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正義の雷鳴―第14空母戦闘群1



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【この小説が収録されている参考書籍】
正義の雷鳴―第14空母戦闘群〈1〉 (光人社NF文庫)

正義の雷鳴―第14空母戦闘群1の評価: 6.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
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(6pt)

正義の雷鳴―第14空母戦闘群1の感想

absintheには面白かったです。印象では★9くらいでしょうか。
スピード感とスリルは満点なのですが、アメリカ人が戦争を描くとどうしてもこうなってしまうという、良くも悪くもお手本のようになっています。
北朝鮮が、いきなり米国軍艦を日本海の公海上で拿捕して、半島まで曳航してしまいます。時間が限られる中、空母戦闘群による絶望的な救出作戦が始まります。戦闘場面はかなりの迫力で、こういうのが好きな人ならそれだけでも読む価値ありだと思います。政治的思惑よりもより、戦闘場面の迫力に重きを置いた作品です。戦闘機はバンバン撃ち落とされるし、SEALSや海兵隊も登場して地上戦まで起こるサービスぶりです。1990年代の作品なので、F14トムキャットやA6イントルーダーが健在で、そういった航空機が敵と戦うので好きな人には堪らない逸品になるでしょう。absintheは、キースダグラスを読むのは初めてでした。古本屋で一揃いセットになっているのを衝動買いしてしまいましたが、幸運な拾いものでした。

とても楽しい本作にも難はあります。やたらと登場人物が多いのに違いが書き分けられていないのも感情移入を阻害しています。一人の人物を追いかけるのが好きな人には向いていないでしょうね。(absintheにも少し苦痛でした。)主人公は戦闘機パイロットで、500ページの中で最初の200ページは主人公でした。しかし続く200ページで場面が地上戦になってからほとんど出てこなくなり、クライマックスの地上、空中の乱戦にもう一度登場しますが、せっかく親しみを持ち始めた人物がこうやって隠されると、そこで続きを読む手が止まってしまうのですよね。人物に深みはありません。殺すとはどういうことか悩み始めたり、自分の腕が信頼できなくなってパイロットを辞めようかとまで思う人物まで現れますが、一過性の堰熱のように治ってしまいます。これは、スピードとスリルを楽しむためのものであって、戦争とは何か深く考えさせようとしたものではないのでしょうね。

民主党嫌いの作者が書いた共和党万歳のプロバガンダとも言えそうなのりで、吐くほどではないと思いますが戦争賛美に嫌悪感情を持つ人は閲覧注意ともいえます。軍事用語が苦手な人は避けた方がいいでしょう。巻末に用語辞典がついていますが、これを見なければ意味がわからない人では外国語を読むのと変わりません。全編軍事用語ばかりなのに文中の解説は最小限です。

最後の方で北朝鮮の本当の思惑が明かされます。後で明かされることですが、作戦は最初にアメリカが考えていたよりもずっと危険な賭けだったのです。北朝鮮にとって、勝てるはずの無いはずだったアメリカを敵に回した挑発行為。その思惑は何だったのか?それが唯一のミステリー要素でしょうか。

absinthe
BZLMTCHK

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