日の名残り

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評判

日の名残りの評価:

4.45/5点 レビュー 402件。 A ランク

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平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全911件 701〜720 36/46ページ
No.211
(5pt)

これがノーベル賞を取る作品なんですね

それぞれの立場での品格を執事という職業を通して事細やかにストーリーにしています。
今の時代に薄れてしまった品格について、イギリスの衰退を例にしてとても面白かったです。

前半は登場人物のプロフィールが少なく、状況説明も乏しいと思っていましたが、作者が言いたかった事が後半に凝縮されているように思いました。

ノーベル賞作品は読んで、心の奥底に深く残る作品でないといただけないようです。ただ、突飛で面白いストーリーを書いただけの娯楽的な作品とは何か異なるものを感じました。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.210
(4pt)

今まで知らない世界

執事の冷静な中に心の揺らぎをイングランドの風景に投射した文律は心に残るものでした。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.209
(5pt)

これがノーベル賞を取る作品なんですね

それぞれの立場での品格を執事という職業を通して事細やかにストーリーにしています。
今の時代に薄れてしまった品格について、イギリスの衰退を例にしてとても面白かったです。

前半は登場人物のプロフィールが少なく、状況説明も乏しいと思っていましたが、作者が言いたかった事が後半に凝縮されているように思いました。

ノーベル賞作品は読んで、心の奥底に深く残る作品でないといただけないようです。ただ、突飛で面白いストーリーを書いただけの娯楽的な作品とは何か異なるものを感じました。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.208
(4pt)

今まで知らない世界

執事の冷静な中に心の揺らぎをイングランドの風景に投射した文律は心に残るものでした。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.207
(5pt)

これがノーベル賞を取る作品なんですね

それぞれの立場での品格を執事という職業を通して事細やかにストーリーにしています。
今の時代に薄れてしまった品格について、イギリスの衰退を例にしてとても面白かったです。

前半は登場人物のプロフィールが少なく、状況説明も乏しいと思っていましたが、作者が言いたかった事が後半に凝縮されているように思いました。

ノーベル賞作品は読んで、心の奥底に深く残る作品でないといただけないようです。ただ、突飛で面白いストーリーを書いただけの娯楽的な作品とは何か異なるものを感じました。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.206
(5pt)

二つの衰退が重なりあって 新生につながる。

衰退しつつある英国の風景と文化とが美しく描かれている。
お金の事しか関心のない米国が文明を犯してゆくさまが痛ましい。
尊厳と誇りとをかみしめている執事と作者がいる。
いま米国が衰退に向かっているとき アメリカ嫌いの人々が集まって
ノーベル賞に推薦したに違いない。
世界は再び 人間の尊厳が大切にされる場所に 戻るだろう。
新経済主義から 新人間主義への 始まりの 受賞に違いない。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.205
(5pt)

二つの衰退が重なりあって 新生につながる。

衰退しつつある英国の風景と文化とが美しく描かれている。
お金の事しか関心のない米国が文明を犯してゆくさまが痛ましい。
尊厳と誇りとをかみしめている執事と作者がいる。
いま米国が衰退に向かっているとき アメリカ嫌いの人々が集まって
ノーベル賞に推薦したに違いない。
世界は再び 人間の尊厳が大切にされる場所に 戻るだろう。
新経済主義から 新人間主義への 始まりの 受賞に違いない。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.204
(5pt)

二つの衰退が重なりあって 新生につながる。

衰退しつつある英国の風景と文化とが美しく描かれている。
お金の事しか関心のない米国が文明を犯してゆくさまが痛ましい。
尊厳と誇りとをかみしめている執事と作者がいる。
いま米国が衰退に向かっているとき アメリカ嫌いの人々が集まって
ノーベル賞に推薦したに違いない。
世界は再び 人間の尊厳が大切にされる場所に 戻るだろう。
新経済主義から 新人間主義への 始まりの 受賞に違いない。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.203
(5pt)

