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さまよう刃
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さまよう刃の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全246件 101~120 6/13ページ
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家族を守るため愛する人を守るため不幸にも殺人を犯してしまうのと違い、同じ殺人でも、快楽の為あるいは人を殺めても罪のひとかけらも感じない人間は小説の世界だけでなく現実の世界にも存在する。しかし何が悲しいかと言えば、快楽の為に愛する者を殺した人間に復習をする人間を法の力ではどちらも重き裁きを与えざるを得ない事だ。この小説から、警察は市民を守る事が仕事ではなく法を守る事が仕事だということに気づかされた。そうでないと社会の秩序は保たれないということは分かるけれども、なんともやるせない気持ちが残る小説だった。 | ||||
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この世でたったひとりの溺愛する娘を、人間性の無い野獣のような少年たちによって、陵辱された挙句この世から葬り去られる。その男は復讐に燃え、殺人鬼となる。社会はこれを批判するのか、肯定するのか― 法治国家のこの国では、少年犯罪に対する処罰が甘く、人を殺めても数年で社会復帰することもありえる。しかし、それでは被害者の遺族はけっして納得することができない。かといって、この小説の主人公のように、被害者の遺族が敵討ちをするのは善なのか?いや、悪だろう。負のスパイラルに陥るだけだ。 500頁にわたる長編小説だが、話の展開が早く読みやすい為、いっき読みできる。 少年少女にも、被害者または加害者に共感できる部分があると思う為、ぜひ学校の図書室に置いてもらいたい。また、その親御さんも読むべき一冊だろう。 | ||||
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基本物語の内容に引き込まれてしまう為、 暗い話を読む前はある程度覚悟をしてから読み始めるのですが・・・ こちらの作品は予想以上に悲しい結末、 ただただやるせない気持ちでいっぱいです。 愛する娘を殺された父親が犯人に復讐をする行為は、 道徳的に考えればやられたらやり返す行為は間違っているでしょう。 でも私は主人公を支持します。 被害者遺族になってしまった以上、心から笑える日ってくるのかなと思います。 犯人が罪を償い、事件から年月が経ち遺族が新しい人生を歩みだしたとしても 自分の身内が殺されたという事実は、しこりとして一生残り続けるのではないでしょうか。 でも途中、主人公を助けてくれたペンション経営の女性が言うように 主人公が罪を犯してしまったらそれこそ新しい人生は送れないし、 罪人として罪を償っていかないといけません。 自分が主人公の立場ならどうするのか、被害者を守ってくれない法律、 深く考えさせられる作品です。 | ||||
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かなり最初からはまってみてしまいました。話は端々と進んでいくのに だんだん主人公に感情移入してしまいました。 生々しい表現が多いので目を背けたくなる場面もあるのですがそれも主人公の味方をしたくなりますね。 おすすめです。 | ||||
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ミステリーとサスペンスのジャンルで数多くの作品を出している東野圭吾さん。 本作にジャンルをつけるとすれば、「心情」ではないか。 妻を失った長峰が唯一の生きがいとしていた高校1年の一人娘。 彼女が少年たちにレイプされた上に殺害された。 しかし犯人が未成年のために逮捕されても罪は問われない。 復讐することが罪を償い、娘への弔いだと信じて長峰は犯人を追う。 正義とは何か。 誰が犯人を裁くのか。 法は何を守るのか。 愛する娘が見も知らぬ少年たちに人として扱われることなく蹂躙される映像を長峰が観てしまい、獣のように咆哮したときは涙が止まらなかった。 一つの作品で一度涙ぐむことはあっても、何度も涙ぐんだのは本作が初めて。 娘への思いや、自首への葛藤、復讐を果たそうと行動する長峰に、何度も涙した。 法が守るものは被害者ではなく犯罪者なのではないか、という問いかけも心に響いた。 本作を読んでいて、私は宮部みゆきさんの「模倣犯」を連想した。 「模倣犯」は殺人者の心情を描いた作品であり、 「さまよう刃」は被害者の心情を描いた作品。 どちらも単なるフィクションではなく、現実にありそうで語られない人物の心理に焦点をあてている。 事件が起こればそこには様々な人のドラマがあるわけだが、これを描いた作品というのは意外に少ない。 だからこそ、そこに強い訴えかけがあり、読む側は心揺さぶられるのではないだろうか。 | ||||
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途中で何となく結末は予想がついてしまって、いつもの東野作品のように「やられた!」というのはありませんが、ぐいぐい引っ張って読ませて行くところは流石「お見事!」 宮部みゆきさんの「模倣犯」とシチュエーションが似ていながらテーマが違います。 大変重い作品ですが、ぜひ子供を持つ親には読んでほしいと思います。 | ||||
