想像しろと言われればいくらでも想像するけど、詩じゃないんだから、筆力でもって想像を絶する世界に読者を連れていくのが作家のつとめでしょう。
 「苦役」というけどその労働はたいして苦しそうに描かれてないし、貧乏生活も「家賃滞納で何度かアパートを追われた」というエピソードだけが繰り返し同じ言いまわして語られるだけです。また、風俗やオナニーをネタにして「ダメさ」を描きたいんでしょうが、まったく描写に滑稽味がなくて笑えないし。

 で、これがまだ20代なら「とんがった兄ちゃん」で済ませられるし、最初話を聞いた時は20代の作家だと勝手に思い込んでたんです。ところが実は43歳だったってのが・・・。たとえば著者は、親父が性犯罪者であるが故に背負った労苦というのを本作も含めて繰り返しネタにしてるようなのですが、そりゃそういう辛さはあっただろうし、それを小説に描いてくれても結構だけど、40代になってまで「父」の呪縛をネタにしてるってのはちょっと痛々しくないですか?
 逆に言うと、30年も引きずるような凄まじい経験なのであれば、徹底的に凄まじい筆致で描いてくれないと、読むにたえないです。

 ・・・と、いま書いていて分かりましたが、要するに「過ごした年月分の歳をとれてない大人の文章」という感じです。まったく作家には向いていないと思う。この著者の30年間は、小説を書くには余りにも「空っぽ」な30年間だったんでしょう。
 だったら逆にそれを生かして、べつに「貧乏」だとか「孤独」だとか、「風俗」だとか「親父の犯罪」だとかをネタにするんじゃなくて、その空っぽさを徹底的に自嘲するという「どうしようもない」作品を書いてくれたらいいんじゃないかと思いました。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.112
(2pt)

内容的に読み進めるのが辛かった

何が彼をそうさせてしまうのだろう。中卒の自分を親や境遇のせいにした、落ちぶれ方といい、とても痛々しい小説。文体としては読み易くても内容的には読み進めるのは辛い。一般受けはしないだろう。 あと、地の文が文語調なのにもかかわらず、会話のなかでは「全然〜ない」の法則が守られていないのが気になった。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.111
(3pt)

ごく普通。

主人公 の貫多が、西村氏なんだろうけれど。芥川賞受賞作の「苦役列車」、社会に対する反発、燃え盛るようなマグマのようなものを期待して読んだんだけれど、単に普通の、今まで自分はこのような生活をしていましたといった、そんな感じに終始一環。逆に、西村氏のみが発せるような熱い、社会に対する憤懣を猛然と書き綴ってほしかった。友達もいない、小説に没頭し、ものすごいコンプレックスの塊のような描写が数多くあります。辛い過去に反発し活字に没頭のようです。但し、芥川賞受賞作家として、今後文壇で活躍するには、この手の私小説以外に、もっと柔軟に幅広い作風を描けないと辛いと思いますよ。現状では次作を読んでみたいとは、正直思いませんでした。申し訳ございません。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.110
(3pt)

“売り”っぽいのが、やだな。

芥川賞らしいと言えば、そうだけど、
楽しめる文学でもない。

私小説であることを強調し、
それを売りにしているように思うのだが、
どうも、その辺が、僕には合わない。

もちろん赤裸々な告白とも受け取れるが、
一方では小説、物語でもある。
もう少し、
主人公が憎めない感じがあれば、良いのだが、
リアルであれば、それで良い、というものでもないだろう。

あとは、好みですね。
う〜ん、僕は、またほかの作品を読みたい、とは思えなかったなぁ。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.109
(3pt)

現代に合っている

読んでいて気持ちのよくなる小説ではない。
どこか『蟹工船』のような、表舞台にはあらわれない、最下層生活者の闇をえぐる、痛烈な作風だと思う。
舞台設定は昭和の終わりでも、ネオン街の裏でホームレスが横たわる、今の「格差」時代に非常にマッチしている。

そしてまた別に感じたことは、文章の書き方も、内容も、とても、男っぽいということ。
私は女性読者なので、作中にときどき現れる男性視点の女性の見方や、即物的な性表現に少し拒否感があった。
でもそれは、この作者が執拗なまでに、普通は人に見せたがらないような主人公の赤裸々な「生」を、痛みを伴いながら
正直にえぐりだした結果だと思う。
主人公は、女性から見れば絶対につきあいたくないタイプの、「不潔・性欲の塊・金がない・学歴がない・ひがみが強い」
という何拍子もそろった筋金入りの落ちこぼれだ。
自ら下層にいることを認識しながら、それでもねじれたプライドだけは卑しく持ち続けている男の、
目をそらしたくなるような、よこしまで醜い感情をそのままぶちまけている。
読めば読むほど苦しいし、報われない感情がつらい小説だ。
それでも、最終的には非現実的な大成功をおさめたり、最終的には女にもてたり、金をもうけたりするような、
「きれいな」内容でないことに、この小説の最大の魅力を感じる。
日常は、茫々と、続いていく。

