日の名残り

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日の名残りの評価:

4.45/5点 レビュー 402件。 A ランク

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未読の方はご注意ください

全911件 261〜280 14/46ページ
No.651
(5pt)

ノーベル文学賞にふさわしい作品

村上春樹でなく、この人をノーベル文学賞に選んだ選考委員の判断は正しいと思った。村上春樹の作品を全部読んだわけではないが、読んだ本の中に、こんな感動的ですばらしい作品はなかった。
ベテランの執事であるスティーブンスが主人の勧めで骨休めのためにイギリス国内を旅行し、かっての同僚であった女中頭のミス・ケントンに職場復帰を依頼するために会いに行く話。旅行の過程で起こった出来事と、その道中で振り返った過去の回想が記されている。主人公スティーブンスの視点で、彼の人生や生き方がその誠実な人柄そのままに、しみじみとした語り口で描かれている。書かれている内容は、主人公の「執事」という自分の職業に対する考え方や、それを裏付けるエピソード、ミス・ケントンとの間での出来事など。とにかく、一つひとつの場面描写が巧みで、映像作品のように鮮烈にイメージすることができる。とりわけ、父親が亡くなった日の出来事が印象的。
読んでいて感じたのは、主人公はどんな場面でも、「執事」という自分の役割を演じきっていたこと。
自動車のアクシデントで、テイラー夫妻の家に泊めてもらうことになり、その食堂での出来事。村の人たちが大勢やってきて、スティーブンスがひとかどの人物であると誤解するが、スティーブンスは自分が「執事」であることを明かさずに、「主人」であるかのように振る舞う。さてはスティーブンス、見栄を張ったなと思ったが、その後の手記を読むとそうではないことがわかった。スティーブンスは村の人が自分が執事であることを知ったらがっかりするだろうと、そのことを懸念したのだ。この場面でも、スティーブンスは執事として取るべき行動を取った。
ミス・ケントンとの再会で知らされた重大なことに関しては、スティーブンスはもっと早く気づくべきだろうと思った。多分、読者のほとんどがミス・ケントンの秘めた思いに気づいていただろう。いや、スティーブンスはとっくの昔に気づいていたのかもしれない。だが、執事として取るべき行動をずっと取り続けていただけなのかもしれない。
執事にとって「品格」が一番大事としながらも、執事の格を決めるのは主人次第だともスティーブンスは言う。
最後に桟橋で見知らぬ老人が主人公に語りかけた言葉が、この作品を締めくくるにふさわしい。
「夕方が一日でいちばんいい時間だって言うよ」
しみじみとした余韻を味わいながら、読み終えることができた。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.650
(5pt)

イギリスにおける真の紳士、品格を備えた執事 に ついて。

品のある丁寧な翻訳で、カズオイシグロ氏の原文は分かりませんが 内容に沿ったものではないかと思いました。
かつてのイギリス貴族社会における 「ノーブレス・オブリッジ」 を、垣間見たような その偉大な紳士に仕える 品格を備えた執事の在り様は ある種 少年のような純なもので滑稽でもありました。
ダーリントンホールの主である ダーリントン卿は「ノーブレス・オブリッジ」を地で行くような紳士ではあるのですが、如何せん世間知らずというか、とっちゃん坊やのようなのですね、
世間知らずとも言える執事スティーブンスと、とっちゃん坊やのダーリントン卿が 第二次世界大戦末期ダーリントンホールで繰り広げられる物語、イギリスらしい皮肉も交えながら 古き良き時代のイギリス貴族社会を描いて興味深く、又 女中頭ミス・ケントンの登場も 物語の結末も含め興味深く読み進めました。

映画「日の名残り」では、執事スティーブンス役をアンソニー・ホプキンス、ミスケントン役をエマ・トンプソンが演じて秀逸! ほぼ原作に忠実に描かれており 映画と本と両方体験すると 堪能できます。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.649
(5pt)

