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波打ち際の蛍
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波打ち際の蛍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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今回も新品?と思える品をありがとうございました。また利用させていただきます。 | ||||
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過去に恋人からのDVに傷つけられた麻由は、同じ相談室に通う蛍と出会い、やがて恋をする。 触れたいという恋情と、触れられたくないという拒絶。心と身体がそれぞれ別の生き物みたいに違う意志を持って動いている様子が、痛くて苦しくて、無意識に息を止めていた。 心にある古傷を隠して生きている人は世の中にたくさんいる。 ページをめくるごとに、少しずつ自己肯定をして傷の上に塗り重ねてきたものを一枚一枚剥がされていくような感覚になった。「だめな自分」に戻されてしまう、と心が怯える。前半部分の麻由の言動を客観視することは、傷を抱えて生きている人にはほとんど自傷行為のようなものだと思う。ひたすら自分の弱さと向き合わなければならない。だんだんと、自分と麻由の境界線が曖昧になっていく。 この本を読んで改めて感じたのは、どれだけ自分がボロボロで醜い姿になったとしても、自分を諦めないでいてくれるたったひとりがどれだけ心強いかということ。どん底から引っ張り上げてくれたさとる君や、逃げても呆れず向き合ってくれた蛍のように。逆にそういう人がひとりもいなければ、人は簡単に死を選んでしまうのかもしれない。他者の中にいる「大切にされている自分」を知ることで、人は強くなるのだと思った。 | ||||
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作者の別冊を読み購入。 この本は読み進めるは良かったが・・・ 最後が自分的にはイマイチしっくりこなかった・・・ | ||||
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本を読んで、心をシンと静める、という、本来の自分の読書のスタンスを思い出す作品だった。 積ん読だらけの本の中で、久しぶりに一気に読み終えた。 それはハラハラドキドキとか、ワクワク感とは当然違っていて、何だろう、こう、自分自身が生き急いでる感だったりもして。 とても繊細な文章を描くひとだなあと。 題材や内容ももちろん繊細なものなのだけど、そう感じさせるのはだからじゃなくて、島本さんの文章自体がとても繊細だからだ。 神社のお祭りのシーン、食べ物を手に歩く人々の描写が素晴らし過ぎてハッとした。 | ||||
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とても良い作品でした 考えさせられる場面も多く 久しぶりにハッピーエンドで終わって欲しいと願った作品。 | ||||
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「波打ち際の蛍」 海ボタルがイメージなのでしょうか。暗闇の中の優しい道しるべに感じます。 私は 親のDVを見て育ち 年老いてからもフラッシュバックで悩まされる母の世話と亡くなる1年前から母とは別居(入院や介護施設)になった父を看取りました。 当時は女性が一人では生きにくい時代だったと思います。 今は形は違えど NPOや医療、国の支援があり 「さとる君」や「蛍」の存在にイメージされる様に 一歩踏み出せる機会もあります。 暴力に身を任せず、諦めないで欲しい。 「ナラタージュ」もそうですが、島本作品は女性に自分の考えや行動に意志と自由さがあるのが好きです。 好きな男性に愛す事も 愛されることへの自身の気持ちを表現できる 自由と強さがいつも印象に残ります。 作品を読み終えた後には 大人に成長した娘や息子達にも 不器用でも良いので島本作品の様に互いを思い合える恋愛を経験して欲しいと感じます。食事のシーンはいつも目の前で 一緒に食べているかの 表現力で楽しみにしています。細やかな日常生活を明るい視点で見直させてくれるのも島本作品の楽しみですね。 | ||||
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ブックオフで探すのが面倒で、受け取りに署名が必要なく郵便受けに入れてくださる、という点で大変満足です。 | ||||
