シンセミア

評判

シンセミアの評価:

3.40/5点 レビュー 67件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.40pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全84件 1〜20 1/5ページ
No.84
(5pt)

面白い 漫画みたいな娯楽作品

オーディブルで聴取。
構成や最後がきれいにまとまりすぎているがフィクション作品としては問題なし。
面白かった。

ナレーターさんがうまかったこともあるが、青年誌あたりに掲載されている漫画を読んでいる感覚で最後までだらけずに聴けた。
各キャラが立っているというのもあるだろう。
悪い意味でよくある、ほのぼののほほんとした日本の田舎の歴史や日常をリアルに描いてくれている。

最後、〇〇さんは「自分は安全だ」的なことを言っていたが、あの意味はよくわからなかった。
続編への布石なのか、それとも純粋にそういう性格のひとなのか?

ゴミ問題がテーマの一つなので、光る物体は当然化学汚染物質的なものだというオチを想像していたが結局なんなのかわからなかったもの残念。

それら一部不明のまま終わった部分もあるが、それら抜きにしても面白い。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.83
(5pt)

困難の先に行きつくカタルシス

これは素晴らしい一大文学を立ち上げたな、というのが率直な感想です。

複雑な事件がきれいに結びを迎え、カタルシスを得られます。
しかしこの物語は、それ全体が一つの寓話となっており、いろいろな読み方が可能なのも大きな楽しみです。
シンセミア(下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(下) (講談社文庫)より
4062775492
No.82
(5pt)

戦後日本の歪みを寓話化した傑作

アメリカがもたらした戦後日本の歪みを抱えて物語は始まります。
その歪みを背景に俗悪をきわめた登場人物たちが織り成す群像劇が、一つの大きな寓話になっている。
非常に優れた大傑作です。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.81
(2pt)

何が言いたいのかよくわからない

とにかく込み入って複雑な物語を書きたい。そういう作者の「こういうものが書きたい」「立派な作品だと思われたい。」という思いばかりが先行してしまっている感がする。登場人物が多すぎる。前兆もなく急に表れて紹介もないまま、さっきから居たかのような書き出しになっているところもある。結局、途中で人物が散らかって、誰が主人公なのかもわからなくなる。そして誰にも焦点は合わないまま。

第三章 畏怖する人間たち P377 そのページ付近での中心人物である田宮博徳が、大人なのにおねしょをして恥じらうシーンだけは妙に描写がリアルだと感じた。「ティッシュペーパーを取ろうとして、ベッドから起き上がった博徳は、股間に冷たさを感じて不吉な予感を抱いた。即座に下腹に手を回し、股間や臀部を触ると、白ブリーフがじっとり濡れていた。もしやと思って蒲団を捲ってみると、シーツに大きな染みが出来ていた。おねしょをしたと判り、博徳は苦笑いした。」とある。比較的近年といえる2000年代の小説ながら、博徳は白ブリーフを付けている。独身の男性なら今の時代でも、オープンにこそしていないものの、白のブリーフが持ち合わせのパンツの中にある人も多いだろう。当方も白のブリーフを穿いているが、白ブリーフでのおねしょはとても恥ずかしい。おねしょをしてしまって明け方に目を覚ましても、最初はどうして妙な時間に目が覚めたのか気付かないことが多い。そして体を起こし、腰を反らしたときに、べったりとブリーフがあそこの先っぽ、袋、鼠径部のあたりにへばりつくのを感じ、もしや・・・と思いヒヤっとして、パジャマのズボンに手を入れて、白ブリーフに手を触れると、じっとりと濡れた感触が手指に跳ね返ってくる。トランクスでは撥水してパンツが身体に貼りつかないが、綿のブリーフはおしっこをよく吸い、身体に濡れた布がくっついてしまう。そのため姿勢を変えるまで気付かず、身体を動かした瞬間に生まれる焦りと、ブリーフが濡れていることが手指に伝わった瞬間の絶望感と、ブリーフの白い布が濡れて黄色く染まっているのを見たときの羞恥はとても表現しがたい。昼間にブリーフに軽失禁をしてもお尻は滅多と濡れないが、就寝中の失禁ではブリーフの場合陰部より股間とお尻(臀部)がひどく濡れることになる。したことがある人でないと表現できない感覚がここでは妙にリアルに描かれている気がした。大人の博徳がブリーフに失敗したのを「おねしょ」と呼んでいることからしても、筆者自身、大人の夜尿、寝小便と認識するのは恥ずかしい事情があるのではと想像した。作品発表当時30代前半、独身だった筆者自身ブリーフを着け、夜に失敗して出ちゃったことくらいあるのだろうとは思いつつ、読んでいてこちらも恥ずかしい気持ちになった。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.80
(2pt)