イギリスにおける真の紳士、品格を備えた執事 に ついて。

品のある丁寧な翻訳で、カズオイシグロ氏の原文は分かりませんが 内容に沿ったものではないかと思いました。
かつてのイギリス貴族社会における 「ノーブレス・オブリッジ」 を、垣間見たような その偉大な紳士に仕える 品格を備えた執事の在り様は ある種 少年のような純なもので滑稽でもありました。
ダーリントンホールの主である ダーリントン卿は「ノーブレス・オブリッジ」を地で行くような紳士ではあるのですが、如何せん世間知らずというか、とっちゃん坊やのようなのですね、
世間知らずとも言える執事スティーブンスと、とっちゃん坊やのダーリントン卿が 第二次世界大戦末期ダーリントンホールで繰り広げられる物語、イギリスらしい皮肉も交えながら 古き良き時代のイギリス貴族社会を描いて興味深く、又 女中頭ミス・ケントンの登場も 物語の結末も含め興味深く読み進めました。

映画「日の名残り」では、執事スティーブンス役をアンソニー・ホプキンス、ミスケントン役をエマ・トンプソンが演じて秀逸! ほぼ原作に忠実に描かれており 映画と本と両方体験すると 堪能できます。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.648
(5pt)

イギリスにおける真の紳士、品格を備えた執事 に ついて。

品のある丁寧な翻訳で、カズオイシグロ氏の原文は分かりませんが 内容に沿ったものではないかと思いました。
かつてのイギリス貴族社会における 「ノーブレス・オブリッジ」 を、垣間見たような その偉大な紳士に仕える 品格を備えた執事の在り様は ある種 少年のような純なもので滑稽でもありました。
ダーリントンホールの主である ダーリントン卿は「ノーブレス・オブリッジ」を地で行くような紳士ではあるのですが、如何せん世間知らずというか、とっちゃん坊やのようなのですね、
世間知らずとも言える執事スティーブンスと、とっちゃん坊やのダーリントン卿が 第二次世界大戦末期ダーリントンホールで繰り広げられる物語、イギリスらしい皮肉も交えながら 古き良き時代のイギリス貴族社会を描いて興味深く、又 女中頭ミス・ケントンの登場も 物語の結末も含め興味深く読み進めました。

映画「日の名残り」では、執事スティーブンス役をアンソニー・ホプキンス、ミスケントン役をエマ・トンプソンが演じて秀逸! ほぼ原作に忠実に描かれており 映画と本と両方体験すると 堪能できます。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.647
(5pt)

笑いあり、涙あり

かつてダーリントン卿に仕えていた執事、スティーブンスは、新しい家主ファラディの許可を得て、一週間の慰安旅行に出かける。
その間、同じく執事であった父、恋心を寄せていた女中頭、ミス・ケントンや、故ダーリントン卿の思い出を語る回想録。

一流の執事とはどういったものかと自分に問いかけ、また自らそうあろうとするストイックなスティーブンス。
感情表現豊かでときにツンケンするといった、愛らしい魅力を振りまくミス・ケントン。
そして偉大な執事であった、亡き父との思い出や、財政界の大物と肩を並べ、第一線をわたり歩いてきたダーリントン卿が、
最後にナチスに利用され、すっかり落ちぶれてしまう顛末など、第一次世界大戦から第二次世界大戦の頃のイギリスを舞台とした、諸所の人間ドラマが繰り広げられる。

父やダーリントン卿の最期のエピソードや、ミス・ケントンの最後のモノローグなど、涙なしでは読めない話の合間に挟まれた、旅のエピソード――ちょっとしたアクシデントに見舞われたり、変な村人に絡まれたり、が笑いを誘う。

生真面目で礼儀正しいスティーブンスだが、ファラディに仕えるにあたって、ラジオなどを聴いて、ひそかにジョークを練習している。
しかし旅先の人やファラディに対するとっさのジョークが滑りまくり、本人のジョークよりはむしろ、そういった周囲に振り回される彼自身の身の上話のほうがむしろ面白い。