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初めて島本理生さんの本を読んだのは「ナラタージュ」で、あのときの衝撃は忘れられません。今回、2冊目の島本さんの本になります。 以前の恋人から暴力を受けたことで、男性とうまく付き合えなくなってしまったヒロイン。彼女がある日出会った男性。近づきたいのに近づけないという、もどかしさと苦しさを、島本さん流の切なすぎる文章が綴っていきます。 「ナラタージュ」のときは、冒頭から結末が分かっていましたが、こちらの作品は、惹かれあった彼女と彼が、どこに行きつくのか、まったく分からないままに進んでいくので、とにかく目が離せませんでした。そして、結局、彼らはどこに行き着いたのでしょうか。 結末だけが少し残念に思います。 私は個人的に、ヒロインのいとこである、さとる君がお気に入りです。 どなたかもおっしゃっていますが、さとる君の存在感が大きくて、蛍の存在が際立っていないように感じました。 | ||||
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島本理生さんの本は出るたびに惰性で買い続けている。 次こそは傑作かもしれないという期待をしているのだが、結局期待外れ。 当初の鮮烈さはどこへやら、一切小説家としての成長が感じられない。 いつまで中学生みたいな内容を書き続けるのかと思ってしまう。 いつも似たような内容で似たような結末。 芥川賞をいつまでも取れない理由がよく分かる。本作も文庫ならお金を無駄にしたような気持ちにならないと思う。 単行本を買う必要のない作家であるが、そろでも出し続けている点はすごいとは思う。 文章もいつまでも稚拙なのが気になる。 | ||||
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島本理生さんの作品に多い「過去にトラウマを抱える女性」像。 今回もDVによって感情が破綻した女性と丁寧な優しさを持った蛍との恋愛でした。 ナラタージュなどに比べるとさらりと読める作品でしたが、 中に秘められたメッセージの重さによって一筋縄ではいかないさくひんです。 島本さんの描写本当に好きなんです! もどかしいくらいに距離を取りたがる女の子と、それでも尚近付いていきたいという蛍が健気で痛々しくて、いつまでも胸に残ります。 ただ蛍の過去は少し「あれ?」という部分がなかったとは言えなくて・・・ でもこれくらいのほうが重くなり過ぎないで良い、ってことなのでしょうか? DVの描写がリアルで、そこは注意です。 女性は少し読む時に気を付けても良いくらいリアルです。 でもラストは島本ワールドで、夜空を見上げた時のような迫りくる鮮やかな描写に爽快感と苦しさを抱きます。 | ||||
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島本理生サンの作品は幾つか読んでいるけれど、良くも悪くも、どれも“悩める乙女”の心理描写が丁寧で、物語の世界が奇妙に明るすぎることがない。 この小説は、むしろ暗いかもしれない。 少なくとも、私個人的には、読後感は「微妙」だった。 “恋愛小説”のカテゴリーに分けられているようだけれど、世間一般で言われているようなハッピーエンドとはちょっと違う気がする。 「え、コレで終わり??」というようなあっけなさ。 暫く考えて納得したのだけれど、この物語は多分、“ある女性の人生の一部分を切り取ったもの”なのだ――だからこそ、ゴールに到達することもなく、まるで明日に続いていくかのように唐突に話が終わる。 フィクションという観点で言えば、それでは些か物足りないことも、否定は出来ないけれど。 そして、登場人物のキャラクター設定にブレがないのも特徴。 悩んでいる主人公はストーリーが終わるまで悩んでいるし、神経質そうな元カレはいつまでも神経質そうだし、陽気で懐の深い従兄弟は最後まで面倒見が良いし、影の薄い恋人はやっぱり影が薄いままだし。 そういった意味でも、フィクション特有の「劇的な変身」や「ドラマティックな前進」は、本当に一切、期待出来ない。 それゆえ、ストーリーが印象に残ることもなく、キャラクターに特別な思い入れが湧くはずもない。 可もなく、不可もない。 そんな評価がピッタリな一冊だ。 | ||||
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「ちょっと目を離したら、すぐに遠くへ流されちゃいそうだから。ここにいれば、俺がずっと、白線の外側に」 島本さんにのめり込む切っ掛けとなった一冊です。 普段それほど小説を読まない自分でも“透明感のある文章”と感じたことにまず驚きました。 そんな文章の中で、「カシスオレンジ」「牛丼」「銀色の花びらが舞っているレターセット」など、食べ物や小物の描写がぱっと浮かび上がっているように感じました。 特に大きな出来事が起こるわけではない流れなども含めて、「これこそ島本理生!!」と、勝手に思っています。 『生まれる森』『リトル・バイ・リトル』が好きな人には絶対に読んで欲しいです。 過去の体験から男性不信のような状態に陥っている女性が、包容力のある男性に少しずつ心を解きほぐされていく。 心の変化のスピードはじれったいほどゆっくり。 相手に触れるか触れないかの心が繊細に描かれ、ちぎれるんじゃないかというほど切なさを刺激されます。 一度鬱になりかけた身としては、昔の友達に会ったり、新しい服を買ったりするだけでパニックを起こしそうになる麻由の気持ちが痛いほど分かります。 そのため、優しさや思いやりに溢れるラストには、とてつもない爽快感を感じました。 いつに読んでも好きですが、夏に読むと更に良いです。 蛍といい、“神様みたいな包容力と理性”を持っていると書かれる従兄弟のさとる君といい、こんな男性が現実にいたら…と、つくづく思います。 | ||||
