日暮し

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評判

日暮しの評価:

4.45/5点 レビュー 95件。 B ランク

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平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全153件 121〜140 7/8ページ
No.33
(5pt)

前作『ぼんくら』を読んでから、本書に向かいますよう

鉄瓶長屋を舞台にした前作『ぼんくら』の事件から一年が経った頃、井筒平四郎と彼を取り巻く人たちの前に、再び新たな事件が持ち上がります。先の「鉄瓶長屋」事件の火種は消えておらず、今回は大火事が起きたとでもいった風に話が繋がっているので、ぜひぜひ、『ぼんくら』を読んだ後に本書に向かうことをおすすめします。

 前作同様、この『日暮らし』でも、初めにいくつかエピソード的な話が置かれた後に本編に進むという構成になっています。最初の四つの話に登場する人物と事件が、本編に入って寄り合わされ、織り上げられて行く。登場人物と彼らのエピソード風の話が、一枚の美しい衣装の中に織り込まれて行くんですね。特に、本編の後半から終盤へと話が進むに従って、「ここにあの時の話が繋がってくるのか」「ここであの場面が生きてくるのか」と、何度も膝を叩きたくなりました。

 井筒平四郎に弓之助、おでこ、お徳。彼らを始め、登場人物のキャラクターが実に生き生きと描き出されていて、自然、親しみを覚えました。彼らに注がれる作者の眼差しがあたたかく、そして厳しくもあったところ。そこにも共感させられました。とりわけ、登場人物それぞれの胸の奥に潜み、彼らを苦しめる“心のざわめき”を描写する件りでは、読んでいるこちらの胸の中もざわざわと騒いだり、ぐっと胸を衝かれたりしました。

 話のラストでは、「ああ、あともうちょっとで終わっちまう」ともったいない気がして、ゆっくり、味わうように読んでいきましたねぇ。そして最後の頁を閉じて、「ああ、いいものを読んだなあ」と、胸の中がほこほこあたたかくなったのでした。

※2004年12月30日付 単行本に寄せたレビューより転載
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.32
(5pt)

前作『ぼんくら』を読んでから、本書に向かいますよう

鉄瓶長屋を舞台にした前作『ぼんくら』の事件から一年が経った頃、井筒平四郎と彼を取り巻く人たちの前に、再び新たな事件が持ち上がります。先の「鉄瓶長屋」事件の火種は消えておらず、今回は大火事が起きたとでもいった風に話が繋がっているので、ぜひぜひ、『ぼんくら』を読んだ後に本書に向かうことをおすすめします。

 前作同様、この『日暮らし』でも、初めにいくつかエピソード的な話が置かれた後に本編に進むという構成になっています。最初の四つの話に登場する人物と事件が、本編に入って寄り合わされ、織り上げられて行く。登場人物と彼らのエピソード風の話が、一枚の美しい衣装の中に織り込まれて行くんですね。特に、本編の後半から終盤へと話が進むに従って、「ここにあの時の話が繋がってくるのか」「ここであの場面が生きてくるのか」と、何度も膝を叩きたくなりました。

 井筒平四郎に弓之助、おでこ、お徳。彼らを始め、登場人物のキャラクターが実に生き生きと描き出されていて、自然、親しみを覚えました。彼らに注がれる作者の眼差しがあたたかく、そして厳しくもあったところ。そこにも共感させられました。とりわけ、登場人物それぞれの胸の奥に潜み、彼らを苦しめる“心のざわめき”を描写する件りでは、読んでいるこちらの胸の中もざわざわと騒いだり、ぐっと胸を衝かれたりしました。

 話のラストでは、「ああ、あともうちょっとで終わっちまう」ともったいない気がして、ゆっくり、味わうように読んでいきましたねぇ。そして最後の頁を閉じて、「ああ、いいものを読んだなあ」と、胸の中がほこほこあたたかくなったのでした。

