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フリーター、家を買う。



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【この小説が収録されている参考書籍】
フリーター、家を買う。
フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)

フリーター、家を買う。の評価: 3.70/5点 レビュー 140件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全92件 81~92 5/5ページ
No.12:
(4pt)

10代限定!大人お断り。

良く出来たジュブナイルだと思います。
題名にはフリーターと書いてありますが、中学生、高校生世代におすすめ。
働くってこういう事。また家族のあり方も、いつまでも同じ関係性ではいられない。
大人になるっていうのは辛いこともたくさんあるけど、意外に楽しい、と思えるお話です。
停滞した雰囲気の前半部と、後半のいきいきしたテンポは対比されると面白い。上手です。

現実に壁にぶちあったている大人から見れば、まだ甘いなと思う所もあるでしょうが、そこは
「10代限定!大人お断り。」
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.11:
(5pt)

愛が溢れる心温まる話

忍耐力がなくいろいろなことから逃げていた主人公が母親の病気をきっかけに一念奮起して一生懸命働き成長する。
自己中心的な父親と病気を患う母親、家族で最もしっかり者の姉とともにストーリーが展開される。

内容は比較的単純であるが、親子間の愛情、夫婦愛、兄弟愛、主人公の恋愛と愛に溢れている話で読み進めるうちに心が温かくなった。
特に自己中心的だった父親が病気の妻や子供の母親を思う気持ちを汲んで徐々に変わっていく姿や主人公が心を入れ替えて本気で会社や母親に尽くす姿には感動した。また、父親が息子の就職に内心喜んで自分の得意分野である経理や社会生活について教えようとする姿も良かった。
読了後は家族っていいな、と思った。

有川氏の作品を初めて読んだが、文章は取り立てて巧いという感じはない一方で、現代の社会問題である非正規社員の問題(一度挫折した若者の就活の難しさ)や介護問題、住宅問題の映じ方が極めて巧いという感触。

最後まで一気に読み切る面白さであった。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.10:
(5pt)

有川浩の魅力、全開

最初タイトルを見て、フリーターが無理に家を買って苦労する話かと予想していたら、まるで外れた。家族の再生がテーマなのだが、主人公の誠治の父、誠一の酒癖の悪さ、社宅代わりに会社の買い上げた家を家賃3万円で暮らせるなどの理由から、町内じゅうのいじめに遭い、そのせいで母親の寿美子が重度の鬱、強い妄想状態、全般性不安障害を併発してしまったのだ。一番の治療は、引っ越すこと。しかし父はそんなことに耳も貸さず、母の治療には協力する気配もない。頼りになるのは、名古屋の病院に嫁いだ姉の亜矢子。しかし姉も2週間しかいられない。しっかりしなければいけないのは、入社3か月で社風が嫌になり、フリーターとなった誠治だ。

 そこから誠治の生活も一変していくのだが、全体的にとても面白かった。誠治の成長や、家族の再生、精神を病んだ家族のケア、仕事の面白さ、そして著者の温かい眼差し(宮部みゆきや坂木司などと通じる)やその正義感、筋の通し方、など細やかに書かれていて、しかも無駄がない。よく人間を観察しているなあと感心させられる。そして、著者の作品というと恋愛は外せないが、これもちゃんとおさえてある。

 それに毎度、ユーモア溢れる文体に思わず顔がにやける。父が誠治の話を無視しようと、読んでいる新聞を顔の前に広げるのだが、「誠一の閉めるカーテン」と喩えたり、「どこからそんな言葉拾ってきたか知りませんけど、古い!」など、話が明るい方へ向うに連れて、どんどん調子も滑らかに・・・。

 ある恋愛を、当人以外の人間から見た、おまけのAfter hoursという章の番外編あり。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.9:
(5pt)

二章から

作者も書いているように重い。
正直一章で投げてしまうところだった。
しかし引っ張られて読み進めてしまう。
そして二章に入り外の世界に目が向き話が展開すると
もうさくさくと引き込まれ一気に読んだ。
お得意のラブリースピンオフ含め完結。
この書き下ろしがあって、ぐっと良さが増した。
タイトルやジャケとは全く違う真摯な家族小説、と思った。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.8:
(5pt)

『東京タワー』の100倍おすすめ

本屋さんで発見し、買って帰って読み始めたら
トイレに行くのすら惜しいほど、夢中で読みました。

とある家族がテーマですが、その家の中には
100点な人もいなければ、0点の人もいません。
そして、この本は、よくある家族物小説にありがちな、
「○○だと思っていた家族の裏をめくってみただけ」
という放置小説になっていないところがすごく良かったです。

自分ばかりを責める母親に反して、
自分の非を絶対に認めようとしない父親、
この、父親のリアリティが見事です。
でも作者は、この父親に「ダメ人」の烙印を押して終了、とはしていません。

