図書室の怪
評判
図書室の怪の評価:
3.90/5点 レビュー 10件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1〜9 1/1ページ
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図書室の怪の評価:
3.90/5点 レビュー 10件。 C ランク
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著者のマイケル・ドズワース・クックはミステリー小説や怪奇小説の研究者でもあるだけに、その構成は実によく精査され、物語展開も巧妙である。
本書に収められているのは、下記の4作である。
「図書室の怪」
表題作でもある長編。
チューダー朝の邸宅の一角にある図書室を舞台に繰り広げられる怪異談で、重厚な建物の描写が雰囲気を一層盛り上げてくれる上に、労働者階級出身の主人公と貴族階級出身の友人が登場する設定もまたイギリス社会をよく反映している。
騎士の幽霊が登場する所が如何にもゴシック・ホラー的ではあるが、謎解きを中心に一つずつ解明していく流れは寧ろミステリー色が強いので、スリルのある作品である。
「六月二十四日」
愛する妻が自らの命を絶った悲しき男性を主人公とした短編。
悲哀に暮れる中、亡き妻からのプレゼントがデスクの中にあるのを見つける所から物語が始まるが、詩集、鉄道をモチーフに展開し、最後に意外な顛末が控えているのが面白い。
特に、妻が男性に贈る詩集を見つけた経緯が秀逸。
「グリーンマン」
グリーンマンと言えば、中世ヨーロッパの教会装飾でお馴染みの”怪物”だが、本作品では、無計画な旅人がふとした拍子に入り込んだゴシック教会、丘、そして廃墟を巡るうちに神秘の世界に惹き込まれて行く。
ミステリー色はなく、より神秘的、且つ精神性の強い作品である。
「ゴルゴダの丘」
「図書室の怪」と同様、古いマナー・ハウスを舞台にした作品。
今では他人の手に渡ってしまった先祖の屋敷を手に入れる為に努力を続けた主人公が遂に念願を叶えた時から悲劇が始まる。
呪いは末代まで続くという典型的な怪談で、短編ながらも迫力があった。
以上、イギリスの古い邸宅や廃墟等を舞台とした物語は若干古めかしいかもしれないが、そんな古典的な雰囲気こそが本書の魅力でもあると思う。