何が言いたいのかよくわからない小説

とにかく込み入って複雑な物語を書きたい。そういう作者の「こういうものが書きたい」「立派な作品だと思われたい。」という思いばかりが先行してしまっている感がする。登場人物が多すぎる。前兆もなく急に表れて紹介もないまま、さっきから居たかのような書き出しになっているところもある。結局、途中で人物が散らかって、誰が主人公なのかもわからなくなる。そして誰にも焦点は合わないまま。

第三章 畏怖する人間たち P377 そのページ付近での中心人物である田宮博徳が、大人なのにおねしょをして恥じらうシーンだけは妙に描写がリアルだと感じた。「ティッシュペーパーを取ろうとして、ベッドから起き上がった博徳は、股間に冷たさを感じて不吉な予感を抱いた。即座に下腹に手を回し、股間や臀部を触ると、ブリーフがじっとり濡れていた。もしやと思って蒲団を捲ってみると、シーツに大きな染みが出来ていた。おねしょをしたと判り、博徳は苦笑いした。」とある。比較的近年といえる2000年代の小説ながら、田宮博徳はブリーフを付けている。独身の男性なら今の時代でも、オープンにこそしていないものの、白のブリーフが持ち合わせのパンツの中にある人も多いだろう。当方も白のブリーフを穿いているが、白ブリーフでのおねしょはとても恥ずかしい。おねしょをしてしまって明け方に目を覚ましても、最初はどうして妙な時間に目が覚めたのか気付かないことが多い。そして体を起こし、腰を反らしたときに、べったりとブリーフがあそこの先っぽ、袋、鼠径部のあたりにへばりつくのを感じ、もしや・・・と思いヒヤっとして、パジャマのズボンに手を入れて、白ブリーフに手を触れると、じっとりと濡れた感触。身体にブリーフの布がくっついてしまっていることで、姿勢を変えるまで気付かず、身体を動かした瞬間に生まれる焦りと、ブリーフが濡れていることが手指に伝わった瞬間と、ブリーフの白い布が濡れて黄色く染まっているのを見たときの羞恥。したことがある人でないと表現できない感覚がここでは妙にリアルに描かれていて、読んでいてこちらも恥ずかしい気持ちになった
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.79
(5pt)

平成を代表する文学作品の一つ

近代文学臭さを消して、ある意味、神話的な枠組みで小説を描き続けてきた作者前期の集大成的な作品。
近代文学的な意味での人間の心が描かれている小説ではないので、そういうものを求めて読むと、非常に醜悪な人々ばかりが出てくる気持ち悪い物語、と感じるかも知れない。
(実際、ここのレビューで星1を付けている人たちはそうなのだろう。)
だが、そうではないのだ。
これは神話のシステムや物語論の中で動いている小説なのだ。
そしてやはり文学性を剥ぎ取られた批評的な文体が、ここでも正確に機能している。
純文学というジャンルにおいて平成を代表する作品の一つだろう。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.78
(5pt)

大きな構想

アメリカの存在が先ず最初に作品の根本背景として設定され、そこに戦後日本社会の社会状況と風潮が交差する形で作品描写が始まっている。今後の展開を期待させるシンセミア上巻を読み進めています。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.77
(5pt)

クセの強い田舎者たちが巻き起こす群像劇

単行本、朝日文庫、講談社文庫これらの間でアマゾンレビューの評価がかなりかけ離れているので、購入を迷っている方はそれぞれ目を通すとよいかと思います。
 本書の舞台のような田舎町の文化を知る者にとっては、本書に出てるような人物や人間関係にはリアリティがあります。町の中だけで威張っている議員やヤクザくずれ、土建屋など。変態もいるし男女問題も激しい。不良気取りの中高生が元気。
 そういう舞台を設定して、多くの人間のトラブルを絡み合わせ、クライマックスの大事件(派手なシーン)につなげていくプロットはうまいと思う。阿部の著作の中で私は大好きな作品です。
 ちなみに現実の神町の中心には木村屋というパン屋があって、阿部和重の生家です。その向かいにはあすなろ書店という本屋があります。お椀のような山、空港に近い橋、エスカレーターのあるショッピングセンター、ボウリング場、どれも近くに実在します。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.76
(1pt)