またスティーブンスが、語彙力強化のために読んでいた女性向けの恋愛小説を、ミス・ケントンにからかわれる場面も。
しかし恋愛小説を読みまくっているわりには、ミス・ケントンの女心はまるで読めない。
そのためか彼女のアプローチを事あるごとに無視してしまい、結局結ばれないまま終わってしまう。
しかし旅の最後のシーンで、彼女と20年ぶりに再会する。

そんな笑いあり、涙ありの感動スペクタクル長編である。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.646
(5pt)

笑いあり、涙あり

かつてダーリントン卿に仕えていた執事、スティーブンスは、新しい家主ファラディの許可を得て、一週間の慰安旅行に出かける。
その間、同じく執事であった父、恋心を寄せていた女中頭、ミス・ケントンや、故ダーリントン卿の思い出を語る回想録。

一流の執事とはどういったものかと自分に問いかけ、また自らそうあろうとするストイックなスティーブンス。
感情表現豊かでときにツンケンするといった、愛らしい魅力を振りまくミス・ケントン。
そして偉大な執事であった、亡き父との思い出や、財政界の大物と肩を並べ、第一線をわたり歩いてきたダーリントン卿が、
最後にナチスに利用され、すっかり落ちぶれてしまう顛末など、第一次世界大戦から第二次世界大戦の頃のイギリスを舞台とした、諸所の人間ドラマが繰り広げられる。

父やダーリントン卿の最期のエピソードや、ミス・ケントンの最後のモノローグなど、涙なしでは読めない話の合間に挟まれた、旅のエピソード――ちょっとしたアクシデントに見舞われたり、変な村人に絡まれたり、が笑いを誘う。

生真面目で礼儀正しいスティーブンスだが、ファラディに仕えるにあたって、ラジオなどを聴いて、ひそかにジョークを練習している。
しかし旅先の人やファラディに対するとっさのジョークが滑りまくり、本人のジョークよりはむしろ、そういった周囲に振り回される彼自身の身の上話のほうがむしろ面白い。

またスティーブンスが、語彙力強化のために読んでいた女性向けの恋愛小説を、ミス・ケントンにからかわれる場面も。
しかし恋愛小説を読みまくっているわりには、ミス・ケントンの女心はまるで読めない。
そのためか彼女のアプローチを事あるごとに無視してしまい、結局結ばれないまま終わってしまう。
しかし旅の最後のシーンで、彼女と20年ぶりに再会する。

そんな笑いあり、涙ありの感動スペクタクル長編である。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.645
(5pt)

笑いあり、涙あり

かつてダーリントン卿に仕えていた執事、スティーブンスは、新しい家主ファラディの許可を得て、一週間の慰安旅行に出かける。
その間、同じく執事であった父、恋心を寄せていた女中頭、ミス・ケントンや、故ダーリントン卿の思い出を語る回想録。

一流の執事とはどういったものかと自分に問いかけ、また自らそうあろうとするストイックなスティーブンス。
感情表現豊かでときにツンケンするといった、愛らしい魅力を振りまくミス・ケントン。
そして偉大な執事であった、亡き父との思い出や、財政界の大物と肩を並べ、第一線をわたり歩いてきたダーリントン卿が、
最後にナチスに利用され、すっかり落ちぶれてしまう顛末など、第一次世界大戦から第二次世界大戦の頃のイギリスを舞台とした、諸所の人間ドラマが繰り広げられる。

父やダーリントン卿の最期のエピソードや、ミス・ケントンの最後のモノローグなど、涙なしでは読めない話の合間に挟まれた、旅のエピソード――ちょっとしたアクシデントに見舞われたり、変な村人に絡まれたり、が笑いを誘う。

生真面目で礼儀正しいスティーブンスだが、ファラディに仕えるにあたって、ラジオなどを聴いて、ひそかにジョークを練習している。
しかし旅先の人やファラディに対するとっさのジョークが滑りまくり、本人のジョークよりはむしろ、そういった周囲に振り回される彼自身の身の上話のほうがむしろ面白い。