素晴らしい本、そして丸谷才一のコメントへの反発

24年ほど前に、原文で読む機会があった。オランダ人の人に進められたからだ。あれは日本人なのか、と言われた。職務に滑稽なほど懸命な主人公と、その結果、うまくいかなかった、懸命に使えた主人の仕事が必ずしも国にとって望ましい結果をもたらさなかったということで、自分の努力が無駄になったという後悔の念についてはよく理解できた。また職務に忠実なあまり、女中頭の気持ちも受け止められず、自分自身の感情も理解できなかったという後悔の念も。しかし本書の最後についている丸谷才一のうすっぺらな批判には腹が立った。丸谷は、使えていて尊敬していた主人の失敗を見抜けなかったこととか、女性の感情も理解できなかったことで、つまらない男だというふうに切り捨てている。これはあまりにもひどい。丸谷は、職務などに忠実で、全霊を捧げるということには、無縁に違いない。そして、女性の気持ちがよくわかる男、たぶん女たらしなのだろう。しかし、会社の営業の業務に、また製品開発に、研究に、そして後進の教育に、自らの一生を捧げて悔いないという人生を送っている人は数多くいる。その結果が、実はうまくいかないこともあるだろう。それが人生だ。それをつまらないというふうに切り捨てる丸谷は、いかにもどうしようもないという気がする。そのような主人公だからこそ、この女中かしらは引かれたに違いないと思う。丸谷は、偉そうに他人を貶すだけのつまらない人間だった。これまでは少しは良いところがあると勘違いしていた自分を恥じる。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.202
(5pt)

英国の執事と言う職務がわかりました。

この本を読む前に連続テレビドラマ「ダウントンアビー」を見て貴族の館を取り仕切る執事の仕事が、何となく分かったので、この「日の名残り」はわかりやすかった。テレビドラマの方は職場のシステムに関して理解出来ましたが、日の名残りでは、執事の内面が、詳しく書かれて居て、成る程と、思いました。日本の大名屋敷の御家老とも違う役割かな、英国の独特な仕事と、階級。執事に大切なことは品格であり、仕えるお屋敷の格やご主人の地位に関わってくる。対して下僕やメイドと言う職業の階層もあり、執事は主人を超えず屋敷内の行事や人事管理もこなす。
社会の変化の波に抗し切れず屋敷は人手に渡る。下僕もメイドも減らされていく。
新しい米国人のご主人には中々英国流は、受け入れられず、葛藤しながらも新しいご主人に忠実に仕えていこうとする誇り高い、英国最後の執事に感動しました。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.201
(5pt)

素晴らしい本、そして丸谷才一のコメントへの反発

24年ほど前に、原文で読む機会があった。オランダ人の人に進められたからだ。あれは日本人なのか、と言われた。職務に滑稽なほど懸命な主人公と、その結果、うまくいかなかった、懸命に使えた主人の仕事が必ずしも国にとって望ましい結果をもたらさなかったということで、自分の努力が無駄になったという後悔の念についてはよく理解できた。また職務に忠実なあまり、女中頭の気持ちも受け止められず、自分自身の感情も理解できなかったという後悔の念も。しかし本書の最後についている丸谷才一のうすっぺらな批判には腹が立った。丸谷は、使えていて尊敬していた主人の失敗を見抜けなかったこととか、女性の感情も理解できなかったことで、つまらない男だというふうに切り捨てている。これはあまりにもひどい。丸谷は、職務などに忠実で、全霊を捧げるということには、無縁に違いない。そして、女性の気持ちがよくわかる男、たぶん女たらしなのだろう。しかし、会社の営業の業務に、また製品開発に、研究に、そして後進の教育に、自らの一生を捧げて悔いないという人生を送っている人は数多くいる。その結果が、実はうまくいかないこともあるだろう。それが人生だ。それをつまらないというふうに切り捨てる丸谷は、いかにもどうしようもないという気がする。そのような主人公だからこそ、この女中かしらは引かれたに違いないと思う。丸谷は、偉そうに他人を貶すだけのつまらない人間だった。これまでは少しは良いところがあると勘違いしていた自分を恥じる。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.200
(5pt)

英国の執事と言う職務がわかりました。

この本を読む前に連続テレビドラマ「ダウントンアビー」を見て貴族の館を取り仕切る執事の仕事が、何となく分かったので、この「日の名残り」はわかりやすかった。テレビドラマの方は職場のシステムに関して理解出来ましたが、日の名残りでは、執事の内面が、詳しく書かれて居て、成る程と、思いました。日本の大名屋敷の御家老とも違う役割かな、英国の独特な仕事と、階級。執事に大切なことは品格であり、仕えるお屋敷の格やご主人の地位に関わってくる。対して下僕やメイドと言う職業の階層もあり、執事は主人を超えず屋敷内の行事や人事管理もこなす。
社会の変化の波に抗し切れず屋敷は人手に渡る。下僕もメイドも減らされていく。
新しい米国人のご主人には中々英国流は、受け入れられず、葛藤しながらも新しいご主人に忠実に仕えていこうとする誇り高い、英国最後の執事に感動しました。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.199
(5pt)