読んでみたが不快

芸術、なのかもしれないが、露骨な性的描写、暴力の表現は読むのが苦痛、不快で、無理やり最後まで読んだものの後味の悪さしか残らなかった。魅力的な人物も出てこなかった。最後に伏線回収かと思いきや、登場人物がみな死んだだけ。
伊坂さんが好きで、キャプテンサンダーボルトが好きで、本作も読んでみたが(他にも2作品読んでみた)、もうこれ以上はいいやと思った。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.75
(1pt)

読んでみたが不快

芸術、なのかもしれないが、露骨な性的描写、暴力の表現は読むのが苦痛、不快で、無理やり最後まで読んだものの後味の悪さしか残らなかった。魅力的な人物も出てこなかった。最後に伏線回収かと思いきや、登場人物がみな死んだだけ。
伊坂さんが好きで、キャプテンサンダーボルトが好きで、本作も読んでみたが(他にも2作品読んでみた)、もうこれ以上はいいやと思った。
シンセミア(上) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上)より
402257870X
No.74
(1pt)

ひたすら俗悪なだけ

本書は、文庫本で上下1000頁にわたる大作である。
山形県の神町という田舎町が舞台になっており、登場人物は60人以上という多数に上る。
時代はちょうど2000年だが、第二次大戦後米軍により進駐がなされたことが、物語の発端になっている。

本書に登場する60人以上の登場人物は、老人も若者も、男性も女性も、ひたすら俗悪・醜悪であり、凶悪である。
常識のある人物や親切心のある人物が一切登場しないのは、作者である阿部和重氏にとって一つの試みなのかもしれない。
しかし、登場人物たちの人物の造形は驚くほど一致しおり、性格の描き分けはなされていない。
文体は読みやすいものの弛緩しており、描写は醜悪な場面以外は浅いという他はない。
結末は物語の途中で予想できるものであり、読後感もいいとは言えない。

下巻の池上冬樹氏による解説を読むと、阿部氏は本書において構成の緻密さとか構築力を意識したことが分かる。
だが構成にしても、例えば東野圭吾氏のミステリとか、伊坂幸太郎氏のエンターテインメント小説と比べて、
特に緻密というわけではない。いや、東野氏や伊坂氏の方が上だろう。

評者は本書を読了して、俗悪さだけがこれでもかこれでもかと強調された低俗・醜悪な小説というだけという感想を持った。
本書は毎日出版文化賞・伊藤整文学賞をダブル受賞したとのことだが、全く解せない話である。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.73
(1pt)

ひたすら俗悪なだけ

本書は、文庫本で上下1000頁にわたる大作である。
山形県の神町という田舎町が舞台になっており、登場人物は60人以上という多数に上る。
時代はちょうど2000年だが、第二次大戦後米軍により進駐がなされたことが、物語の発端になっている。

本書に登場する60人以上の登場人物は、老人も若者も、男性も女性も、ひたすら俗悪・醜悪であり、凶悪である。
常識のある人物や親切心のある人物が一切登場しないのは、作者である阿部和重氏にとって一つの試みなのかもしれない。
しかし、登場人物たちの人物の造形は驚くほど一致しおり、性格の描き分けはなされていない。
文体は読みやすいものの弛緩しており、描写は醜悪な場面以外は浅いという他はない。
結末は物語の途中で予想できるものであり、読後感もいいとは言えない。

下巻の池上冬樹氏による解説を読むと、阿部氏は本書において構成の緻密さとか構築力を意識したことが分かる。
だが構成にしても、例えば東野圭吾氏のミステリとか、伊坂幸太郎氏のエンターテインメント小説と比べて、
特に緻密というわけではない。いや、東野氏や伊坂氏の方が上だろう。

評者は本書を読了して、俗悪さだけがこれでもかこれでもかと強調された低俗・醜悪な小説というだけという感想を持った。
本書は毎日出版文化賞・伊藤整文学賞をダブル受賞したとのことだが、全く解せない話である。
シンセミア(上) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上)より
402257870X
No.72
(5pt)

