猫を抱いて象と泳ぐ

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

猫を抱いて象と泳ぐの評価:

4.37/5点 レビュー 141件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.37pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全244件 141〜160 8/13ページ
No.104
(4pt)

彼の一生は猫と象とマスターとミイラと


まずその題名に惹かれました。何をテーマとした小説なのだろう?
チェス?チェスと猫と象にどんなつながりが?

その導入、デパートにおばあさんと弟といくシーン、みずたまりを
象のインディラの足跡だと思い、狭い家と家の間に挟まれて
出れなくなってしまう少女をミイラと思い、想像の友人に囲まれて
過ごしていたアリョーヒンは、バスの中に住むマスターに出会って
チェスに出会う。

その冒頭から惹きつけられる文章、アリョーヒンの内面、細やかな
表現
チェスがよくわからないことは、途中ゲームの佳境での緊張感を
よく理解できないことがあるやもしれません。
でも、そんなことはたいした問題ではありません。

小さいアリョーヒン、チェス板の下や人形の中でのみ落ちついた
ゲームができる彼は、ほんの一握りの理解者の中で幸せな
短い人生をおくるのでした。
最期は寂しい顛末ですが、彼にとってはけして不幸ではなかったと
思わせるものです。

静かで優しく細やかな配慮に満ちた、緻密な作品。

猫を抱いて象と泳ぐアリョーヒンに永遠の祝福を。


猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.103
(4pt)

彼の一生は猫と象とマスターとミイラと


まずその題名に惹かれました。何をテーマとした小説なのだろう?
チェス?チェスと猫と象にどんなつながりが?

その導入、デパートにおばあさんと弟といくシーン、みずたまりを
象のインディラの足跡だと思い、狭い家と家の間に挟まれて
出れなくなってしまう少女をミイラと思い、想像の友人に囲まれて
過ごしていたアリョーヒンは、バスの中に住むマスターに出会って
チェスに出会う。

その冒頭から惹きつけられる文章、アリョーヒンの内面、細やかな
表現
チェスがよくわからないことは、途中ゲームの佳境での緊張感を
よく理解できないことがあるやもしれません。
でも、そんなことはたいした問題ではありません。

小さいアリョーヒン、チェス板の下や人形の中でのみ落ちついた
ゲームができる彼は、ほんの一握りの理解者の中で幸せな
短い人生をおくるのでした。
最期は寂しい顛末ですが、彼にとってはけして不幸ではなかったと
思わせるものです。

静かで優しく細やかな配慮に満ちた、緻密な作品。

猫を抱いて象と泳ぐアリョーヒンに永遠の祝福を。


猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.102
(4pt)

豊かで芸術的な棋譜の実況に圧倒

導入部分から一気に話に引き込まれました。

バスの中でのマスターとの交流にはじわっと胸が熱くなり、ミイラとの別れには何とも切ない気分になりました。後半は主人公の晩年の話になるので、少し色鮮やかさが失われましたが、それも含めて、一人の天才の人生を感慨深く味わうことができました。

何より圧巻なのは、盤下の詩人と評され、その棋譜がまるで詩のようだと言われる主人公の対局を、まさに詩のごとく美しい言葉で表現する作者の筆力です。素人目には、ただ升目を行ったり来たりするだけのチェスを、これほど豊かなイマジネーションを持って芸術的に実況できることにただただ驚き、溺れました。
猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.101
(4pt)

豊かで芸術的な棋譜の実況に圧倒

導入部分から一気に話に引き込まれました。

バスの中でのマスターとの交流にはじわっと胸が熱くなり、ミイラとの別れには何とも切ない気分になりました。後半は主人公の晩年の話になるので、少し色鮮やかさが失われましたが、それも含めて、一人の天才の人生を感慨深く味わうことができました。

何より圧巻なのは、盤下の詩人と評され、その棋譜がまるで詩のようだと言われる主人公の対局を、まさに詩のごとく美しい言葉で表現する作者の筆力です。素人目には、ただ升目を行ったり来たりするだけのチェスを、これほど豊かなイマジネーションを持って芸術的に実況できることにただただ驚き、溺れました。
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.100
(5pt)

