鹿男あをによし

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

鹿男あをによしの評価:

4.36/5点 レビュー 179件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.36pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全473件 241〜260 13/24ページ
No.233
(5pt)

感服しました!

『びいと啼く 尻聲悲し 夜乃鹿』 この芭蕉の句に対する万城目先生の斬新な解釈にいたく感服しました。

 非常に説得力がありますね。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.232
(5pt)

感服しました!

『びいと啼く 尻聲悲し 夜乃鹿』 この芭蕉の句に対する万城目先生の斬新な解釈にいたく感服しました。

 非常に説得力がありますね。
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X
No.231
(4pt)

馬鹿馬鹿しい青春ラブファンタジー

歴史的な事実と人物、 さらには自身の作品で使った場所までストーリーとリンクさせた所に心地よさを覚えました。 各所にシュールな万城目ギャグを配し読者を楽しませつつ、人間社会が崩壊する危機を救うべく(単に鹿男が嫌との考え方も否めない)立ち上がった教師(大学の教授に無理矢理押し付けられたという説もある)と、周囲の人々や力を持った動物達とのやりとりの日々、といった感じでストーリーは展開していく。 そして、後半に行われる剣道の試合には爽快感を感じ、サンカクがいよいよピンチを迎えるとき現れた救世主の一言にニヤリ。 ラストシーンに残しておいた仕掛けに納得納得。素晴らしい作品でした。個人的には、語り手が鹿せんべいを持ち出した交渉は大変気に入りました。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
B009CTVF04
No.230
(4pt)

馬鹿馬鹿しい青春ラブファンタジー

歴史的な事実と人物、 さらには自身の作品で使った場所までストーリーとリンクさせた所に心地よさを覚えました。 各所にシュールな万城目ギャグを配し読者を楽しませつつ、人間社会が崩壊する危機を救うべく(単に鹿男が嫌との考え方も否めない)立ち上がった教師(大学の教授に無理矢理押し付けられたという説もある)と、周囲の人々や力を持った動物達とのやりとりの日々、といった感じでストーリーは展開していく。 そして、後半に行われる剣道の試合には爽快感を感じ、サンカクがいよいよピンチを迎えるとき現れた救世主の一言にニヤリ。 ラストシーンに残しておいた仕掛けに納得納得。素晴らしい作品でした。個人的には、語り手が鹿せんべいを持ち出した交渉は大変気に入りました。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.229
(4pt)

馬鹿馬鹿しい青春ラブファンタジー

歴史的な事実と人物、 さらには自身の作品で使った場所までストーリーとリンクさせた所に心地よさを覚えました。 各所にシュールな万城目ギャグを配し読者を楽しませつつ、人間社会が崩壊する危機を救うべく(単に鹿男が嫌との考え方も否めない)立ち上がった教師(大学の教授に無理矢理押し付けられたという説もある)と、周囲の人々や力を持った動物達とのやりとりの日々、といった感じでストーリーは展開していく。 そして、後半に行われる剣道の試合には爽快感を感じ、サンカクがいよいよピンチを迎えるとき現れた救世主の一言にニヤリ。 ラストシーンに残しておいた仕掛けに納得納得。素晴らしい作品でした。個人的には、語り手が鹿せんべいを持ち出した交渉は大変気に入りました。
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X
No.228
(4pt)

鴨川ホルモーは超えられなかったが

主筋とは全く別に、明らかな「坊ちゃん」へのオマージュ作品になっている。

東京から奈良の女子高に赴任する教師が主人公、悪役の教頭は赤シャツで、協力する同志は堀田という女子生徒、同系列の京都校にはマドンナがおり、主人公は奈良公園で鹿せんべいを齧ってみた翌日黒板に「鹿せんべい、そんなにうまいか」と落書きされたりする。

また、京都校の先生が長岡先生、大阪校の先生が南場先生というのも面白い。

小林信彦の「うらなり」
うらなり (文春文庫)もそうだが、このように、本歌取りができるのは、本歌の内容がよほど人口に膾炙しているからである。若い人の読書離れでそういう作品が減っていくのが淋しい。

