恋文の技術
評判
恋文の技術の評価:
4.32/5点 レビュー 116件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全194件 121〜140 7/10ページ
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恋文の技術の評価:
4.32/5点 レビュー 116件。 A ランク
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あまりに綺麗すぎるオチにスカッとする。
この感覚は落語に近いものがある。
著者の本はよく知っている。
古風な言い回しを多用し、男の情けない部分を描かせてクスリと笑わせる。
著者自身も作中で指摘していたが、
ご都合展開過ぎる、というくらい現実を無視したストーリーやキャラ。
「恋文の技術」でもそれらの特徴は如何なく発揮され、
しかもなんだか今回は冴えわたってるな、と思わず呻りたくなるほど見事な文章。
物語の7割くらいが無駄でできていて、その無駄があまりに面白い。
そしてこの小説の最大の特徴は書簡体小説だということ。
筆者は夏目漱石の書簡体小説に影響を受けたらしいが、
私は文学素人なので、それがどのようなものかは解らない。
しかし、感覚的には太宰治の「人間失格」の明るいバージョンみたいな感じだった。
人間失格は根暗な男の手記を読んで物語を追っていく感じだったが、
この小説の主人公はひねくれてはいるが、優しくて面白いヤツなので好感を持てる。身近に感じる。
しかもこの手紙は読者に向けられたものではなく、あくまで主人公の知人親類に贈られたものである。
書簡体小説とはそもそもそういうものなのだろうが、
本来なら手紙で物語を読ますというと、読者に語りかけるような形で共感させ、物語の世界に引き込ませるのだが、
この小説はあくまで他人事。苦労したり嵌められたりしている主人公を見世物のように観察して笑うのだ。
この点がこの小説の面白さを格段に上昇させている。最初は他人事。書簡体で他人の不幸を見せつけ、四苦八苦する姿に感動させ、共感させる。
そして最後には主人公の恋愛成就を応援している。他人事ではなくなっている。
この読者の小説に対する姿勢を操る筆者の筆力はやはりすごい。
森見先生の作品にはそんな力がある。
恋文の技術はそれを再確認できる作品だった。