丸太町ルヴォワール

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評判

丸太町ルヴォワールの評価:

3.84/5点 レビュー 31件。 B ランク

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平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全38件 21〜38 2/2ページ
No.18
(5pt)

本格の限界を突破してみせる技の冴え

本格ミステリは宿命的に足付きの蛇だ。論理的に唯一の真相を導かねばならないので、別解があってはならない。犯人の自白でお茶を濁すのでなければ、可能性を虱潰しに検証して排除することになり、どうしてもダレる手続きが存在してしまう。
さて、そこで本作。双龍会と呼ばれる和風裁判バトルで追求されるのは真相ではない。それらしく聞こえて面白い決着である。黄龍師(検事)と青龍師(弁護士)が真相そっちのけで説得力ある作り話を競い、丁々発止の渡り合いを演じるのだ。勝利条件を真相の解明でなくシナリオ作りに置くことで、唯一の真相がメインでその他の可能性は手続きという構図を乗り越え、すべてをメインディッシュ扱いするエンタメへと見事に昇華している。
なにぶん双龍会の場で臨機応変に虚構の作り話を仕掛け合うため、新しい手掛かりが突然登場したりもするが、萎える超展開かといえばさにあらず。何気ないセリフや相手側の話を踏み台にカウンターが踊り出て来るから、話の脈絡はしっかりと用意されている。
読者には真相が間違いなく真相と知らされるが登場人物は判断できないという本格ミステリにつきまとう例の問題も、面白ければ勝ちと条件設定することで神回避。もっとも、そう嘯きながらも最終的に解明に至るのがまた本格ミステリ読者好みといえる。
思えば現実の裁判は検事の作文や弁護士の空論の巣で、必ずしも真正を目指さず冤罪も罷り通る。これは、真相の担保があるミステリから見た現実のデタラメさを戯画化する所から生まれた物語なのかもしれない。ともあれ本格の限界を上手く捌いた凄いものを見た。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.17
(5pt)

本格の限界を突破してみせる技の冴え

本格ミステリは宿命的に足付きの蛇だ。論理的に唯一の真相を導かねばならないので、別解があってはならない。犯人の自白でお茶を濁すのでなければ、可能性を虱潰しに検証して排除することになり、どうしてもダレる手続きが存在してしまう。
さて、そこで本作。双龍会と呼ばれる和風裁判バトルで追求されるのは真相ではない。それらしく聞こえて面白い決着である。黄龍師(検事)と青龍師(弁護士)が真相そっちのけで説得力ある作り話を競い、丁々発止の渡り合いを演じるのだ。勝利条件を真相の解明でなくシナリオ作りに置くことで、唯一の真相がメインでその他の可能性は手続きという構図を乗り越え、すべてをメインディッシュ扱いするエンタメへと見事に昇華している。
なにぶん双龍会の場で臨機応変に虚構の作り話を仕掛け合うため、新しい手掛かりが突然登場したりもするが、萎える超展開かといえばさにあらず。何気ないセリフや相手側の話を踏み台にカウンターが踊り出て来るから、話の脈絡はしっかりと用意されている。
読者には真相が間違いなく真相と知らされるが登場人物は判断できないという本格ミステリにつきまとう例の問題も、面白ければ勝ちと条件設定することで神回避。もっとも、そう嘯きながらも最終的に解明に至るのがまた本格ミステリ読者好みといえる。
思えば現実の裁判は検事の作文や弁護士の空論の巣で、必ずしも真正を目指さず冤罪も罷り通る。これは、真相の担保があるミステリから見た現実のデタラメさを戯画化する所から生まれた物語なのかもしれない。ともあれ本格の限界を上手く捌いた凄いものを見た。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.16
(5pt)

久しぶりに本を読んで昂奮した。

丸太町は勿論、京都の町名で、ルヴォワールとは再会の意。タイトルに惹かれて読み始めたが、直ぐに通常のリアルなミステリではないので困った。本格推理小説、いや新本格モノは苦手なのでどうしたものか。先ず100頁読破を目指そうと思った。次に戸惑いながらも登場人物のキャラクターが面白いので200ページを目指した。ふーむ、油断は出来ないが面白い。

