ブラックウェルに憧れて 四人の女性医師

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

ブラックウェルに憧れて 四人の女性医師の評価:

4.62/5点 レビュー 13件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.62pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(3pt)

楽しく読んだ

楽しく興味深く読みました
白内障の手術が点眼のみの麻酔だと知らんかった。てっきり、「眼球に注射」だと思い込んでいた
将来、白内障の手術する事になる時の「恐怖」が一つ軽減された…けど「見える」のはやっぱ怖いか…
絵心の全くない自分には「スケッチ」の出来ってのは、絵が上手いか下手かに左右される気がしていたんだが、そうでもないんかな?物の形を写し取る能力といわゆる画力というのは別なんだろうか?
人の骨を粉砕すると茶碗1杯?これは良い事を知った。それなら粉砕しちゃえば「燃えるゴミ」で出せるやん!
↑かねてより、自分は墓はいらないから、遺骨はゴミ扱いで良いんだが、人骨ゴミに出したら遺族が咎められるだろうし…の、逡巡クリア!
と、とりとめない事に思考を飛ばしながら読んだ
で、本題。
「男女のバランス」。
男女混合チームがあるのに、男のみチーム・女のみチームが出来ると「何で?」と当り前に思う
どっちかが不足してるなら、仕方ない。と思う
↑はもうどうしようもなく染みついた感覚でもある
それでもって、学力レベルで「女子のが優秀」となって、医学生が女子ばかりになったと想定したら「不安」になる。ついでに勝手なイメージだと「皮膚科、眼科、精神科は増えるだろうが、外科や救急のなり手はいるのか」の危機感にかられる
ブラックウェルは素晴らしい先駆者で、この方を排除しようとした男社会は狭量だと思う
同時に、ブラックウェルは生涯独身で医業に邁進し、自分の子を産もうとか、家庭を作ろうとか、そういう事を並び立たせようと、無茶な事はしなかった(養女は貰ったけど)とも思う。
「薬で生理を止めて、女を捨てれば認められるなんて、おかしいじゃないですか」
おかしい。確かにすごくおかしい。挙句の果てに「ケチャマン」などという卑しい言葉を発する輩には猛然と掴み掛りたい
その一方で、
自分が頼りにしている主治医が「産休・育休の為」に休んだら、口では祝福するが「これだから女はなあ…」と思うだろう。能力が同じであれば、誰でもOK。ではないから。ある程度の期間診て貰って、相手の「操縦法」を習得し、信頼すら構築されたトコで「担当医変更」と言われると「また初めっからやり直しか…」と力が抜ける
医師にも個人の生活がある。それはもちろん分かっている
男性医師に異動がない訳ではないし、転職されてしまう場合もある
が、異動転職での担当替えと、産休育休での担当替えでは虚脱・落胆感が全く違う
男性医師でも、それこそ育休取る場合もあるだろう
が、まだまだ絶対的に、男性の方が「後方支援(この言葉は余り好かないが「内助の功」とも言う)」は受けやすい
患者の勝手な言い分だと、「医業を一番に置いて欲しい」。女性は自分の子が出来ると、それ迄どれ程真摯に邁進していても、優先順位が…変わる
結婚しても、子供が出来ても、男は「今までの生活を変えない」タイプは多い(←意識低いタイプとも言う)。患者の身としては正直「有難い」。しかし女は違う

「医者は軍隊と同じなんです」と、長く医業を家業として続けていらっしゃる医師の言葉を思い出した

…駄目だ。自分は「どっち派」なのか決められない
「倫理的に正しい」のと「実際どうか」は「当たった女医さん個人」がどうなのか、で都度ころころ変わってしまうのが自分だろう
と、思った
ブラックウェルに憧れて (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: ブラックウェルに憧れて (光文社文庫)より
4334794793
No.3
(3pt)