素晴らしい本、そして丸谷才一のコメントへの反発

24年ほど前に、原文で読む機会があった。オランダ人の人に進められたからだ。あれは日本人なのか、と言われた。職務に滑稽なほど懸命な主人公と、その結果、うまくいかなかった、懸命に使えた主人の仕事が必ずしも国にとって望ましい結果をもたらさなかったということで、自分の努力が無駄になったという後悔の念についてはよく理解できた。また職務に忠実なあまり、女中頭の気持ちも受け止められず、自分自身の感情も理解できなかったという後悔の念も。しかし本書の最後についている丸谷才一のうすっぺらな批判には腹が立った。丸谷は、使えていて尊敬していた主人の失敗を見抜けなかったこととか、女性の感情も理解できなかったことで、つまらない男だというふうに切り捨てている。これはあまりにもひどい。丸谷は、職務などに忠実で、全霊を捧げるということには、無縁に違いない。そして、女性の気持ちがよくわかる男、たぶん女たらしなのだろう。しかし、会社の営業の業務に、また製品開発に、研究に、そして後進の教育に、自らの一生を捧げて悔いないという人生を送っている人は数多くいる。その結果が、実はうまくいかないこともあるだろう。それが人生だ。それをつまらないというふうに切り捨てる丸谷は、いかにもどうしようもないという気がする。そのような主人公だからこそ、この女中かしらは引かれたに違いないと思う。丸谷は、偉そうに他人を貶すだけのつまらない人間だった。これまでは少しは良いところがあると勘違いしていた自分を恥じる。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.198
(5pt)

英国の執事と言う職務がわかりました。

この本を読む前に連続テレビドラマ「ダウントンアビー」を見て貴族の館を取り仕切る執事の仕事が、何となく分かったので、この「日の名残り」はわかりやすかった。テレビドラマの方は職場のシステムに関して理解出来ましたが、日の名残りでは、執事の内面が、詳しく書かれて居て、成る程と、思いました。日本の大名屋敷の御家老とも違う役割かな、英国の独特な仕事と、階級。執事に大切なことは品格であり、仕えるお屋敷の格やご主人の地位に関わってくる。対して下僕やメイドと言う職業の階層もあり、執事は主人を超えず屋敷内の行事や人事管理もこなす。
社会の変化の波に抗し切れず屋敷は人手に渡る。下僕もメイドも減らされていく。
新しい米国人のご主人には中々英国流は、受け入れられず、葛藤しながらも新しいご主人に忠実に仕えていこうとする誇り高い、英国最後の執事に感動しました。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.197
(5pt)

「火」の名残りに注意せよ

ある一人の執事が語る思い出話です。

不思議なことに、第二次世界大戦の前「夜」のイギリスとドイツの緊迫した
雰囲気が感じられる物語でした。

物語りの舞台は、第二次世界大戦前夜(1936年ごろ)から「二十年後」の
「1956年」

世界大戦の戦火が消えてから「二十年たった後」の思い出話です。
この本のタイトルは『日の名残り』ですが、
むしろ「火の名残り」と考えて読んだほうが味わい深くなる物語
ではないかと思いました。

「火の名残り」とは、焼けぼっくいに火がつく、のアノ
「焼けぼっくい」の「火」のつもりです。

一度焼けて炭化した杭は再び火がつきやすいことから、すぐに燃え上がる関係、
とくに男女の恋愛関係について言うようになったそうです。
「過去に関係のあった者同士が、再び元の関係に戻ること。
多くは男女関係についていう」と語源由来辞典にありました。

本作品『日の名残り』では、執事と元女中との関係は元には戻りません。
この本での「執事と元女中との関係」とは、もちろん仕事上の関係であり、
「ミスター・スティーブンス」、「ミス・ケントン」と呼び合う、礼儀正しい
品格ある関係です。

元女中には離婚して元の館に戻って働きたいという気持ちがあるようだ、と
執事は彼女の手紙から勝手に推測して、休暇の自動車旅行を利用して
彼女の住む町へ直接確かめに出かけるという物語です。

ストーリーは、「二十年前」の執事と元女中との間の淡い片思いの思い出話なのですが、
その舞台の背景が驚くべきスケールなので、すごい。
さすが、スパイもので実績のある英国文学の流れをくんでいて、
本作品は「背景」のほうに強い魅力を感じました。

