二進法の犬

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初版刊行(参考)
種別
長編
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8
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あらすじ

1998年11月01日 二進法の犬 (カッパ・ノベルス)

家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。彼女の父は、少数精鋭の武闘派博徒乾組組長・乾十郎であった。鷲津は、乾組という組織、十郎の「白い黒か」を徹底する究極の生き様、そして倫子の凛とした存在に、しだいに自分の所在を見いだしていく。やがて鷲津が手にしたある情報が、乾組を揺るがす大きなうねりを引き起こす。博打、抗争、性愛…激流のなか、鷲津が手にしたもの、それは―。ひとの心が抱える深い闇―その暗黒を重厚に、そして狂おしいまでに切なく描き、あらたな“倫理”を世に問う、芥川賞作家・花村万月の超大巨編、ここに登場。(「BOOK」データベースより)

評判

二進法の犬の評価:

7.50/10点 レビュー 2件。 A ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.50pt

二進法の犬の総合評価:

9.35/10点 レビュー 26件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.24
(5pt)

ヤクザ社会の凄まじいエネルギーと残虐さ、それでいて清冽なる登場人物たちの魅力

業界の大先輩が「花村萬月なら『二進法の犬』が傑作」と教えてくれた。実に958頁の大作。しかし読んでみて一気読み。まさに途方もないエネルギーの作品であった。ヤクザ社会を描いているから、凄まじい苛烈さと残虐さ。それに比肩するのは、赤松利市くらいではないだろうか。しかし登場人物は魅力的で、物語は清冽。中でもヒロインの倫子は、賢く神々しく愛らしい。そして親分の乾、手下の中島、後妻の李、倫子の親友である鋭子、李の娘・麗子、乾組のショバを荒らした西元寺、神戸の鍋井。どの人物も惚れ惚れするほど素敵だ。その対極にあるのが、家庭教師として雇われた鷲津。ヤクザ社会に対する、小市民=保身する卑怯者としての自己否定に懊悩する。そして鷲津とは、われわれ大衆である。対するヤクザ社会を0と1の二進法で表現する見事さ。特に描かれる賭場シーンには、まさに固唾を飲む。読んでいて、激流のドラマに、心が荒海に浮かぶ舟のように揺れる。号泣と嗚咽の果てに描かれる、奈落と希望のコントラストが夕焼けのように美しいエンディング。
二進法の犬 Amazon書評・レビュー: 二進法の犬より
4334732755
No.23
(5pt)

ヤクザ社会の凄まじいエネルギーと残虐さ、それでいて清冽なる登場人物たちの魅力

業界の大先輩が「花村萬月なら『二進法の犬』が傑作」と教えてくれた。実に958頁の大作。しかし読んでみて一気読み。まさに途方もないエネルギーの作品であった。ヤクザ社会を描いているから、凄まじい苛烈さと残虐さ。それに比肩するのは、赤松利市くらいではないだろうか。しかし登場人物は魅力的で、物語は清冽。中でもヒロインの倫子は、賢く神々しく愛らしい。そして親分の乾、手下の中島、後妻の李、倫子の親友である鋭子、李の娘・麗子、乾組のショバを荒らした西元寺、神戸の鍋井。どの人物も惚れ惚れするほど素敵だ。その対極にあるのが、家庭教師として雇われた鷲津。ヤクザ社会に対する、小市民=保身する卑怯者としての自己否定に懊悩する。そして鷲津とは、われわれ大衆である。対するヤクザ社会を0と1の二進法で表現する見事さ。特に描かれる賭場シーンには、まさに固唾を飲む。読んでいて、激流のドラマに、心が荒海に浮かぶ舟のように揺れる。号泣と嗚咽の果てに描かれる、奈落と希望のコントラストが夕焼けのように美しいエンディング。
二進法の犬 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 二進法の犬 (カッパ・ノベルス)より
4334073166
No.22
(5pt)

■ ほんとにおもしろい。。。■

文庫本史上の傑作だと僕は思う。
本というより豆腐みたいな形。
分冊にしなかった光文社の勇気。

恥を知る難しさと知っている凄さとくだらなさ。
ぐるぐるまわって、考えて、行き着くところは
所詮人間なんてたいしたことないやという
爽やかさ。僕はこんな風にこの書を拝読しました。
ほんとに、おもしろく、充実した読書経験をしました。
二進法の犬 Amazon書評・レビュー: 二進法の犬より
4334732755
No.21
(5pt)

■ ほんとにおもしろい。。。■

文庫本史上の傑作だと僕は思う。
本というより豆腐みたいな形。
分冊にしなかった光文社の勇気。

恥を知る難しさと知っている凄さとくだらなさ。
ぐるぐるまわって、考えて、行き着くところは
所詮人間なんてたいしたことないやという
爽やかさ。僕はこんな風にこの書を拝読しました。
ほんとに、おもしろく、充実した読書経験をしました。
二進法の犬 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 二進法の犬 (カッパ・ノベルス)より
4334073166
No.20
(5pt)

すべての描写が圧倒的で1冊読み終えると1年分生きたような気がする

何週間もかかるだろうと思っていたが、1週間で読み終えた。
この人の長編は引きずり込まれるようにして読み続けてしまう。
『百万遍』しかり、『たびを』しかし、『風転』しかり、そして本作しかり、である。
本書も、花村萬月の他の作品同様に、セックスや暴力の描写が生々しい。
というか、まるで自分自身がセックスをしているような感覚にさえ囚われるほどである。
加えて、観念的な問答も、ちょっと「?」を感じるところもないではないが、実に思弁的で饒舌なのである。
博徒系ヤクザの1人娘の家庭教師をすることになった主人公の、インテリ特有のダメさ加減と過剰な自意識、これは花村萬月自身の分身だろうから、それをくどいほどに描写できるのは理解できる。
しかし、思春期の只中の17歳のヤクザの一人娘の心理や生態の描写、父である博徒系ヤクザの組長、そして従順なその手下の心理までもが、いちいち説得力を持って迫ってきたりする。
これが、作家としての力量というものだと痛感する。
1冊読み終えて、1年分生きたと感じられる小説というのも、それほど多くはない。
読むのにいつも疲れはするけれど、また次の小説に手を伸ばしてしまうだろう。
二進法の犬 Amazon書評・レビュー: 二進法の犬より
4334732755

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