エロ事師たち
評判
エロ事師たちの評価:
4.57/5点 レビュー 28件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全112件 41〜60 3/6ページ
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エロ事師たちの評価:
4.57/5点 レビュー 28件。 A ランク
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エッセー「半歩遅れの読書術」にこの小説が出てくる。高校生の時に読んで
すっかりはまったらしい。はまった理由は、
〇 文体(大阪弁をまじえたとぐろをまくようなリズム)
〇 無頼に混ざったセンチメンタルな香り
だと自己分析されているが、論理学者をとりこにしてしまう野坂昭如の
小説の論理展開もすごい。
この小説で野坂は性(エロス)の不思議さについて多くのアイロニーを交えて
挑戦している。主人公のエロ事師たちのいろんな仕掛けも面白いが私はそれに
ひっかかる(あるいは自ら飛び込んでくる)お客さんたちの描写に釘付けになる。
例えば、お客さんたちは、こう描かれている。
・・親代々の小商い受けつぎ、どういうわけか申し合わせた如くいずこも
がみつい女房に、禿頭尻に敷かれる手合いばかり、たまさかの温泉旅行が
唯一つ息抜き、そこで番頭に卑屈にたのんで手にするエロ写真は、彼等の
お守りとよめた。スブやんの持参する新しいネタ眼にするやいなや、
例外なく手をわななかせて逆上し、しかも数みせるうち必ず一枚二枚を
ひそかにくすねるけちな根性。・・
あ~あ、これって私自身のことじゃないか。隠し棚にあふれるエロ・ビデオ、
パソコンからはみ出しそうなエロ写真群、これらの整理もつかずいやむしろ時間と
共に増え続けている。なぜ捨てないのか。そうか、これらは私が人生をあいわたる
時の護符だからか。納得。
この本にはありとあらゆるエロ事がでてくる。エロ事師たちのあいだでも
エロスの追求に関して、ヒューマニズム重視でいくか、アート(芸術)重視で
いくか意見がわかれているのが面白い。アート派は、ポルノ小説、エロ写真、
AV、エロティック・イラストを追い、ヒューマニズム派は乱交パーティ開催、
売春斡旋、処女斡旋、御座敷ストリップ、ダッチワイフ、性具販売などエロエロな
ことを仕掛ける。後者は時間と共に崩落し雲散霧消し、歴史に残るのは前者
(の優れた一部)のみ。諸行無常の世界である。エロ事師の職業病がインポと
いうのも理解できる。
著者の文体は練れている。「すんまへん、当たりですわ、メンタンピン
ドラドラのドンドンで満貫」。麻雀やりながらのオナニー初体験談義の見事さ。
野坂は作家デビュー前、雑誌『奇譚クラブ』に「戸山一彦」名義で寄稿していたと
いう。そのあたりの経験がこの内容と柔らかな文体に影響しているのか。
33歳のときの処女作である。