(短編集)

鍵のない夢を見る

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鍵のない夢を見るの評価:

3.65/5点 レビュー 128件。 C ランク

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平均点3.65pt

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全69件 61〜69 4/4ページ
No.9
(3pt)

描写が上手

本作は、他の方が書かれている通り短編集です。ミステリーという括りでもないでしょう。私達の感覚でも理解できるありふれた日常の出来事の五編です。しかしながら、ありふれた日常の描写がとても上手でした。そこが授賞理由の一つではないでしょうか。(講評は見てませんが)ただ、後味がどれも悪いのに加え、オチに欠けるというか読んでいて少し物足りない感じは否めないかと。直木賞の箔がつくからかでしょうか。あくまで私の個人的な感想ですので読みたいと思うのなら、気になるなら読むべきです。
鍵のない夢を見る (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見る (文春文庫)より
4167903989
No.8
(3pt)

描写が上手

本作は、他の方が書かれている通り短編集です。ミステリーという括りでもないでしょう。私達の感覚でも理解できるありふれた日常の出来事の五編です。しかしながら、ありふれた日常の描写がとても上手でした。そこが授賞理由の一つではないでしょうか。(講評は見てませんが)ただ、後味がどれも悪いのに加え、オチに欠けるというか読んでいて少し物足りない感じは否めないかと。直木賞の箔がつくからかでしょうか。あくまで私の個人的な感想ですので読みたいと思うのなら、気になるなら読むべきです。
鍵のない夢を見る Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見るより
4163813500
No.7
(3pt)

直木賞受賞のキイはタイトルにあるのではなかろうか?

今まで読んだことのない著者でしたが、多分若い人になじむ作風なのでしょう、すでにいくつもの作品がベストセラーになっています。今回、直木賞を受賞しました。68歳のオジイサンとしては年甲斐もなく、お祭り騒ぎに加わる野次馬となって、手に取ってみたのです。著者が千葉大学の卒業生という点にも興味がありました。

「仁志野町の泥棒」「石蕗南地区の放火」「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」の短編集です。
主要登場人物はここに示される通りの何らかの犯罪者であり、その犯罪者と深く拘わる女性が中心ですから、ミステリー風に進み、「最後はどうなるの?」という筋追いだけですぐに読了できる内容でした。

罪を犯すもの(男もあり女もある)とそれに拘わる者(すべて女で一人称のわたし)の会話と拘わる者(わたし)の語りで物語は構成されています。著者の視点はありません。
  
飾り帯にはこんな一節が紹介されている。
「どうしてだろう、と歯を食いしばる。どうしてだろう。私には、どうしてこんな男しか寄ってこないのだろう。―石蕗南地区の放火―」
「岐路に立つ5人の女達。望むことは罪ですか」
「恋愛、結婚、出産。普通の幸せ、ささやかな夢を叶える鍵を求めて魔が差す瞬間」
犯罪者である相手と女達にはいくつか次の共通点がある。
   社会人としての資格がない未熟児がそのまま成人した。
   精神が病的に歪んでいる。
   罪と罰の意識を持ち合わせていない。
   つまらぬことに強いこだわりをもっている。
   自分勝手な思い込みの世界と現実の世界とを区別できない。
   誰かを頼る、誰かから頼られる関係がないと生きている心地がしない。
こういうレベルの人たちですから、つまらぬことを深刻に語り合いあるいは悩みぬきますが、逆に深刻な事態を前にすると軽口を飛ばして逃避するのです。

「どうしてだろう」と自問するまでもない。
これでは普通の幸せやささやかな夢など、はじめからつかめるはずがないではないか。
オジイサンはひどくあきれ返ってしまったのです。
世代間の価値観の相違であるはずがない。
これは絶対的にオカシイ………と。

第一話「仁志野町の泥棒」を次のようにとらえればある程度は評価できるでしょう。
幼いころ強いショックを受けた事象があるとする。ところが大人になって、なんらかのきっかけで振り返ったとき、もしかしたらあれは記憶違いだったのではなかろうか、夢だったのではないかと、長いこと重く残っていたものが突然解消する………ということはある。でもこういうテーマではなさそうだな。

第五話「君本家の誘拐」。子育てに苦労しているわがやの娘をみていれば、こんなこともありうるかとは思います。ただし、家内に言わせればうちの娘はこんなバカ女ではないと言いました。

残りの三つの短編はなんとまぁ、語る言葉もありません。

どうしてこの作品が賞に値するのか?
たしかに異常な、動機不明の凶悪犯罪が頻発している。いつなんどき身近で起こるとも限らない。ありうるお話!日常に潜む狂気に背筋が寒くなる………との効果を狙ったものかとも思うが、それにしてはリアル感がない。

「これは睡眠中にみたその夢をかいているのよ、めちゃくちゃなのは現実の話ではないからなのです」と家内が言った。
この説によれば、すべての作品の終わりに「………という夢を見た」と加えればよろしい、ことになるのだが、それでは権威のある直木賞受賞作品に対しあまりにも短絡です。