多くの人の読書傾向に触れる仕事をしているが、きれいで、ハッピーな小説を求める人が本当に多い。
でも、それは、現実逃避だったり、思考停止だったり、成功した人間しか見ない、認めないという勝ち組思考に
即したもののようにも思う。

その面では、こうやって、人間の心の闇を正直に見つめたような作品は、受け入れられにくいだろうが、
現代にとって必要な本だと思うし、たくさんの人に読んでほしいと思う。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.108
(3pt)

悪くはないけど…

悪くはありませんが、取り立てて秀作とも思えません。
学歴も資格も金も覇気もない主人公の澱んだ日常を描いています。
日雇い労働の現場やら自堕落な生活ぶりはよく分かるのですが、共感はしにくい。「自分のことが書かれている」と読者に思わせるのが良い小説の条件のひとつだとすれば、この主人公にそう感じる人はかなり少数派では?
もっとも、作者は「自分よりダメな人間がいると読者に思ってもらいたい」と話していました。もちろんそうは思いますが、そんな優越感に浸りたい読者ってどのぐらいいるんでしょう?
一連の出来事を通して主人公の内面などに変化が出れば面白いのでしょうが、ひたすらダメ男のまま。言葉遣いも奇妙に古臭く、違和感がありました。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.107
(1pt)

中途半端な悪

ひたすら自堕落な生活を描いた私小説。

悪を気取って実は小心者であり、また、家賃を踏み倒すとか、友達に借りた金を返さないとか、家族にたかるとか、スケールの小さい悪で、ただの迷惑な生活破綻者の暮らしぶりを描かれても少しも共感するところはない。

悪というなら、世の中の仕組に異議申立するくらいの気概でやれよ。

それでいて、プライドだけは異常に高いというのも反感しか覚えない。

そうした人間としての欠点も、それゆえにすばらしい芸術作品を生み出しているなら納得できるが、小説の出来もそれほどでもない、とすると、読んでいて不快になるだけである。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.106
(1pt)

ここまで落ちぶれる?もう読まない。

同年代の作者なので時代背景も分かり共感できる部分も多いが、
昭和初期を連想させる文体や漢字、そしてなにより中卒で酒好き、風俗好き
孤独で無気力、読んでいて暗くなりました。
芥川賞の受賞作を読んだのは初めてでしたが、たぶんもう読まないでしょう。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842
No.105
(1pt)

読むに耐えない。

私小説という型の小説は、もともと嫌いだったのだが、暇潰しに書店に寄って、たまたま目についたので立読みさせていただいたのが、苦役列車なる私小説であるが、そもそも何故、私小説を忌み嫌う私が、そんな物を手に取り読んでしまったかかというと「芥川賞」は銘の物だという固定観念に縛られていた故に読んでしまったのではあるが、そんなことは一私人のこと、どうでもよいのである。ともかく私は私小説が嫌いだ。というのも、その小説が作者の想像の産物であるのではなくて、単に自分の犯した汚辱を他人に見せつけるような、自らの愚行の成れの果てであるような小説だからで、読んでいてかなり気が滅入るのだ。この苦役列車も、気を滅入らせる、劣悪な小説である。読者に己の体験に共感してもらいたいのか、自己救済目的か、或いはそれ意外に何かしらの思わくがあって書いたのだろうが、愚行を愚行とも思えない人間、恥を恥とも思えない人間が、たとえ、文章を書くのが巧くとも、小説など書いてもらいたくないと思うし、書いたことで得られるものは何もなくて、よしんば読者からの軽蔑の目で見られても仕方ないのである。また、もし本人が己の恥を自覚していてその上で私小説を書くとすれば、その作者は本当に野蛮な人間であることは間違いないのである。もっとも小説を書くのは各人の自由で、それが愚かな私小説という形式をとっていても同じことであり、その書いた私小説で金を稼ぐのも、またその人の自由であるし、当然その私小説の読者になるのも自由である。無論、読者を責める気は全くないが、私がもし、その作者を責めたり非難しても、その責める、非難する自由はあるが、どうすることも出来なくて労力の無駄である。また、私は文学者などではないので、批判する必要もないから、批判するのは止めておく。ただ私は、この小説を読んで怒り心頭に発したのだ。なので最後になるが云っておきたいことがある、私小説を書く人間のその貧しい精神には全く私は共感できないということを。私小説は、読まないと決めたのにもかかわらず、この苦役列車を読んでしまったことを今まさに恥ている。
苦役列車 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 苦役列車 (新潮文庫)より
4101312842