とはいえ、さすがに半分まで来た時、後ろの解説を読んだ。心構えを持とうと思ったのだ。本書は平たく云えば法廷物で、事の真相に対し、丁々発止のやりとりがある。その論理、仮説の応酬が見所だという。これが極めて興味深い。敵側の鉄壁な攻撃が効果を上げ、これを最後はどう打ち砕くのかと久しぶりに本を読んで昂奮してくる。幻惑的な言葉の流れは、京極シリーズに似てなくもない。

あとはどう決まるかだが、見事に決まり、極上の恋愛小説にもなっている。そしてこれは、「丸太町通ルヴォワール」ではないか。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.15
(5pt)

久しぶりに本を読んで昂奮した。

丸太町は勿論、京都の町名で、ルヴォワールとは再会の意。タイトルに惹かれて読み始めたが、直ぐに通常のリアルなミステリではないので困った。本格推理小説、いや新本格モノは苦手なのでどうしたものか。先ず100頁読破を目指そうと思った。次に戸惑いながらも登場人物のキャラクターが面白いので200ページを目指した。ふーむ、油断は出来ないが面白い。

とはいえ、さすがに半分まで来た時、後ろの解説を読んだ。心構えを持とうと思ったのだ。本書は平たく云えば法廷物で、事の真相に対し、丁々発止のやりとりがある。その論理、仮説の応酬が見所だという。これが極めて興味深い。敵側の鉄壁な攻撃が効果を上げ、これを最後はどう打ち砕くのかと久しぶりに本を読んで昂奮してくる。幻惑的な言葉の流れは、京極シリーズに似てなくもない。

あとはどう決まるかだが、見事に決まり、極上の恋愛小説にもなっている。そしてこれは、「丸太町通ルヴォワール」ではないか。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.14
(5pt)

推理物、法廷サスペンス、恋愛物の要素も入った傑作!

古より京都で行われていた私的裁判「双龍会」。祖父殺しの嫌疑をかけられた主人公は、この裁判を受けることになる。祖父が亡くなった当日、屋敷にいた謎の女の正体は?事件の真相とは? 検事側は「黄龍」、弁護士側は「青龍」、裁判官は「火帝」、証人は「鳥官」と呼ばれる。それぞれが証拠と証人を示し、それぞれの真実を主張するが…。 登場人物達のキャラクターも漫画的で面白い。推理合戦の末、次々と新たな「真相」が明らかになるが…。その推理の過程を十分堪能することが出来た。 推理、法廷サスペンス、恋愛物の要素も入った傑作!もっと話題になってもいいはずだと思う。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.13
(5pt)

推理物、法廷サスペンス、恋愛物の要素も入った傑作!

古より京都で行われていた私的裁判「双龍会」。祖父殺しの嫌疑をかけられた主人公は、この裁判を受けることになる。祖父が亡くなった当日、屋敷にいた謎の女の正体は?事件の真相とは? 検事側は「黄龍」、弁護士側は「青龍」、裁判官は「火帝」、証人は「鳥官」と呼ばれる。それぞれが証拠と証人を示し、それぞれの真実を主張するが…。 登場人物達のキャラクターも漫画的で面白い。推理合戦の末、次々と新たな「真相」が明らかになるが…。その推理の過程を十分堪能することが出来た。 推理、法廷サスペンス、恋愛物の要素も入った傑作!もっと話題になってもいいはずだと思う。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.12
(4pt)

化ける可能性のある作者だと思う。

文庫版を読了した。
エンタメ方向に走った法廷ミステリと、どこか捻くれたボーイ・ミーツ・ガールを融合させた異色の作品。火花を散らすロジックの応酬と、繰り返される小粋などんでん返しが見所である。
登場するキャラクターの造形や文章にはライトノベル的な匂いが漂っており、特に第一章の会話などはいささか鼻についた。ただ、作者は決してこういった書き方しかできないのではなく、わざと上辺に一枚羽織っているだけという印象を受けた。おそらく、脱ごうと思えばいつでも脱げるのだろう。
キャラクター同士の掛け合いは軽妙とは言えず、少々滑っているように感じた。どのキャラクターの台詞回しもなんだか似たり寄ったりで、あまり差別化が図れていないせいだろう。
〇〇トリックが用いられているが、それもどこかで見たことあるような種類のものであり、斬新性に乏しく、個人的には白けてしまった。
物語の展開の仕方も少々ぎこちなさがあり、まだまだ小説としては改善の余地がある。
何やら悪い箇所ばかりあげつらってしまったが、優れた競技ディベートを見ているようで、総評としては面白かった。論理対決が好きな人なら楽しめること間違いないだろう。
四つ星の評価をつけているが、実際は三つ星に近い四つ星といったところか。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.11
(4pt)

