長年の旅と探求がこの作家にもたらした、深沈たる一滴、また一滴―。

ヴェトナムの戦場を肌で感じ生と死の異相を鋭く凝視した『輝ける闇』。

とつじょ大繁殖して野に街にあふれでたネズミの大群がまき起す大恐慌を描く「パニック」。

誰も殺せず、誰も救えず、徒労と焦燥の間を漂うしかなかったヴェトナムでの戦場体験を経て、暗く、抜け道のない「現代」によどむ懈怠と嫌悪の淵に沈潜し、ひたすら女との甘い生活にふけろうとする男。

終戦直後の大阪で、鉄を食べる人間が出現した。名は「アパッチ」。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

「警察首脳部は狙撃犯を知っているはずだ!」 特捜本部に渦巻く不信と怒り。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

2010年最高のノンフィクション どこで誰が間違えたんだ! 警察のトップが撃たれた――前代未聞の事件は未解決のままついに時効を迎えた。

「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。

警視庁公安部OBの鷹田は絶句した。カルマ真仙教元信者の死刑囚から、秘かに五億円もの金を預かっている男がいたのだ。

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。

「被害者女児死亡」――世紀の大誤報を打ち、飛ばされた3人の記者。その七年後、児童連続誘拐事件が発生。

予期せぬ出来事が日常の扉を開きあなたをさり気なく訪れる。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

ギヴ。それがその犬の名だ。