日の名残り

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日の名残りの評価:

4.45/5点 レビュー 402件。 A ランク

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平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全911件 441〜460 23/46ページ
No.471
(5pt)

一読、巻を置くあたわず。傑作。

イギリスという階級社会に今も生き続けている(?)執事のストーリーは、そのまま私たち小市民の人生にほかならない。自然界の動植物が、一定の環境にしか生息できないのに似て、私たちもその階級に生まれ、(よほどの素質や能力がない限り)その階級の中で、人生をまっとうするのだろう。

主人公のミスタースティーブンスも、父子二代にわたる執事稼業に何の疑問もなく、その限られた環境の中で自らの能力を精一杯生かし、信用の厚い
トップレベルの執事であることを周囲からも認められている。しかし、この執事の慇懃で丁寧でエレガントな口調で語られる物語は、自ら「品格」を追い求めながらも、その狭隘な視野や偏向した視点から、一小市民の日常から決して出ることはない。

彼が(自ら気づくことなく)品格を帯びるのは、彼なりに思慕を寄せていた女中頭のミス・ケントンに、数十年ぶりに再会する場面である。思いを打ち明けることもなく、悲しみを耐えるその姿に、読者は初めて品格の何たるかを知ることになる(何という構成の妙!)

品格は、追い求めて得られるものではなく、悲しみや苦しみを耐えるところに生まれ、次の瞬間に消え去るものなのだ。
最後の場面は何のために必要なのかと一瞬不思議な感じがしたが、これがないとおそらく画竜点睛を欠くのだろう。小市民はこうして絶望の中から這い上がり、日常を取り戻して生を続けるのである。

その昔、紫式部は宮廷言葉を使って、普遍的な人間性の物語を語ろうとした。尊敬語や謙譲語の複雑な綾錦。ふと思い至った。

翻訳独特の読みにくさがなく、すばらしい訳であることも付け加えたい。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.470
(5pt)

たまには周りを見ること。自分の立ち位置が分かります

日本には執事という職業についている人はいるのだろうか?それとも私の知らない上流社会で相変わらず活躍されて
いるのだろうか?スティーブンスは偉大なるイギリスの紳士ダールトン卿に仕えることによって、能力や品格は申し
分のない一流の執事の仲間入りを果たした。がしかし、旅の4日目の事。カーライル医師が彼に尋ねるシーがある。
「どこかのお屋敷の召使いという・・・」と。結局医師というクラスからみれば所詮「召使い」にすぎない。

また数十年間共に仕事をしてきた女中頭の彼に対する気持ちを感じていなかったのだろうか?おそらく知っていたのだ
と思う。一流の仕事をこなすプライドの高い男は、女性の扱いに慣れてない姿を曝すのが耐えられなかったのだろう。
(私の邪推かな)
そんな堅物な男をアメリカ出身の新しい主人は彼に旅を勧める。広い世間を見てきなさいと。今のイギリスを見てきな
さいと。氏の作品は何故にこうも静かな余韻を残すものが多い。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.469
(5pt)

たまには周りを見ること。自分の立ち位置が分かります

日本には執事という職業についている人はいるのだろうか?それとも私の知らない上流社会で相変わらず活躍されて
いるのだろうか?スティーブンスは偉大なるイギリスの紳士ダールトン卿に仕えることによって、能力や品格は申し
分のない一流の執事の仲間入りを果たした。がしかし、旅の4日目の事。カーライル医師が彼に尋ねるシーがある。
「どこかのお屋敷の召使いという・・・」と。結局医師というクラスからみれば所詮「召使い」にすぎない。

また数十年間共に仕事をしてきた女中頭の彼に対する気持ちを感じていなかったのだろうか?おそらく知っていたのだ
と思う。一流の仕事をこなすプライドの高い男は、女性の扱いに慣れてない姿を曝すのが耐えられなかったのだろう。
(私の邪推かな)
そんな堅物な男をアメリカ出身の新しい主人は彼に旅を勧める。広い世間を見てきなさいと。今のイギリスを見てきな
さいと。氏の作品は何故にこうも静かな余韻を残すものが多い。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.468
(5pt)

たまには周りを見ること。自分の立ち位置が分かります

日本には執事という職業についている人はいるのだろうか?それとも私の知らない上流社会で相変わらず活躍されて
いるのだろうか?スティーブンスは偉大なるイギリスの紳士ダールトン卿に仕えることによって、能力や品格は申し
分のない一流の執事の仲間入りを果たした。がしかし、旅の4日目の事。カーライル医師が彼に尋ねるシーがある。
「どこかのお屋敷の召使いという・・・」と。結局医師というクラスからみれば所詮「召使い」にすぎない。