安易な地元礼賛作品への痛烈なフィストファック、これも一つのアマルコルドだ。

全ての小説から一作だけ選ぶとしたら俺は本作を選ぶ。初めて読んだときの衝撃ったらなかった。
この作品を読んでまず、強烈な既視感に襲われた。俺はこれを知っている。覚えている。というか生まれ育った。
住宅街の側にホテル街が立ち並び、家の隣の草むらはカーセックスのスポットになっていて、路上にはコンドーム
が飛散していて、頭のイカレタじいさんが自転車で徘徊している地方都市の風景を俺は肌で感じてきた。
ここ最近地元に回帰する事を良き事として描く作品が大衆に支持されているという。どういうことだろう?
田舎って素晴らしい。都会という砂漠から見るとオアシスのようだ。ということだろうか?
しかし俺は田舎のどっかしら狂っているところも知っている。おそらくは阿部氏も存じあげているのだろう。
まず登場人物のキャラクター造形が素晴らしい。おそらくはこのパン屋の長男も妻も警官もみんな「しあわせのトンボ」
を夢見て都会に飛びだしたはずなのだ。でもそんなものは現実にはなく、他に帰るところもない出戻り組の持つ哀愁と狂気、
標準語を口にする彼らに対して方言を喋る「居残り組」との対比の妙、カメラという間接的な媒体が無ければ情欲(リアリティ)
を感じられない長男の性癖は主題との一致を見せる実に秀逸な設定である。
文体の革新性については至る所で語られているところなのでこの場で省くが、本作が三人称多元という形で、かの村上春樹氏
が長年夢想している総合小説の試みに肉薄している点は明記しておきたい。
通常の文学のみならずあらゆる物語形式においてシンボリックな読みときから現代社会を読み解くタイプの評論が主流だが、
そうした視点ではおそらく本作は読み解けないだろう。
監視カメラという道具立てから、見る=見られるという関係性が捻出され、それが有機的に物語との関連性を見せて、そこからアレゴリカルに「何もかも見えすぎるためにかえってなにも見えない」(パン屋の長男)「自分の思い描いた物語しか見えない」(警官)「周りを見ようとして何も見えなくなる」(最後の粉塵爆発)というモチーフが展開されて、過去の歴史を掘り出したために「何も見えなくなってしまう」者が現れて終幕を迎える物語が、盛大なズドンで始まり相互に誤送されたガジェットの誤爆で迎える雪崩崩し的なカタストロフィからあっと驚く終幕を迎える本作はおそらくは文学史上においても、画期的な作品の一つに数えられるのではないでしょうか。
ともかく阿部和重才気煥発の大傑作なので、エログロ描写に抵抗が無ければどうぞ。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.71
(5pt)

安易な地元礼賛作品への痛烈なフィストファック、これも一つのアマルコルドだ。

全ての小説から一作だけ選ぶとしたら俺は本作を選ぶ。初めて読んだときの衝撃ったらなかった。
この作品を読んでまず、強烈な既視感に襲われた。俺はこれを知っている。覚えている。というか生まれ育った。
住宅街の側にホテル街が立ち並び、家の隣の草むらはカーセックスのスポットになっていて、路上にはコンドーム
が飛散していて、頭のイカレタじいさんが自転車で徘徊している地方都市の風景を俺は肌で感じてきた。
ここ最近地元に回帰する事を良き事として描く作品が大衆に支持されているという。どういうことだろう?
田舎って素晴らしい。都会という砂漠から見るとオアシスのようだ。ということだろうか?
しかし俺は田舎のどっかしら狂っているところも知っている。おそらくは阿部氏も存じあげているのだろう。
まず登場人物のキャラクター造形が素晴らしい。おそらくはこのパン屋の長男も妻も警官もみんな「しあわせのトンボ」
を夢見て都会に飛びだしたはずなのだ。でもそんなものは現実にはなく、他に帰るところもない出戻り組の持つ哀愁と狂気、
標準語を口にする彼らに対して方言を喋る「居残り組」との対比の妙、カメラという間接的な媒体が無ければ情欲(リアリティ)
を感じられない長男の性癖は主題との一致を見せる実に秀逸な設定である。
文体の革新性については至る所で語られているところなのでこの場で省くが、本作が三人称多元という形で、かの村上春樹氏
が長年夢想している総合小説の試みに肉薄している点は明記しておきたい。
通常の文学のみならずあらゆる物語形式においてシンボリックな読みときから現代社会を読み解くタイプの評論が主流だが、
そうした視点ではおそらく本作は読み解けないだろう。
監視カメラという道具立てから、見る=見られるという関係性が捻出され、それが有機的に物語との関連性を見せて、そこからアレゴリカルに「何もかも見えすぎるためにかえってなにも見えない」(パン屋の長男)「自分の思い描いた物語しか見えない」(警官)「周りを見ようとして何も見えなくなる」(最後の粉塵爆発)というモチーフが展開されて、過去の歴史を掘り出したために「何も見えなくなってしまう」者が現れて終幕を迎える物語が、盛大なズドンで始まり相互に誤送されたガジェットの誤爆で迎える雪崩崩し的なカタストロフィからあっと驚く終幕を迎える本作はおそらくは文学史上においても、画期的な作品の一つに数えられるのではないでしょうか。
ともかく阿部和重才気煥発の大傑作なので、エログロ描写に抵抗が無ければどうぞ。
シンセミア(上) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上)より
402257870X
No.70
(2pt)