化ける可能性のある作者だと思う。

文庫版を読了した。
エンタメ方向に走った法廷ミステリと、どこか捻くれたボーイ・ミーツ・ガールを融合させた異色の作品。火花を散らすロジックの応酬と、繰り返される小粋などんでん返しが見所である。
登場するキャラクターの造形や文章にはライトノベル的な匂いが漂っており、特に第一章の会話などはいささか鼻についた。ただ、作者は決してこういった書き方しかできないのではなく、わざと上辺に一枚羽織っているだけという印象を受けた。おそらく、脱ごうと思えばいつでも脱げるのだろう。
キャラクター同士の掛け合いは軽妙とは言えず、少々滑っているように感じた。どのキャラクターの台詞回しもなんだか似たり寄ったりで、あまり差別化が図れていないせいだろう。
〇〇トリックが用いられているが、それもどこかで見たことあるような種類のものであり、斬新性に乏しく、個人的には白けてしまった。
物語の展開の仕方も少々ぎこちなさがあり、まだまだ小説としては改善の余地がある。
何やら悪い箇所ばかりあげつらってしまったが、優れた競技ディベートを見ているようで、総評としては面白かった。論理対決が好きな人なら楽しめること間違いないだろう。
四つ星の評価をつけているが、実際は三つ星に近い四つ星といったところか。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.10
(5pt)

本格ミステリの新鋭、堂々のデビュー。面白い!

祖父殺しの嫌疑をかけられた城坂論語。彼を裁くべく、京都に伝わる私的裁判・双龍会が開かれる。天才たちの推理合戦の中、論語は無罪を証明できるか・・・。容疑を解くためではなく、事件当日、屋敷の一室で二人きりの甘く濃密な時間を過ごした謎の女性“ルージュ”と再会する、ただそれだけのために・・・話の詳細は読んでいただくとして。
筆致のセンスもかなりのものであるし、ミステリだけでなく、恋愛小説としての側面もかなり好い線をいっていると思う。
しかし、この作品の大きな特長(特徴ではない)は、どんでん返しに次ぐどんでん返しで読者に息も吐かせないことかな・・・ついていけない読者はいないでしょうが。
作者のトリックを仕掛ける際の文章は実に巧みだ。これで、デビュー作とは、良いね〜。
作者は、本格ミステリの新鋭でしょう。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.9
(5pt)

本格ミステリの新鋭、堂々のデビュー。面白い!

祖父殺しの嫌疑をかけられた城坂論語。彼を裁くべく、京都に伝わる私的裁判・双龍会が開かれる。天才たちの推理合戦の中、論語は無罪を証明できるか・・・。容疑を解くためではなく、事件当日、屋敷の一室で二人きりの甘く濃密な時間を過ごした謎の女性“ルージュ”と再会する、ただそれだけのために・・・話の詳細は読んでいただくとして。
筆致のセンスもかなりのものであるし、ミステリだけでなく、恋愛小説としての側面もかなり好い線をいっていると思う。
しかし、この作品の大きな特長(特徴ではない)は、どんでん返しに次ぐどんでん返しで読者に息も吐かせないことかな・・・ついていけない読者はいないでしょうが。
作者のトリックを仕掛ける際の文章は実に巧みだ。これで、デビュー作とは、良いね〜。
作者は、本格ミステリの新鋭でしょう。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.8
(4pt)

