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フリーター、家を買う。
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フリーター、家を買う。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 61~80 4/5ページ
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フリーターになってしまった誠冶は、考えが甘いなと思って読み始めていましたが、 自分にも17歳の息子がいて、こんな風に世間知らずなのも、仕事に対する自覚が無いのも リアルな気がしました。 真面目だけど頑固で不器用な父誠一は、自分の父と似たような考えを持っていて、 ブルーカラーに対して最初は偏見があったり、母親の病気を受け入れられなかったり、 家族に対する愛情はあり、誠実に働いていながらもどこか言葉が足りずにギクシャクしてしまいます。 お嫁にいった姉が、さしずめ自分なのかなと思ったり・・ 4人家族で保たれていたバランスが、一人抜けると会話が回らなくなるのも同じでした。 父・母・弟(私は兄)の3名では団欒といっても味気ないものになった描写など、誰かの家にもきっとある光景ではないでしょうか。 一つの家族とそれを取り巻く近所の人とのお付き合いも、多かれ少なかれ気を使うものです。 母が病気になるかどうかは程度問題ですか、思いつめることもあるでしょう。 誠冶が成長していく姿が、頼もしくもあり、短くて読みやすい文体の中にも、それぞれの人物の立場や感情が凝縮されている 良い作品だと思います。 | ||||
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有川さんって本当に、お話を語るのがうまい…… 何度も読み返してとまらなくなる点では★5つでもいいのですが、今回、★ひとつ減じた理由は、登場人物に少しだけ違和感を感じたからです。 話はどん底からスタートします。主人公は最初の就職に失敗して逃げ出してフリーターになり、プライドは高いけれど自分に甘アマなダメ男君。父親は(有川さんの作品に時々出てくる父親像のような気がしますが)社会的にはそこそこ立派だけど、父親としてはど〜なの? 的な人。 彼らの犠牲になる母親は、唯一の理解者だった男らしい姉が家を出てから疲れ果て、ついにぽっきり折れてしまう。 ここから、ダメな主人公の成長ストーリーと、家族再生の物語が、一気に始まります。 登場人物はみんな魅力的で、等身大で、まあ「いるよな〜こういうヤツ」といったリアリティを感じます。だからストーリーに共感して惹きこまれ、ぐいぐい読み進んでしまうのでしょう。 いつものように、会話のうまさも、さすがです。 ただ、いるよな〜こういうヤツ、が、私の場合、読み進むにつれて徐々に「いや、いないでしょう、そんなに物わかりのいい人は!」に変わっていってしまいました。 実際にあんな父親がいたとして、あの年まであの状態で来た人が、たとえあんなことがあったからといって、そこから劇的に変わるものでしょうか。 実際にあんなダメ男君がいたとして、たとえ家族があんなことになったからといって、あの年齢で劇的に成長して自分のダメっぷりを余すところなく恥じるものでしょうか。 いやいや、父親もダメ男君も、実はぜんぜんダメな人ではなく、きちんと他人の言葉をかみしめることができ、自分を省みて悪いところを治していける「自浄作用」を持った素晴らしい人だったのでは? ……という感じです。 でも、だからこそ!読後感は素晴らしく爽やかで、すっきり気持ちいいです。 | ||||
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本編よりも、個人的には主人公の後輩である「豊川」目線のアフターストーリーのほうが好きです。 今度10月からドラマ化されるということで購入を決意したのですが、原作とドラマの設定が違うのが残念でなりません。 原作ではヒロインは後輩なのですが、ドラマでは先輩になるそうです。 ヒロインの後輩「千葉」と愛嬌たっぷりの「豊川」はこの原作でしか見られないので、 要チェックです! | ||||
