悪夢の棲む家
評判
悪夢の棲む家の評価:
4.55/5点 レビュー 42件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全42件 21〜40 2/3ページ
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〈悪霊シリーズ〉の最終作「忘れられた子供たち」で、事件の舞台になった小学校で麻衣とぼーさんと安原でみんなの秘密について話した際、ジョンはエクソシストでも神父でもないぞとぼーさん(滝川法生)は思いっきり否定した。しかし、教会の神父ではないだけでジョンは正真正銘のエクソシズムを行う神父である。ベネディクト派修道会のね。毎回、SPRの協力者である拝み屋の一人として悪霊と戦うが、憑き物落とし(悪魔祓い)は本当は許可を得ないとやってはいけない。無許可で祓いまくっている。世のため、人のためと信じてこっそりと。
ナルもリンも英語圏の人間だから知らない筈がない! 小野不由美女史の一世一代の不覚である。キリスト教の内部事情に対する小野女史の誤解が原因で、ジョンはエクソシズムを実行する神父なのに昔の〈悪霊シリーズ〉といなだ詩穂女史による漫画版が連載された頃はまだ彼女らの誤解が闊歩していた。だいぶ経ってから小野女史は知人に“それ”を指摘されたため、完全版ではぼーさんの“神父には違いないだろうが”とボカした物言いに変更した。
「僕は若(わこ)う見られるようですのんけど。けど、一応、ちゃんと司祭なんでおます。所謂神父ゆうのは、普通は司祭でおますね。僕は神父ゆうても教会の神父やなしに修道会の神父ですよって、伝道に出る時に司祭職を貰(もろ)たんでおます。」
教会の神父=教区司祭、それに対して修道会の神父=修道司祭である。
そもそもの世間一般には、司祭というとそこら辺の神父よりも高い地位の人間だと誤った情報がまかり通っているのだ。実際は“神父=司祭”である。ジョンは修道会の神父で“修道司祭”であり、伝道の旅に出る際に司祭職を授かったのだった。
ジョンは、ニューサウスウェールズ州(The State of New South Wales / 州都は最大都市のシドニー)で生を受けた。そこは嘗ての流刑地であり、オーストラリア連邦東南部に位置する州で同国最初の英国入植地であり、オーストラリアで最も人口が多く最も工業化された州である。典型的な英国系移民の家庭で生まれ育ち、一家揃って敬虔なイエズス会教徒で、ブラウン家の伝統として長男・長女は教会に捧げられていた。師父ソテロと共に外国人労働者のための病院を作るという夢を持っている。エクソシストの他に翻訳、診療所、日曜学校の手伝いをしている。日本語の学習過程で足を踏み外したらしく、日常会話は珍妙な京都弁なのに、何故かエクソシストとして聖句を唱える時は標準語である。因みに、師父ソテロは伝道師ではあるものの本来ならば、望めば司教になれる人物である。このソテロこそ、ジョンに日本語習得の過程で珍妙な京都弁を吹き込んだ元凶だ。
麻衣の高校の旧校舎の事件の最中、倒れた下駄箱が倒れて失神した麻衣は初めて夢の中でジーンに出逢った。ナルと同じ黒ずくめで一卵性双生児の兄だったため、相手が死霊だとも知らずに自身の願望が見せたナルの夢だと思ったが、ジーンも敢えて訂正しなかった。死人である自身の時はどれだけ想いを育もうとも止まったまま、正反対に麻衣は現在進行形の生き人としての時の流れの中にいるから。しかし、残酷な現実は弟ナルが麻衣の夢や幻視の真相に気づいた時、麻衣の心の中に深い悲しみとなって押し寄せた。
これでジーンは成仏したと麻衣もナルもそう思ったが、ジーンは暗闇の中に取り残されたままだったことが事件の夢を見たことで麻衣は知ってしまう。
改めて夢の中で再会し、最初の旧校舎の頃、初めて麻衣とコンタクトできた時から事件の調査の間だけ意識は浮上し、それ以外はうたた寝しているような状態だったとジーンは語った。現世を完全に去る出口、それは見えているのに何故か近づけない。成仏したくても自身で何が原因かは不明だが、出口に近づけずに成仏が叶わない。それを機に麻衣達のことを知らなかった他のメンバーも知ることになるが、同時にどうしてジーンが成仏できないのかと彼らも頭を悩ませることになる。
これ以降の展開はもはや望めなくなってしまった。あれこれクレームをぶつけまくった一部の心無い行為に激怒し作者は執筆をやめてしまい〈悪霊シリーズ〉の続編である〈ゴースト・ハントシリーズ〉唯一の作品、第1作にして最後の作品として終わってしまった。ジーンは永遠に闇の中に閉じ込められたまま、麻衣の恋も尻切れトンボ扱いだ。