あわてるな坊や

人形の中の、とても狭い空間に居てチェスを指すリトル・アリョーヒン。だが彼はそこでは無限に自由だ。彼は回りの人を静かに愛し、回りの人も彼を静かに愛している。今の息をまともにできないほどに狭くて苦しい空間の日本社会、会社、学校。あらゆることに急がされ、家族愛や友情よりも経済効率が最優先され、わずかな自分の時間も携帯電話に束縛される。私たちはもうそこでしか生きられないのか。本書はゆっくりと時間の流れるなか、やさしい感情を持った一人一人のものがたりだ。「あわてるな坊や」読後にマスターのやさしい言葉が私たちに残る。
猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.99
(5pt)

あわてるな坊や

人形の中の、とても狭い空間に居てチェスを指すリトル・アリョーヒン。だが彼はそこでは無限に自由だ。彼は回りの人を静かに愛し、回りの人も彼を静かに愛している。今の息をまともにできないほどに狭くて苦しい空間の日本社会、会社、学校。あらゆることに急がされ、家族愛や友情よりも経済効率が最優先され、わずかな自分の時間も携帯電話に束縛される。私たちはもうそこでしか生きられないのか。本書はゆっくりと時間の流れるなか、やさしい感情を持った一人一人のものがたりだ。「あわてるな坊や」読後にマスターのやさしい言葉が私たちに残る。
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.98
(5pt)

とても静かな…

まず、タイトルに惹かれました。なんだこれは?と。
内容を見ると、より惹かれました。
チェスが好き(巧くはありませんが・・・)でしたので。
で、読んでみると、終始とてもとても静かな物語でした。
リトル・アリョーヒンのように、そこに存在しないかのような静かな物語でした。
また、チェスとはこんなにも静謐な競技だったのかと気づかされました。

良い意味で期待はずれです。
もう少し年老いてから、再読したいなと思いました。
猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.97
(5pt)

とても静かな…

まず、タイトルに惹かれました。なんだこれは?と。
内容を見ると、より惹かれました。
チェスが好き(巧くはありませんが・・・)でしたので。
で、読んでみると、終始とてもとても静かな物語でした。
リトル・アリョーヒンのように、そこに存在しないかのような静かな物語でした。
また、チェスとはこんなにも静謐な競技だったのかと気づかされました。

良い意味で期待はずれです。
もう少し年老いてから、再読したいなと思いました。
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.96
(5pt)

上品な執筆に胸打たれ

小川さんの作品は初めて読みましたが、繊細な言葉や詩的な表現力に感動しました。
読み終わってしまうのが残念なくらいでした。

猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.95
(5pt)

上品な執筆に胸打たれ

小川さんの作品は初めて読みましたが、繊細な言葉や詩的な表現力に感動しました。
読み終わってしまうのが残念なくらいでした。

猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.94
(5pt)

あるチェス・プレイヤーの物語

デパートの屋上に上がったまま大きくなりすぎて下りられなくなった象、インディラ。
家の壁と壁の間に挟まれて抜けられなくなってしまったミイラ。
バスの中に住み、太りすぎて出られなくなったマスター。

狭いところに閉じ込められて身動きが出来なくなったその状況を「仕方がない」と不満一つ言わずに引き受け、そこから逃げ出すことも抗うこともせず、黙々と自分に出来ることを一つ一つ行い、できる限り誠実に日々を過ごしていく人たち。

そういう名もなき存在に心惹かれる主人公は、最後まで名前を持たなかった。
彼の名は、ただ「リトル・アリョーヒン」と名指されるだけだ。

アリョーヒンは伝説的なチェスの名手だった。
そのアリョーヒンの姿を模して作られたチェスを打つ人形。人形がチェスをさすテーブルは、かつてマスターが彼にチェスを教えてくれたチェステーブルだった。その人形のテーブルの下に隠れ、彼は人形として様々な人々とチェスをさし、美しい棋譜を刻み続けた。

