カーラのゲーム
- ハイジャック (43)
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旅客機がテロで乗っ取られ・・・というお話。 上記はプロローグだけで、その後どうしてそういう事件が起こったかが詳らかに明らかになっていく物語でした。 その物語が90年代にボスニア・ヘルツゴニナで起きた民族紛争で、あの紛争を実体験した庶民の視点で語られる作品になっております。 ボスニアの紛争は何となく知っておりましたが、庶民の視点ではこの様な嫌な事が平気で行われていた事に衝撃を受けました。勉強不足で己の不明を恥じました。 主人公が悲劇の被害者からテロの加害者に変貌する心理も判り過ぎるくらいよく判りました。最後は涙なしでは読めない悲痛な展開で感銘を受けました。 このゴードン・スティーブンスという人はこれまでも「テロルの嵐」で良く出来た謀略小説を書く人だとは知っておりましたが、本書は更に筆力に磨きがかかっておりました。この著者の作品は全て読みたいです。 悲痛な謀略小説の大傑作。必読。 | ||||
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テロに対する非難は、厳しいでしょうが、このストーリィは、受け入れちゃうなあ。荒唐無稽で、無茶だけど、SF気分で行けば、許せてしまう。主人公の気持ち、脇役たちの信条が、独りよがりでなくて、普遍的な正義とか愛情を持った、「誠実」さ、と表現されてる。その「誠実」な行動ひとつひとつが、心を揺さぶって、お涙頂戴と解っていても、ボロボロこぼれるほど泣けちゃいました。久し振りに堪能した感じ。再版されてないのは、このご時勢、致し方ないだろうけど、少々残念ですね。 | ||||
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裏表紙の紹介を読むと、SAS隊員云々とあるので、ハードボイルドかと思いますが、そんなことはありません。一般読者向けのミステリーとしても読み応えがあると思います。わたしはこの作品を、弱者が強者になるプロセスを描いた物語、として評価しています。 1994年ボスニア。夫の帰りを待ちわびていたカーラは、偶然、負傷した英国特殊部隊員を助けたことから、彼女の運命は一変します。途方に暮れていたカーラと、フィンとの対話の数々は印象的で、思わずノートに書き付けるほどでした。弱気になったとき、何かをあきらめようとしているときにこそ、この本のことを思い出したいですね。 「問題とすべきは批評家ではない・・・・・もし、勝利を得たなら、彼らは大いなる達成の喜びを知るだろう。仮に敗北を喫したとしても、それは敢然と戦ったすえの敗北だ」(P 136) 「自分のために何をすべきかを考えるんだ。“敢然と戦う者が勝つ”のさ、カーラ。勝利とは自分の流儀を曲げず、自分の決めた条件にしたがって生きのびることだ」(P230) | ||||
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冒険アクション物に分類されるだろうこの作品は、題材の扱いと語り口の巧妙さ、登場人物の魅力的描写で、十分に読み応えのある仕上がりになっている。空港でのテロ事件に派遣されたSAS特殊部隊の隊員の胸に、ある思いがよぎることから始まるこの物語は、過去のボスニア戦闘地区へとさかのぼって、再び現在へ至る構成で、そこにさまざまな人物が現れては重なり合って、終焉へとひた走る。カーラを知る男の独白が時おり効果的に挿入され、ただ筋を追うだけでない、内面的な部分へのアプローチも巧みに描出している。 G・スティーブンスは佳作ながらも、2冊ほど翻訳もでており(「テロルの嵐」・「7月の暗殺者」)、どちらも面白く読めた。主人公ないしは謀反者がなぜそうするのか、その動機を歴史的背景も交えて描くところに彼の特性の1つがあるように思えるし、それが作品に独特の雰囲気と風格を与えているように思う。そういう作家を他にしらないので、ますます彼のファンになってしまう。 | ||||
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キーワードは「敢然と戦うものが勝つ」。これをメッセージとしてストーリーに織り込むだけでなく、登場人物の言葉としてくどいほど繰り返し文中に臆面もなく晒してしまうのは解りやすいと言えば解りやすいが、日本人の心性からすると、賛否両論かな。 傍観者でいるな。勇気を出して一歩踏み出せ。それで斃れたとしてもそれは名誉だ。 街中で独りボスニア空爆停止を訴える老女。爆撃から子供と母親たちを救え。感心しながらも、<でも自分には無理だ。政治には縁もゆかりもない>と考える人々。ロンドンの議事堂前「分かってます。何も変わらないってことくらい。でも…あたし…おばあさんのことテレビで見て…」スーツに身を固めた美人レポーターの苦笑を浴びながら立ちすくむ垢抜けない中年女性。数日後、広場は全国から駆けつけた女たちに埋め尽くされる・・・。 というくだりには、胸を揺さぶられるよね。 感動を誘う材料がちりばめられているのに、いまひとつ盛り上がらないのは、緊迫感を盛り上げようとカットバックの手法を使った関係で多重視点とした為、登場人物に共感しにくくなっているのと、メッセージのみならずストーリーまでストレートすぎて捻りがないためか。 主人公が、命を脅かされ、絶望のどん底から這い上がる上巻に比べて、下巻はひねりがない分失速気味。惜しい。 | ||||
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