※2004年12月30日付 単行本に寄せたレビューより転載
新装版 日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 日暮らし(上) (講談社文庫)より
4062770482
No.31
(4pt)

出来る限りぼんくらを読んでから手にとってください

●登場人物の抱えている事情がそのままぼんくらから続いています。というかぼんくらの主要人物が時間軸を後ろにずらしただけですので。この本の情報量だけだと補足仕切れていません。この本の説明のみでも大筋は理解できますがやはり全体像を呑み込んでからのほうが面白いはずです。●これも一話完結の人情ものに一見勘違いしそうなんですが実は違うんです。一つ一つの話は支流でもっと大きな流れにそれらが注ぎ込みます。高度な連続ドラマの脚本であるパターンです。最近は見なくなりましたが。●前回から引きずった話や大方解決し詳しい事情もまあまあ分かりましたがまだもやもやが残ります。例えば葵の上方での暮らしぶり、商才はあったのでしょうか?前作で湊屋の尋常ではない葵への思い入れ、情夫としてではなく盟友のような感じでしたがやはりそこの事情は分かりませんでした。湊屋の末娘の近況もかなり大雑把でした。官苦労の災難もなんだか人災っぽかった含みがあるし。なんかもやもやまだしてますねえ、まだまだもやもや原因はありますが続編を期待します。●カラスはどうもストーリー上の制約を作るためにああいうことになった気がするのですが。ああならなくてもよかった気がします。●おでこ君が可愛いですね。弓之助はちょっとくせがあるかな。私はおでこ派です。最後もなんかおいしい役だった。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.30
(4pt)

出来る限りぼんくらを読んでから手にとってください

●登場人物の抱えている事情がそのままぼんくらから続いています。というかぼんくらの主要人物が時間軸を後ろにずらしただけですので。この本の情報量だけだと補足仕切れていません。この本の説明のみでも大筋は理解できますがやはり全体像を呑み込んでからのほうが面白いはずです。●これも一話完結の人情ものに一見勘違いしそうなんですが実は違うんです。一つ一つの話は支流でもっと大きな流れにそれらが注ぎ込みます。高度な連続ドラマの脚本であるパターンです。最近は見なくなりましたが。●前回から引きずった話や大方解決し詳しい事情もまあまあ分かりましたがまだもやもやが残ります。例えば葵の上方での暮らしぶり、商才はあったのでしょうか?前作で湊屋の尋常ではない葵への思い入れ、情夫としてではなく盟友のような感じでしたがやはりそこの事情は分かりませんでした。湊屋の末娘の近況もかなり大雑把でした。官苦労の災難もなんだか人災っぽかった含みがあるし。なんかもやもやまだしてますねえ、まだまだもやもや原因はありますが続編を期待します。●カラスはどうもストーリー上の制約を作るためにああいうことになった気がするのですが。ああならなくてもよかった気がします。●おでこ君が可愛いですね。弓之助はちょっとくせがあるかな。私はおでこ派です。最後もなんかおいしい役だった。
新装版 日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 日暮らし(上) (講談社文庫)より
4062770482
No.29
(5pt)

弓乃助が大活躍!

傑作「ぼんくら」の続編。ぼんくらを読んでからの方が

数倍楽しめます。

短編4作の後に本編「日暮らし」が構成されてますが、

短編のお話が本編の事件にちゃんと結びついており、

ひとつの長編としても読むことができます。

あの弓之助が「ぼんくら」以上にさらに活躍します。

ところどころで弓之助が呟く言葉が人生の教訓めいていて、

色々と気づかされることも多いです。

登場人物ひとりひとりの個性がちゃんと描かれており

感情移入しやすいです。

おでこの登場がちょっと少ないのが残念。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.28
(5pt)

弓乃助が大活躍!