いいんじゃないでしょうか

謎解きよりも、派手な登場人物たちよりも
楽しいのは私的裁判・双龍会です。
そこに求められるのは正しい正しくないではなく、
納得させる論理です。
そこにはでっちあげもありなのです。
もちろん最初のルージュとの出会いの甘く
詩的な雰囲気もいいです。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.7
(4pt)

いいんじゃないでしょうか

謎解きよりも、派手な登場人物たちよりも
楽しいのは私的裁判・双龍会です。
そこに求められるのは正しい正しくないではなく、
納得させる論理です。
そこにはでっちあげもありなのです。
もちろん最初のルージュとの出会いの甘く
詩的な雰囲気もいいです。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.6
(5pt)

デビュー作で素晴らしい完成度

第一章、第二章、第三章、終章という構成。
内容を簡単に書けば、城坂論語という少年がルージュという女性に屋敷の一室で出会い甘い一時を過ごす。しかしその後、彼の祖父が謎の病死を遂げてしまい、現場から彼の携帯電話が発見され、心臓を患っていた祖父を殺害した容疑者とされてしまう。その事件を巡って、弁護士役の青龍師と検察役の黄龍師が論戦を繰り広げるといった話になっている。
この話は、祖父は他殺か病死か。他殺だとすれば祖父を殺した犯人は論語少年なのかルージュという女性なのかそれとも別の人物なのか。
現場から消えてしまったルージュは、どのようにして屋敷に潜入したのか。他殺だとすれば犯行方法はどのようなものか。ルージュの正体はいったい誰なのか。といった事件の問題点を先に挙げた弁護士役の青龍師と検察役の黄龍師が論戦を繰り広げながら解きほぐしていく。
第一章は、レーベルが講談社BOXというだけあり、登場人物造形や会話にライトノベル色が強く、好き嫌いが分かれるところだと思う。しかし、第二章から探偵役や裁判に似た双龍会に関わる人物が登場し、ミステリ色が強くなっていく。第三章ではこの作品のメインである双龍会の様子が描かれ青龍師と黄龍師の論戦により事件に決着がつけられる。
しかし、最大の読みどころは終章で描かれるどんでん返しである。ここでは叙述トリックが使われていて(第三章でも叙述トリックが使われている)、これまで真実であると思われていたことが次々にひっくり返る。
デビュー作でこれだけの完成度の作品を書けるということで今後も楽しみな作家が登場した。映像化やアニメ化は難しい作品なのでライトノベル色が強いことには違いないが、ミステリ好きにはお勧めの作品である。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.5
(5pt)

デビュー作で素晴らしい完成度

第一章、第二章、第三章、終章という構成。内容を簡単に書けば、城坂論語という少年がルージュという女性に屋敷の一室で出会い甘い一時を過ごす。しかしその後、彼の祖父が謎の病死を遂げてしまい、現場から彼の携帯電話が発見され、心臓を患っていた祖父を殺害した容疑者とされてしまう。その事件を巡って、弁護士役の青龍師と検察役の黄龍師が論戦を繰り広げるといった話になっている。この話は、祖父は他殺か病死か。他殺だとすれば祖父を殺した犯人は論語少年なのかルージュという女性なのかそれとも別の人物なのか。現場から消えてしまったルージュは、どのようにして屋敷に潜入したのか。他殺だとすれば犯行方法はどのようなものか。ルージュの正体はいったい誰なのか。といった事件の問題点を先に挙げた弁護士役の青龍師と検察役の黄龍師が論戦を繰り広げながら解きほぐしていく。第一章は、レーベルが講談社BOXというだけあり、登場人物造形や会話にライトノベル色が強く、好き嫌いが分かれるところだと思う。しかし、第二章から探偵役や裁判に似た双龍会に関わる人物が登場し、ミステリ色が強くなっていく。第三章ではこの作品のメインである双龍会の様子が描かれ青龍師と黄龍師の論戦により事件に決着がつけられる。しかし、最大の読みどころは終章で描かれるどんでん返しである。ここでは叙述トリックが使われていて(第三章でも叙述トリックが使われている)、これまで真実であると思われていたことが次々にひっくり返る。デビュー作でこれだけの完成度の作品を書けるということで今後も楽しみな作家が登場した。映像化やアニメ化は難しい作品なのでライトノベル色が強いことには違いないが、ミステリ好きにはお勧めの作品である。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.4
(5pt)

