悪人

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評判

悪人の評価:

4.01/5点 レビュー 407件。 B ランク

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平均点4.01pt

Amazonレビュー一覧

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全326件 61〜80 4/17ページ
No.266
(5pt)

祐一の側に居てあげたくなる

映画を見てから、もっと詳しく知りたくなって小説も読みました。映画で見た祐一の役が、妻夫木聡だったからか小説の中でも、殺人犯の祐一がカッコよくて好きです。殺人犯のはずなのに、憎むことはできず、同情し、頑張って警察から逃れて欲しいと思っていました。結局、幸せになることもできず、不器用な祐一が可哀想です。筆者が語りかける、「悪人とは誰なのか?」という問に、みんな悪人だったんだなあと思いました。一度読み始めると、祐一のこの先がどうなるのか、ますます知りたくなって1日ちょっとで読み終えてしまいました。映画を見てから、小説を読んで良かったです。殺人さえ犯していなければ、私も祐一の側に居てあげたいと思いました。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.265
(5pt)

ぐいぐい引き込まれる

三瀬峠女性殺害事件、それに過疎の町で出会いを求める若者が重なり合って、時間を行き来し主人公たちが立体的に描かれています。個人的には桐野夏生や宮部みゆきの初期の作品群に匹敵するほどの面白さを持っていると思います。

とにかく、読みやすい。連載ものであることを考慮しても、方言もあるし登場人物も増えてくる中でこれだけ読者を引き込むのはさすがと思う。
作品は、登場人物の心情と情景を説明する「作者」と、登場人物たちの証言によって成り立っています。この証言が物語を読み解き、事件の横顔を形作る重要な要素になります。

この作品はレミゼラブルの序文を思い起こさせます。「法律と風習とによって、人為的に地獄を文明の最中にこしらえ..... 貧困よる男の失墜、飢餓による女の堕落.....」法律などによって救われない悲惨な状況がここにもあると。

他方で「人間の本質は善と悪」がテーマだとすれば、ワーキングプアの祐一、男漁りの佳乃、地方大学で王子様気取りの増尾、出会いのない光代。誰しも多少の善悪は含んでいる。これらの登場人物が法律や社会的な側面から端的に分けられる善悪の基準と、読者が感じるであろう登場人物に対する善悪の基準は少し違いがあると思う。「あんなことをするような人じゃ」「本当はやさしい人なんです。」どれも嘘ではないのに。このギャップが実は非常に不快で、かつ読みどころなんだと思います。

最後に光代の証言で出てくる疑問文の数々「...おらんですよね?」「ですもんね?」。僕には彼女の涙の符号に見えて仕方ない。そう思うと、物語の中で望んだ、善の形に光があたるということになる。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.264
(4pt)

かかちゃん

元来読書も(国語も)苦手なのですが、ある日突然活字に飢え始め、ちょうどこのDVDを観て何だかレンタルだけでは物足りない気がして、挙げ句の果てに付録付きのDVDを購入して、それでも何かが足りない気がして本を購入しました。吉田修一が映画の脚本にまで一緒に参加して拘った感が解るような気がしました。また映画には登場しない人物が登場したりして、より祐一の不器用な優しさが感じられると思います。ちょうど又吉の『火花』も同時に読んでたのですが、『悪人』は読むスピードが全然違うくらい一気に読み進める事が出来ました。それくらいしなやか文体だし、最初に画像を観ていたせいもあるのかキャストも想像しないで済みました。星が4つだったのは、国語苦手の私が評価出来る程の者では無いのと、九州弁に慣れない人にはもしかしたらきついかもと思っただけです。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.263
(4pt)

ミステリー・サスペンス・ラブストーリー

吉田修一の代表作といってもいい、かもしれない作品。ほかの作品レビューを見ていると、『悪人』と比較している人が目立つ。

本書では、登場人物がみんな“悪人”だ。章題も「彼女は誰に会いたかったのか?」「彼は誰に会いたかったのか?」「彼女は誰にあったのか?」と“彼女”とは?“彼”とは?と悩みながらストーリーを追うだろう。
湊かなえの『Nのために』のような、読者は読みながら「本当の悪人は誰だろう」と考える。本書は、サスペンスなのかミステリーなのかラブストーリーなのか、まぜこぜな気持ちで下巻に進むことになる。