またスティーブンスが、語彙力強化のために読んでいた女性向けの恋愛小説を、ミス・ケントンにからかわれる場面も。
しかし恋愛小説を読みまくっているわりには、ミス・ケントンの女心はまるで読めない。
そのためか彼女のアプローチを事あるごとに無視してしまい、結局結ばれないまま終わってしまう。
しかし旅の最後のシーンで、彼女と20年ぶりに再会する。

そんな笑いあり、涙ありの感動スペクタクル長編である。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.644
(5pt)

主人公 めんどくせー奴でも、、、心に残る作品

◎最初の出だしの印象、
一言で言うと主人公のこの人、とてつもなくめんどくさい人です。
「めんどくせー奴!」と思いながら、笑い転げながら読み進めました。
自分もそういう人間かなぁと一瞬迷いましたが、
ここまでは面倒くさくない、、、はず、、、と思いながら、、、
◎最後まで読んで、
若い人も、歳を経た人も、女性も、男性も、心に残る作品と思います。
登場人物たちそれぞれの心の震えが伝わってきます。
もともと英語で書かれたこの作品でこういうことができる、
そう言ったことが、この作品がノーベル文学賞たるゆえんなのかと感じています。
もしかしたら、生涯一押しの一つかもしれないと感じています。
もし機会があったら是非読んで見てください。文学ってこういうものなんですね。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.643
(5pt)

主人公 めんどくせー奴でも、、、心に残る作品

◎最初の出だしの印象、
一言で言うと主人公のこの人、とてつもなくめんどくさい人です。
「めんどくせー奴!」と思いながら、笑い転げながら読み進めました。
自分もそういう人間かなぁと一瞬迷いましたが、
ここまでは面倒くさくない、、、はず、、、と思いながら、、、
◎最後まで読んで、
若い人も、歳を経た人も、女性も、男性も、心に残る作品と思います。
登場人物たちそれぞれの心の震えが伝わってきます。
もともと英語で書かれたこの作品でこういうことができる、
そう言ったことが、この作品がノーベル文学賞たるゆえんなのかと感じています。
もしかしたら、生涯一押しの一つかもしれないと感じています。
もし機会があったら是非読んで見てください。文学ってこういうものなんですね。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.642
(5pt)

主人公 めんどくせー奴でも、、、心に残る作品

◎最初の出だしの印象、
一言で言うと主人公のこの人、とてつもなくめんどくさい人です。
「めんどくせー奴!」と思いながら、笑い転げながら読み進めました。
自分もそういう人間かなぁと一瞬迷いましたが、
ここまでは面倒くさくない、、、はず、、、と思いながら、、、
◎最後まで読んで、
若い人も、歳を経た人も、女性も、男性も、心に残る作品と思います。
登場人物たちそれぞれの心の震えが伝わってきます。
もともと英語で書かれたこの作品でこういうことができる、
そう言ったことが、この作品がノーベル文学賞たるゆえんなのかと感じています。
もしかしたら、生涯一押しの一つかもしれないと感じています。
もし機会があったら是非読んで見てください。文学ってこういうものなんですね。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.641
(5pt)

面白い

普段から乱読してます。今回、村上春樹、宮部みゆき、東野圭吾の作品を読みながらでしたが飛び抜けて面白かったです。他の作者の文章が稚拙にさえ感じました。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.640
(5pt)

面白い

普段から乱読してます。今回、村上春樹、宮部みゆき、東野圭吾の作品を読みながらでしたが飛び抜けて面白かったです。他の作者の文章が稚拙にさえ感じました。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.639
(5pt)

面白い

普段から乱読してます。今回、村上春樹、宮部みゆき、東野圭吾の作品を読みながらでしたが飛び抜けて面白かったです。他の作者の文章が稚拙にさえ感じました。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.638
(5pt)

