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彼らは廃馬を撃つ



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【この小説が収録されている参考書籍】
彼らは廃馬を撃つ (白水Uブックス)

彼らは廃馬を撃つの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

空虚な時代に咲いた虚無の花(非ミステリー)

1935年に発表されたマッコイのデビュー長編。大恐慌時代のハリウッドでわずかなチャンスに命をかけた男女の熱と虚無を描いた、ハードボイルドな青春ドラマである。
ハリウッドでエキストラに応募したものの外れてしまった男と女が1,000ドルの賞金を目当てにマラソン・ダンス大会にエントリーする。この大会は154組のペアが1時間50分踊って10分休憩というパターンで踊り続け、最後の1組になれば賞金という過酷なコンテストというか見せ物である。何日も何週間も踊り続けてクタクタになり、ついには精神に異常を来たす出場者たちの奇態を見るために入場料を払って観客が集まったという、1920〜30年代の狂瀾のアメリカを象徴するエンターテイメントが若く夢があった二人を飲み込んでいく様が凄まじい。戦後すぐの実存主義が流行り始めたフランスで高く評価され、その人気がアメリカに逆輸入されてヒットしたというのもうなづける、虚無と空虚の物語である。
その意味では、今の時代でも再評価される作品とも言える。が、読者を選ぶ作品であることは間違いない。

iisan
927253Y1

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