彼ら彼女らは「怖い夢」を見ているのだ。著者はその「夢」を丹念に描写している。
ただし、「夢」とは多様な意味合いがある。
(スーパー大辞林より抜粋)
1 睡眠時の幻覚体験。非現実的な内容であることが多いが、夢を見ている当人には切迫した現実性を帯びている。
2 将来実現させたいと心の中に思い描いている願い。
3 現実とかけ離れた考え。実現の可能性のない空間
4 心の迷い。迷夢 
5 現実を離れた甘美な状態。
将来に希望を託せない世界に彼ら彼女らは閉じ込められている。現実にこういう閉塞感はあるのかもしれないと思います。第一話から第五話まで登場人物はこの「夢」のどれかの組み合わせで、まさに「夢を見ている」のです。現実の世界と「夢」の世界には扉があって、普通の人は両世界間を出入りするのに自覚という鍵を持っているのですが、鍵を持たない彼ら彼女らはどちらの世界に立っているのかがわからないのです。そして衝動的に閉塞状況を乗り越えようとする瞬間、陥穽にはまり現実社会では窒息してしまう。

著者はあえて自分の価値判断を回避し、その状況をそのままに描いているのではないだろうか。人間に潜む悪意や差別、嫉妬、異常、暴力などノワールな内面を今風にライトに描いたところが評価されたのかもしれない。ただライトに描写しているものの本質的にはそこに救いはないのだ。
鍵のない夢を見る (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見る (文春文庫)より
4167903989
No.6
(3pt)

直木賞受賞のキイはタイトルにあるのではなかろうか?

今まで読んだことのない著者でしたが、多分若い人になじむ作風なのでしょう、すでにいくつもの作品がベストセラーになっています。今回、直木賞を受賞しました。68歳のオジイサンとしては年甲斐もなく、お祭り騒ぎに加わる野次馬となって、手に取ってみたのです。著者が千葉大学の卒業生という点にも興味がありました。

「仁志野町の泥棒」「石蕗南地区の放火」「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」の短編集です。
主要登場人物はここに示される通りの何らかの犯罪者であり、その犯罪者と深く拘わる女性が中心ですから、ミステリー風に進み、「最後はどうなるの?」という筋追いだけですぐに読了できる内容でした。

罪を犯すもの(男もあり女もある)とそれに拘わる者(すべて女で一人称のわたし)の会話と拘わる者(わたし)の語りで物語は構成されています。著者の視点はありません。
  
飾り帯にはこんな一節が紹介されている。
「どうしてだろう、と歯を食いしばる。どうしてだろう。私には、どうしてこんな男しか寄ってこないのだろう。―石蕗南地区の放火―」
「岐路に立つ5人の女達。望むことは罪ですか」
「恋愛、結婚、出産。普通の幸せ、ささやかな夢を叶える鍵を求めて魔が差す瞬間」
犯罪者である相手と女達にはいくつか次の共通点がある。
   社会人としての資格がない未熟児がそのまま成人した。
   精神が病的に歪んでいる。
   罪と罰の意識を持ち合わせていない。
   つまらぬことに強いこだわりをもっている。
   自分勝手な思い込みの世界と現実の世界とを区別できない。
   誰かを頼る、誰かから頼られる関係がないと生きている心地がしない。
こういうレベルの人たちですから、つまらぬことを深刻に語り合いあるいは悩みぬきますが、逆に深刻な事態を前にすると軽口を飛ばして逃避するのです。

「どうしてだろう」と自問するまでもない。
これでは普通の幸せやささやかな夢など、はじめからつかめるはずがないではないか。
オジイサンはひどくあきれ返ってしまったのです。
世代間の価値観の相違であるはずがない。
これは絶対的にオカシイ………と。

第一話「仁志野町の泥棒」を次のようにとらえればある程度は評価できるでしょう。
幼いころ強いショックを受けた事象があるとする。ところが大人になって、なんらかのきっかけで振り返ったとき、もしかしたらあれは記憶違いだったのではなかろうか、夢だったのではないかと、長いこと重く残っていたものが突然解消する………ということはある。でもこういうテーマではなさそうだな。

第五話「君本家の誘拐」。子育てに苦労しているわがやの娘をみていれば、こんなこともありうるかとは思います。ただし、家内に言わせればうちの娘はこんなバカ女ではないと言いました。

残りの三つの短編はなんとまぁ、語る言葉もありません。

どうしてこの作品が賞に値するのか?
たしかに異常な、動機不明の凶悪犯罪が頻発している。いつなんどき身近で起こるとも限らない。ありうるお話!日常に潜む狂気に背筋が寒くなる………との効果を狙ったものかとも思うが、それにしてはリアル感がない。