執事という地味な視点からの記述だが、詠み進むにつれて引き込まれます。

映画を観たこと、著者が日系ノーベル賞作家だったこから、著者の作品を初めて読んだ。大江健三郎より、ずっと筆力があり、面白い。
貴族の屋敷に住み込みで働く「執事」と「女中頭」の仕事、そして、彼らの「品格」、プライドについて、初めて知った。本書は、自分の職務に誇りを持つ「執事」視点からの記述である、映画と比べて、文字情報は、この視点を明確にする。

外交・政治のプロであれ、素人であれ、様々な視点とそれぞれの知識と情報の制約がある。インド総督や外務大臣を歴任したハリファックス卿も登場する。アメリカにおいて、初めて太西洋横断を成し遂げた国民的英雄やフォード創業者も、当初、親ナチスだったと聞く。ヒットラーも自分の専用列車を「アメリカ号」と命名していた。本作品の貴族が、ナチスに対して、宥和政策に賛同したことは無理からぬこととも思えるのである。結果論から(勝者の視点から)過去を振り返るのではなく、本書の様に、その時点に身をおいた回想小説は有意義である。前の雇い主が、黒シャツ隊のシンパに唆され、二人のユダヤ人の女中の解雇を申し渡す。これに対し、最初、自分も辞めると言った女中頭が、結局、臆病から実行出来ない。身につまされる話だ。
最終章のミセス・ベンの言葉は、印象に残る。「私は夫を愛せるほどに成長したのだ」(342頁)「人並みの幸せはある。もしかしたら、人並み以上かもしれない。早くそのことに気付いて感謝すべきだった。」(343頁)と。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.637
(5pt)

執事という地味な視点からの記述だが、詠み進むにつれて引き込まれます。

映画を観たこと、著者が日系ノーベル賞作家だったこから、著者の作品を初めて読んだ。大江健三郎より、ずっと筆力があり、面白い。
貴族の屋敷に住み込みで働く「執事」と「女中頭」の仕事、そして、彼らの「品格」、プライドについて、初めて知った。本書は、自分の職務に誇りを持つ「執事」視点からの記述である、映画と比べて、文字情報は、この視点を明確にする。

外交・政治のプロであれ、素人であれ、様々な視点とそれぞれの知識と情報の制約がある。インド総督や外務大臣を歴任したハリファックス卿も登場する。アメリカにおいて、初めて太西洋横断を成し遂げた国民的英雄やフォード創業者も、当初、親ナチスだったと聞く。ヒットラーも自分の専用列車を「アメリカ号」と命名していた。本作品の貴族が、ナチスに対して、宥和政策に賛同したことは無理からぬこととも思えるのである。結果論から(勝者の視点から)過去を振り返るのではなく、本書の様に、その時点に身をおいた回想小説は有意義である。前の雇い主が、黒シャツ隊のシンパに唆され、二人のユダヤ人の女中の解雇を申し渡す。これに対し、最初、自分も辞めると言った女中頭が、結局、臆病から実行出来ない。身につまされる話だ。
最終章のミセス・ベンの言葉は、印象に残る。「私は夫を愛せるほどに成長したのだ」(342頁)「人並みの幸せはある。もしかしたら、人並み以上かもしれない。早くそのことに気付いて感謝すべきだった。」(343頁)と。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.636
(5pt)

執事という地味な視点からの記述だが、詠み進むにつれて引き込まれます。

映画を観たこと、著者が日系ノーベル賞作家だったこから、著者の作品を初めて読んだ。大江健三郎より、ずっと筆力があり、面白い。
貴族の屋敷に住み込みで働く「執事」と「女中頭」の仕事、そして、彼らの「品格」、プライドについて、初めて知った。本書は、自分の職務に誇りを持つ「執事」視点からの記述である、映画と比べて、文字情報は、この視点を明確にする。