また数十年間共に仕事をしてきた女中頭の彼に対する気持ちを感じていなかったのだろうか?おそらく知っていたのだ
と思う。一流の仕事をこなすプライドの高い男は、女性の扱いに慣れてない姿を曝すのが耐えられなかったのだろう。
(私の邪推かな)
そんな堅物な男をアメリカ出身の新しい主人は彼に旅を勧める。広い世間を見てきなさいと。今のイギリスを見てきな
さいと。氏の作品は何故にこうも静かな余韻を残すものが多い。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.467
(5pt)

再読後のほうが感動しました

年齢を重ねるごとに主人公に感情移入してしまいます。60代はまだまだ先ですが、その時、この作品を読んで自分がどう感じるのか、楽しみのような怖いような。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.466
(5pt)

再読後のほうが感動しました

年齢を重ねるごとに主人公に感情移入してしまいます。60代はまだまだ先ですが、その時、この作品を読んで自分がどう感じるのか、楽しみのような怖いような。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.465
(5pt)

再読後のほうが感動しました

年齢を重ねるごとに主人公に感情移入してしまいます。60代はまだまだ先ですが、その時、この作品を読んで自分がどう感じるのか、楽しみのような怖いような。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.464
(5pt)

その裏に潜むもの

執事としての崇高なプライドや、イギリスの伝統的な名家や美しい田園風景などの描写とともに、自身の人生を肯定的に振り返ろうとする主人公の一人称語りであるが、それは作者の張り巡らせた巧妙な表面的仕掛けにすぎない。その裏に作者が潜ませたのは、もっと巧妙な仕掛けである。それは非常に厳しく、悲しい、恐ろしくすらある眼差しである。
それは、言ってしまえば、晩年を迎えた人間の過去に対する独善的、欺瞞的態度、ということになる。
小説内では、主人公の執事は、困難な判断を要求された時に、「私は執事ですから」と言い逃れる。また、大衆の前では自分を高い位置に置いて悦に浸ろうとする。
執事のこうした態度が恐ろしいのは、誰もが自然にやってしまうだからだ。しかし、時と場所によっては、こうしたことが人生を決定づけてしまうほどの重大な意味をもってしまう。これは悲劇である。そして、恐ろしいことである。
しかしこの作品が秀逸なのは、こうした切実で、ある意味重大なテーマを、オブラートに包んで実にさりげなく提示していることである。イシグロはこの作品を三十五才で書き上げたようだが、尋常ではない。決して声高ではなく、穏やかな日常を描きながら、その奥に人間が人間である所以であるかのような何か宿命的な業のようなものをとらえようとしているように、ぼくには見えた。そしてそれは、イシグロの作家人生の出発点からずっと、頑として揺るぎなく貫き通されてきたのだと思う。
イシグロは、強い信念に貫かれた作家である。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.463
(5pt)

その裏に潜むもの

執事としての崇高なプライドや、イギリスの伝統的な名家や美しい田園風景などの描写とともに、自身の人生を肯定的に振り返ろうとする主人公の一人称語りであるが、それは作者の張り巡らせた巧妙な表面的仕掛けにすぎない。その裏に作者が潜ませたのは、もっと巧妙な仕掛けである。それは非常に厳しく、悲しい、恐ろしくすらある眼差しである。
それは、言ってしまえば、晩年を迎えた人間の過去に対する独善的、欺瞞的態度、ということになる。
小説内では、主人公の執事は、困難な判断を要求された時に、「私は執事ですから」と言い逃れる。また、大衆の前では自分を高い位置に置いて悦に浸ろうとする。
執事のこうした態度が恐ろしいのは、誰もが自然にやってしまうだからだ。しかし、時と場所によっては、こうしたことが人生を決定づけてしまうほどの重大な意味をもってしまう。これは悲劇である。そして、恐ろしいことである。
しかしこの作品が秀逸なのは、こうした切実で、ある意味重大なテーマを、オブラートに包んで実にさりげなく提示していることである。イシグロはこの作品を三十五才で書き上げたようだが、尋常ではない。決して声高ではなく、穏やかな日常を描きながら、その奥に人間が人間である所以であるかのような何か宿命的な業のようなものをとらえようとしているように、ぼくには見えた。そしてそれは、イシグロの作家人生の出発点からずっと、頑として揺るぎなく貫き通されてきたのだと思う。
イシグロは、強い信念に貫かれた作家である。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.462
(5pt)