楽しく読んだ

楽しく興味深く読みました
白内障の手術が点眼のみの麻酔だと知らんかった。てっきり、「眼球に注射」だと思い込んでいた
将来、白内障の手術する事になる時の「恐怖」が一つ軽減された…けど「見える」のはやっぱ怖いか…
絵心の全くない自分には「スケッチ」の出来ってのは、絵が上手いか下手かに左右される気がしていたんだが、そうでもないんかな?物の形を写し取る能力といわゆる画力というのは別なんだろうか?
人の骨を粉砕すると茶碗1杯?これは良い事を知った。それなら粉砕しちゃえば「燃えるゴミ」で出せるやん!
↑かねてより、自分は墓はいらないから、遺骨はゴミ扱いで良いんだが、人骨ゴミに出したら遺族が咎められるだろうし…の、逡巡クリア!
と、とりとめない事に思考を飛ばしながら読んだ
で、本題。
「男女のバランス」。
男女混合チームがあるのに、男のみチーム・女のみチームが出来ると「何で?」と当り前に思う
どっちかが不足してるなら、仕方ない。と思う
↑はもうどうしようもなく染みついた感覚でもある
それでもって、学力レベルで「女子のが優秀」となって、医学生が女子ばかりになったと想定したら「不安」になる。ついでに勝手なイメージだと「皮膚科、眼科、精神科は増えるだろうが、外科や救急のなり手はいるのか」の危機感にかられる
ブラックウェルは素晴らしい先駆者で、この方を排除しようとした男社会は狭量だと思う
同時に、ブラックウェルは生涯独身で医業に邁進し、自分の子を産もうとか、家庭を作ろうとか、そういう事を並び立たせようと、無茶な事はしなかった(養女は貰ったけど)とも思う。
「薬で生理を止めて、女を捨てれば認められるなんて、おかしいじゃないですか」
おかしい。確かにすごくおかしい。挙句の果てに「ケチャマン」などという卑しい言葉を発する輩には猛然と掴み掛りたい
その一方で、
自分が頼りにしている主治医が「産休・育休の為」に休んだら、口では祝福するが「これだから女はなあ…」と思うだろう。能力が同じであれば、誰でもOK。ではないから。ある程度の期間診て貰って、相手の「操縦法」を習得し、信頼すら構築されたトコで「担当医変更」と言われると「また初めっからやり直しか…」と力が抜ける
医師にも個人の生活がある。それはもちろん分かっている
男性医師に異動がない訳ではないし、転職されてしまう場合もある
が、異動転職での担当替えと、産休育休での担当替えでは虚脱・落胆感が全く違う
男性医師でも、それこそ育休取る場合もあるだろう
が、まだまだ絶対的に、男性の方が「後方支援(この言葉は余り好かないが「内助の功」とも言う)」は受けやすい
患者の勝手な言い分だと、「医業を一番に置いて欲しい」。女性は自分の子が出来ると、それ迄どれ程真摯に邁進していても、優先順位が…変わる
結婚しても、子供が出来ても、男は「今までの生活を変えない」タイプは多い(←意識低いタイプとも言う)。患者の身としては正直「有難い」。しかし女は違う

「医者は軍隊と同じなんです」と、長く医業を家業として続けていらっしゃる医師の言葉を思い出した

…駄目だ。自分は「どっち派」なのか決められない
「倫理的に正しい」のと「実際どうか」は「当たった女医さん個人」がどうなのか、で都度ころころ変わってしまうのが自分だろう
と、思った
ブラックウェルに憧れて Amazon書評・レビュー: ブラックウェルに憧れてより
4334913563
No.2
(5pt)

女性の生命こそ大切だ!