傑作「ぼんくら」の続編。ぼんくらを読んでからの方が

数倍楽しめます。

短編4作の後に本編「日暮らし」が構成されてますが、

短編のお話が本編の事件にちゃんと結びついており、

ひとつの長編としても読むことができます。

あの弓之助が「ぼんくら」以上にさらに活躍します。

ところどころで弓之助が呟く言葉が人生の教訓めいていて、

色々と気づかされることも多いです。

登場人物ひとりひとりの個性がちゃんと描かれており

感情移入しやすいです。

おでこの登場がちょっと少ないのが残念。
新装版 日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 新装版 日暮らし(上) (講談社文庫)より
4062770482
No.27
(4pt)

謎解き部分は重要ではないのでは?

時代小説+ミステリー=日常生活の些事から生まれては消えてゆくけれど大事なモノを気づかせる小説です。

ミステリー仕立てではあるものの、謎解きを主眼に置いていません。それよりも江戸時代の下々の人々の暮らし(まさしく、タイトルの 日暮し です!)を現代の我々の生活にも通じるささやかなモノを汲み取ってくれる、あるいは、私達に思い出させてくれる、そんな小説です。

さらに、連作短編のようになっていて、小さな細かい話しが次第に大きなひとつの流れになり、綺麗に纏まる、そう、ココで思い出されるのは「堀江 敏幸」さんの様な小説です。

堀江さん好きな方で、「どうもベストセラー作家は敬遠しがち」な方、宮部みゆきの初心者(私もですけど)にオススメ致します。

各章に「日暮し」という単語が必ず入るのですが、その入りが絶妙です。さすがというべきか、宮部みゆき!些細な人々の細かい想いをそれぞれに、綺麗に、描写します。

様々な登場人物の中に、あなたのお気に入りの人物がきっといます。三谷幸喜のドラマの様な、スティーブン・キングの小説の様な、それぞれの登場人物に作者の愛情を感じます。

群像劇が好きな方にも、オススメ致します。
日暮らし 下 Amazon書評・レビュー: 日暮らし 下より
4062127377
No.26
(5pt)

江戸ものの担い手

宮部みゆき氏の江戸ものはすべて欠かさず読んでいますが、このシリーズは一番好きなものです。

本作は前作「ぼんくら」に比べてかなりミステリー仕立て。

とはいえ、宮部氏の得意とする、お徳さんや岡っ引きの政五郎をはじめとする「人情味溢れる市井の

人たち」の描写はバッチリです。

今回は弓之介とおでこが大活躍ですが、その分井筒の旦那と前作での主人公の一人・佐吉の影が

ちょっと薄くなったのが残念かな。

そして葵奥様が出てきたと思ったら死んじゃったのがとても残念です。

この人のお話、もっと掘り下げて書いてほしかったなぁ。

それにしても宮部氏の江戸ものは読ませる読ませる。あかんべえ然り。

現在連載中の「おまえさん」も早く単行本化してほしいと心から気になる、秀作です。

宮部氏は本当に「江戸ものの担い手」だと思う。
日暮らし 下 Amazon書評・レビュー: 日暮らし 下より
4062127377
No.25
(4pt)

活き活きとした江戸文化

『ぼんくら』の続編。

だるい同心・平四郎と美形の甥っ子・弓之助事件簿。

短編4本と長編1本で更正されています。

《収録作品》

おまんま………記憶の達人・おでこが生きていくたづきのはなし。

嫌いの虫………所帯を持って幸せになった佐吉がまた湊屋に振り回されるはなし。

子盗り鬼………前作から話題の女性・葵の人間性がよくわかるストーカーのはなし。

なけなし三味…生々しい色恋のはなし。

日暮らし………これは長編。上巻の四分の一と下巻はこのお話。

前作『ぼんくら』で明らかになった

湊屋のどろどろした人間関係が出て来るので、

こっちを読む前に『ぼんくら』は必読。

どちらも時代物でありながら読みやすいのでさくっといけます。

私は『子盗り鬼』がいちばん気に入りました。

前作では捨てられた息子視点でしたので

とにかく自分勝手で何を考えているのやら、と、

ちょっと薄気味悪い存在に感じられた『葵』が

きっぷのいい、とても格好良い女性だったのが印象的です。

『日暮らし』では、

いままであまりにも泰然としすぎていて

怪物のように感じられた湊屋の主人が

ひっそりと人知れず見せた人間性がとてもせつなかったです。

甘い話ばかりではありません。

むしろ突き放している部分もたくさんあるのですが、

それもひっくるめて人情味溢れる作品です。
日暮らし 下 Amazon書評・レビュー: 日暮らし 下より
4062127377
No.24
(5pt)