映画から、小説に入った人も多い作品。それだけ映画の出来が良かったんだろう。いつか妻夫木君主演の映画も観てみたいです。

著者:吉田修一(本書で第34回大佛次郎賞を受賞)
発行:2009.11.30 – 2010.10.25 第13刷
読了:2015年/56冊(5月/7冊)★3.5
悪人(上) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.262
(4pt)

泣ける。

ストーリー自体に共感するっていうのは無いのですが、心理描写が上手くて、ところどころ切なくなりました。 最後まで一気に読めます。 映画も見てみようかな。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.261
(5pt)

重松清さんの「疾走」と合わせて読むのもオススメ

新聞連載当時を思い出します。配達員のお兄さんのバイクが我が家に近づいてくる音を、午後3時から庭で待っているなんていう、アナログな行動をしたのはいつ以来だったか。お兄さん、毎夕驚かせてごめんなさい(笑)。
夕刊だからこそ、深夜番組的に挑戦できたのか新進気鋭(当時)の作家・吉田氏の衝撃の問題作を、私は連載当初「吉田氏らしからぬダサいタイトルだなぁ、悪人なんて」と斜に構えて読み始めたのです。が、やがてハマりにはまり、最終回は読み終えて紙面を広げたまま、しばらく放心状態でした。そういう意味だったのか、このタイトルはと。浅はかな読者だった自分を恥じたほど。その後単行本が出たのでさっそく家族にも読んでもらいました。夫は「せつねーなー、うまいなー」と唸り、当時思春期の娘は読了後号泣していました。
結局、悪人とは誰なのか。全員そうであり、全員そうでないような。この世に生きている限り、社会のひずみが生み出した細くて深いクレバスの底に転落してしまう危険を誰もが抱えていて、登場人物の不幸も傲慢も決して他人事ではない。深く考えさせられたドラマでした。
作家としてのタイプは全くことなりますが、重松清さんの「疾走」とテーマがどこか重なる気もします。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.260
(5pt)

愛と不在

母親に置き去りにされた少年、愛した娘を失った哀しむ父、愛する人のいない虚しさを誤魔化し続ける大学生、全てを失ってでも1日でも長く愛する人と居たい女性。愛する人を求めて、不在を怖れる点ではみんな一緒なのかもしれない。

人はどこかで自分の欲望のために悪人になる。

そういう悪人は本当は数多いるのだが、最後には一人の悪人と被害者たちという構造に世間も当事者たちも帰結してしまう。
そうやってわかりやすいストーリーで納得させるところも人間の悪人と言える心の一部なのかもしれない。
でも主人公は、敢えてその悪人となった。それは自分を受入れてくれた光代の存在に救われたからなのだろう。
そこには無償の愛のようなものがあり、彼の成長の証拠なのかも。そう自分は解釈した。

一瞬であっても、不在を補いあえた2人の愛の世界は、閉じられていびつだが
不可能なものを完成させたような、儚い美しさを感じた。
悪人(下) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.259
(5pt)

愛と不在

母親に置き去りにされた少年、愛した娘を失った哀しむ父、愛する人のいない虚しさを誤魔化し続ける大学生、全てを失ってでも1日でも長く愛する人と居たい女性。愛する人を求めて、不在を怖れる点ではみんな一緒なのかもしれない。

人はどこかで自分の欲望のために悪人になる。

そういう悪人は本当は数多いるのだが、最後には一人の悪人と被害者たちという構造に世間も当事者たちも帰結してしまう。
そうやってわかりやすいストーリーで納得させるところも人間の悪人と言える心の一部なのかもしれない。
でも主人公は、敢えてその悪人となった。それは自分を受入れてくれた光代の存在に救われたからなのだろう。
そこには無償の愛のようなものがあり、彼の成長の証拠なのかも。そう自分は解釈した。