本書は、自身も医師である作家が、先達に捧げものをするような、祈りに満ちた長編です。
 英国生まれのエリザベス・ブラックウェル(1821-1910)は、アメリカで女性として初めて医学校を卒業し、英国で初めて正式に医師登録された女性です。近代看護教育の母として知られるフローレンス・ナイチンゲールとも交遊があり、英国で共に女子医学校を設立するなど、女性に対する教育の普及と、権利向上におおいに貢献した人物です。現在(2020年7月)、NHKで連続ドラマ化され放映中の『ディア・ペイシェント』をはじめ、多くの女医を描いてきた作家にとって、ひときわ思い入れの強い作品でしょう。
 作中、重要な鍵を握るのは1998年、「中央医科大学」の解剖学教室で行われた、実習を伴う解剖学概論の講義です。医学部二年生にとって、初めて経験する本格的な基礎医学系実習を指導するのは、城之内泰子先生。同大学で女性として初めて教授になった人物です。有志によって託された貴重な献体を、学生たちは四人一組になって解剖してゆきます。城之内先生が純粋に成績順で割り振りをした結果、偶然にも、女性ばかりの班ができました。後に、表彰されるほど優秀な成績を収めて卒業し、医師となっていった四人の女性――長谷川仁美、坂東早紀、椎名涼子、安蘭恵子の二十年後の姿を、作家は描いてゆきます。皆、40歳の大台に乗り、医師として15年余りのキャリアを積んでいますが、思い描いてきた初心は風前の灯のピンチです。そう、日本特有の〝ガラスの〟ならぬ鋼鉄製の天井が彼女たちの前に厳然と立ちはだかっているのです。
 「心身に障害のない、日本人の、男性医師――それこそが医局員の標準であって、初めから女性医師は規格外の存在なのか。自分たちは、女というだけで欠陥を抱えているのだろうか。」
 母校の大学附属病院所属の眼科医・長谷川はこう心の内を表現しています。白内障手術のスペシャリストと認められながら、オペチームのリーダーの地位を目前で後輩男性にかっさらわれたと長谷川は強く憤りますが、そもそも彼女は上司たちの構想には入っていなかったのでした。ただ、「女というだけで」。
 結婚や出産、子育て、介護、そしてキャリア――「女には欲望がないというファンタジーのような世界観は、いい加減終わりにしてもらいたい」と、椎名は言います。静かに、静かに怒る著者は、何より、未来の女性に向けて、本書を届けたいと願ったはずです。それぞれ長編にしてもいいぐらい、リアルでアイデアにキレのある四人の物語を受け止めた先には、驚くべき真実が読者を待ち受けています。コロナ禍で奮闘する医療従事者に感謝するのは当然として、作家はさらにその先を見つめているのです。
ブラックウェルに憧れて Amazon書評・レビュー: ブラックウェルに憧れてより
4334913563
No.1
(5pt)

女性の生命こそ大切だ!

本書は、自身も医師である作家が、先達に捧げものをするような、祈りに満ちた長編です。
 英国生まれのエリザベス・ブラックウェル(1821-1910)は、アメリカで女性として初めて医学校を卒業し、英国で初めて正式に医師登録された女性です。近代看護教育の母として知られるフローレンス・ナイチンゲールとも交遊があり、英国で共に女子医学校を設立するなど、女性に対する教育の普及と、権利向上におおいに貢献した人物です。現在(2020年7月)、NHKで連続ドラマ化され放映中の『ディア・ペイシェント』をはじめ、多くの女医を描いてきた作家にとって、ひときわ思い入れの強い作品でしょう。
 作中、重要な鍵を握るのは1998年、「中央医科大学」の解剖学教室で行われた、実習を伴う解剖学概論の講義です。医学部二年生にとって、初めて経験する本格的な基礎医学系実習を指導するのは、城之内泰子先生。同大学で女性として初めて教授になった人物です。有志によって託された貴重な献体を、学生たちは四人一組になって解剖してゆきます。城之内先生が純粋に成績順で割り振りをした結果、偶然にも、女性ばかりの班ができました。後に、表彰されるほど優秀な成績を収めて卒業し、医師となっていった四人の女性――長谷川仁美、坂東早紀、椎名涼子、安蘭恵子の二十年後の姿を、作家は描いてゆきます。皆、40歳の大台に乗り、医師として15年余りのキャリアを積んでいますが、思い描いてきた初心は風前の灯のピンチです。そう、日本特有の〝ガラスの〟ならぬ鋼鉄製の天井が彼女たちの前に厳然と立ちはだかっているのです。
 「心身に障害のない、日本人の、男性医師――それこそが医局員の標準であって、初めから女性医師は規格外の存在なのか。自分たちは、女というだけで欠陥を抱えているのだろうか。」
 母校の大学附属病院所属の眼科医・長谷川はこう心の内を表現しています。白内障手術のスペシャリストと認められながら、オペチームのリーダーの地位を目前で後輩男性にかっさらわれたと長谷川は強く憤りますが、そもそも彼女は上司たちの構想には入っていなかったのでした。ただ、「女というだけで」。
 結婚や出産、子育て、介護、そしてキャリア――「女には欲望がないというファンタジーのような世界観は、いい加減終わりにしてもらいたい」と、椎名は言います。静かに、静かに怒る著者は、何より、未来の女性に向けて、本書を届けたいと願ったはずです。それぞれ長編にしてもいいぐらい、リアルでアイデアにキレのある四人の物語を受け止めた先には、驚くべき真実が読者を待ち受けています。コロナ禍で奮闘する医療従事者に感謝するのは当然として、作家はさらにその先を見つめているのです。
ブラックウェルに憧れて (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: ブラックウェルに憧れて (光文社文庫)より
4334794793