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題名で「ん?」 表紙でSF? イラストで家が宙に浮いているしね。 フリーター。いやあ、その語感からしてちょいと引く。 家を買う。どうやって? その意外性に目が行く。 上手い題名の付け方だと思う。キャッチコピーのような題名。 最初から駄目駄目主人公、呆れる。 独りで家でくたくたになっていた、かわいそうなかーちゃん、 結婚して更にパワーアップしたに違いない、つえぇねーチャン、 企業戦士がこの程度なのか、酒癖の悪い逃げてるトーちゃん、 この家族どうなるんだ、家族療法的なカウンセリングでは救えないなあ、 本当にどうするんだと心配になってしまい、一気に引っ張ってくれた。 下手すりゃレベルの低いワイドショー的な世界になりそうで、 ならなかったところが上手い描き方だ。 現場のおじさんたちに励まされながら家族の絆をせっせと紡ぎ直し、 とうとう正社員にみこまれ、できることからせっせとこなし、 主人公が人事担当になる辺りからまるで別人。成長していく速度アップ。 再び一気に読ませてくれる。最初が辛かっただけにラストは爽快。 おまけの後日談もソフトでいい。 いやあ、なにげにちょっぴりカウンセリング本でしたな。 凹んで凹んで落ち込んだ後、こちらも癒された、そんな本でした。 でも、まあ、結果として孟母三遷の逆バージョンストーリー。 生き直し、育て直しではなくて、養い直しがこれからの時代のテーマかも。 周囲は変わらない、ご近所は変わりえない。 自分が変わっていかなければ新しい局面は生まれない。 これ、カウンセリングの鉄則。だから無条件にもろ手を上げずに星四つ。 | ||||
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有川さんの『植物図鑑』を読んでいたので、なんとなく口当たりのいい さわやかな話なのかと思い手に取ったところ、かなりヘビィな話でした。 長年の近所のいじめによって、重度のうつ病などを患ってしまった母親の状態に主人公が 気がつくところからストーリーが始まります。 家族の話に耳を傾けようとしない無理解な父親や、意地悪な近所のオバさんなど、 いささかステロタイプでご都合主義とも思えるのですが、 それでも作者が書こうとしている部分はしっかりと伝わってきました。 正直、家族のやりとりなどは思いきり感情移入してしまい、 読んでて辛くなるくらいでした。 母親を守ろうと奔走するお姉さんの存在がすごく救いで、共感出来ます。 主人公の成長ぶりも素敵です。 ちょっと出来すぎなんじゃ?と言われても、明るい希望を感じさせるラストで良かった、と思いました。 | ||||
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新卒就職3カ月で辞職したフリーターが、母親のために家を買おうと奮闘する話 ファンタジーでフイクションだからこそ、という部分は大いにあり『人生そんなにうまくはいかないだろう』と突っ込みたくなりつつも、作中に描かれる人間関係、特に主人公と深くかかわってゆく父親やバイト先の上司等々の台詞にはメッセージ性を感じます。 誰もが素直に生きれたら素敵だけれど素直に生きれない世の中。 思い通りになれば良いのだけれど思い通りにはなかなかならない世の中。 しかし全ては心の持ちようなのではないか、と思わせてくれる作品です。 ただ、作中には精神疾患に関しても描かれる部分があり、それが物語の一つの大きな鍵となってゆくのですが、疾患に関しては少し首を傾ぐ部分があることは否めません。少なくとも私は実際にこの症状ならば…と矛盾や描かれ方に少し疑問を抱きました。 ですので完全なるフィクション、として。またエンターテイメントとしてなら十二分に楽しめる作品、ということで星は四つにさせていただきます。 | ||||
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タイトルのみで本を選びました、 ドラマ化されんだーって思いながら。 読後の今は、タイトルがキャッチコピーみたいで、 広告戦略的なイメージが本書と合わないような気もしています。 無気力なダメ・フリーター誠治が、家族の不和・病気をきっかけに更正して家を買う話。 だめフリーターがどんな風に七転八倒して家を買うんだろう。 なんて、ポップな感じを私は期待してましたが、 紆余曲折が活劇みたいに描かれているわけではないです。 丁寧に描かれているのは、父、母、姉、息子の家族。 日本の多くの家族の抱える問題へ取り組み方。 これが丁寧に描かれていました。 特に父・誠一の妻・寿美子への接し方の描写は妙です。 誤解を恐れずに言わせて頂ければ、 団塊の世代に多い夫婦構造かもしれません。 自分が団塊の世代だ、あるいは団塊の世代を両親に持つ世代の多くは、 もっと言うと、日本文化の社会で育った一般家庭の人であれば、 共感できる側面が多いように思います。 姉・亜矢子がそんな“家族のあり方”への、 不満の代弁者になっている面もあり、 キャラクターは対比が効いていて個人的には非常に好感の本です。 