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元々、島本理生さんが好きで読んだのですが、はっきり言うと微妙です。 帯に、「ナラタージュを超えた、最大熱量の恋愛小説!!」と書かれていましたが、私にはナラタージュの方が断然良いと思います。個人の好みはあるでしょうが、なんとなく書ききれてないような気がします。最後のページまできたとき、「あれ、これで終わり?」という感じがしたので・・・ ただ、主人公の女の子のちょっとした感情や、日常で思うこと、そういった細かな描写は相変わらずすごいなぁと思いました。麻由の困ったような表情も、ありありと想像できました。蛍の生な気持ちもありだと思います^^ 全体的に批判的な内容にはなってしまいましたが、良い作品だと思います! これからも、島本さんには感動できる小説をたくさん書いて欲しいと思います。 | ||||
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相手役の蛍の存在がいまいち霞んでしまっているような印象。 読みやすい文体ですが、登場人物にいまいちインパクトがない。 (別作品でもいえることだと思います) 別作品と似たようなタイプの主人公(繊細で、傷つきやすい)なので、この話では題材的にこれでいいと思いますが、そろそろタイプの違う作品も拝読してみたいです。 でも安定した文章なので、安心して読み進められますし、緩やかな感じで迎える結末も悪くないです。 | ||||
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女性主人公の「心の救い」役を担う男二人のキャラクターが どうしても優等生的で、型通りで、薄くて 肉体ある男「性」として感じられないのが残念。 しかしながら相変わらず女性主人公の感情の機微を 一人称で細やかに描写していく手腕は 真に「眼が眩む」水準にあると感じるし、 右に出る者がいないほどすばらしい。 心情と肉体との葛藤の描写も秀逸。 余談だが、カバーイラストを描いている 日端奈奈子の表紙は、書店で見かけると すぐに目がいく美しさだ。 | ||||
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丁寧に丁寧に、繊細な壊れやすいものをいたわるように描かれている。 久々に島本さんらしい透明感のある作品を書いてくれたように思います。 気持ちは間違いなく惹かれあっているのに、体と過去がそれを受け付けられない。 近づきたいのに、近づけない・・・二人のもどかしさが手に取るように伝わります。 でも主人公の麻由が恋する蛍って、麻由の心が溶けていくのをゆっくりと待ってくれる優しい男なんだろうけど私はなんか信用できない。 すごく大人な男として描きたいんだろうけどそうは見えないっていうか、 「ナラタージュ」の時にも感じた島本さんの“男性の描き方が甘い”という弱点がここでもでてきちゃったように感じる。 麻友を元カレから救った従兄弟のさとる君と、揚げ物が大好きな紗衣子さんがすごーくいいキャラで素敵です。 さとる君がいい男すぎるから余計に蛍がかすんで見えるような・・。 | ||||
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こんなに痛い恋愛小説を読んだのは、はじめてかもしれない。読みながら何度も涙がこぼれた。それは自分が主人公と同じように恋愛でキズを負っているからかもしれない。 暴力をふるわれても、そこはわたしのいる場所で、そこにしか自分の居場所がないと、そこで愛されていると思い込む。しかし暴力をふるわれているうちに、自分というものが希薄になってしまう。暴力で愛を測るというシーソーゲームを放棄してしまった時、敗北感という無情な虚無感を味わうのだと、飛び降りた勢いで、こころもからだも投げ出されてキズを負うのだと思う。 キズを舐めながら、それでも愛することをあきらめない主人公に救われる。そして、蛍のような人に愛される幸せをわかっていることに、今、そしてこれからの希望を感じる。 同じ恋愛なんてそして傷つかない恋愛なんてひとつもないということを、肌で感じさせてくれるくれる物語だ。 | ||||
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