機龍警察 暗黒市場

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評判

機龍警察 暗黒市場の評価:

4.74/5点 レビュー 23件。 A ランク

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平均点4.74pt

Amazonレビュー一覧

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全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(5pt)

ページをめくる手が止まらなかった

ページをめくる手が止まらなかった。

秋の夜長も手伝って気づいたら明け方近くといった具合に。おかげで次の日は仕事にならなかったが、それくらい時間が経つのを忘れた。

機龍警察、自爆条項、そして「暗黒市場」と、みるみるハマってしまっているが、巻が新しくなるごとに、倍、いや、二乗、三乗でおもしろくなっていってると感じる。

特に今作は、謀略と罠の連続で、緻密でスリリングな場面が多く、スパイ小説のおもしろさだ。
警察小説としても、警察組織の腐敗のなかで、ジレンマにもがきながら、それでも自分の信じる正義をどうにか貫こうとする警察官たちの男の生き様も泣きに泣けた。電車で読んでたら大変だった。

機甲兵装での1対1のデスマッチは、前作、前々作のような最新鋭のテクノロジーと持って生まれた才能が合わさった圧倒的な強さ・華麗な勝利といったものではなく、状況的にも精神的にも勝ち目のない戦いで、そのなかで一瞬の判断と痩せ犬の勘でギリギリに仕留めるところは、剣豪の強者と強者の対決シーンのような緊迫感があった。

それにしても言葉の大海のなかからよくこんなにも的確な言葉を選べるなと思う。シーンの空気、人物の機微から異国の情景までもが映像を見ているように浮かんでくる。それが作家という仕事なのかもしれないが、ここまで分厚い本でそれが凝縮されていると、ほんと半端じゃないなと思う。それは技術だけではなく、旧ソ連というとても閉鎖的な国家の体制や歴史、生活模様の深い知識に至るまで。

次の巻は誰が主人公になるのか、どこの国の物語か、そこからもう楽しみで仕方がない。
機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド) Amazon書評・レビュー: 機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)より
4152093218
No.3
(5pt)

クライマックスの盛り上がりはシリーズ中最高だろう。

“機龍警察”シリーズは、警視庁特捜部と契約した3人の傭兵のうち、元ロシアの警察官だったユーリが主人公である。ユーリが警察組織に抱く複雑な思いは前二作でも描かれていたが、第三作目の本書では、その原因となったロシアでの出来事が紹介されるが、その筆致が良い。今回では、彼は再び警察組織から離脱し、過去の人間関係にからめとられてゆく。国際的謀略と恩讐が錯綜するバトルのなかで、ユーリが”警察官とは何か“という問いへの答えに到達するクライマックスは最高。
機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド) Amazon書評・レビュー: 機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)より
4152093218
No.2
(5pt)

超絶的な修羅場が、現実のすぐ脇にあるような感覚がよぎる

ユーリの半生の話がいい。
何が正義で何が真心なのか。真心は常に正しいのか。そうでないとしたら何のせいなのか。それとも何のせいにもできないのか。やり場のない思いは積み重なって結ぼれになる。
人生には矛盾がある。いうなれば、「解決」はないと思う。「変革」(「破壊」ともいえる)があり、前とは異なる自己の上に降りることだけがある。読みながらそんなことを考えた。

細かい所も効いている。例えば殉職した警官の父親の懐述。一見ありがちなセリフのようかもしれないが、同じめに遭えば誰でもこうしか言えなくなるのではないか。そんなことを思う。細かい所に、身近にあるものごとの匂いを嗅ぐような思いがする。

確執。憎悪。失意と恐怖。それらにぎりぎりでもちこたえる意志と勇気。様々な人物のそんな力が交錯して、巨大な組織力となってぶつかり合う。それはフィクションの中の超絶的な絵巻ではあろうが、上述のように細かい所が効いていて、その人物達の心情が、現実にすぐ傍らにあるような感覚が、ふとよぎる。

本書の重要な部分を、ユーリの過去の物語が占める。これだけで独立した話として成り立つと思う。
連作の全体を思うと、ライザの物語、ユーリの、更には、と様々な異質なドラマを取り込み、それらもまたぶつかりあい、全体として大河小説のようなスケールに育っていくのだろうと思った。

後の方はすごいことになる。読んでいて瞳孔が開いてくるみたいだ。ユーリは自分の力でとうとう…

月村了衛『機龍警察 暗黒市場』
早川書房
二0一二年九月二十五日 初版発行
機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド) Amazon書評・レビュー: 機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)より
4152093218
No.1
(4pt)

SF&警察小説。

第1作目(機龍警察)、2作目(機龍警察/自爆条項)ほどの派手さはありません・・・。
今回、焦点が当てられたのは、機龍兵搭乗員の元モスクワ民警:ユーリ・オズノフ。彼の過去が暴かれます。何故、祖国を追われる身になったのか、それも裏切り者の烙印を押されて。ユーリの過去を延々と振り返る内容は、警察小説としては、苦しく、切なく、良いものでした。さて、SF小説としてみると、今回、機龍兵(ドラグーン)の出番が少ないせいか、今ひとつといったところでしょうか。しかしながら、SFと警察小説を一緒に楽しめる希有な作品だとおもいます。今後もシリーズが続くことを願います。
機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド) Amazon書評・レビュー: 機龍警察 暗黒市場 (ミステリ・ワールド)より
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