みーんな同じ

大きな物語を書きたい。そういうたくらみがひしひしと伝わってくる。
いろんな人がでてくる。
いろんな性癖やイベント出てくる。
でもどれもとっちらかって、ついに最後まで誰にも焦点があわないまま、
読後に浮かび上がってくる登場人物の人物像は不思議とどれも似通っていて、
同じ価値観や思慮の深度でできた1種類の人間に思えてくる
(ひいきめに細分化しても「イライラしている中年オヤジ」「性癖の強い青年」「自暴自棄の女」の3タイプ)。
ちなみに意図的なものか、書けないのか、魅力的な女性はひとりとして出てこない
(皮肉だがほとんど説明のない佐藤百合が一番謎めいていて奥行きがある)。

エログロは一辺倒で幼稚、中学生の女の子がいくら性の犠牲になっても起伏や落差にとぼしい。
得意げに書かれている「熊女」はもともとがどういう人だったか曖昧。気の毒だが心は傷まない。
この退屈な露悪趣味は、中高生(の男子。女子ではない)がセックスを覚えて「すげーだろ!」と周囲に自慢しているのと大差ない印象。
これだけ滑稽だとさすがに白々しく、この作者は幼稚なのではなく、
サービス精神の強いお人好しなだけなのかもしれない、とすら勘ぐらせて、
やっぱりキライにはなれない。

郷土史っぽさは水上文学(この話の場合、「道具」はビデオカメラですね)、軽さはビートニクを足して割った感じでしょうか。
でも読み進めるうちに、ああ、このエログロは
ひょっとして野坂昭如『死人葛』を作りたいんだなと思ったりして、でもそれなら野坂さんを読めばよく、何より冗長すぎる。

この作者が得意な薄っぺらさをともなうユーモアは、
『アメリカの夜』が唯一成功して、やっぱりそれ以降は全て自己模倣の延長戦を続けている。
今はもうファンの冷笑が行間から広がる感じ。
無理に思わせぶりなフルコースの壮大な話をかこうとせず、
胡散臭い三文記事的なストーリーを誠実に書くこの作者が好きだった。もう20年近く前の話なんですね。

表紙は朝日から出ていた少女が写ったハードカバーの方がよかった。
もう二度とこの作者の作品を読むことはない。
シンセミア(上) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上)より
402257870X
No.69
(2pt)

みーんな同じ

大きな物語を書きたい。そういうたくらみがひしひしと伝わってくる。
いろんな人がでてくる。
いろんな性癖やイベント出てくる。
でもどれもとっちらかって、ついに最後まで誰にも焦点があわないまま、
読後に浮かび上がってくる登場人物の人物像は不思議とどれも似通っていて、
同じ価値観や思慮の深度でできた1種類の人間に思えてくる
(ひいきめに細分化しても「イライラしている中年オヤジ」「性癖の強い青年」「自暴自棄の女」の3タイプ)。
ちなみに意図的なものか、書けないのか、魅力的な女性はひとりとして出てこない
(皮肉だがほとんど説明のない佐藤百合が一番謎めいていて奥行きがある)。

エログロは一辺倒で幼稚、中学生の女の子がいくら性の犠牲になっても起伏や落差にとぼしい。
得意げに書かれている「熊女」はもともとがどういう人だったか曖昧。気の毒だが心は傷まない。
この退屈な露悪趣味は、中高生(の男子。女子ではない)がセックスを覚えて「すげーだろ!」と周囲に自慢しているのと大差ない印象。
これだけ滑稽だとさすがに白々しく、この作者は幼稚なのではなく、
サービス精神の強いお人好しなだけなのかもしれない、とすら勘ぐらせて、
やっぱりキライにはなれない。

