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はるがいったら
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はるがいったらの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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わたしの愛犬もハルという名で、14歳で死んだ。いろんなシチュエーションは似ていて、知り合いが書いたのではと思ってしまった。 引き込まれて一気に読みました。 | ||||
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題名の“はる”には、二つの意味があるのだと思う。 一つは愛犬“ハル”、もう一つは季節の“春”。 主人公は二人の姉弟、 完璧主義の姉 園(その)と、物事を「そんなもんか」と達観している弟の 行(ゆき)。 二人の視点が交互に展開し、ストーリーは進行する。 両親が離婚し、離れて暮らす二人。 一人暮らし中の園は、自分にとっても周囲にとっても“完璧”な自分であろうとしている。 デパートの受付勤務、そして不倫中。 一方、行は父親の再婚相手と連れ子と暮らしながら、老犬ハルの介護をする日々を送っていた。 体の弱い行が入院し、園がハルの介護を引き受けてから、少しずつ二人に変化が訪れた。 登場人物達が自然体で、とても入り込みやすい。 どこかにいそうな人たちの、どこかにありそうな話だが、飛鳥井さんの手にかかると新鮮だ。 自分が他人に見せようとしている自分と、他人が見ている自分は結構違うものだ。 だったら、見せようとしない方がいいのだろう。 ゆっくりとした時間の中で、ちょっと考えたい方にお奨めしたい。 | ||||
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なにげなく読み始めたがひきこまれた。 新人とは思えない味のある物語だと思う。 兄弟の生活の中心にある老犬のことを事細かに書いていないところが 返って自然で存在感を出していると思った。 | ||||
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良かったです。何となーく手にとって読み始めたら期待以上。瑞々しいといえば瑞々しいが、わざとらしさがない。なかなか珍しい設定なのだけれど、胡散臭さもない。ほのぼのしている中にほどよく刺さるトゲがあり、なかなか読ませる作品。今後の作品にも期待したい。 | ||||
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小学校低学年のころから飼い始めた犬が死んだとき、犬がいなくなるとともに自分の子供時代がこれで終わるんだ、というような不思議な感覚を覚えました。この小説は、子供のとき公園で犬をひろった姉弟が主人公で、姉が23歳、弟が高校3年生になったときの、犬が晩年を迎えたときの話だったので、なんとなく懐かしく思いながら読みました。 正直、完璧主義な姉とマイペースな弟の二人の主人公に感情移入できませんでしたが、ヤンキー崩れっぽい義理の兄の気持ちとか、姉に脅迫文を送った犯人の言い分とか、関係ないのに隣人が犯人を知ってしまう理由とか、主人公をとりまいている人たちのほうの気持ちがなんとなくわかるような気がしました。正しい、正しくないは置いといて…。 | ||||
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表紙をみて、犬とのほのぼの生活をかいたものかと思いきや、そうではなかったんですね。 完璧を求める姉は、婚約者がいる幼馴染の男性と付き合う、デパートの受付嬢。 父親と、再婚した母親(しかも父親の元愛人)と血の繋がらない兄と、そして年をとって介護が必要な犬と暮らす、どこかさめている病気がちの弟。 一言でいえば、その二人が抱える現実や不安を書いた物語といったところでしょうか。 姉は自分の存在に、弟は将来に。 それ以外にも、不安定な人達が出て来て、世の中完璧な人はいない!!と実感できる一冊。 その悩みがすごくリアルで、共感できる部分もかなりありました。 それに、物語にぐいっと引き寄せられます。 姉が無言電話や手紙に追い詰められて、対決しようと決心するところなんて、本当にはらはらしました。 どんどんと一気に読めます。 新人とは思えないほどの、人をひき付ける文章だと思います。 読み終わった後はじんわりと心が温かくなりました。 次作も、読みたいです。 | ||||
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感性がいい、というのはありがちな表現だが、感性が本当に鋭い人と鋭く見せかけている人はちがう。 この作品にはみずみずしさをたたえてすがすがしさと、品を感じる。 今風の雰囲気をかもしだしながらも、がけっぷちでありがちにさせないところに踏みとどまっていることがすごい。 老犬介護やピンク魔女、義理の兄貴や隣の男、幼馴染のいかした男など、登場人物や設定が的確で適度に使われている。 このバランス感覚はなかなかで、次を期待出来そう。 星がひとつ足りない理由はふたつ。 新人だからまだ謙虚でいて欲しいから敢えて。 装丁。あの犬の絵はちがうだろう。どんなふうに読んだらあの犬が思いつくのだろう、と思った。 | ||||