「これは睡眠中にみたその夢をかいているのよ、めちゃくちゃなのは現実の話ではないからなのです」と家内が言った。
この説によれば、すべての作品の終わりに「………という夢を見た」と加えればよろしい、ことになるのだが、それでは権威のある直木賞受賞作品に対しあまりにも短絡です。

彼ら彼女らは「怖い夢」を見ているのだ。著者はその「夢」を丹念に描写している。
ただし、「夢」とは多様な意味合いがある。
(スーパー大辞林より抜粋)
1 睡眠時の幻覚体験。非現実的な内容であることが多いが、夢を見ている当人には切迫した現実性を帯びている。
2 将来実現させたいと心の中に思い描いている願い。
3 現実とかけ離れた考え。実現の可能性のない空間
4 心の迷い。迷夢 
5 現実を離れた甘美な状態。
将来に希望を託せない世界に彼ら彼女らは閉じ込められている。現実にこういう閉塞感はあるのかもしれないと思います。第一話から第五話まで登場人物はこの「夢」のどれかの組み合わせで、まさに「夢を見ている」のです。現実の世界と「夢」の世界には扉があって、普通の人は両世界間を出入りするのに自覚という鍵を持っているのですが、鍵を持たない彼ら彼女らはどちらの世界に立っているのかがわからないのです。そして衝動的に閉塞状況を乗り越えようとする瞬間、陥穽にはまり現実社会では窒息してしまう。

著者はあえて自分の価値判断を回避し、その状況をそのままに描いているのではないだろうか。人間に潜む悪意や差別、嫉妬、異常、暴力などノワールな内面を今風にライトに描いたところが評価されたのかもしれない。ただライトに描写しているものの本質的にはそこに救いはないのだ。
鍵のない夢を見る Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見るより
4163813500
No.5
(3pt)

直木賞としては普通の作品かな?

読んでいて面白かったのですが直木賞の作品かと言われるとウーンな部分もある気がします。
こういう事を言ったら女性から盛大なブーイングを受けそうですが、主人公が大体女性で、人のナルシズムを批判するナルシズムに気付かず浸っている(変な言い方ですが)キャラが多い気がします。
勿論これは狙ってそう書いたのでしょうが男性視点からすれば「女の子ってみんなこんな生き物なのよ」と我儘を正当化する身近な女性を思い浮かべてはゲンナリするのもまた事実ではあります(笑)。
好きか嫌いかは主人公の心理に乗れるか乗れないかじゃないですかね?
まあ面白いのは間違いないので、あまりキャラに入り込まない限りはいい作品だと思います。作品の誘引力が強いのでやや引き気味の視点で読む事をオススメします。
鍵のない夢を見る Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見るより
4163813500
No.4
(3pt)

直木賞・・・

氷のくじら以来のファンですが、作者の書くダメ男は大体同じキャラですね。
ちょっと飽きてきました。
他、良く耳にするような話を掘り下げて書いておられます。
読みやすいので一気に最後まで行けます。文章力があると思います。

しかしながら、何処かで読んだ文体・構成となっているなぁ、と言うのが個人的な感想です。
これなら僕は山本文緒さんのドロドロした小説の方が好みかも。

…もっとファンタジックな話を辻村先生には書いてほしいなぁ。
鍵のない夢を見る (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見る (文春文庫)より
4167903989
No.3
(3pt)

直木賞・・・

氷のくじら以来のファンですが、作者の書くダメ男は大体同じキャラですね。
ちょっと飽きてきました。
他、良く耳にするような話を掘り下げて書いておられます。
読みやすいので一気に最後まで行けます。文章力があると思います。

しかしながら、何処かで読んだ文体・構成となっているなぁ、と言うのが個人的な感想です。
これなら僕は山本文緒さんのドロドロした小説の方が好みかも。

…もっとファンタジックな話を辻村先生には書いてほしいなぁ。
鍵のない夢を見る Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見るより
4163813500
No.2
(3pt)

タイトルとは異なる短編集

連作でもなく、一貫したテーマでもない短編集。「鍵のない夢・・・」とは、単行本にする際に付けたタイトルではないでしょうか。
現実の事件をヒントに書かれた作品があり、救いのないものが含まれています。そんな中で、最初の一遍「仁志野町の泥棒」は、読者の記憶の中にある、今は忘れてしまったシーンや感情を呼び起こす秀作で、辻村深月さんらしい作品でしょう。
鍵のない夢を見る (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見る (文春文庫)より
4167903989
No.1
(3pt)

タイトルとは異なる短編集

連作でもなく、一貫したテーマでもない短編集。「鍵のない夢・・・」とは、単行本にする際に付けたタイトルではないでしょうか。
現実の事件をヒントに書かれた作品があり、救いのないものが含まれています。そんな中で、最初の一遍「仁志野町の泥棒」は、読者の記憶の中にある、今は忘れてしまったシーンや感情を呼び起こす秀作で、辻村深月さんらしい作品でしょう。
鍵のない夢を見る Amazon書評・レビュー: 鍵のない夢を見るより
4163813500