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東野圭吾はこういう現実的な問題を物語にして読ませるのが実にうまい 単なるアクションや平板な仇討ち物語になどなりようもない等身大の登場人物 そして、矛盾は矛盾のままに提示される 今やこういう事件はいつ、誰の身に降りかかってもおかしくない 正しい結論など出せなくても、そういう問題の中で我々は生活していかなければならない 読んで損のない一冊 | ||||
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一気に読みましたが。子を持つ親としては読んでてつらい内容でした。 ラストでの主人公の扱い方にちょっと不満で、 主人公だけでなく、読んでる私たちも報われない。 読後には疲れだけが残りました。 しかし、グイグイひきこまれたのはさすがです。 | ||||
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愛娘が見知らぬ少年達(いや、野獣達?)によって強姦され、命を奪われた主人公が、復讐を果たすべく、その犯人の一人を殺害し、もう一人への復讐にも執念を燃やす。 娘が突然にして理不尽な形で殺された父親という立場であれば、本当の憎しみ、怒りをぶつけるためには、自らの手で殺すしか方法はないであろう。 でも、冷静に考えてみれば、たとえ自分の娘を殺した相手だからといって、復讐という形で殺す、そんなことが許されていいのか? ・・・読み進めるうちに、そんな二つの思いが交錯していた。 「人を殺してはいけない」なんて、理由を説明しなくても、小学生でも分かっている。 でも、「罪を憎んで人を憎まず」なんて綺麗ごとで片付けられる問題でもないだろう? ここでは、犯人が未成年であるということで、少年法に則って裁かれるということにも着目している。 この犯人達は、それによって自分達が重い刑罰を受けることがないことを分かっている。例え少年院とかに入ったとしても、数年で出てきて、普通に生活できるのが現実である。そして、自分達がどんな形で何人殺そうが、「そんなことは知ったこっちゃぁない」「とっくにケリがついた」と平然とした顔でいられるであろう? 今の少年法、法律は、ここに出てくる鬼畜達のような者を付け上がらせるだけだ、そんな奴らに「更生」やら「社会復帰」やらの余地があるわけないだろう?・・・そんな感情が湧き上がるのである。 未成年による凶悪犯罪と言うと、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」「神戸連続児童殺傷事件」などが有名だが、やはり、ここで指摘されているように、加害者の人権が保護され、被害者は蔑ろにされているということが問題であった。実際に、一部では実名報道がされ、物議を醸したが、「野獣に人権はない」などという主張もあった。数年前、ある少年事件で、現職の大臣は「(少年の親を)市中引き回しの上、打ち首に」と発言し、これも物議を醸した一方で、共感する声もあった。そんなことも思い出される。 人間は決して、感情だけで生きている生き物ではない。凶悪殺人犯は憎いから殺してしまおう、さらし者にしてやろう、そんなことが許されては社会が成り立つわけがないのだから・・・ そんな深い部分を考えさせられた。 | ||||
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つい最近テレビ映画を観た後、本作品を読んだ。小説の映像化は常々、原作に及ばないと確信していたものの、さすがに終結は映画の方が圧倒的に迫力があり、素晴らしかった。逆に言えば原作は尻切れトンボのように後味が悪かった。東野作品の特徴として犯人の人物像を極力描かないのは意図があるのだろうか。せっかくの作品が台無しだ。同様なことは「天空の蜂」についても言える。一般文学351作品目の感想。2011/03/17 | ||||
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重大な少年犯罪の被害者(特に家族を失った者)が抱いてしまうやりきれなさが見事に描かれています。加害少年が本当に腹立たしい奴に描かれているので、主人公を応援する第三者という気持ちで、はらはらどきどきして読み進めてしまいます。ただ、サイコメトラーEIJIに似たような話があったなと気になってしまいましたが。 | ||||
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東野圭吾さんの作品ということでなんとなく購入しましたが、内容は非常に重苦しいもので、読むのがつらいがいっきに読み終えてしまうものでした。読み返したいが、気が引ける作品であり、絶対に読んでほしいが、オススメしたくい作品です | ||||
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TUTAYAで、お薦めというポップが付いていたので、購入してみました。感想としては、少年事件という非常に重いテーマを、テンポ良くいっきに最後まで読ませてしまう表現に驚かされました。そして、最後の終わり方も、個人的にこの形は結構好みです。ただ、読み終えて感じる余韻を、私はかなりの間引きずってしまいました。 | ||||