「舞台」となる館の主人は、第二次世界大戦前夜に自分の館に英国首相や外務大臣、
ドイツの大使を招いて極秘である計画を推進しようとして英国首相を説得します。
英国外務省の反対を取り除くのにやっきになっていたのです。

そう考えたのは、執事ではなく、館の主人のお気に入りだった「作家」です。

どこまでが歴史的事実なのか、読者には分かりません。
好奇心を持ってドアの前で立ち聞きするなど絶対にありえない、「品格」ある
執事にも分かりません。

館の主人は「常に国家間の相互理解に尽力し」、「ヨーロッパに平和がつづくように
と努力しておられる」(324頁)と固く信じている執事なのですから。

「二十年前」の執事と元女中との間の思い出話なので、単なる「焼けぼっくい」の話か
と思いきや、歴史的背景を背負った「偉大なる英国小説」でした。

「偉大な執事は、今朝私(註:ミスター・スティーブンス)が見た偉大な風景と同じ
です。行き会いさえすれば、偉大な存在に出会ったことがわかるのです」(63頁)

「偉大な」「偉大な」「偉大な」
握りこぶしを振り上げて何度も何度も何度も繰り返す執事。

この本のタイトルを「火の名残り」と感じた、もう一つの理由。

この本の「プロローグ」は、「1956年7月」で始まります。
1956年10月、第二次中東戦争(スエズ危機)をイギリスが再び始めます。

「焼けぼっくい」には、再び「火」がついたのです。
「焼けぼっくい」には再び「火」がつきやすい!
カズオ・イシグロは「火の名残り」に注意せよと世界に警告している・・・
そんな風に感じました。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.196
(5pt)

「火」の名残りに注意せよ

ある一人の執事が語る思い出話です。

不思議なことに、第二次世界大戦の前「夜」のイギリスとドイツの緊迫した
雰囲気が感じられる物語でした。

物語りの舞台は、第二次世界大戦前夜(1936年ごろ)から「二十年後」の
「1956年」

世界大戦の戦火が消えてから「二十年たった後」の思い出話です。
この本のタイトルは『日の名残り』ですが、
むしろ「火の名残り」と考えて読んだほうが味わい深くなる物語
ではないかと思いました。

「火の名残り」とは、焼けぼっくいに火がつく、のアノ
「焼けぼっくい」の「火」のつもりです。

一度焼けて炭化した杭は再び火がつきやすいことから、すぐに燃え上がる関係、
とくに男女の恋愛関係について言うようになったそうです。
「過去に関係のあった者同士が、再び元の関係に戻ること。
多くは男女関係についていう」と語源由来辞典にありました。

本作品『日の名残り』では、執事と元女中との関係は元には戻りません。
この本での「執事と元女中との関係」とは、もちろん仕事上の関係であり、
「ミスター・スティーブンス」、「ミス・ケントン」と呼び合う、礼儀正しい
品格ある関係です。

元女中には離婚して元の館に戻って働きたいという気持ちがあるようだ、と
執事は彼女の手紙から勝手に推測して、休暇の自動車旅行を利用して
彼女の住む町へ直接確かめに出かけるという物語です。

ストーリーは、「二十年前」の執事と元女中との間の淡い片思いの思い出話なのですが、
その舞台の背景が驚くべきスケールなので、すごい。
さすが、スパイもので実績のある英国文学の流れをくんでいて、
本作品は「背景」のほうに強い魅力を感じました。

「舞台」となる館の主人は、第二次世界大戦前夜に自分の館に英国首相や外務大臣、
ドイツの大使を招いて極秘である計画を推進しようとして英国首相を説得します。
英国外務省の反対を取り除くのにやっきになっていたのです。

そう考えたのは、執事ではなく、館の主人のお気に入りだった「作家」です。

どこまでが歴史的事実なのか、読者には分かりません。
好奇心を持ってドアの前で立ち聞きするなど絶対にありえない、「品格」ある
執事にも分かりません。

館の主人は「常に国家間の相互理解に尽力し」、「ヨーロッパに平和がつづくように
と努力しておられる」(324頁)と固く信じている執事なのですから。

「二十年前」の執事と元女中との間の思い出話なので、単なる「焼けぼっくい」の話か
と思いきや、歴史的背景を背負った「偉大なる英国小説」でした。

「偉大な執事は、今朝私(註:ミスター・スティーブンス)が見た偉大な風景と同じ
です。行き会いさえすれば、偉大な存在に出会ったことがわかるのです」(63頁)

