十角館の殺人

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

十角館の殺人の評価:

3.75/5点 レビュー 763件。 S ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.75pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2,306件 201〜220 11/116ページ
No.2106
(5pt)

息を呑む鮮やかさと透明な薄緑色

2024年3月に実写化というニュースとともに、映像化不可能作品というキャッチフレーズに惹かれてどうしても読みたくなりました。
島へ渡った登場人物の名前と性格が区別しにくく、その点が少し読み進めにくかったです。
しかし、犯人が明かされる一言に息を呑みました。
世界がひっくり返る衝撃を味わう瞬間はそう多くはありません。しかもこんなにシンプルに鮮やかに。
同時に「映像化不可能」と言われている理由も理解しました。
すごい。
本当にどうやって映像化するんだろう。映像作品も絶対観たい。

そしてエピローグの薄緑色の余韻に浸りながらプロローグを読み返しつつ、そこにはっきりと記されている、物語と作品全体のヒントとも言うべき一文を読み、小説の作り方など微塵もわかりませんが、少なくともこの小説は家の建築のようだと感じました。
土台があって骨組みを組み上げ肉付けし、装飾を施していく。
見えていなかったその骨組みが、たった一言であらわにされる。
とても美しい作品だと思いました。
これから犯人の行動を追って、もう一度読み直します。
十角館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社ノベルス)より
406181320X
No.2105
(5pt)

「重要なのは筋書きではない、枠組なのだ」

たとえ途中で犯人がわかってしまっても、それだけでおもしろさが半減するなんてことはない。本作の叙述トリックにきもちよく身をゆだねてみては。

 トリックのあまさや動機のよわさは、プロローグの時点で犯人自身がすでに吐露している。なので、その点をあげつらうのはお門違いだろう(もちろんこれは同時に、作者自身の本作に対する逃げ道(保険)でもあるかもしれない)。
 期待値のハードルをいたずらにあげずさらりと読んでほしい。

以下ネタばれのおそれあり






・リアルな動機だとおもう。うらやましいほどの「若さ」。「たかがそんなことで?」と思ってしまう人は、もう立派な「おとな」だ。

・今日的にはタバコの描写が多すぎるように感じるかもしれない。しかしこれもリアル。2000~2001年くらいまでは、大学キャンパス内のあちこちに灰皿が設置されていた(屋外どころか、ラウンジなど室内にも、テーブルごとに置かれていた)し、なんならタバコの自販機も構内にあった。

・島田と江南が島に向かわなかったのは不自然かもしれないが、その理由は江南自身が述べている。犯人にとってラッキー。

・途中で犯人がわかった読者はどのようにしてわかったのだろうか。「こいつがあやしい」というのではなく、論理的に犯人を導き出せる最短はどの時点なのか。ちなみに私は、例の1行まで犯人がわかりませんでした(「あやしい」というだけならば、セブンスターでぴんときました)

・低評価をされているレビュアーさんは、かわりとなるおすすめのミステリ作品をぜひともあげてほしい(いやみではないです。私自身「にわか」なので、優れた作品をただただたくさん読みたいのです!)。レビューをざっとながめたところ、『夜歩く』 横溝正史、『黒死館殺人事件』小栗虫太郎、『殺戮にいたる病』我孫子武丸、『仮面荘殺人事件』東野圭吾がみつかった。いずれも未読なので読んでみます。

 ミステリファンを増やすために、もっともっとおすすめ作品を紹介してくれるとたすかります。
十角館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社ノベルス)より
406181320X
No.2104
(4pt)

【ほぼネタバレ無しレビュー】

非常に面白く名作と言われるだけはあったのだが、あの1行の衝撃、映像化不可といったキャッチコピーから、最後の展開は読める人も少なくないと思う。上記のキャッチコピーを見て購入したものの、それにより展開が読めてしまい、キャッチコピーの難しさを感じた。中盤の章から一気に面白くなったが、終盤もそのままの面白さで、もうひと山あれば…と少し物足りなさも感じた。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2103
(5pt)

映像化できない意味がわかりました

みんなが言う1行って何だろうと思い読みすすめましたが、私も思わず叫んでしまいました。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2102
(2pt)

つまらん

一言。つまらん。
なにより犯人が島の外から来てたってのが最悪。バイクで夜中に移動って。
あとは動機が軽いというか、あ、そうってなもんで。
登場人物を殺すことにこの作者はなにも感じないんだろうな。
だから読後の後味が悪過ぎる。