例えば、大悦貞夫という土建屋のオヤジが出てきますが、 彼と猫とのエピソードのときの、彼のセリフにふいてしまった。 また、主人公が正社員になるまでの道のりも、 丁寧に書かれています。 主人公の成長ぶりはやや好都合な感じもしますが、 まあ私は許容範囲でした。 そういえば、父・誠一、息子・誠治の名前が非常に気になりました。 ときどき、どっちがどっちだ?と正直少し読みづらかったです。 全体的に、本の前半と後半で雰囲気が変わると思います。 前半真剣で後半ややポップな感じ。 後半の終盤には恋愛の話もありますよ。 読後には気になる点もありましたが、 個人的には楽しめたので★4つ。 ただ、友達や初対面の人には勧めないと思います。 文庫になれば、すすめるかも。 | ||||
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主人公はフリーター。会社を三ヶ月で辞め、バイトも長続きしない青年。しかし、母親が重度の鬱病にかかってることが判明し、その看病に明け暮れるうちに、彼は大事なことに気づく... 最初は、ラブコメの女王らしくなく、重苦しい雰囲気が続く。それが一変するのは、母親の病気をきっかけに、彼がちゃんと就職をしようとするところから。彼はバイト先の土木現場で大事なことを学んでいく。 会社に就職してからの彼は、仕事に懸命に立ち向かい、成果を上げていく。 ちゃんと、ハッピーエンドで良かった。家族の病気や就職できないことを抱えている人には、甘すぎるって言われるかもしれないけど、こういう小説を読むとホッとする。 最後は彼女らしいエピソードで締めくくられているのもいい。 | ||||
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「植物図鑑」にはじまって,氏の作品は3作目。 氏自らが公言しているように,氏の作品はライトノベルであり, 気軽に読破できる点が最大の特徴及び利点。 逆に,それが軽く感じられるときもあるけれど, そういうとき,またはそう感じる人は読まなければいいわけで, それが作品の欠点にはならない。 フリーターの起死回生の物語,という斬新な切り口ではあるが, 周囲(特に父親)のアドバイスや本人の頑張りによって徐々に 事態は好転していくサクセスストーリー。 予定調和といえばそれまでだが,そこがまた心地よい。 軽く恋愛話も入っているが,氏のスタンスなのか不得手なのか, どうしてそういうことになったのかがよく分からない。 加えて,どこか尻切れトンボな点も,「植物図鑑」をはじめ 多くの作品に見られるところ。 よって,その点でポイントを減じた。 | ||||
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子どもの頃にわからないことってあるよね。 それが子ども時代なのんだと思うけど。 主人公がどっぶりフリーターの生活からかわっていく。 そんな力量はフリーター生活で養われたのかな? 家に生まれ、家に育ち、そして家を基点に外の世界へ。 すべてがうまくいくなんて人生じゃないし・・・ 生身の人間が住む町もそれぞれの表情がある。 どこの町内にもいる覗き趣味の暇ババァ。 ここまでひどくないけど・・・ それが町で生きるってことなのかな? せつない気持ちと働くってことと・・・ 家を守るってことはある程度、大人になったらしないとね そんな感じの話。 | ||||
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タイトルが今の世相を反映した読んでみたくなるような題です。 頭から「フリーターじゃ家は買えない」と思う人もいるかもしれませんが、まぁ読んでみたらわかります。 フリーターがやがて正社員になって家を買う話です。 フリーターでも家が買えるんだ!是非その方法を・・・とかいう理由で本を買ってもそんな方法はありません。 小説ですしね。 それよりも、(実際主人公は正社員になって家を買うわけですが)よくありがちな権威主義の父親、フリーターの若者、近所のイジメ、よく出来た姉。 いろんなよくありがちな、しかし根の深い問題やトラウマが根底にあってそのトラウマ全部、真面目に克服していく成長ストーリーでもありました。 しかもごく真っ当な方法で。 私自身、父との問題やもっとしっかりしなくちゃならない自分ということで、自分を重なりその分だけ感情移入して泣けてきました。 巻末の方の恋愛模様も真面目さに好感が持てます。 本当の言葉を話す2人。いいですね! この作者の本は初めて読んだのですが、よかったので、「シアター」も読みました。 幅広いストーリーを紡ぎだす作家さんだと思いました。 | ||||
