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彷徨える帝
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彷徨える帝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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今まで曖昧だった南北朝時代の真実?が色々な登場人物を交えて描かれており、 流石に安部さんだなと思いました。 | ||||
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高校日本史の歴史の授業では、注目度が余り高くない嘉吉の乱を後醍醐帝の南朝復興のための呪力によるものとしたストーリーは、授業への興味付けにもなる内容でした。 | ||||
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別段何も無い❗との事でしたが、見開き目次の真ん中に1.5cmの大きい朱肉印があって、極めて目障りで毎回目次から入るので、残念でした。 | ||||
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どうも最近読んだ山岡荘八の「太平記」が物足りなく、この時代についての時代小説を探していました。最近読んだ「世阿弥の世界」に世阿弥と絡めてこの小説への言及があり、さっそく手に取りましたが、さて読後感というと。エンターテインメントとしてはよくできています。そうでなければ出版まで至りません。逼塞を余儀なくされた南朝側と幕府側という構図はうまく抽出されています。ただここに鎌倉公方という本質的なわかりにくいnoiseが絡んでくるため、どうしても複雑になってしまいますが、これは時代の拘束でもあります。両陣営の人物の配置もエンターテインメントとしては定番ながらもよくできています。ただあまりにもformatにはまりすぎて進めば進むほど類型的な印象を与えるものでもあります。 ただ問題は面の謎をうたいながらも、どうもその謎がストーリーの展開とうまくはまっていないようです。上巻の最初に明確に提示されながらも、下巻の最後までその謎がわかりやすく解明されることはなく、最後に突然出てきるという仕組みでは読者にその意味合いが伝わるのかどうかは疑問です。僕には今でもよくわかりません。それにここからは好みの問題になるのですが、どうもアクションシーンと濡れ場が頻発しすぎのようです。 そして一番の問題は著者のアナーキックなユートピア願望による作品の締めくくりです。この色合いは下巻の後半に至って色濃く出てくるのですが、著者のような締めくくり方では、この選ばれた時代の意味合いが薄れてしまうのです。時代という枠組みは、作品の全体を支える役割を放棄してしまい、著者の個人的な世界観を描くためのただのパーツの役割にdebaseされてしまいます。このようなしめくくりなら時代小説というformatはいかほどの意味を持つのでしょうか。読者の好みは様々です。でもこれでは私のような「時代」の固有の可能性と拘束の抽出を求めるものには大いなる不満が残るのです。 | ||||
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本書は伝奇小説です。 そのため、帝、将軍や幕府要人以外の登場人物は、架空の人物です。 もちろん幕府方と南朝方の主人公も、架空の人物です。 また、有り得ない能力もあります。 下巻は、赤松家と南朝の関わりから話が始まり、義教暗殺とその後の混乱を描いて終わります。 上巻では観阿弥暗殺の話から始まり、その後は何の脈絡も無かったのですが、最後になって繋がりました。 本書では、安部氏の天皇観も描かれています。 愉しめる伝奇小説です。 | ||||
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本書は伝奇小説です。 そのため、将軍、公方や幕府要人以外の登場人物は、架空の人物です。 もちろん幕府方と南朝方の主人公も架空の人物です。 物語は、浅間神社新宮の奉納能に暗殺団が現れ、観阿弥が殺される話から始まります。 その後は、南朝の北畠宗十郎、将軍・義教に仕える朝比奈範冬、狩野右馬助貞行、背振衆といった 登場人物たちの描写があり、能面の争奪戦が描かれます。 たびたび同じ説明の繰り返しがあってげんなりしますが、伝奇小説としては十分楽しめます。 | ||||
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初めて読む作者です。後醍醐天皇は隆慶一郎さんのテーマで、それに惹かれて一読しました。史実と虚構を織り交ぜながら、読み応えのある作品に仕上げています。 | ||||