そして同じく、「自分」にばかり徹していて
けっして家族と向き合おうとしなかった主人公・誠治。
彼が母親を助けたい、と思った瞬間から、彼は変わりはじめます。
その課程で彼が気づくことの多さを、
読者も一緒に追体験できる小説です。

この本を読みながら、私は思わず自分を省みてしまいました。
誰かを責めたり、見放したりするのはとても簡単だけど、
その空しい行為を選ばなかった主人公に
人としての魅力を感じました。

ベストセラーを記録した『東京タワー』には
なぜだかまったく感動を覚えませんでしたが、
母親のために奮闘し、結果的に
一回りも二回りも大きく成長する誠治に胸を打たれました。
(それは自分の親が現在入院中だからかもしれませんが)

フリーター小説としても
変身小説としても
就活小説としても
治療小説としても
いかようにも読める、素晴らしい一冊です。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.7:
(5pt)

あぁ怖い。でも笑える、泣ける!

なんとか就職した会社を三ヶ月で辞めたあげく、お気楽なフリーター生活。家では半ば引き籠もりで食事を部屋まで運ばせていた「内弁慶オレサマ」の主人公。
その、なんでも面倒を見てくれていた優しい母親が、ある日突然「壊れて」しまったら?
そして、「お母さんがこうなったのは、あなたのせいでもある!気づきもしなかったの!」と実の姐に糾弾されたとしたら?

主人公の甘ったれで生ぬるい日常が根本から引き裂かれる前半は、圧巻である。特に、母親湖の病気の悪化にもっとも責任のある父親への姐の糾弾は、容赦がない。主人公や父親のような「身勝手さ」は男なら誰しも「身に覚え」があるだけに、胸に刺さる刺さる。ほとんど「怖い」と言って差し支えないリアルさだ。

だが、安心してほしい。本書の筆者はあの有川浩である。
物語は「どん底」から力強く「V字回復」する。
主人公の成長とともに、家族の再生が力強く描かれ、泣ける。
最後は「新たな家族の誕生」を示唆して終わる。・・・いやぁ良い話を読ませていただきました。

なお、「第二新卒」として主人公が就職活動をするにあたり、「ダメな就活」が徹底的に解説されており、読んで誠に面白いが、実用的にも役に立つと思われる。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.6:
(4pt)

今までとは違う、でも・・・

有川浩といえば図書館戦争シリーズに代表されるようなベタアマ・ラブコメの印象を持っていたし、この作品でもそれを期待して読み始めた。

前半に主題となる母親の病気が描かれているが、それを知った家族の思い、それぞれの行動がまた怖いくらいに胸に突き刺さる。

安穏と平和に暮らしている家を守っていた人がいる。その有りがたさと大切さを振り返りたくなる。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
4344017226
No.5:
(5pt)

諦めてない武さんは間に合ってます。

諦めずに間に合うために。
そして、諦めなかった物語。

相変わらず有川作品は、人の心をぐいっと持っていく力があると、再確認させられる作品。
端的にストーリーを纏めると「崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶」
(帯に書かれた言葉のままだが完結で非常に良いあおりだと思う。)
かといって、もちろんこの帯に書かれた言葉が凡てではなく、いつもながらの有川節が、物語を鮮明に彩っている。
鮮明すぎて物語の序盤は読みながら心が痛みすぎるくらいに。

物語のスタート時点では無自覚に怠惰な主人公が、急転直下の状況の変化に、まさしくハンマーで頭を殴られたようなショックを受けて、自分の怠惰を認めて、そして変わろうとするが、一気に変われるわけではなく、やっぱり過ちも犯しながらそれでも成長していく。
していける。
少しずつ少しずつ主人公は変わっていき、そして少しずつ少しずつ家族が家族であることを取り戻していく。

例えば、主人公がつい言い訳をしてしまうようなみみっちい部分とかそういう情けないところが自分と重なったりして、正直めちゃめちゃ痛いところもあった。
でも、人はそういう痛い部分をちゃんと認めて成長していけるんだ、と思わせてくれるのだ。そして、こういう前向きな思いを持たせてくれるのが有川作品の有川作品らしいところだと思う。

また、この物語にも登場する「男前な女性陣」には自然と頭が下がる。
特に亜矢子ねーちゃん。
新たに購入した家で亜矢子ねーちゃんがとった1つの行動。
発した1つの言葉。
その部分を読んだとき、万感の思いが胸を去来した。

口ではなんだかんだ言っても、心の奥底では(どこか片隅でかもしれないけど)、やっぱり信じているから間に合ったんじゃないかな。。。

恋愛成分はごく微量。
ごく微量なんだけど、こういう2人て凄く良いよなぁ、と思わせてくれる。
後日談というかボーナストラックがなければ、ここまでは思わなかったんだろうけど・・・この2人は実に有川作品らしいと思います(笑)