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病弱だが聡明な弟、完璧を求めるのだが、それにより誤解を招いたり、真反対のもろさも含む姉。 少々変わった家庭環境ではあるが、悪意が無く身近に居そうな他の登場人物や老犬との日常と高校生・行のこころの成長が奇を衒わず描かれている。 家庭環境は異なるものの、主人公の明るさ、健全さは昔見たテレビドラマ「太郎の青春」を髣髴とさせる若々しく心地よい作品。この「はる」もドラマ化されてもおもしろいと思う。 | ||||
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すごく読みやすい文体で、面白くて、ノンストップで読みました。そしてそのあとに、すごく深くて温かい何かが心に残りました。 これは「どうしようもないこと」にどう向き合うかを描いた小説なんじゃないかな、と思います。人生には「どうしようもないこと」「自分にはどうにも出来ないこと」が たくさん降りかかってくる。それにどういう向き合い方をするかこそが人間の個性なのだ、と教えてもらえた気がします。 「どうしようもないこと」を「何とかしよう」とどこかやりすぎてしまうところがある姉の園。何でも自分の思うようにコントロールできないとつらい。不安。 それに比べて何かが足りない弟の行。どうせ自分が働きかけても、と思って何もしない。先に結論を予想してしまう。そしてぶち当たることすら避けようとする。 二人の姿には、それぞれに私自身思い当たるところがたくさんあって、自分を映す鏡みたいな小説だと思いました。すごくリアルで、なんでこんなに私の気持ちがわかるんだろう、この人…と不思議に思うくらい。唸らされました! そんな、ちょっと変わった、けれども誰の心にもある不安を体現した二人が、「最大のどうしようもないこと」にぶちあたった時、何かを学び、前に進んでいく姿に勇気をもらいました。優しくて確かな感動です!! | ||||
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犬が好きで、つい表紙の絵に惹かれて買ってしまいました。 こういう人いるいる、とか頷きながら軽い気持ちでどんどん読み進めていったら、最後、以外にもじわっとしてしまいました。 私も犬を飼っているので、介護の様子など、たまりませんでした。はるが二人に教えてくれた、気づかせてくれたものが、私の心にもずっと残っている気がします。 犬好きの方にはぜひ!読んでほしい本です。 | ||||
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タイトルを見たとき、「春が行ったら」だと思っていた。しかし最後まで読んでみて、これは「ハルが逝ったら」という意味なのだなあと感じた。 子供のころ両親の離婚によって別々に暮らしている姉と弟。完璧主義でストイックな姉と、「まあこんなもんだろう」と何事にも熱くなれない弟。そんな姉弟が老犬の介護と死を通じて、少しだけ目覚めていく物語だ。 容姿端麗で誰からもうらやまれるのに、なぜ園(姉)は完璧をめざすのか?そこには自分自身にも嘘をついていた深い愛と、自分に対する自信のなさや、弱さが詰まっている。一方の弟も、物事を簡単に割り切って受け入れることが、人と違うのでは?と思い始める。幼いころから一緒に暮らした犬、ハルを一生懸命介護するふたり。そんなふたりのみずみずしさに心打たれる。そのほかの登場人物も手を抜かずにきっちり描かれている。姉、園が心の区切りをつけて変化していくさまに感動。 | ||||
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書店で見て、なんとなく表紙の犬の絵に惹かれるものを感じて購入。 青春小説系はたくさんあるので、正直あまり期待しないで読み始めたのですが…。はまりました。 愛犬家であれば避けて通ることのできない「愛犬の老後」と「介護」。 老いた愛犬「ハル」の下の世話をしながら淡々と生きる、「何事にも熱くなれない高校生」の「行」。 そんな「行」と、両親の離婚で別れて暮らしていた姉の「園」が、「ハル」の介護を通して、 「あえて見ないようにしていた」「避けて通ってきた」自分の問題に、まっこうからぶつかっていこうと決心します。 言葉にしてしまうと陳腐ですが、そのプロセスが、細やかな文体で爽やかにつづられていてとても共感しました。 「ついつい人のファッションチェック、私もやってるよなー」とか思いながら。 みんなの思いを背負った「ハル」が「還っていく」。 じんわりと胸にしみるラストもナイスです。 | ||||
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ラストがいい! リアリストでストイックな姉・若いのに老成しきった弟という、 「普通」なのにどこか「アンバランス」な妹弟が、ちょっと素直になれるようなラスト。じんわり。 お洒落で、完璧なほど体型を維持する生活をしている姉・園が、幼馴染で婚約者がいる恭二という男の浮気相手になっていて、そこで感じる優越感とか悩みの場面が、よかった。恭二みたいな男が、全然憎らしく見えず、彼もまた「アンバランス」な人間なんだろうと思った。そのほかに出てくるキャラクターがすごくいい。 隠れたいい本です。 | ||||
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