一瞬であっても、不在を補いあえた2人の愛の世界は、閉じられていびつだが
不可能なものを完成させたような、儚い美しさを感じた。
悪人(下) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.258
(4pt)

早く下巻を読み終えたい

おもしろい。 出会い系というツールから単純な社会風刺を連想したが,そこに留まらない魅力がつまった小説だと思う。 まだ上巻なので作者の意図が半分しかわからないが,登場人物の背負う寂しさ,嘘,欺瞞の形がひとつひとつ違ってそれぞれに奥行きがある感じがある。 犯人も実はわからないのだが,そのあたりも含めてカラマーゾフに少し近いような気もした。
悪人(上) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.257
(5pt)

悪人

やはり他の方も書かれているように、悪人とは?について考えさせられるような内容になっている。

罪を犯し、社会的に悪人と扱われる祐一。
人として最低の行動をしていながらも、社会的には無罪の増尾。
自分の名誉や欲求のためなら、簡単に人の心を踏みにじることができる被害者佳乃。
そして社会的に罪を犯した悪人を愛してしまった光代。

多くの読者が祐一や光代に好感を持ち、増尾や佳乃に軽蔑的な気持ちを抱いたのではないかと思う。

法律は絶対守るべきものだが、法に触れなくても人は簡単に悪人になれてしまう。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.256
(5pt)

祐一に憧れます。

祐一は殺人という大罪を犯してしまいました。もちろんその罪は償わなければなりません。

でも、私は同性ながら祐一にとても憧れています。祐一のようになりたいと思っています。

なんていうか、祐一は「男」なんですよね。

無骨で、不器用で、無口でも、さりげない優しさがあって・・・。

一方、私は祐一とは真逆で、いつもヘラヘラしていて、およそ男気とは程遠い性格。

でも、そんな祐一も、やっぱり人の温もりが欲しかったんでしょうね。

たとえ出会い系サイトでの出会いでも、誰かと寄り添いたかった・・・。

佳乃と関係をもつ前に、もっと早く光代と出会っていたら、祐一と光代の人生はもっと別のものになったのではないか。

もし、あのとき佳乃を追いかけるようなことをしなければ、こんな悲劇はおきなかったのでは。

そう悔やまれてなりません。

ラストは涙が止まりませんでした。

最後まで祐一は不器用な優しさを見せてくれました。

こんなに切ない作品を読んだのは久しぶりです。

レビューを書かずにはいられません。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.255
(4pt)

下巻になった途端、素晴らしい作品に。

下巻になった途端、素晴らしい作品に。 傷付きながらも、強く生きよう、とにかく一緒に生きて行こうとする登場人物たち。 しかし、やはりとにかく何とも悲しい話。
悪人(下) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.254
(4pt)

シンプル

著者の好きなことろは、(私の想像だが)
読者に伝えたいことがまずあって、そのためのシチュエーションを
あとから考えいるようなところがあり、ストーリーそのものやいわゆる”オチ”的な、
ところからではなく、著者の想いが先にあるような気がして、読んでいて好感が持てる。

本作においてもやはり、シチュエーション自体には、惹きつけるような引力はないのだが、
その”事件”にまつわる人の心の動きで、圧倒的に読者をひきつけるものがある。
語られる登場人物の話に、いちいち考えさせられてしまうというか、簡単に見える話を
さまざまな視点で読者に見せることにより”簡単ではない”と実感させる。

シンプルじゃないんだよ。というシンプルなことを伝えために作られたのかなと
思います。
悪人(上) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.253
(5pt)

人間らしさ‥

映画を先に観たのですが、とても心に残りました。
小説が原作になっているのは知らなかったのですが、小説の売り込み通り良い内容でした。
ストーリー自体は世の中の理不尽さを感じられずにはいられませんが、人と人との繋がりや心の葛藤を美味く表現できているように思いました。
人を殺めることが悪人なのか、殺められようなことをするのが悪人なのか‥
こんなことを考え始めるとマイケル サンデルを思い出しますが、それはそれとして、人間らしさを思い起こさせる内容に感動しました。
人間の欲望が見え隠れするところをどう捉えるか、そこも面白かったです。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.252
(5pt)