☆題名は、読んでいてぐっときた言葉です。
「諦めてない武さんは間に合ってます。」
良い言葉ですよね。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.4:
(4pt)

あきらめないでほしいから読んでほしい

フリーターになってしまった主人公。
その主人公が家を建て直す物語。二重の意味で。
家族を、立て直す物語になっている。
人生を、立て直す物語でもある。
でも、単純な成功物語ではない。成長の物語である。

母親の病気の描写について気になることもあるが、小説だからと割り切って楽しんだ。
家族の物語としても、仕事の物語としても、読ませたい人が思い浮かぶ。
現状を振り返って考えてもらうためにも、元気を取り戻そうとあきらめないためにも。
働くってことをあきらめないでほしい。家族と和解するってことも。そんな応援を感じる一冊だった。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
4344017226
No.3:
(4pt)

タイトルに惹かれて買ったが・・・

結構重い話。
フリーターでお気楽生活から母親の鬱病の為に一気にどん底におちてしまい。そこから這い上がる為には・・・

家族の事、仕事の事、家庭環境の事色々読んで考えさせられた話。
「こころの病気」についての理解がどれから難しいか、主人公の父親を観ていればわかるし、また言い分もわかる(現場のおっちゃんらが語るところ)
また、親子の見解の違い・価値観の違いってそういうところから出るんだなぁと親子喧嘩シーン読んで思ったりもしました。

仕事についても見方が変わるかもしれない。

「予期せぬ矢を射られないためには、矢を射られそうなタイミングを回避する事。そのためには、むやみとひとに突っかからない。蔑ろにしない。」

これはほんと社会というか生きていくうえ重要な事だと思った。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
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No.2:
(5pt)

ズキッと思い当たる節が無きにしも非ず

物語は序盤からズシッと重いものをくらわせてくれる。

 主人公である武誠治は、大学卒業後に就職はしたのだけれど、会社の体質が自分には合わないと思い3ヶ月で退職、フリーターで職を転々としながら居心地の良い実家に引きこもり、ネトゲ廃人と化す。
 まだ本気を出していないだけと言い訳して1年半が過ぎた頃、部屋に運ばれてくる三食がカップメンになったことに憤慨してダイニングに行くと、そこにいたのは名古屋に嫁いだはずの姉で、母親は重度の精神病に罹って言動がおかしくなっていた。

 姉により初めて気付かされる、母親が近所の住民から受けて来たいやがらせの数々。父親の失態と精神病への理解のなさ。自分のちょっとした言動が母親を追い詰めていたという事実。これ以上ないというほどの現実と嫌々ながら直面させられ、何とか社会復帰しようともがき始めるのだけれど、一度失ってしまった信用を取り戻すのは大変なこと。加えて、これまでは癒しの場だった実家も、常に自分の罪と向き合わなければならない場と化している。
 これはかなりつらい。

 初めに落とすだけ落としておいても、地道な努力が認められて再就職すると、段々と物事がうまく回り始めることは救いだ。自分が駄目だったことを認め、それを生かして仕事につなげていく部分では、痛快な気分にもさせてくれる。特に、人材募集のキャッチコピーは秀逸。こういうアイデアが出てくるところはすごいと思う。

 前半がダウナー系の展開なので恋愛要素はいつもに比べて少なめだが、後半から登場する東工大卒中途採用の千葉真奈美との実直なやり取りでは、おなじみ有川節が炸裂する。また、書き下ろされた後日談では、豊川視点で二人のやり取りが描かれていて面白い。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
4344017226
No.1:
(4pt)

"働く"ということの意味

主人公は就職した会社に馴染めず3ヶ月で辞めて、その後バイトで少しは稼ぐも再就職のメドが一向に立たず家族との会話もゼロの、ダメ男。いつかは大丈夫なんて甘い期待をしていたそんな彼だが、母親が突然重度の鬱病だと診断されたことで、のんきな暮らしは終わる。
再就職して、100万貯めて――猛奮闘の末に、彼の行き着く場所はどこなのか。
泣いたり笑ったりの新しい日々が今始まる。

タイトルからして、恋愛メインではないなと思ったが、まさかこんなにきつい話だとは想像していなかった。
序盤はまさに人生のどん底という感じ。
鬱病の家族を抱えているからといって、就職が優遇されるわけでもない。
新卒でなければ巡ってこない再就職のチャンス。
不況の時代で、思うように就職活動が成功しない人も多いはず。
そして、この本の主人公みたいに上手くいく例もそんなにないとも思う。
でも迷ったときや苦しんだときに、"働く"というのがどんなことなのか。何のために働くのか。
初心に戻って一度考えてみる意味を見出せる一冊だと感じた。
フリーター、家を買う。Amazon書評・レビュー:フリーター、家を買う。より
4344017226

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