苦役列車

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評判

苦役列車の評価:

3.84/5点 レビュー 276件。 C ランク

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平均点3.84pt

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全184件 181〜184 10/10ページ
No.4
(3pt)

何ともいえない不思議な文体

口語的に気軽に読めるような文体でありながら、いつの時代の言葉なのというような熟語が現れるという摩訶不思議な文章。そこに綴られた内容は人生を早々に諦めた人間の青春の記録?私小説ということですが、自分をここまで客観的に見つめていられることに著者の力強さを感じます。
 ただ、個人的には朗読できるような文体の小説が好きなので、ちょっと苦手な作風した。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.3
(2pt)

野坂さんはどう読むだろう?

発表と同時にその作品を読むなんてことはこれが初めてである。「限りなく透明に近いブルー」などいまだに読んでない。感想は、大衆文芸誌の性風俗特集小説の一篇としか思えなかった。少年が浮かぶ瀬もなく塵芥(ちりあくた)のように、人生の川を流されてゆくのだが、芥川賞というより、芥側症といった感じだった。こういう「蟹工船」みたいな身も世もない貧乏小説は今時、珍しいのか。社会色の強い「蟹工船」というよりも、「私」小説の復活とでもいうのだろうか。

 彼の性格の悪さや救い難いねじ曲がり方というのは、描写はたしかに正直ではあるが、自分と比べてもそんなにヒドイことはないと思う。たしかに父親が性犯罪者で有名とかいうのは異常というか特殊な環境であるとは思う。だが、特殊な環境でそうなってしまったんなら読む方は「それじゃ無理もないな」と感じてしまう。

 人間の心理心情は特殊な事情を設定しなくても、もっと真っ黒い注連縄のごとくであり、とてもこんなもんじゃない。むしろ一人で悶々とする明日なき心情に一種のユーモアを感じてしまったくらいだ。それが狙いなのかな。読んでいる最中、こいつは誰か殺して終わるのかと思ったが、そういう華々しさはなかった。

 読後感としては、この困った人について特別な感慨はわかなかった。自分が冷淡なのかとも思った。が、これは小説の中だけで生きている主人公だと理解してしまったのかもしれない。恋人のいる親友に対する嫉妬心の描写などは赤裸々なことは認めるが、評判ほど迫真的だとは思わない。苦役列車というタイトルも意味不明だった。ただし、文体は独特であり、この他の作品も読みたい作家ではある。文体の独特な、と言えばあの人、野坂昭如さんはこの作品をどう読むだろうと思った。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.2
(3pt)

この作品だけでは、心に残るものは無かった

芥川賞発表の報で、西村氏を初めて知った。
記者会見やその後のインタビューで垣間見える非常に奥深いキャラクターに興味がわいたので購入。

彼の書いた作品はすべて私小説とのこと。
本作で描かれている事も大部分が事実に基づいているだろうから、
様々な屈辱的な体験や、辛い思いをされたのだろうと察する。

ただ、両親がいて、大学や専門学校に通っている「普通の」学生に対し、
異常な嫉妬心を抱いたり、罵倒するシーンがあったが、これには些か嫌悪感を覚えた。
昔、長淵剛が主人公のドラマなどで特徴的だったが、人気大学や大企業に所属しているだけで、
そこの人間達はエリート意識に凝り固まっているという固定観念を前提にしている作品があるが、
こういったものは表現すべきでないと思う。
そんなことは前時代的でリアリティが欠如しているし、ただの言い掛かりに近いからだ。

こういった主人公やモチーフへの共感の欠如が災いしたのか、
正直、この作品だけでは心に残るものは全く無かった。

ただ、西村氏の作品はすべて私小説ということだから、
他作品を読んで、主人公・貫太を別角度で見てみると味わいも出てくるかもしれない。
文体は非常に特徴的で好みの作家なので、色々と試してみようと思う。
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324
No.1
(2pt)

予想よりもインパクトに欠けました

一歩踏み外しそうな労働者階級の物語ということで、あっちは漫画ですが銭ゲバ思い出しました
ただし私小説という事もあってか?
こちらの主人公さんは人を騙してでものし上がろうとする訳でもなしに
かといってストイックに内面に入り込んだ世界を構築する訳でもなしに

日本で一歩踏み外したらここだよねっていうラインでした
もっと悲惨な情報を知ってしまっていると、ちょっと落ちてる人の日記感覚です
共感できる厭らしい部分もあるのですがズッシリとした重みや深みがないので付き合いきれませんでした

文体がちょっと独特で読めない部分もいくつかありました
後半の一本はコラムみたいで同時収録しなくてもよかったのでは?

ところどころ花村萬月氏の作品を読んだいるような感じがした作品だったので
もう少し著者の他の作品を読んでみないとわかりませんが
賞受賞作品としては弱いと個人的に感じました
苦役列車 Amazon書評・レビュー: 苦役列車より
4103032324