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雨月荘殺人事件の評価:
7.00/10点 レビュー 2件。 C ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点7.00pt
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雨月荘殺人事件の感想
▼以下、ネタバレ感想
「雨月荘殺人事件 」の感想
1988年度の第42回推理作家協会賞を受賞した作品です。本屋さんで見たときは、ちょっと読みにくそうな内容だったので、文庫が出れば・・・と思ってスルーしたところ、すっかり忘れてしまい、気がついた時には、中央公論社から出されていた文庫も絶版になっていました。いろいろ探したところ、双葉文庫から出されている「日本推理作家協会賞受賞作全集」の中に本書を見つけ、やっと読むことが出来ました。この本が書かれたときはまだ、日本には欧米のような陪審員制度が無かったので、一般の人が裁判の公判調書を目にすることも無かったでしょうが、裁判員制度が2009年から導入されたので、もし選出されたら、こんなややこしいものを読まないとダメなんだろうなぁ・・・と思いながら、ページを開きました。小説の構成は、100ページの市民セミナーの部分と、450ページほどの公判調書の部分に分けられています。(単行本の初版では、2分冊でした)元裁判官だった方が講師となり、市民セミナーに参加している人に、実際に起こった裁判の様子なり公判調書の見方を解説するという方法で、話が進んでいきます。市民セミナーは6回に分けられていて、講師が「次回のセミナーまでに、何ページまで読んでおいてください・・・」と言う指示に従って、公判調書の部分を読んでおき、次の講座でその内容の解説をしてくれるという流れになります。市民セミナーに参加している人と一緒になって、実際の調書を見て、裁判の進め方やら調書の読み方などを学習しているような感じで、面白く読めましたし、公判調書の「証人尋問」のところはとても迫力がありました。第9回公判調書を読み終え、4回目のセミナーは、「みなさんが裁判官になったつもりで、どういう判決を下すべきか、次回までに考えてください・・・」と言う講師の話で終わります。第10回公判調書と第5、第6回のセミナーの部分は、単行本では袋とじになっていたそうです。読まれる方は、ここで本を閉じ、裁判の結果と事件の顛末を考えてみてください。最後の第10回公判調書で、事件の判決を読み、解説部分である第5回市民セミナーで、その判決について話し合われます。その後、次回の予告と言うことで、「この裁判の判決が出されたあと、(どちらかが)それに意義を申し立てて控訴しますが、高等裁判所での審理中に、いろいろ真実が暴露される・・・」と言う説明があり、もう一度公判調書を読み直して、結果がどうなったのかを考えておくように言われます。市民セミナーの最終回で、それぞれの推理が出されるという筋立てですが、公判調書をしっかり読むと、いろいろな矛盾点も発見でき、驚く結末が用意されていました。本格ミステリとしても、とても良く出来ていると思います。実際の裁判の公判調書にそって、事件が進んでいくという形式には驚きましたが、セミナーの一員になったつもりで、講師の方が指示された通りに読んで行くと、最初に本書を手にしたときは、ちょっと取っつきにくいように思えた裁判の公判調書も、そんなに苦にせず読むことが出来たことも驚きです。最初はおっかなびっくりで読み始めましたが、読み出したら面白くて、そのまま一気に読み終えてしまいました。オススメです。
▼以下、ネタバレ感想