中村吉右衛門も、小さいときに祖父の養子(先代吉右衛門の娘である母親がが先代幸四郎との結婚を「家が絶える」と父に反対されたところ、「私は必ず男の子を二人生んでひとりをこちらの後継ぎにします」と約束してその通りになったそうだ)になり、ぐれかけていたのを「坊ちゃんの清のようなばあやが献身的に可愛がってくれたおかげで、今日の自分がある」といっている。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
B009CTVF04
No.227
(4pt)

鴨川ホルモーは超えられなかったが

主筋とは全く別に、明らかな「坊ちゃん」へのオマージュ作品になっている。

東京から奈良の女子高に赴任する教師が主人公、悪役の教頭は赤シャツで、協力する同志は堀田という女子生徒、同系列の京都校にはマドンナがおり、主人公は奈良公園で鹿せんべいを齧ってみた翌日黒板に「鹿せんべい、そんなにうまいか」と落書きされたりする。

また、京都校の先生が長岡先生、大阪校の先生が南場先生というのも面白い。

小林信彦の「うらなり」
うらなり (文春文庫)もそうだが、このように、本歌取りができるのは、本歌の内容がよほど人口に膾炙しているからである。若い人の読書離れでそういう作品が減っていくのが淋しい。

中村吉右衛門も、小さいときに祖父の養子(先代吉右衛門の娘である母親がが先代幸四郎との結婚を「家が絶える」と父に反対されたところ、「私は必ず男の子を二人生んでひとりをこちらの後継ぎにします」と約束してその通りになったそうだ)になり、ぐれかけていたのを「坊ちゃんの清のようなばあやが献身的に可愛がってくれたおかげで、今日の自分がある」といっている。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.226
(4pt)

鴨川ホルモーは超えられなかったが

主筋とは全く別に、明らかな「坊ちゃん」へのオマージュ作品になっている。

東京から奈良の女子高に赴任する教師が主人公、悪役の教頭は赤シャツで、協力する同志は堀田という女子生徒、同系列の京都校にはマドンナがおり、主人公は奈良公園で鹿せんべいを齧ってみた翌日黒板に「鹿せんべい、そんなにうまいか」と落書きされたりする。

また、京都校の先生が長岡先生、大阪校の先生が南場先生というのも面白い。

小林信彦の「うらなり」
うらなり (文春文庫)もそうだが、このように、本歌取りができるのは、本歌の内容がよほど人口に膾炙しているからである。若い人の読書離れでそういう作品が減っていくのが淋しい。

中村吉右衛門も、小さいときに祖父の養子(先代吉右衛門の娘である母親がが先代幸四郎との結婚を「家が絶える」と父に反対されたところ、「私は必ず男の子を二人生んでひとりをこちらの後継ぎにします」と約束してその通りになったそうだ)になり、ぐれかけていたのを「坊ちゃんの清のようなばあやが献身的に可愛がってくれたおかげで、今日の自分がある」といっている。
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X
No.225
(5pt)

鹿はしゃべりよるかも?

もうすでに『おもしろい』という評判なんですなあ。ちと、おくれておりますが
これはおもろいです。めっちゃおもろいです。幸せになれます。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
B009CTVF04
No.224
(5pt)

鹿はしゃべりよるかも?

もうすでに『おもしろい』という評判なんですなあ。ちと、おくれておりますが
これはおもろいです。めっちゃおもろいです。幸せになれます。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.223
(5pt)

鹿はしゃべりよるかも?

もうすでに『おもしろい』という評判なんですなあ。ちと、おくれておりますが
これはおもろいです。めっちゃおもろいです。幸せになれます。
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X
No.222
(5pt)

神話ファンタジーとしての完成系、ミステリとしての秀逸な傑作。

大学の研究室でトラブルをおこした主人公が奈良の女子校の臨時講師に送られ、鹿や狐や鼠にまじわる不可思議な騒動に巻き込まれていく。主人公が鹿の使いに失敗して「鹿男」になっていく下りは脱力するが、「目」「サンカク」と呼ばれる神器や、天災と日本神話、邪馬台国、卑弥呼との連携、奈良、古墳群、石舞台といった舞台設定など非常によく計算されており、どんどん引き込まれていきます.神話ファンタジーなのですが、ミステリ要素も強くとても楽しめました.ラストのマドンナとの関係や堀田との別れのシーンなどエピローグの落としどころも流石で無駄がありません。同じ京大出身の森美登美彦氏と雰囲気が似ていますが、彼が感性でコメディを書く作家なのにたいして、万城目学氏は理性でファンタジーを書く作家といったところでしょう。完璧主義なのか、寡作なのが残念です。もっと読みたい!
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
B009CTVF04
No.221
(5pt)

