色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
評判
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
3.41/5点 レビュー 1,022件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全562件 261〜280 14/29ページ
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
3.41/5点 レビュー 1,022件。 B ランク
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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んでから、
Amazonの本作のレビューを、ひと通り目を通してみた。
その中に、漱石の『こころ』と似ているという指摘があった。
(blue_skyさん)
そう言われてみれば、そうかな、と思った。
多崎つくるも、先生も、長年の胸のつかえを、
他者に語る点は、似ている。
語る時期も、おたがい、同じくらいの年齢だし。
ただ、物語の結末は、だいぶ違う。
多崎つくるは、生きていく道を選ぶし、先生は死を選んでしまう。
それは、手紙で告白すること(こころ)と、
じかに会って話をすること(多崎)の違いによるものか、あるいは、
自分の内面のストーリィの描き方の違いで、差が出たのか。。。
2)自我についてのアプローチの違い
漱石は、たとえば男女の三角関係や遺産相続など、
自我が、あらわに なりやすいシチュエーションを設定し、
主人公の心の不自由さ、不可思議さを描き出そうとしたと思う。
それに対して、村上春樹は違うアプローチをしている。と言っても、
たまたま、『The Long Goodbye』(レイモンド・チャンドラー)巻末に
書かれている同氏の解説を読んだので、そう思ったんだけどね。
チャンドラーの作品評は、
そのまま村上春樹自身の作品評に、あてはまるんじゃないかなぁ。
やや長くなるけれど、抜粋させていただく。
「チャンドラーは自我なるものを、一種のブラックボックスとして設定したのだ。
蓋を開けることのできない堅固な、それもあくまで記号的なとして。
自我はたしかにそこにある。そこに十全に機能している。
しかしあるけれど、中身は「よくわからないものなのだ。
そして、その箱は、蓋を開けられることをとくに求めてはいない。
中身を確かめることを求めているわけでもない。
そこにそれがある、ということだけひとつの共通認識としてあれば、それでいいのだ。
であるから、行為が自我の性質や用法に縛られることはない。
あるいはこうも言い換えられる。
行為が自我の性質や用法に縛られていることをいちいち証明する必要はないのだ、と」
以上『The Long Goodbye』(665ページ)