追記。
こんなんだったら、回りくどいことせず、最初に島に渡った夜に逃げ出せないようにして、火を放って皆殺しすりゃあいい。
なんでかって、千織が殺された恨みだと知らされないまま殺されていいの?
しかも一人ずつ殺すことに恐怖だとか感じさせたいって言ってるけど、全く感じてないし。
ならいっぺんに焼き殺したらいいんです。
その方が苦しいだろうし、間違いも、毒だとか証拠も残さないですむし。
で、最後に小瓶見つけて審判て、、、。
アホらし。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2101
(5pt)

まあまあ

話題になっていたので、購入しました。
初めの方は登場人物が、アガサ・クリスティなど有名ミステリー作家からとったあだ名で呼び合うので
外国人の名前にめっぽう弱い私は混乱して読み進めづらかった。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2100
(5pt)

実写化不可能と言われたトリック

ミステリー小説のトリックが映像化不可能ってどういうトリックなのかずっと気になっていましたが、読んで納得しました。。
確かにこれは不可能だ。。。
でも!今年の春に実写映画化をするらしいです!

実写映画は絶対失敗するので(笑)、先に小説を読んだほうが良いと思います!ぜひ読んでみて下さい!
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2099
(5pt)

この事だったのか!

衝撃の1行に震えるという帯の謳い文句に惹かれて読みました。
勝手に一番最後なんでしょと思い込んでいたので、その1行が現れた瞬間息を呑みました。
よくよく考えればまぁ犯人はそうなるよねとなりますが、いい意味で探偵役たちに振り回されました。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2098
(5pt)

ググるな危険!

名作。タイトルでググったりするのも検索候補とかでて危険なので、興味ある人は調べず読みましょう。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2097
(5pt)

映像化&最新作舘シリーズ連載 御礼

舘シリーズファンとして、たまらないニュースの連続です。舘シリーズを読む度に、想像する島田氏は私の中では、俳優の堺雅人です。今回の映像化にあたり誰が配役かはまだ知りませんが、私の中では変わりません。ちなみに江南氏は藤原竜也です。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2096
(4pt)

新本格の旗手

決してミステリマニアではなく、また本格と呼ばれる流れには批判的な立場の読者なのですが、新本格と呼ばれるジャンルがこの本から始まったとのことで、文学史の勉強気分で読んでみました。

 面白いかどうかを云えば、流石に新本格というジャンルを確立した有名作だけあって、そういう立場であっても結構楽しめたように思います。犯人当てについても難しすぎない丁度いい難度だったと思います。とはいえ、物語としてみたときには後述するようにいろいろ言いたいことがあります。

 「新本格」は「本格」と何が違うのかなと思って読み始めたところもあります。新本格というジャンルは「この本みたいなミステリ」というのが一応の定義になるのかと思いますが、想像以上に古典的なセッティングで、これはやっぱり古い本格ミステリのルネッサンス、復興運動なんだなと思いました。もちろん元ネタは『そして誰もいなくなった』ですしね。その意味では新本格は本格とあまり変わらないようです。
 ただ一つ気づいたのは、後期クイーン的問題については、慎重に回避しているように見えました。この言葉ができたのはもう少し後の時代らしいのですが、当時から問題意識はあったということですかね。それが「新」の特徴の一つということでしょうか。しかしその代償として、本来名探偵キャラでありそうな島田の立ち位置が極めて曖昧になっています…というより、島田はこの話から削除してもほぼ差し支えないですね。
 また、新本格の場合、舞台が現代(といってももう40年近く前…)なので、このジャンル特有の作為的な設定が、古典推理小説だと当時はこんなもんだったのかなで済むところが、違和感が強調される形になっています。十角館、作るのすごく金かかりそうだし、生活するのも大変で隠遁生活どころではないですよこれは。また、本作冒頭でなんの連絡手段もないまま自ら進んで7日間も孤立するというのも大変危険なことで、かつそれをしなければならない合理的理由も特になく、人物の動きとしてやや無理がありました。