読みやすい時代小説

ぼんくらの後に日暮らしを読みました。

確かに、ぼんくらを読んだ後の方がいいですね。

ラストはいまいち期待はずれだったけれど、

そこまでのもって行き方はさすがです。

ほんとにハラハラして一気に読みました。

宮部さんの時代物って、初心者にも読みやすくって

やっぱりいいですね。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.23
(5pt)

大失敗!!

「ぼんくら」の続編であることは知っていました。
知っていたのに、こちらから読んだ私は、間違いなく失敗しました。
ここまで「ぼんくら」の内容が出てくるとは・・・
ここまで、「ぼんくら」の事件背景がからんでくるとは・・・

知りませんでした。
ああ、大失敗です。

「ぼんくら」を読んでいなくても、読み進めるうえで
問題はありませんが、前作で起きた事件の内容と結果が
うっすらと分かってしまいます。
登場人物の心の動きなども、前作を知っていれば、
もっと理解できるし、もっと面白かったはずです。
読み始めてすぐに、前作を読んだほうがいいかも
と気が付いたのですが、今作の面白さと魅力を前にして
中断することができませんでした。

江戸を舞台にした時代物です。時代物にたまにあるとっつきにくさ
などは全くありません。物語の随所に登場してくる、食文化や
江戸文化の記述が、さらりと自然と知識を補ってくれるからでしょうね。
自分も江戸の町で、魅力たっぷりの登場人物たちと一緒に行動している
ような錯覚を覚える程でした。
面白くて、上下巻を一気に読みきってしまいました。

順番を間違えてもここまで面白いのですが、
「ぼんくら」を先に読んでから、「日暮らし」を読むことを
≪強く おすすめ ≫します。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.22
(5pt)

優しき世界

人は誰でも後悔や怨念や悋気や贖罪の念の中で七転八倒しているものなのだから、自分だけが苦しんでいると思うこともないのだよ、と優しく諭されているような。あらためて業の深さを思い知るような。胸に沁みる言葉に立ち止まっては、行きつ戻りつ、ストーリーテラーのエンターティメント性もありのこれぞ宮部ワールド?
日暮らし 下 Amazon書評・レビュー: 日暮らし 下より
4062127377
No.21
(5pt)

「ぼんくら」を読んだ方はぜひ!

「ぼんくら」の続編になります。上下巻まとめての購入をオススメします。
先を読みたくなること請け合いです。弓之助の推理が冴える!「
ぼんくら」を読んでからこちらを読むと、登場人物に感情移入できると思います。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.20
(5pt)

順番間違えた……

僕は大変なミスを犯してしまいました、
「日暮らし」を読んでから「ぼんくら」を読んだのです…。
もしこの「ぼんくら」を読んでから「日暮らし」を読んでいたなら、
より大きな感動を得られた筈なのに…。
皆さんは僕のようにならないように気をつけて下さい。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.19
(3pt)

人情味あふれる作品

井筒平四郎、弓之助、おでこ、お徳、小平次、政五郎・・・などなど、登場するのは個性豊かな人ばかり。人それぞれいろいろな悩みや事情を抱えている。だがそれらは無関係ではなく、微妙につながっている。複雑に絡み合った糸。その糸が生み出す事件。そしてその事件に隠された人々の思い。少しずつ真実に近づいていくさまを、作者は軽快に描いている。読みながら、笑ったりホロリとしたり・・・。最初から最後まで飽きることなく楽しめる作品だった。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.18
(3pt)