名門・京大推理研出身の新鋭による、鮮烈な処女長編

■〈あらすじ〉

  三年前に祖父を殺害したという容疑をかけられている城坂論語は、京都
  の貴族の私闘を淵源とする私的裁判“双龍会”の被告となる決意をする。

  彼の目的は自らの容疑を解くことではなく、事件当日、彼と甘美な時間を
  共有した、真犯人とおぼしき謎の女性“ルージュ”と再会することにあった……。

■〈感想〉

  論語とルージュの事件当日のやり取りが描かれる第一章は、いかにも自意識過剰な
  ラノベといった感じで、若干引いてしまいますが、話が現在に移り、双龍会が始まると、
  一転、ロジカルで密度の高い論戦と、たたみ掛けてくるどんでん返しのつるべ打ちに
  圧倒され、心地よい酩酊感に浸らせてくれると思います。

  特に、いくつか仕掛けられている××トリックや、視点の切り替えによって読者の
  誤認を誘うテクニックなど、本格ミステリの技量は、一流。また、検察官にあたる
  〈黄龍師〉、弁護士にあたる〈青龍師〉双方に魅力的なキャラが配され、キャラクター
  小説 としても読ませます。

  さすがは名門・京大推理研出身、といったところでしょうか。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.3
(5pt)

名門・京大推理研出身の新鋭による、鮮烈な処女長編

三年前に祖父を殺害したという容疑をかけられている城坂論語は、京都 の貴族の私闘を淵源とする私的裁判“双龍会”の被告となる決意をする。 彼の目的は自らの容疑を解くことではなく、事件当日、彼と甘美な時間を 共有した、真犯人とおぼしき謎の女性“ルージュ”と再会することにあった……。 論語とルージュの事件当日のやり取りが描かれる第一章は、いかにも自意識過剰な ラノベといった感じで、若干引いてしまいますが、話が現在に移り、双龍会が始まると、一転、ロジカルで密度の高い論戦と、たたみ掛けてくるどんでん返しのつるべ打ちに圧倒され、心地よい酩酊感に浸らせてくれると思います。 特に、いくつか仕掛けられている叙述トリックや、視点の切り替えによって読者の誤認を誘うテクニックなど、本格ミステリの技量は、一流。また、検察官にあたる〈黄龍師〉、弁護士にあたる〈青龍師〉双方に魅力的なキャラが配され、キャラクター小説 としても読ませます。 何より、“脱格”と称された西尾維新より下の世代で、これだけ 構築度の高い本格ミステリの書き手が誕生したことが喜ばしい。 さすがは名門・京大推理研出身、といったところでしょうか。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315
No.2
(5pt)

ぶっちぎりのミステリ小説

間違いなく2009年のミステリ小説で一番面白い作品だと感じた。

 これでもかというくらい繰り返されるどんでん返しは、見ていて気持ちがいい。

 これが何の賞ももらわずに出版なのが悲しくなる。
 昨今のメフィスト賞と比べると、丸太町は断トツで面白い作品。
 もっと大々的に売り出して欲しい。

 そして、講談社BOXから発売されたことが、残念だとしか言いようがない。
 BOXだというだけで敬遠する人もいるだろう。
 ノベルス、もしくはハードカバーで発売し直せばいいと思う。
丸太町ルヴォワール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)より
4062773694
No.1
(5pt)

ぶっちぎりのミステリ小説

間違いなく2009年のミステリ小説で一番面白い作品だと感じた。 これでもかというくらい繰り返されるどんでん返しは、見ていて気持ちがいい。 これが何の賞ももらわずに出版なのが悲しくなる。 昨今のメフィスト賞と比べると、丸太町は断トツで面白い作品。 もっと大々的に売り出して欲しい。 そして、講談社BOXから発売されたことが、残念だとしか言いようがない。 BOXだというだけで敬遠する人もいるだろう。 ノベルス、もしくはハードカバーで発売し直せばいいと思う。
丸太町ルヴォワール (講談社BOX) Amazon書評・レビュー: 丸太町ルヴォワール (講談社BOX)より
4062837315