「リトル・アリョーヒン」とは、その人形の名前でもあり、中でチェスを打つ彼のことでもある。

たぐいまれなるチェスの腕前を持ちながら、マスターの形見であるチェス・テーブルの下を自分の居場所として引き受け、有名になるためでもなく、お金を稼ぐためでもなく、勝つためでさえもなく、ただただ美しい詩を紡ぎ出すためにチェスを指し続けた彼の、はかなくも濃密な人生。
彼の一生をたどるとき、人が生きるということはこういうことなのだと静かに納得させられてしまう。

かつてチェス盤の上で自分と美しい詩をともに奏でた老嬢が、もはやチェスの存在そのものも忘れてしまうほど衰えていることを知ったとき、それでもリトル・アリョーヒンは決して落胆することはなかった。
もう一度、その老嬢にチェスを教えることに喜びを見いだしていくのだ。
恐らくその老嬢は二度とチェスを打てるようにはならないだろう。どれほどチェスについてわかりやすく教えたところで、もはや彼女が新しく何かを身につける可能性はゼロに近いはずだ。

それでも、リトル・リョーヒンは老嬢にチェスを教えようとした。
なぜなら、たとえすぐに忘れてしまうとしても、チェスに触れ、その世界に少しでも足を浸すことができれば、その一瞬一瞬が生きる時間となることを知っていたからだ。

人生の半ばを過ぎて、自分自身の小ささを突きつけられ、「おまえはどこにもたどり着けない、ちっぽけな存在だ」という事実を引き受けざるを得なくなった人に、それでも精一杯生きることは無意味ではない、と小さな声でささやき心を支えてくれる。

この作品は、そんな力を持っている。
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.93
(5pt)

あるチェス・プレイヤーの物語

デパートの屋上に上がったまま大きくなりすぎて下りられなくなった象、インディラ。
家の壁と壁の間に挟まれて抜けられなくなってしまったミイラ。
バスの中に住み、太りすぎて出られなくなったマスター。

狭いところに閉じ込められて身動きが出来なくなったその状況を「仕方がない」と不満一つ言わずに引き受け、そこから逃げ出すことも抗うこともせず、黙々と自分に出来ることを一つ一つ行い、できる限り誠実に日々を過ごしていく人たち。

そういう名もなき存在に心惹かれる主人公は、最後まで名前を持たなかった。
彼の名は、ただ「リトル・アリョーヒン」と名指されるだけだ。

アリョーヒンは伝説的なチェスの名手だった。
そのアリョーヒンの姿を模して作られたチェスを打つ人形。人形がチェスをさすテーブルは、かつてマスターが彼にチェスを教えてくれたチェステーブルだった。その人形のテーブルの下に隠れ、彼は人形として様々な人々とチェスをさし、美しい棋譜を刻み続けた。

「リトル・アリョーヒン」とは、その人形の名前でもあり、中でチェスを打つ彼のことでもある。

たぐいまれなるチェスの腕前を持ちながら、マスターの形見であるチェス・テーブルの下を自分の居場所として引き受け、有名になるためでもなく、お金を稼ぐためでもなく、勝つためでさえもなく、ただただ美しい詩を紡ぎ出すためにチェスを指し続けた彼の、はかなくも濃密な人生。
彼の一生をたどるとき、人が生きるということはこういうことなのだと静かに納得させられてしまう。

かつてチェス盤の上で自分と美しい詩をともに奏でた老嬢が、もはやチェスの存在そのものも忘れてしまうほど衰えていることを知ったとき、それでもリトル・アリョーヒンは決して落胆することはなかった。
もう一度、その老嬢にチェスを教えることに喜びを見いだしていくのだ。
恐らくその老嬢は二度とチェスを打てるようにはならないだろう。どれほどチェスについてわかりやすく教えたところで、もはや彼女が新しく何かを身につける可能性はゼロに近いはずだ。

それでも、リトル・リョーヒンは老嬢にチェスを教えようとした。
なぜなら、たとえすぐに忘れてしまうとしても、チェスに触れ、その世界に少しでも足を浸すことができれば、その一瞬一瞬が生きる時間となることを知っていたからだ。

人生の半ばを過ぎて、自分自身の小ささを突きつけられ、「おまえはどこにもたどり着けない、ちっぽけな存在だ」という事実を引き受けざるを得なくなった人に、それでも精一杯生きることは無意味ではない、と小さな声でささやき心を支えてくれる。