外交・政治のプロであれ、素人であれ、様々な視点とそれぞれの知識と情報の制約がある。インド総督や外務大臣を歴任したハリファックス卿も登場する。アメリカにおいて、初めて太西洋横断を成し遂げた国民的英雄やフォード創業者も、当初、親ナチスだったと聞く。ヒットラーも自分の専用列車を「アメリカ号」と命名していた。本作品の貴族が、ナチスに対して、宥和政策に賛同したことは無理からぬこととも思えるのである。結果論から(勝者の視点から)過去を振り返るのではなく、本書の様に、その時点に身をおいた回想小説は有意義である。前の雇い主が、黒シャツ隊のシンパに唆され、二人のユダヤ人の女中の解雇を申し渡す。これに対し、最初、自分も辞めると言った女中頭が、結局、臆病から実行出来ない。身につまされる話だ。
最終章のミセス・ベンの言葉は、印象に残る。「私は夫を愛せるほどに成長したのだ」(342頁)「人並みの幸せはある。もしかしたら、人並み以上かもしれない。早くそのことに気付いて感謝すべきだった。」(343頁)と。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.635
(5pt)

第一次世界大戦終結から第二次大戦終結までの27年間の歴史を素人目線から。

外交・政治のプロであれ、素人であれ、様々な視点とそれぞれの知識と情報の制約がある。アメリカにおいて、初めて太西洋横断を成し遂げた国民的英雄やフォード創業者も、当初、親ナチスだったと聞く。本作品の貴族が、ナチスに対して、宥和政策に賛同したことは無理からぬこととも思えるのである。結果論から(勝者の視点から)過去を振り返るのではなく、本書の様に、その時点に身をおいた回想小説は有意義である。
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037
No.634
(5pt)

第一次世界大戦終結から第二次大戦終結までの27年間の歴史を素人目線から。

外交・政治のプロであれ、素人であれ、様々な視点とそれぞれの知識と情報の制約がある。アメリカにおいて、初めて太西洋横断を成し遂げた国民的英雄やフォード創業者も、当初、親ナチスだったと聞く。本作品の貴族が、ナチスに対して、宥和政策に賛同したことは無理からぬこととも思えるのである。結果論から(勝者の視点から)過去を振り返るのではなく、本書の様に、その時点に身をおいた回想小説は有意義である。
日の名残り (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (中公文庫)より
4122020638
No.633
(5pt)

第一次世界大戦終結から第二次大戦終結までの27年間の歴史を素人目線から。

外交・政治のプロであれ、素人であれ、様々な視点とそれぞれの知識と情報の制約がある。アメリカにおいて、初めて太西洋横断を成し遂げた国民的英雄やフォード創業者も、当初、親ナチスだったと聞く。本作品の貴族が、ナチスに対して、宥和政策に賛同したことは無理からぬこととも思えるのである。結果論から(勝者の視点から)過去を振り返るのではなく、本書の様に、その時点に身をおいた回想小説は有意義である。
日の名残り Amazon書評・レビュー: 日の名残りより
4120019470
No.632
(5pt)

暗く長いトンネルから見える一筋の光☆

執事であることを誇りに思う、忠誠心熱いスティーブンスが
現雇い主から言い渡された旅の中での回顧録を中心に物語が始まって行きます。

自分の信念に沿って生きていくなか、
精神が徐々に解放されることによって、
「あの時ああすれば…」という、後悔が輪郭を帯びていきます。
最後は頑なな心が少しずつ解き、その後悔を受け入れ、それでも前に一歩歩む姿に
ぐいぐいと引き込まれ、静かな感動の余韻を味わう事が出来ました。

人間が生きていく中、様々な後悔と折り合いをつけていくと思います。
あの時ああすれば・・・という後悔は常に抱くものですが、
過去は変える事が出来ません。あるのは未来だけ。
その未来をどう生きるか、ということを
丁寧な描写とともに考えさせてくれます。
その表現力や求心力、やはりカズオイシグロさんの文章はとても好きです☆
日の名残り (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 日の名残り (ハヤカワepi文庫)より
4151200037