 一般に、古典的な推理小説を物語として評価したときにもっとも問題になるのが、読者に先を読みたいと思わせる仕組みが欠けていて、読者が自主的に犯人当てしようと意欲しない限り先を読む理由がないということです。普通の物語だと、何かしら読者から見て好ましくない結末を迎えそうだという見通しが提示され、それを回避するためにはどういう行動を取ればよさそうかを試行する…という構造があり、これが読者を惹きつける力の源泉となっています。しかし古典的なミステリーだと、既に誰かが殺されていて、その犯人あてをするだけなので、被害者が殺されるという好ましくない結末はもう回避できません。敢えて言えば、犯人が逃げおおせるのを回避できるかどうかが問題となるに過ぎません。また、被害者が殺されたことや犯人が逃げおおせることが本当に望ましくないことかという点も、古典的ミステリではしばしばあまり明確にされないことがあります。これは実質的には大抵、誰が悪人そうで誰が善人そうかというキャラ付けがはっきりしないという形を取ります。
 本作の場合ですが、まず島パートについて言いますと、起こっているのが連続殺人ですので、後続する殺人を防ごうとするという要素(サスペンス要素といってもよい)が入ってきまして、その点では上述のような問題を免れる可能性がある展開です。一方で、島の中ではできることがかなり限られ、結局はなすすべもなく殺されていくような話となっており、その意味では上述の構造から外れます。ただそれでも島の中で誰を信用するかはある程度問題にはなります。一方で、被害者たちが殺されるのは果たして好ましくないことなのかという点については、殺人に至る詳しい事情が明らかにされないために確信が持てないところがありました。結局のところ、島パートについては、物語的な面白さを若干有する筋という程度に評価したいと思います。
 本土パートについては、できることの幅が島パートより大きいですし、上述の島田は名探偵キャラのように見えなくもありませんでしたので、殺人を止めるために何かしら行動できる可能性を秘めており、この意味で物語としてみたとき興味深いパートでした。ただ残念ながら、結局最後まで島の出来事に一切介入しなかったため、期待外れに終わりました。しかしとにかく、物語中盤あたりまでは、このパートが物語への興味を引っ張っていたと思います。おそらくこれが本作の成功の一因だと思います。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4062758571
No.2095
(4pt)

【ほぼネタバレ無しレビュー】

非常に面白く名作と言われるだけはあったのだが、あの1行の衝撃、映像化不可といったキャッチコピーから、最後の展開は読める人も少なくないと思う。上記のキャッチコピーを見て購入したものの、それにより展開が読めてしまい、キャッチコピーの難しさを感じた。中盤の章から一気に面白くなったが、終盤もそのままの面白さで、もうひと山あれば…と少し物足りなさも感じた。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2094
(5pt)

映像化できない意味がわかりました

みんなが言う1行って何だろうと思い読みすすめましたが、私も思わず叫んでしまいました。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2093
(2pt)

つまらん

一言。つまらん。
なにより犯人が島の外から来てたってのが最悪。バイクで夜中に移動って。
あとは動機が軽いというか、あ、そうってなもんで。
登場人物を殺すことにこの作者はなにも感じないんだろうな。
だから読後の後味が悪過ぎる。

追記。
こんなんだったら、回りくどいことせず、最初に島に渡った夜に逃げ出せないようにして、火を放って皆殺しすりゃあいい。
なんでかって、千織が殺された恨みだと知らされないまま殺されていいの?
しかも一人ずつ殺すことに恐怖だとか感じさせたいって言ってるけど、全く感じてないし。
ならいっぺんに焼き殺したらいいんです。
その方が苦しいだろうし、間違いも、毒だとか証拠も残さないですむし。
で、最後に小瓶見つけて審判て、、、。
アホらし。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2092
(5pt)

まあまあ

話題になっていたので、購入しました。
初めの方は登場人物が、アガサ・クリスティなど有名ミステリー作家からとったあだ名で呼び合うので
外国人の名前にめっぽう弱い私は混乱して読み進めづらかった。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2091
(5pt)

実写化不可能と言われたトリック

ミステリー小説のトリックが映像化不可能ってどういうトリックなのかずっと気になっていましたが、読んで納得しました。。
確かにこれは不可能だ。。。
でも!今年の春に実写映画化をするらしいです!

実写映画は絶対失敗するので(笑)、先に小説を読んだほうが良いと思います!ぜひ読んでみて下さい!
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2090
(5pt)

この事だったのか!

衝撃の1行に震えるという帯の謳い文句に惹かれて読みました。
勝手に一番最後なんでしょと思い込んでいたので、その1行が現れた瞬間息を呑みました。
よくよく考えればまぁ犯人はそうなるよねとなりますが、いい意味で探偵役たちに振り回されました。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2089
(5pt)

ググるな危険!