郷土史っぽさは水上文学(この話の場合、「道具」はビデオカメラですね)、軽さはビートニクを足して割った感じでしょうか。
でも読み進めるうちに、ああ、このエログロは
ひょっとして野坂昭如『死人葛』を作りたいんだなと思ったりして、でもそれなら野坂さんを読めばよく、何より冗長すぎる。

この作者が得意な薄っぺらさをともなうユーモアは、
『アメリカの夜』が唯一成功して、やっぱりそれ以降は全て自己模倣の延長戦を続けている。
今はもうファンの冷笑が行間から広がる感じ。
無理に思わせぶりなフルコースの壮大な話をかこうとせず、
胡散臭い三文記事的なストーリーを誠実に書くこの作者が好きだった。もう20年近く前の話なんですね。

表紙は朝日から出ていた少女が写ったハードカバーの方がよかった。
もう二度とこの作者の作品を読むことはない。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.68
(1pt)

読み易さだけが取り柄の「俺頭いいだろ」的三文小説

何やらすごい賞を二つも獲ったらしいので読んでみたが、本当にひどい。
意識の流れだかメタフィクションだか何だか知らないが、活字がでかくなったり作者が登場したりするところは本当に痛々しい。
去勢の恐怖がどうのこうのというところもダサい。巻末の謝辞もダサい。
そもそもパン屋が町を牛耳ってるという設定自体スケールが小さい。そこに薄っぺらい歴史を無理に絡めてくるところといったら・・・。
こんな中二病みたいな小説を褒めてしまって大丈夫なのか、この国は。
無名の新人がこれを発表したらタコ殴りにされることは間違いない。世の中は摩訶不思議、まさに冥利に尽きるということか。
褒めるとすればただ一点、すごく読み易いということだ。
俺頭いいだろという感じの小説なのに辞書を引かなくて読める、というところ良いのかもしれない。
帯の宣伝文句は今回も大袈裟、もはやこの作家の特徴といってもいいだろう。
出版のもつハッタリ商売という一面がこれほど露骨に感じられる小説もなかなか無いと思う。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.67
(1pt)

読み易さだけが取り柄の「俺頭いいだろ」的三文小説

何やらすごい賞を二つも獲ったらしいので読んでみたが、本当にひどい。
意識の流れだかメタフィクションだか何だか知らないが、活字がでかくなったり作者が登場したりするところは本当に痛々しい。
去勢の恐怖がどうのこうのというところもダサい。巻末の謝辞もダサい。
そもそもパン屋が町を牛耳ってるという設定自体スケールが小さい。そこに薄っぺらい歴史を無理に絡めてくるところといったら・・・。
こんな中二病みたいな小説を褒めてしまって大丈夫なのか、この国は。
無名の新人がこれを発表したらタコ殴りにされることは間違いない。世の中は摩訶不思議、まさに冥利に尽きるということか。
褒めるとすればただ一点、すごく読み易いということだ。
俺頭いいだろという感じの小説なのに辞書を引かなくて読める、というところ良いのかもしれない。
帯の宣伝文句は今回も大袈裟、もはやこの作家の特徴といってもいいだろう。
出版のもつハッタリ商売という一面がこれほど露骨に感じられる小説もなかなか無いと思う。
シンセミア(上) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上)より
402257870X
No.66
(1pt)

今まで読んだ中で一番くだらない本

今まで読んだ中でいちばんくだらない本。
まずページを開くと全登場人物の名前が数十人分羅列してある。まずここでげっそりする。
そして物語が始まるが、不自然な展開、魅力がない人物ばかり、魅力がないどころか嫌悪感を催す人物ばかり。
そして小説とよぶのも腹立たしいほどの程度の低い読み物が延々2冊も続く。
ある意味拷問に近い。
才能のない人間は本を書いてはいけない。
本が好きな人間として嫌悪感を覚える。
シンセミア(上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上) (講談社文庫)より
4062775484
No.65
(1pt)

今まで読んだ中で一番くだらない本

今まで読んだ中でいちばんくだらない本。
まずページを開くと全登場人物の名前が数十人分羅列してある。まずここでげっそりする。
そして物語が始まるが、不自然な展開、魅力がない人物ばかり、魅力がないどころか嫌悪感を催す人物ばかり。
そして小説とよぶのも腹立たしいほどの程度の低い読み物が延々2冊も続く。
ある意味拷問に近い。
才能のない人間は本を書いてはいけない。
本が好きな人間として嫌悪感を覚える。
シンセミア(上) Amazon書評・レビュー: シンセミア(上)より
402257870X