この作品は、そんな力を持っている。
猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.92
(5pt)

盤下の詩人による、チェス盤上の旅

本作は小川洋子氏による2010年本屋大賞ノミネート作。
「リトル・アリョーヒン」と呼ばれる少年の、静かな冒険物語。

「大きくなることは不幸になること」と信じる少年、リトル・アリョーヒン。
ある日彼は「マスター」と出会い、チェスを覚える。
密かに実力を上げ続ける彼のチェスは、一風変わった独特のスタイルに発展する。
それはチェス盤の下の狭い箱に入り、チェス人形を操るというものだった。

本作で最も印象的なシーンは、やはり第11章。
欠員補充のため、ミイラが人間チェスの駒となるシーンである。
人間チェスの真実を知ったリトル・アリョーヒンの叫び声が胸に突き刺さる。
この第11章が、ストーリー上の大きなターニングポイントとなっている。

チェスを知らない人でも、本書の冒頭に収録されたたった1ページの解説があれば本作を充分に楽しめる。
小川洋子氏が描く小さなファンタジー(これはもうファンタジーだと思う)の世界に浸って欲しい。


猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.91
(5pt)

盤下の詩人による、チェス盤上の旅

本作は小川洋子氏による2010年本屋大賞ノミネート作。
「リトル・アリョーヒン」と呼ばれる少年の、静かな冒険物語。

「大きくなることは不幸になること」と信じる少年、リトル・アリョーヒン。
ある日彼は「マスター」と出会い、チェスを覚える。
密かに実力を上げ続ける彼のチェスは、一風変わった独特のスタイルに発展する。
それはチェス盤の下の狭い箱に入り、チェス人形を操るというものだった。

本作で最も印象的なシーンは、やはり第11章。
欠員補充のため、ミイラが人間チェスの駒となるシーンである。
人間チェスの真実を知ったリトル・アリョーヒンの叫び声が胸に突き刺さる。
この第11章が、ストーリー上の大きなターニングポイントとなっている。

チェスを知らない人でも、本書の冒頭に収録されたたった1ページの解説があれば本作を充分に楽しめる。
小川洋子氏が描く小さなファンタジー(これはもうファンタジーだと思う)の世界に浸って欲しい。


猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.90
(4pt)

自己主張をしない人生

これほど何も語らない物語の主人公はまずいない。
彼の唇は生まれたときにはしっかりとくっついていたのに、医者によって無理にひきはがされたのだ。
「自分の唇はもとはひとつの肉塊だった」、その思いが主人公の生き方をつらぬいているので、
彼の口からはあまたの小説の主人公のような饒舌な言葉は何一つもれてくることがない。

主人公は語らないけれど、物語は作者の美しい言葉で読者に多くを語りかけてくれる。
この物語の主人公はその人生において、一切自己主張をしない。
自分という人間を社会という現実に訴えることの意味など、彼の頭の中には一切浮かばない。
彼はただチェス盤という現実世界においてはあまりにも小さな板きれの中に(正確には下にだ)、
無限の宇宙を見いだし、その宇宙の中で人生をまっとうする。

この物語を読み終えると、社会的に見れば無に等しい彼の人生が、豊で、美しく、気高いものに思えてくる。
その昔の日本にはこういう人生をおくった人たちが数多くいたのではないかと思う。
作品にその名を刻まず、高額な対価も求めず、ただ素晴らしい作品をつくることだけに全身全霊を傾ける、市井の職人たちだ。
2011年8月現在の某国の首相や、その周りに集う人たちとはちょうど正反対の生き方になる。
この物語は現代の日本ではやはりファンタジーなのだろうか?










猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.89
(4pt)

自己主張をしない人生

これほど何も語らない物語の主人公はまずいない。
彼の唇は生まれたときにはしっかりとくっついていたのに、医者によって無理にひきはがされたのだ。
「自分の唇はもとはひとつの肉塊だった」、その思いが主人公の生き方をつらぬいているので、
彼の口からはあまたの小説の主人公のような饒舌な言葉は何一つもれてくることがない。

主人公は語らないけれど、物語は作者の美しい言葉で読者に多くを語りかけてくれる。
この物語の主人公はその人生において、一切自己主張をしない。
自分という人間を社会という現実に訴えることの意味など、彼の頭の中には一切浮かばない。
彼はただチェス盤という現実世界においてはあまりにも小さな板きれの中に(正確には下にだ)、
無限の宇宙を見いだし、その宇宙の中で人生をまっとうする。

この物語を読み終えると、社会的に見れば無に等しい彼の人生が、豊で、美しく、気高いものに思えてくる。
その昔の日本にはこういう人生をおくった人たちが数多くいたのではないかと思う。
作品にその名を刻まず、高額な対価も求めず、ただ素晴らしい作品をつくることだけに全身全霊を傾ける、市井の職人たちだ。
2011年8月現在の某国の首相や、その周りに集う人たちとはちょうど正反対の生き方になる。
この物語は現代の日本ではやはりファンタジーなのだろうか?










猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.88
(4pt)

独特の世界観

なかなかこの本の世界観に入り込めませんでした。

ただ、文章がきれいで上手なので、ついつい読んでしまいました。

この作品は、あまり頭で考えて理解するものではなく、心で感じるものかもしれません。

読み終わった後、そこはかとなく、心暖まるような、寂しいような気持ちが残りました。


猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.87
(4pt)

独特の世界観

なかなかこの本の世界観に入り込めませんでした。

ただ、文章がきれいで上手なので、ついつい読んでしまいました。

この作品は、あまり頭で考えて理解するものではなく、心で感じるものかもしれません。

読み終わった後、そこはかとなく、心暖まるような、寂しいような気持ちが残りました。


猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501
No.86
(5pt)

静かな美しい小説

タイトルからして興味深い本ですが、読んで行くうちに、その不思議な世界の中に取り込まれてしまいます。

主人公の少年は、屋上から降りられなくなった象や、家と家との間に閉じ込められてしまった少女や、バスから出られなくなったマスターなどを見て、「大きくなること」=悲劇と言う認識に立ちます。
彼はマスターから教えられたチェスに魅了され、その才能をどんどん開花させてゆくのですが、リトル・アリョーヒンの人形の中に入ってしか指せません。
彼は、「大きくなることの悲劇」から逃れるため、11歳で成長を止め人形の中での棋士になります。
しかし、かれには「閉じ込められた」と言う意識はありません。
むしろ、チェスの広く深い海の中で静かに泳いでいます。

この作品の中で、棋風が「詩」に例えられていますが、この本自体が「詩」と言うか、メルヘンの様な感じを抱かせます。
狭いかもしれませんが、与えられた世界の中で自由に生きることの幸せを感じることは、この少年だけでなく、混沌とした現代社会を生き抜いてゆく一つの方法かも知れません。
それにしても静かな美しい小説でした。
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)より
4167557037
No.85
(5pt)

静かな美しい小説

タイトルからして興味深い本ですが、読んで行くうちに、その不思議な世界の中に取り込まれてしまいます。

主人公の少年は、屋上から降りられなくなった象や、家と家との間に閉じ込められてしまった少女や、バスから出られなくなったマスターなどを見て、「大きくなること」=悲劇と言う認識に立ちます。
彼はマスターから教えられたチェスに魅了され、その才能をどんどん開花させてゆくのですが、リトル・アリョーヒンの人形の中に入ってしか指せません。
彼は、「大きくなることの悲劇」から逃れるため、11歳で成長を止め人形の中での棋士になります。
しかし、かれには「閉じ込められた」と言う意識はありません。
むしろ、チェスの広く深い海の中で静かに泳いでいます。

この作品の中で、棋風が「詩」に例えられていますが、この本自体が「詩」と言うか、メルヘンの様な感じを抱かせます。
狭いかもしれませんが、与えられた世界の中で自由に生きることの幸せを感じることは、この少年だけでなく、混沌とした現代社会を生き抜いてゆく一つの方法かも知れません。
それにしても静かな美しい小説でした。
猫を抱いて象と泳ぐ Amazon書評・レビュー: 猫を抱いて象と泳ぐより
4163277501