その裏に潜むもの

執事としての崇高なプライドや、イギリスの伝統的な名家や美しい田園風景などの描写とともに、自身の人生を肯定的に振り返ろうとする主人公の一人称語りであるが、それは作者の張り巡らせた巧妙な表面的仕掛けにすぎない。その裏に作者が潜ませたのは、もっと巧妙な仕掛けである。それは非常に厳しく、悲しい、恐ろしくすらある眼差しである。
それは、言ってしまえば、晩年を迎えた人間の過去に対する独善的、欺瞞的態度、ということになる。
小説内では、主人公の執事は、困難な判断を要求された時に、「私は執事ですから」と言い逃れる。また、大衆の前では自分を高い位置に置いて悦に浸ろうとする。
執事のこうした態度が恐ろしいのは、誰もが自然にやってしまうだからだ。しかし、時と場所によっては、こうしたことが人生を決定づけてしまうほどの重大な意味をもってしまう。これは悲劇である。そして、恐ろしいことである。
しかしこの作品が秀逸なのは、こうした切実で、ある意味重大なテーマを、オブラートに包んで実にさりげなく提示していることである。イシグロはこの作品を三十五才で書き上げたようだが、尋常ではない。決して声高ではなく、穏やかな日常を描きながら、その奥に人間が人間である所以であるかのような何か宿命的な業のようなものをとらえようとしているように、ぼくには見えた。そしてそれは、イシグロの作家人生の出発点からずっと、頑として揺るぎなく貫き通されてきたのだと思う。
イシグロは、強い信念に貫かれた作家である。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.461
(5pt)

品格と深い余韻

作家というものはそれぞれに、他には真似のできない、色調というか雰囲気というか世界というか、そういうものがあると思います。
カズオ・イシグロの作品は、初めて読みましたが、他の作品も同じようなことを感じるのでしょうか?
作品の中には何度も「品格」という言葉が出てきます。
取り上げられている舞台、主人公をはじめとする登場人物、ストーリー・・・。簡単には言葉で表現できない、品格をベースとした色調を感じながら、話が進んでいき、最後は深い余韻に包まれながら、物語は終わります。
どんどん引きずり込まれていくという作品ではありません。そうではないが、大聖堂でベートーベンの交響曲の名演奏を聴いた直後のような、ズシーンとした得も言われぬ感覚に浸っております。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.460
(4pt)

主人公の気持ちが理解できた。

翻訳が丁寧で、大変読みやすかった。ミスケントンの気持にあとになって気づく主人公の姿が何となくほほえましく、
若いときにはこんなことも往々にしてありうると共感がもてた。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.459
(5pt)

品格と深い余韻

作家というものはそれぞれに、他には真似のできない、色調というか雰囲気というか世界というか、そういうものがあると思います。
カズオ・イシグロの作品は、初めて読みましたが、他の作品も同じようなことを感じるのでしょうか?
作品の中には何度も「品格」という言葉が出てきます。
取り上げられている舞台、主人公をはじめとする登場人物、ストーリー・・・。簡単には言葉で表現できない、品格をベースとした色調を感じながら、話が進んでいき、最後は深い余韻に包まれながら、物語は終わります。
どんどん引きずり込まれていくという作品ではありません。そうではないが、大聖堂でベートーベンの交響曲の名演奏を聴いた直後のような、ズシーンとした得も言われぬ感覚に浸っております。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.458
(4pt)

主人公の気持ちが理解できた。

翻訳が丁寧で、大変読みやすかった。ミスケントンの気持にあとになって気づく主人公の姿が何となくほほえましく、
若いときにはこんなことも往々にしてありうると共感がもてた。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.457
(5pt)

品格と深い余韻

作家というものはそれぞれに、他には真似のできない、色調というか雰囲気というか世界というか、そういうものがあると思います。
カズオ・イシグロの作品は、初めて読みましたが、他の作品も同じようなことを感じるのでしょうか?
作品の中には何度も「品格」という言葉が出てきます。
取り上げられている舞台、主人公をはじめとする登場人物、ストーリー・・・。簡単には言葉で表現できない、品格をベースとした色調を感じながら、話が進んでいき、最後は深い余韻に包まれながら、物語は終わります。
どんどん引きずり込まれていくという作品ではありません。そうではないが、大聖堂でベートーベンの交響曲の名演奏を聴いた直後のような、ズシーンとした得も言われぬ感覚に浸っております。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.456
(4pt)

主人公の気持ちが理解できた。

翻訳が丁寧で、大変読みやすかった。ミスケントンの気持にあとになって気づく主人公の姿が何となくほほえましく、
若いときにはこんなことも往々にしてありうると共感がもてた。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.455
(5pt)

ただただ美しい

文章、構成、登場人物、ストーリーライン、その全てが美しい
一流の文学
一流の芸術作品でした
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.454
(5pt)

ただただ美しい

文章、構成、登場人物、ストーリーライン、その全てが美しい
一流の文学
一流の芸術作品でした
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.453
(5pt)

ただただ美しい

文章、構成、登場人物、ストーリーライン、その全てが美しい
一流の文学
一流の芸術作品でした
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.452
(5pt)

淡々としているが、爽やかに読了。

カズオイシグロ氏の作品を読んでみようと、評価の高いこちらを選びました。

上品な本。情景がよくわかる描写で、心穏やかに読めました。スティーブンスとミスケントンのやりとりが面白かったです。
イギリス人の気性や考え方について新しい知見を得ました。

若い人にはちょっと難しいかな?
他の方のレビューにあるように、訳が自然ですばらしいです。
翻訳者の語彙の豊富さに感嘆。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037