まさに「神懸かり的」な面白さ

本書は万城目学氏による直木賞候補作。
鹿に話しかけられた臨時教員が、日本を救う為に奔走する救国物語。

舞台は奈良。主人公は神経衰弱とされて療養を兼ね奈良の女子高校教師として赴任した「先生」。
先生はある日、原っぱで鹿に話しかけられ、「目」持ってこいという指令を受ける。
しかしなかなか現実として受け入れることができないため、業を煮やした鹿に「印」を付けられ、徐々に顔が鹿化するはめになる。
さらに、生徒である堀田の謎の行動に頭を抱える。
それらが徐々に結びついたとき、本気で日本を救うために先生は立ち上がる。

「鴨川ホルモー」を読み終わった後、既に文庫化されていた本書を迷わず手に取った。
前作と変わらず、よくわからないタイトルである。
しかし「運び番」「目」など謎のキーワードが徐々に明らかになってゆく過程など、前作同様に面白い。
キャラとしては鹿のインパクトが強い。雌鹿なのに話し方も声もおっさん。
しかもポッキーが好物で、食べながら「ああ」という気味の悪い声を出したシーンを想像した時には笑ってしまった。
さらに堀田の存在感も際立っていた。
数少ないセリフ、謎の言動、そして野性的魚顔。
間違いなくストーリー上のキーマンなんだろうが、これがなかなかベールを脱がない。
前作の凡ちゃん同様、そこがよかった。

加えて、日本の歴史的背景や八百よろずの神についてもふんだんに盛り込まれている。
これらは奈良という舞台の厚みと重みを醸し出し、少しのリアリティを出すのにうまく機能していたと思う。

前作同様、取り憑かれたように読み切った。
まさに神懸かり的な面白さ。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
B009CTVF04
No.220
(5pt)

神話ファンタジーとしての完成系、ミステリとしての秀逸な傑作。

大学の研究室でトラブルをおこした主人公が奈良の女子校の臨時講師に送られ、鹿や狐や鼠にまじわる不可思議な騒動に巻き込まれていく。主人公が鹿の使いに失敗して「鹿男」になっていく下りは脱力するが、「目」「サンカク」と呼ばれる神器や、天災と日本神話、邪馬台国、卑弥呼との連携、奈良、古墳群、石舞台といった舞台設定など非常によく計算されており、どんどん引き込まれていきます.神話ファンタジーなのですが、ミステリ要素も強くとても楽しめました.ラストのマドンナとの関係や堀田との別れのシーンなどエピローグの落としどころも流石で無駄がありません。同じ京大出身の森美登美彦氏と雰囲気が似ていますが、彼が感性でコメディを書く作家なのにたいして、万城目学氏は理性でファンタジーを書く作家といったところでしょう。完璧主義なのか、寡作なのが残念です。もっと読みたい!
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.219
(5pt)

まさに「神懸かり的」な面白さ

本書は万城目学氏による直木賞候補作。
鹿に話しかけられた臨時教員が、日本を救う為に奔走する救国物語。

舞台は奈良。主人公は神経衰弱とされて療養を兼ね奈良の女子高校教師として赴任した「先生」。
先生はある日、原っぱで鹿に話しかけられ、「目」持ってこいという指令を受ける。
しかしなかなか現実として受け入れることができないため、業を煮やした鹿に「印」を付けられ、徐々に顔が鹿化するはめになる。
さらに、生徒である堀田の謎の行動に頭を抱える。
それらが徐々に結びついたとき、本気で日本を救うために先生は立ち上がる。

