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(短編集)

五里霧



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【この小説が収録されている参考書籍】
五里霧
五里霧 (講談社文芸文庫)

五里霧の評価: 5.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

ジェンダーを含めたいろいろな差別の在り様

大西巨人拾い読みシリーズ。1992年〜1993年に雑誌「群像」に連載された短編集。今回読んで一番印象が強かったのは表題作でもある「五里霧」にあって作中人物下村氏が、文芸作品において男性器が名指されることは多くあったのに女性器が名指されることはなかったことを「これは、文芸表現の世界において、いかに女性が差別・圧迫されてきたか、ということの明白な一証左です。」の述べた部分。最近読んだ「禁断の果実 女性の身体と性のタブー 」 リーヴ ストロームクヴィスト (著), Liv Stroemquist (著) 相川千尋 訳 花伝社の内容と被っていて興味深かった。作品の動因となった事件への見解についても2010年代後半の相場では、下村による主人公・高村の批判が正当とされそうだが、それでも主人公は1990年代前半の70歳代男性として下村の批判に真摯に対峙していて、その姿はその後の性差別認識の深化・発展にも即しているように思われた。その辺りは流石は著者という感想を持った。
 本短編集は総じて様々な時点、場所、階層において、差別や格差付けの問題を扱っていてその中に自然に性差や性に関する主題が取り上げられ、飽きずに一読し、再読再々読することでますます得るものが大だろうと思われた。
五里霧 (講談社文芸文庫)Amazon書評・レビュー:五里霧 (講談社文芸文庫)より
406198392X

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