赤いオーロラの街で
評判
赤いオーロラの街での評価:
4.07/5点 レビュー 14件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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赤いオーロラの街での評価:
4.07/5点 レビュー 14件。 B ランク
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ああ、いや、言い直す。本書が描き出す、本書なりのリアリティには、驚くほどに切迫感がない。
ただしこれは必ずしも批判してるわけではない。何故ならば当方の悲観的な想像だって大した根拠はないわけで。だから、ううむ、この著者の楽観的な想像の方が意外に事実に近いのかも知れないなあ、オレの悲観はもしかすると紋切り型に過ぎるのかもなあ、とか、そんな可能性について思いを巡らせられたのはよかったと思う。
そもそも「太陽フレアによる全世界同時停電」なんてことを聞いたことも考えたことも憂慮したこともいっさいなかった自分が、そこに警鐘を鳴らす本書を「楽観的過ぎる」だなんて批判する権利はあるはずもないので、まあとにかく、知らなかったことを教えてくれてありがとうございます、と言うべきだろう。
ただ、好みの問題とは思うが文体が軽過ぎて、全体にちょっと残念。たとえば文末の「わけで」。
当文庫版初版44ページにこういう文がある。
”ほぼすべての、ってどこのことなのだろう。(中略)今ここだって信号なら停止してるわけで。”
そして84ページにこういう文がある。
”今大事なのは、何よりも正確な情報なわけで。”
そして86ページにこういう文がある。
”工場も動いてないから新しく生産もできていないわけで。”
ああ軽い。アマゾンのレビューとかヤフー知恵袋とかであれば別に違和感ないだろうけど、小説というものはもうちょっと端正な文体で書いてもらいたいわけで。それとも、小説というものに対する当方の価値観が権威主義的で保守的過ぎるのだろうか。考えてみれば自分がなぜ「文末のわけで」を好きじゃないのか、ちゃんとは説明できないわけで。
あと、主人公は明らかに著者自身の投影なんだけど、この主人公を、周りの人が、ちょくちょく褒めるんですよ。著者自身の筆で。それがなんかちょっと面映いというか、恥ずかしいわけで。
あと、夜空がオーロラで赤い、という描写が、途中からぱったり消える。なんでだろう、と思って読み返したら、47ページに「おそらくこれから2、3日はオーロラが続く」という記述を見つけた。ああ、2、3日で消えるのか。そうだったのか。そんなら、半年間ほどを描いた本で『赤いオーロラの街で』というタイトルはちょっとどうなの、と思いました。
さらに、この流れのついでに残念な点をもうひとつだけ言うと、方言の不在。「北海道 方言」とかでググると、なかなかチャーミングな北海道話法がわんさか見つかるけど、どうしてこの本の会話文には北海道弁がいっさい登場しないのだろうか。