「鴨川ホルモー」を読み終わった後、既に文庫化されていた本書を迷わず手に取った。
前作と変わらず、よくわからないタイトルである。
しかし「運び番」「目」など謎のキーワードが徐々に明らかになってゆく過程など、前作同様に面白い。
キャラとしては鹿のインパクトが強い。雌鹿なのに話し方も声もおっさん。
しかもポッキーが好物で、食べながら「ああ」という気味の悪い声を出したシーンを想像した時には笑ってしまった。
さらに堀田の存在感も際立っていた。
数少ないセリフ、謎の言動、そして野性的魚顔。
間違いなくストーリー上のキーマンなんだろうが、これがなかなかベールを脱がない。
前作の凡ちゃん同様、そこがよかった。

加えて、日本の歴史的背景や八百よろずの神についてもふんだんに盛り込まれている。
これらは奈良という舞台の厚みと重みを醸し出し、少しのリアリティを出すのにうまく機能していたと思う。

前作同様、取り憑かれたように読み切った。
まさに神懸かり的な面白さ。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.218
(5pt)

神話ファンタジーとしての完成系、ミステリとしての秀逸な傑作。

大学の研究室でトラブルをおこした主人公が奈良の女子校の臨時講師に送られ、鹿や狐や鼠にまじわる不可思議な騒動に巻き込まれていく。主人公が鹿の使いに失敗して「鹿男」になっていく下りは脱力するが、「目」「サンカク」と呼ばれる神器や、天災と日本神話、邪馬台国、卑弥呼との連携、奈良、古墳群、石舞台といった舞台設定など非常によく計算されており、どんどん引き込まれていきます.神話ファンタジーなのですが、ミステリ要素も強くとても楽しめました.ラストのマドンナとの関係や堀田との別れのシーンなどエピローグの落としどころも流石で無駄がありません。同じ京大出身の森美登美彦氏と雰囲気が似ていますが、彼が感性でコメディを書く作家なのにたいして、万城目学氏は理性でファンタジーを書く作家といったところでしょう。完璧主義なのか、寡作なのが残念です。もっと読みたい!
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X
No.217
(5pt)

まさに「神懸かり的」な面白さ

本書は万城目学氏による直木賞候補作。
鹿に話しかけられた臨時教員が、日本を救う為に奔走する救国物語。

舞台は奈良。主人公は神経衰弱とされて療養を兼ね奈良の女子高校教師として赴任した「先生」。
先生はある日、原っぱで鹿に話しかけられ、「目」持ってこいという指令を受ける。
しかしなかなか現実として受け入れることができないため、業を煮やした鹿に「印」を付けられ、徐々に顔が鹿化するはめになる。
さらに、生徒である堀田の謎の行動に頭を抱える。
それらが徐々に結びついたとき、本気で日本を救うために先生は立ち上がる。

「鴨川ホルモー」を読み終わった後、既に文庫化されていた本書を迷わず手に取った。
前作と変わらず、よくわからないタイトルである。
しかし「運び番」「目」など謎のキーワードが徐々に明らかになってゆく過程など、前作同様に面白い。
キャラとしては鹿のインパクトが強い。雌鹿なのに話し方も声もおっさん。
しかもポッキーが好物で、食べながら「ああ」という気味の悪い声を出したシーンを想像した時には笑ってしまった。
さらに堀田の存在感も際立っていた。
数少ないセリフ、謎の言動、そして野性的魚顔。
間違いなくストーリー上のキーマンなんだろうが、これがなかなかベールを脱がない。
前作の凡ちゃん同様、そこがよかった。

加えて、日本の歴史的背景や八百よろずの神についてもふんだんに盛り込まれている。
これらは奈良という舞台の厚みと重みを醸し出し、少しのリアリティを出すのにうまく機能していたと思う。

前作同様、取り憑かれたように読み切った。
まさに神懸かり的な面白さ。
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X
No.216
(5pt)

京都と奈良との違い

かつて「鴨川ホルモー」の爆発的な面白さに触れているので、期待して読み始める。奈良を舞台とする、今回も異界の物語である。結論としては、今回も十分に楽しんだ。張り巡らせた伏線がきちんと最後には生きて、収まりのよい物語になっており、読後感も非常によい。しかし「鴨川」に比べると、僅差で負け、だろうかと思う。