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本気でなければ、このような小説は書けない。 東野圭吾のすごさを感じた。 これはもう単なる小説ではない。 世に問う本気の書だ。 大切な人が暴虐非道な殺され方をしたとき、犯人に対してどう思えるか、どう対処できるか。 「正義」とは何か? 遺族に「救済」はあるのか? 「人を殺すこと」とは、その「復讐」とは、どういうことなのか? 少年法はじめ法律の基本概念が、被害者側の救済に全くなっていないことを改めて知り、暗然となる。 そして、読み手1人1人のむき出しの価値観を問われる。 それにしても描写がきつい。 本当にむごい。 受け付けられないと感じたこともあったが、読後は、読み手に追体験させるため、必要だったと感じる。 それほどにむごいことなんだと知らなければ、この小説の問題提起は表層的に終わってしまう。 罪悪感のない身勝手な犯罪の罪深さが、これ以上ないほどの怒りをかきたてる。 ただ、巻末に「解説」が欲しかった。 こういう内容だからこそ、読み手の思索をまとめさせる意味でも、冷静な第3者の意見が欲しかった。 これは、大いに議論しないといけない書だ。 (ラストの謎解きも含めた警察同士の対話に、その要素を含めたのかとも思う) | ||||
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妻と死別し、残された娘と2人暮らし。 そんな娘が少年グループに拉致・暴行され殺害されるという事件が発生します。 犯人の少年達がかなり凶悪に描かれていることから、おそらく小説を読む大半の人が 少年達に殺意を持つと思います。 考えたくもないですが、私も自分の娘が同様のことになるようなことがあれば、 同じ衝動に駆られるのではないかと思います。 改めて少年法の理不尽さを感じたこと、また少年たちの母親が自分の息子を 最後まで信じたいという複雑な親心もあったり、とても奥の深い話だと思います。 個人的には結末がちょっと残念ですが・・・ | ||||
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はじめて読む東野圭吾氏の作品である。 未成年の犯罪。被害者家族の想い。「更生」とは一体だれのためなのか。 そんな重いテーマを題材にした小説である。 加害者、共犯者、被害者、刑事、加害者の家族、被害者の家族といった様々な登場人物たちがそれぞれに想いを持ち、 時には重なりあい、最後はなんとも切ない終わりを迎える。 その幾重にも重なり合った心理描写はかなり読み応えがある。 また、心理以外の描写でも様々な伏線やメッセージをこめられており、作者のすごさを感じた。 ただ、本書の最後の元班長のシーンはどうだろうか。 個人的な思いがあるとはいえ、あまりに軽率な印象を受け、個人的にはあまり好きではない。 | ||||
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娘への限りない愛情と心ならずも加担した少年からの情報で、 少年たちの餌食となった愛娘の最後の様子をビデオで観てしまった父親。 復讐への道を進む以外に方法はなかったと思わせる追想シーンと少年達のふてぶてしさ。 加害者の少年達の軽い生活も被害者の父親像も研ぎ澄ました刀のように刃こぼれなく表現されています。 一気に読みながら、読書の心に訴えるものが多い作品です。 | ||||
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最初に手に取ったのはハードカバー本、 テーマが重すぎて読めず、 いつの間にか文庫化してそしてやっと読みだした。 最初は抵抗があったが一気に読めた。出張の移動中にて。 おそらく作中の結末しかあり得ないんだろうけど、 それをわかっていても悲しい最後。 書いている氏が一番悲しかったのかもしれない。 そのくらい重い。 最後にちょっとしたトリックがあり、ミステリーの要素を出している。 | ||||
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少年犯罪、強姦致死、レイプ後の自殺、少年法問題などを取り上げていますが、この本が一番伝えたいことは「遺族の、やり場の無い怒りと悲しみ、苦しみ」。 言われなくても分かる!と思うでしょう。ですが現実問題として大切な人を、同じヒト(オス)に陵辱され殺害された経験のある人が、この日本に何人いるでしょうか。 決して救われることのない被害者側は、事件の生々しい傷跡を抱えて一生を過ごさなければならない。しかもその傷は膿んで乾くことがない……毎日が生き地獄です。 作者は娘を奪われた父親の心情を見事に描ききっています。東野圭吾氏自身、体験したのではないだろうか?と思わせるほど。 私は犯罪被害者ですが、これほど号泣した本は初めてです。 レイプ、ビデオの映像、復讐の第1番目の殺人。過激な描写がリアルに描かれていますが、目を背けないで読んで欲しいと思います。 ここを描かなければ、復讐に走ってしまう父親は誕生しないのですから。 そして父親がむかえた悲しい結末。フィクションとしては逆パターンが理想ですが、リアルを追求した本作ではこれがふさわしい。 読者の心に「やりきれない思い」が残ります。 それは父親の「やりきれなさ」をほんの少しでも感じ取ることができるように用意されたラストであり、救いのない現実世界そのものです。 | ||||
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未成年の容疑者の被害者、本当に居た堪れない。 繊細かつ曖昧な少年少女の心動と行動が、 絶妙なタッチで描かれていてハマりました! 最後の3ページ(密告者の解明)が 物足りなかったので -1 ポイントしました。 密告者の解明については、 最後の最後まで腑に落ちず疑問に思っていて、展開を期待していました。 肩透かしを喰らった気分です。 | ||||
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