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主人公の誠治は二流の私立文系で3ヶ月で最初に勤めた会社を辞めた後、次の仕事が見つからずフリーターとして職を転々としており、家では酒癖の悪い父親と常に大喧嘩。その最中に母親は昔ながらの近所の家族からイジメと仲の悪い父子の間にはさまって心労で重症の鬱病にかかってしまう。 かなり絶望的な状況だが、さすがライトノベル作家の有川氏で、ここから主人公が徐々に立ち直っていく様子を軽妙なタッチで描いている。軽妙ではあるが、主人公が父親との関係改善を通して、自分自身の弱さを悟り、成長していく姿には共感できるし、素直に応援してしまう。 従来読んだ著者の作品は「海の底」や「図書館戦争」シリーズなどSF色の強い内容であったが、本書は現実的なテーマを著者の持ち味のライトな感覚で描いており、いい作品だと思う。 | ||||
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はじめは暗い話だけど、だんだん光がさしてくるので読む進めるのに苦痛はありません。 特に主人公と一緒に働くおっさんたちが、 父親との付き合い方を主人公にアドバイスする場面ではハッとさせられました。 実は私も自分の父親の時代に合わない頑固でかたくなな考え方に日々悩まされているので、 おっさんの言葉はそのまま私と父親の関係を円滑にするアドバイスにもなり・・・。 この本の本来のテーマは「若者が母のために一人前の男になっていく姿を描く」なんだろうけど、 私にとっては「父親との付き合い方」の方で参考になったんですよね。 自分の考えばかりを押しつけるだけじゃなく、相手の弱点をわかって認めてあげることが人間関係を良くするためのヒント。 言葉の選び方ひとつでもだいぶ違ってくるようです。 これから就職活動をする人には参考になることも多い。ある意味、就職活動の参考書といってもいいかもしれません(笑) 主人公が出来すぎな感じはしたけど、有川浩の新たな分野への挑戦としては成功といえると思います! | ||||
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題名を見たときは、「フリーターが家を購入して苦労する話」かと予想していたのですが、内容では家を購入するまでの話でした。 町内のいじめで病んでしまった母親のために、フリーターである息子(主人公)が一念発起して就職、父親との和解する話です。家を購入することが目的ではありますが、そのために家探しで奔走する話ではありませんので、ご注意を。 町内でのいじめ、家庭内不和、就職困難、精神疾患と出だしは重いテーマですが、作者特有のタッチでしんみりと読みづらい感じはありません。 読み終えた後で、もう一度読み返したくなる作品です。ぜひ手にとって見て下さい。 | ||||
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大学卒業後、初めて就職した会社をたった3ヶ月で辞めた・・・。そのあとは気楽な フリーター生活。いやになったらいつでも気軽に仕事を変える。母寿美子の異変にも まったく気づかない。そんな誠治に、姉亜矢子の怒りが爆発!誠治は、母のため自分の ために人生を本気で考え始めるのだが・・・。 無責任な夫誠一。フリーターで気ままな生活を送る息子誠治。嫁いでしまった、頼りに なるはずの娘亜矢子・・・。そしてさらに、20年来の近所つき合いの悩みが寿美子を 追いつめ、彼女の心は限界に達した。崩壊しかかっていた家族だったが、これを機会に 少しずつ少しずつ家族関係が修復されていく。別の角度から見ることで分かってきた 誠一の気持ち。誠一に対し頑な態度だった誠治の気持ちも、変化していく。それと同時に、 自分の人生を本気で考え始めていく。そして、彼はある決心をする・・・。そこからの 誠治のふんばりがすごかった! 心を病んでしまった人を抱えての生活は大変だと思う。だが、家族は心をひとつにし、 必死に乗り越えようとする。寿美子に笑顔が戻る日も、そんなに遠いことではないのかも しれない。扱っている内容は暗く重いが、読んでいると前向きな気持ちになっていく。 そんな感じのする作品だった。 | ||||
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本当に情けなくて根性なしの誠治が、ここまで成長しました。環境が人を変えるんですね。そういう意味では、お母さんの病気も無駄ではなかったのでしょう。本当に間に合ってよかった。間に合うタイミングで気づき行動を起こした誠治は、親孝行だし、ほんと男前です。千葉ちゃんとの今後に含みを持たしながらのフィニッシュは、爽やかな結末でホッとしました。 植物図鑑 | ||||