大切な人とは,その人の幸せな様子を思うだけで,自分までうれしくなってくるような人たい

吉田修一は,すべての人物描写に手を抜かない。
 本書に登場する人物について,その人間が目の前に実在するかのように一人一人実にしっかり掘り下げて書いている。
 たとえそれが,警察から事情聴取されるだけの出会い系サイトの利用者の一人であっても,その背景などからしっかり書いており,その書きっぷりは,他の作家なら準主役級の登場人物かと思わせるくらいの描き方で,本作においては,一人たりとも無駄な人物がいないと思わせる。
 文体は読みやすく,上下巻あっというまに読了してしまうのですが,かと言って決して文章が軽いというのではなく,何度も読み返したくなるような文学作品としてのテクニックが駆使された文体だと思われ,このあたりに,吉田修一という作家の非凡さが感じられる。
 さらに本作は九州が舞台となっていることから,会話文も長崎出身の著者ならではの九州弁が自然で嫌みがない。

 「夜の先に,また別の夜があるのだとすれば,そこへむかっている」ような雄一。
 「寂しさを紛らわすためだけに,生きていくのはもううんざりだ。寂しくないように笑っているのはもう嫌だ」と気づいた光代。
 「自分を余裕のある人間と思いこんで,失ったり,欲しがったり一喜一憂する人間をバカにした目で眺めている」増尾
 実にリアルな人間たちの生き様がひしひしと胸に伝わる。傑作。
悪人(上) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.251
(5pt)

素晴らしい作品

読みながら、せつなくて苦しくなりました。
自分に置き換えて読めるところが多かった。
登場人物はどれもみんな馬鹿な生き方をしているけど、誰一人として憎めない。
だって、人ってそんなに上手に生きられるわけじゃないから。
悪人(下) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.250
(5pt)

読みながら、苦しくなった。

読みながら、せつなくて苦しくなりました。
自分に置き換えて読めるところが多かった。
登場人物はどれもみんな馬鹿な生き方をしているけど、誰一人として憎めない。
だって、人ってそんなに上手に生きられるわけじゃないから。
悪人(上) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237
No.249
(4pt)

よっしゅー

あちこちで評判になっているので★5つを期待したけど、そこまでには至らなかった。
ミステリーのようなカラクリを期待したのもあったから。

でもタイトルがうまいと思った。
群像劇のように展開し、それぞれの人物に裏表があり、悪人にも被害者にも見えるのだ。

生活感のある内容も相まってリアリティもあり、味わいのある作品となった。
悪人 Amazon書評・レビュー: 悪人より
402250272X
No.248
(4pt)

寄る辺のなさ

緊迫したプロットが最後まで続き、引き込まれて読み終えた。同じ作者の『パレード』ほどの難解さはなく、同時にナゾ解きの推理小説の多くにみられる、「答えは一つ」みたいなシンプルなところもない。いわば、読み手の解釈の余地に幅があり、十分に深みがあった。佐賀や長崎の田舎街で暮らす人々の寄る辺のない様子も克明に描かれていて、リアリティはなかなか。警察から逃げ回る2人は、車を使うのに九州北部にとどまり続け、その辺りも「寄る辺のなさ」を示して、秀逸だった。
悪人(下) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(下) (朝日文庫)より
4022645245
No.247
(4pt)

徐々に緊迫

まだ半分を読んだだけ。習慣的に分冊でも上下、一・二・三などその都度レビューを書いている手前、今回も上巻でまずレビューのページを開いた。上巻は、事件の全体をカバーする多数の伏線の提示が中心。ただ、かつて知ったる福岡、長崎、佐賀の3県が舞台で、3県の方言の微妙な違いも書き分けられているように思えた。20代、30代の若者の言動や心理描写もなかなかにリアルで、物語は次第に緊迫の度を高めていく。期待をもって下巻に入っていくことにした。
悪人(上) (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 悪人(上) (朝日文庫)より
4022645237