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剣豪ものとしても、主人公の成長も面白いしSF チックなところもとてもタイムリーで面白い。 | ||||
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これまで室町中期の小説には決定版がない。 司馬遼太郎は、つまらないからだと斬って捨てた。 室町期は、思想ではなく功利や家督争いで戦がおこっていたからだ、という。 しかし、室町期であっても優れたリーダーは経営理念をもっていたはずで、ようは書きようだと思う。 室町期は日本文化のほとんどが出揃った時代であり、特に京都人は浪漫をかきたてられるのではないだろうか。 それだけにこの小説は惜しい印象がのこる。小説として上手くできているとは思う。観阿弥・世阿弥が絡む南朝伝来の仮面の謎に、振り回される若き剣豪と将軍の近習。2人の運命は仮面を挟んで交錯し、やがて対決を迎える。 夢中で読んだが、やはり決定版ではない気がした。多分、時代の主役をメインに据えていないからなのだろう。 特に足利義教は早すぎた信長として興味深い人物なので、これをメインにしてほしかった。岡田秀文の義教は小説としての吸引力が少し弱かったので、安部さんには是非決定版義教を描いてほしい。 | ||||
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学生時代の選択科目の関係上、日本史は小学生の知識に毛が生えた程度しかない。 そんな私にとって、室町幕府や南北朝は日本史の中でもっとも理解しがたい時代だった。 ところがそんなこちらの事情など何ら関係なく、幕府と関東管領の関係や足利氏と後醍醐帝以降を支える南朝勢力の攻防などで、立体的に時代背景を把握することが出来てしかも読み物としても抜群に面白い。 中学受験の際、応仁の乱で細川勝元と山名宋全が死闘を繰り広げたことは習ったが、肝心の何故の死闘かが理解できなかった(というか解説を受けた記憶が全くない)が、本書でごく限られた管領家などとして室町幕府を支える少数の「家筋」の存在とそれぞれの家の葛藤がそうさせたのであろうことが読み取れた(←直接的な表現は見受けられなかったが。)。 短編集「血の日本史」で十分すぎるほどにその才能を指し示した著者の安部龍太郎氏だが、「天馬翔ける」での悪い意味でナイーヴな義経と常に死と隣り合わせの生活を何年ものあいだ強いられたがゆえに第一級の知謀家となりえた頼朝を対照的に描き抜くことに成功したのも、それ以前に本書のような優れた歴史小説を上梓することができたのならある意味当然だろう。 個人的に、氏には今後は日本史の裏面史を扱って欲しいところである。 | ||||
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角川書店は、森村誠一の「太平記」を文庫化したのを受け、それを読んだ読者層を取り込むべく、少し時代の下った足利義教の時代を舞台にした本書をあわせて出版したのだろう。(私もその一人である) 南北朝時代ほどではないにせよ、室町時代の政治については、足利義満以外は学校で詳しく教えてもっらた印象はない。むしろ、金閣・銀閣といった室町時代の文化や、経済状況が中心だったように思う。 この作品は、南朝の流れを汲む後南朝の一派が、南北朝合一の時の両統迭立の約束を反故にした室町幕府に対し、倒幕、南朝再興を目指して繰り広げる駆け引きを、後南朝方の北畠宗十郎、幕府方の朝比奈範冬を軸に描く。物語の鍵は、後醍醐天皇が呪力を込め、その目を見たものは、足利幕府倒幕に駆り立てずにはおかないという黒色尉、白色尉、父尉の三つの能面。義満時代の大内義弘の反乱(応永の乱)も、この作品に登場する関東公方足利持氏の反乱(永享の乱)も、この能面がかかわっている。 黒色尉の面行方を求めて宗十郎と範冬が争うのが上巻。赤松満祐の将軍義教暗殺事件(嘉吉の乱)、嘉吉の土一揆で宗十郎と範冬が、再び相まみえる。 歴史活劇として十分楽しめる作品である。 | ||||
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南朝といえば、後醍醐天皇、楠正成がクローズアップされてばかりでしたが、その後の南朝すなわち「後南朝」がこの小説の中心です。歴史上のビッグネームが少ない分、人間関係、諸派の駆け引きが面白く描かれています。もちろん、謎を追及する過程で後醍醐天皇も登場します。 作者が、網野善彦や隆慶一郎の史観の継承者であることがよくわかる本です。まあ、ここで好き嫌いが分かれるでしょうね。 私はどうしても隆慶一郎と比べてしますので、若干、小倉宮の描き方が物足りない気がします。そのため星は4つ。 | ||||
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