「偉大な」「偉大な」「偉大な」
握りこぶしを振り上げて何度も何度も何度も繰り返す執事。

この本のタイトルを「火の名残り」と感じた、もう一つの理由。

この本の「プロローグ」は、「1956年7月」で始まります。
1956年10月、第二次中東戦争(スエズ危機)をイギリスが再び始めます。

「焼けぼっくい」には、再び「火」がついたのです。
「焼けぼっくい」には再び「火」がつきやすい!
カズオ・イシグロは「火の名残り」に注意せよと世界に警告している・・・
そんな風に感じました。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.195
(5pt)

「火」の名残りに注意せよ

ある一人の執事が語る思い出話です。

不思議なことに、第二次世界大戦の前「夜」のイギリスとドイツの緊迫した
雰囲気が感じられる物語でした。

物語りの舞台は、第二次世界大戦前夜(1936年ごろ)から「二十年後」の
「1956年」

世界大戦の戦火が消えてから「二十年たった後」の思い出話です。
この本のタイトルは『日の名残り』ですが、
むしろ「火の名残り」と考えて読んだほうが味わい深くなる物語
ではないかと思いました。

「火の名残り」とは、焼けぼっくいに火がつく、のアノ
「焼けぼっくい」の「火」のつもりです。

一度焼けて炭化した杭は再び火がつきやすいことから、すぐに燃え上がる関係、
とくに男女の恋愛関係について言うようになったそうです。
「過去に関係のあった者同士が、再び元の関係に戻ること。
多くは男女関係についていう」と語源由来辞典にありました。

本作品『日の名残り』では、執事と元女中との関係は元には戻りません。
この本での「執事と元女中との関係」とは、もちろん仕事上の関係であり、
「ミスター・スティーブンス」、「ミス・ケントン」と呼び合う、礼儀正しい
品格ある関係です。

元女中には離婚して元の館に戻って働きたいという気持ちがあるようだ、と
執事は彼女の手紙から勝手に推測して、休暇の自動車旅行を利用して
彼女の住む町へ直接確かめに出かけるという物語です。

ストーリーは、「二十年前」の執事と元女中との間の淡い片思いの思い出話なのですが、
その舞台の背景が驚くべきスケールなので、すごい。
さすが、スパイもので実績のある英国文学の流れをくんでいて、
本作品は「背景」のほうに強い魅力を感じました。

「舞台」となる館の主人は、第二次世界大戦前夜に自分の館に英国首相や外務大臣、
ドイツの大使を招いて極秘である計画を推進しようとして英国首相を説得します。
英国外務省の反対を取り除くのにやっきになっていたのです。

そう考えたのは、執事ではなく、館の主人のお気に入りだった「作家」です。

どこまでが歴史的事実なのか、読者には分かりません。
好奇心を持ってドアの前で立ち聞きするなど絶対にありえない、「品格」ある
執事にも分かりません。

館の主人は「常に国家間の相互理解に尽力し」、「ヨーロッパに平和がつづくように
と努力しておられる」(324頁)と固く信じている執事なのですから。

「二十年前」の執事と元女中との間の思い出話なので、単なる「焼けぼっくい」の話か
と思いきや、歴史的背景を背負った「偉大なる英国小説」でした。

「偉大な執事は、今朝私(註:ミスター・スティーブンス)が見た偉大な風景と同じ
です。行き会いさえすれば、偉大な存在に出会ったことがわかるのです」(63頁)

「偉大な」「偉大な」「偉大な」
握りこぶしを振り上げて何度も何度も何度も繰り返す執事。

この本のタイトルを「火の名残り」と感じた、もう一つの理由。

この本の「プロローグ」は、「1956年7月」で始まります。
1956年10月、第二次中東戦争(スエズ危機)をイギリスが再び始めます。

「焼けぼっくい」には、再び「火」がついたのです。
「焼けぼっくい」には再び「火」がつきやすい!
カズオ・イシグロは「火の名残り」に注意せよと世界に警告している・・・
そんな風に感じました。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.194
(5pt)

心に刻みました

日の名残りのように、心に残響を刻むフレーズ、
数え切れない程の著者の想いを、この心に噛み締めました。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.193
(5pt)

心に刻みました

日の名残りのように、心に残響を刻むフレーズ、
数え切れない程の著者の想いを、この心に噛み締めました。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.192
(5pt)

心に刻みました

日の名残りのように、心に残響を刻むフレーズ、
数え切れない程の著者の想いを、この心に噛み締めました。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470