真犯人と動機の究明がいまいち

葵殺しの真犯人がわかるまではとても楽しく読めたのですが、犯人とその動機がどうもとってつけたようで、そこだけ本編から浮いてしまっているのが納得いきませんでした。
それで肩透かしを食ってしまい釈然としなかったので、それまでは★5つの面白さでしたが、読後感は★3つです。
この作品単独で読めないこともないですが、ところどころ、『ぼんくら』を知っていないと話に置いていかれるところがあります。
日暮らし 下 Amazon書評・レビュー: 日暮らし 下より
4062127377
No.17
(4pt)

まずは「ぼんくら」が入門書

「宮部ワールドの集大成」って言ったらおおげさですかね。
まずは「ぼんくら」を読んで下さい。おもしろさは格段に違います。
下巻の進行はちょっともたつきが見られますが、上巻は文句なく「星5つ」。
こちらもテレビドラマか映画で見てみたい。
日暮らし 下 Amazon書評・レビュー: 日暮らし 下より
4062127377
No.16
(5pt)

さすが、宮部みゆきの時代小説

一つ一つがすごく面白い小編を読んでいくうちに、それらがだんだんつながりを持ってきて、最後の謎解きに引き込まれていく…さすが!宮部さんです。
登場人物も飄々とした同心平四郎、美形の甥っ子弓之助、おでこと呼ばれる記憶力抜群の少年、お人好しの佐吉やお六、業の深い港屋…など、生き生きと描かれています。
いつもながら、まっとうに生きようとする人々への温かい作者の視線が感じられ、(私が宮部さんの作品を愛する所以です)久しぶりに宮部みゆきさんを堪能した…という感じで五つ星。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.15
(5pt)

世間に潜む鬼

「ぼんくら」の続編。「ぼんくら」と同じく、前半は連作短編で、後半にそれがひとつの大きな事件につながるという構成。今回も市井の人々の生活に潜む鬼、人の心の怖さを描いている。でもその解決方法に暖かさが感じられるのが宮部作品のいいところ。
特に「子盗り鬼」は怖かった。今で言うストーカーの話ですが、人間は自分が危機に直面しないと危険に気が付かないということがよくわかる。
「おまんま」では、“おでこ”こと三太郎の気鬱が描かれている。植木屋がおでこに言った意地悪な言葉。大人にはちょっとした憂さ晴らしでしかない言葉も、子供には重大な意味を持つ。いや、子供だけではない、大人でも他人のちょっとした悪意に傷付くことは多い。
「嫌いの虫」は、佐吉とお恵の夫婦の話。お互いを思うあまりに相手に心配をかけまいと、なんでも自分で抱え込んでしまう。そこから来る気持ちの行き違い。こちらはちょっと微笑ましい。徳松とおとみの夫婦の話も「犬も食わない」ということか(笑)
「なけなし三昧」は、こわいものを見てしまって、それにおぼれた女と、逃れることが出来た女の話…。
タイトルにもなっている「日暮らし」は事件としては平凡ですが、それそれの登場人物の味わいが格別です。
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
406276203X
No.14
(5pt)

時代モノが苦手なかたにも!!

長屋を取り仕切るぼんくらな同心・平四郎と甥の超美少年・弓之介が事件を解決していくのだが、「時代モノ」が苦手な読者にも読みやすい工夫が随所に見られる。食わずぎらいしている人にもぜひオススメしたい。
平四郎の美貌の妻をはじめ、彼をとりまく長屋の人々も皆さんキャラが立っているので、まるで時代劇ドラマを見ているように読み進むことができる。
この読みやすさ、とっつきやすさも宮部みゆき作品の魅力だと思う。
そして、何を書いても作品に「品格」を感じさせるのはお人柄なのだろうか?
日暮らし(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 日暮らし(上) (講談社文庫)より
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