名作。タイトルでググったりするのも検索候補とかでて危険なので、興味ある人は調べず読みましょう。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2088
(5pt)

映像化&最新作舘シリーズ連載 御礼

舘シリーズファンとして、たまらないニュースの連続です。舘シリーズを読む度に、想像する島田氏は私の中では、俳優の堺雅人です。今回の映像化にあたり誰が配役かはまだ知りませんが、私の中では変わりません。ちなみに江南氏は藤原竜也です。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794
No.2087
(4pt)

新本格の旗手

決してミステリマニアではなく、また本格と呼ばれる流れには批判的な立場の読者なのですが、新本格と呼ばれるジャンルがこの本から始まったとのことで、文学史の勉強気分で読んでみました。

 面白いかどうかを云えば、流石に新本格というジャンルを確立した有名作だけあって、そういう立場であっても結構楽しめたように思います。犯人当てについても難しすぎない丁度いい難度だったと思います。とはいえ、物語としてみたときには後述するようにいろいろ言いたいことがあります。

 「新本格」は「本格」と何が違うのかなと思って読み始めたところもあります。新本格というジャンルは「この本みたいなミステリ」というのが一応の定義になるのかと思いますが、想像以上に古典的なセッティングで、これはやっぱり古い本格ミステリのルネッサンス、復興運動なんだなと思いました。もちろん元ネタは『そして誰もいなくなった』ですしね。その意味では新本格は本格とあまり変わらないようです。
 ただ一つ気づいたのは、後期クイーン的問題については、慎重に回避しているように見えました。この言葉ができたのはもう少し後の時代らしいのですが、当時から問題意識はあったということですかね。それが「新」の特徴の一つということでしょうか。しかしその代償として、本来名探偵キャラでありそうな島田の立ち位置が極めて曖昧になっています…というより、島田はこの話から削除してもほぼ差し支えないですね。
 また、新本格の場合、舞台が現代(といってももう40年近く前…)なので、このジャンル特有の作為的な設定が、古典推理小説だと当時はこんなもんだったのかなで済むところが、違和感が強調される形になっています。十角館、作るのすごく金かかりそうだし、生活するのも大変で隠遁生活どころではないですよこれは。また、本作冒頭でなんの連絡手段もないまま自ら進んで7日間も孤立するというのも大変危険なことで、かつそれをしなければならない合理的理由も特になく、人物の動きとしてやや無理がありました。

 一般に、古典的な推理小説を物語として評価したときにもっとも問題になるのが、読者に先を読みたいと思わせる仕組みが欠けていて、読者が自主的に犯人当てしようと意欲しない限り先を読む理由がないということです。普通の物語だと、何かしら読者から見て好ましくない結末を迎えそうだという見通しが提示され、それを回避するためにはどういう行動を取ればよさそうかを試行する…という構造があり、これが読者を惹きつける力の源泉となっています。しかし古典的なミステリーだと、既に誰かが殺されていて、その犯人あてをするだけなので、被害者が殺されるという好ましくない結末はもう回避できません。敢えて言えば、犯人が逃げおおせるのを回避できるかどうかが問題となるに過ぎません。また、被害者が殺されたことや犯人が逃げおおせることが本当に望ましくないことかという点も、古典的ミステリではしばしばあまり明確にされないことがあります。これは実質的には大抵、誰が悪人そうで誰が善人そうかというキャラ付けがはっきりしないという形を取ります。
 本作の場合ですが、まず島パートについて言いますと、起こっているのが連続殺人ですので、後続する殺人を防ごうとするという要素(サスペンス要素といってもよい)が入ってきまして、その点では上述のような問題を免れる可能性がある展開です。一方で、島の中ではできることがかなり限られ、結局はなすすべもなく殺されていくような話となっており、その意味では上述の構造から外れます。ただそれでも島の中で誰を信用するかはある程度問題にはなります。一方で、被害者たちが殺されるのは果たして好ましくないことなのかという点については、殺人に至る詳しい事情が明らかにされないために確信が持てないところがありました。結局のところ、島パートについては、物語的な面白さを若干有する筋という程度に評価したいと思います。
 本土パートについては、できることの幅が島パートより大きいですし、上述の島田は名探偵キャラのように見えなくもありませんでしたので、殺人を止めるために何かしら行動できる可能性を秘めており、この意味で物語としてみたとき興味深いパートでした。ただ残念ながら、結局最後まで島の出来事に一切介入しなかったため、期待外れに終わりました。しかしとにかく、物語中盤あたりまでは、このパートが物語への興味を引っ張っていたと思います。おそらくこれが本作の成功の一因だと思います。
十角館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 十角館の殺人 (講談社文庫)より
4061849794