それは一つには土地柄であろうか。京の都が、この世のものでない何かが跳梁するにふさわしい場であるのに対して、奈良という土地は同じ古都であり神域であったとしても、雰囲気が違う。神性がより深く歴史の奥底に沈んで、もはや凝固してしまったかに思える街だと思う。ここにも神や妖異はいるのだが、この世との因縁を断ち切り、深い眠りについている、という印象である。だからかえって人間の思うがままに、軽薄な小都市の様相をみせる街である。鹿も観光客相手の商売人にみえるのが現実。

そんな奈良が舞台になったことの違和感が、近畿地方在住の私にはあった。とても、とても面白かったのだけれど、この世のものでない者たちが今ひとつ精彩を欠くのは、やはり設定に多少無理があったからではないか。後半いったん盛り上がった後で勢いを落とされたことにも、構成上疑問を感じる。対して本作を救っているのが堀田イトの存在感!敏捷な女子高生の小悪魔性を描いて見事。またどこかで姿を変えて出てきてほしい。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
B009CTVF04
No.215
(5pt)

京都と奈良との違い

かつて「鴨川ホルモー」の爆発的な面白さに触れているので、期待して読み始める。奈良を舞台とする、今回も異界の物語である。結論としては、今回も十分に楽しんだ。張り巡らせた伏線がきちんと最後には生きて、収まりのよい物語になっており、読後感も非常によい。しかし「鴨川」に比べると、僅差で負け、だろうかと思う。

それは一つには土地柄であろうか。京の都が、この世のものでない何かが跳梁するにふさわしい場であるのに対して、奈良という土地は同じ古都であり神域であったとしても、雰囲気が違う。神性がより深く歴史の奥底に沈んで、もはや凝固してしまったかに思える街だと思う。ここにも神や妖異はいるのだが、この世との因縁を断ち切り、深い眠りについている、という印象である。だからかえって人間の思うがままに、軽薄な小都市の様相をみせる街である。鹿も観光客相手の商売人にみえるのが現実。

そんな奈良が舞台になったことの違和感が、近畿地方在住の私にはあった。とても、とても面白かったのだけれど、この世のものでない者たちが今ひとつ精彩を欠くのは、やはり設定に多少無理があったからではないか。後半いったん盛り上がった後で勢いを落とされたことにも、構成上疑問を感じる。対して本作を救っているのが堀田イトの存在感!敏捷な女子高生の小悪魔性を描いて見事。またどこかで姿を変えて出てきてほしい。
鹿男あをによし (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによし (幻冬舎文庫)より
4344414667
No.214
(5pt)

京都と奈良との違い

かつて「鴨川ホルモー」の爆発的な面白さに触れているので、期待して読み始める。奈良を舞台とする、今回も異界の物語である。結論としては、今回も十分に楽しんだ。張り巡らせた伏線がきちんと最後には生きて、収まりのよい物語になっており、読後感も非常によい。しかし「鴨川」に比べると、僅差で負け、だろうかと思う。

それは一つには土地柄であろうか。京の都が、この世のものでない何かが跳梁するにふさわしい場であるのに対して、奈良という土地は同じ古都であり神域であったとしても、雰囲気が違う。神性がより深く歴史の奥底に沈んで、もはや凝固してしまったかに思える街だと思う。ここにも神や妖異はいるのだが、この世との因縁を断ち切り、深い眠りについている、という印象である。だからかえって人間の思うがままに、軽薄な小都市の様相をみせる街である。鹿も観光客相手の商売人にみえるのが現実。

そんな奈良が舞台になったことの違和感が、近畿地方在住の私にはあった。とても、とても面白かったのだけれど、この世のものでない者たちが今ひとつ精彩を欠くのは、やはり設定に多少無理があったからではないか。後半いったん盛り上がった後で勢いを落とされたことにも、構成上疑問を感じる。対して本作を救っているのが堀田イトの存在感!敏捷な女子高生の小悪魔性を描いて見事。またどこかで姿を変えて出てきてほしい。
鹿男あをによし Amazon書評・レビュー: 鹿男あをによしより
434401314X