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前半のキーワードは、きっと「いじめ」→「就職難」→「引きこもり」→「心の病」→「フリーター」→「家族崩壊」→「生活苦」。今の日本が抱えている社会問題の縮図が、主人公誠治の家族だ。このまま誠治が引きこもり続け、母親がうつ病で、父親がリストラされれば、現代の抱える社会問題ルポで終わる筈だ。 だが、有川氏にそんな物語は似合わないし、ファンとしても書いてほしくない。そこで、中盤から、期待にそぐわない展開が待ち受けている。すなわち、誠治の人生の舵が、ハッピーエンドに向けて走り出す。読み手の作品に対するイメージは、前半と対照的に、やさしく思いやりのある人々の出現や、父親に対する見方の変化、愉快な後輩や恋人候補まで現れて、物語の明るさや華やかさが倍加する。表紙のイラストは、まさに主人公の人生を象徴している。 確かに、今の時代は、物語冒頭部そのものだが、この物語に将来への希望を垣間見た気がする。ぜひ、この物語を通して、不景気に負けない明るい希望を多くの人と共有したい。 | ||||
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若さの只中にある時、世の中に怖いものなど無く、自分の世界しか見えていない為の無謀な行動や家族や年配者の気遣いに守られ自分の甘えにさえ気づかない事ありませんでしたか?誠治は大卒後せっかく採用になった会社を合わないと3ヶ月で辞め、実家で好き勝手なフリーター生活をしていたある日、母が全般性不安障害に。今まで気づかなかったご近所との長年の不和等、知らずに過してきた事の何と多く母が盾となり守られていた事か!まずはお金のいい夜間工事のバイトをしつつ就職活動に奮闘する。母の回復の為には今の環境から出る事。母のために家を買う!と決心する。薬の置き場所が分からなくなりパニックになった時の優しい対応や現実を受け止められずにいる父に「今の母さんに慣れないで、これくらいでいいと言わないで」と頼む時涙が頬を伝い、人として成長していくにつれ自分が如何に傲慢で思慮不足であった事かと気づいていくところは、未熟な若い時を思い出し胸がキュンとします。軽いタッチの文章で一気に読めます。 | ||||
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主人公:武誠治はそこそこの私大を卒業して,そこそこの会社に就職した。しかし,働き始めて数ヶ月で要領の悪い奴というレッテルを貼られ退職,その後も再就職は見つからずフリーターとして目的もないまま過ごす毎日に陥る。いつからこんな状態に滑り落ちたのかわからないままに・・・ 自分勝手な主人公が,家族のトラブルをきっかけに次第に社会へ立ち直っていく物語。作者の本を手にするのは二作品目であったが,現実的に「家族」に関して,前半部分はいろいろな意味で考えさせられた部分が多かった。それに反して後半は主人公の成長が痛快で読み進めていく手が止まらなくなるほどおもしろい作品であった。ただし,その作品のなかでの極端な相反する二面性が多少気になった… | ||||
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とても面白い話なんだけど、後味がひどく悪い。 たしかに人は死ぬほどヒドイ目に遭うと目が覚めるんだけど、 食と住が保証された安楽なフリーターをヒドイ目に遭わすのは、 ものすごく難しかったんだろうな。 作者が選んだのは、母親を精神病にすることだった。 たしかに面白いんだけど、主人公自身が壁に突き当たるような 設定はできなかったのかな。母親が近所の人たちに20年間イジメ られて精神病になっちゃうんだけど、その原因となった父親と イジメにまったく気付かなかった主人公。 父親や主人公がいくら成長しても、苦しみ続けた母親の人生は とても贖えないと思う。 父親や主人公が成長して良い話がたくさん出てくるんだけど、 それでも共感できず、なんとなく救いの無い話に感じてしまう。 作者の人間の悪意を描く手腕がすばらしく、母親の苦しみが リアルに感じられてしまうからなおさらだ。 しかも、この主人公、自分の罪が贖いきれない事を自覚していて、 後半部分はとても痛々しかった。 主人公に思いをよせる女の子が後半に出てきて、少しは救いに なっているんだけど。 成長した主人公が、報われる話を私は読みたかったな〜(涙) | ||||
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