24人のビリー・ミリガン
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
24人のビリー・ミリガンの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 A ランク
24人のビリー・ミリガンの総合評価:
8.41/10点 レビュー 54件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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この本では、あとがきに相当する部分を除くと、すべて一人称視点で記述されている。そのため、すべての記述を読者は事実と捉えがちになるが、本書(上下巻をまとめて)の7割を占める ビリー・ミリガンの伝記の部分は彼の記述を筆者が一人称で物語形式で描いたものであり、事実かどうか見極められたものではないと考えるのが妥当だと思う(たとえば、下巻の一部では彼の恋人の名前が一文字だけ変わっている箇所があり、これが誤訳なのかミリガン自身が語った事なのか謎である)。
本書の構成は、先ず、ビリー・ミリガンにとって一番大きな転機となる裁判を描いており、全体の2~3割を占めている。ここでは筆者は資料に基づき関係者それぞれの行動を一人称で描いている。次に、ビリー・ミリガン当人が語った内容に基づく、彼の視点から見た人生、少年期から先に述べた裁判までの人生を筆者は描いている。これが約7割。最後に、筆者は筆者の視点から見た裁判後のビリー・ミリガンの人生を1991年ごろまで記述している。
本書から私が思ったことは、人間というものは、自分が耐えがたいと思う環境に置かれると、気を失うということである。もちろん、気を失ったままでは生きていけないので、耐えがたい環境に適応した異質な精神的制御装置が本人自身の意識と別に作り出される。それが『多重人格』ということである。
こういうことは『多重人格』という名前が付けられるほど特殊なことではない。殆どの人は、自分が嫌なことに出会うと、それを理解し認めようとするよりも、(残念なことだが)忘れようとする。その極端な例が『多重人格』だと私は思う。ビリー・ミリガンは過酷な環境に置かれて『多重人格』を持つようになり、違法行為を行ったのであり、彼を非難する人は自身が自分に都合の悪い事を忘れ去り(無視していて)、そのことが誰かに被害を与えている可能性を無視している。そういう人は本書のあとがきの中に大量に描かれている。
本書は1992年出版の『24人のビリー・ミリガン―ある多重人格者の記録』の装丁を変えたものである。1994年出版の『ビリー・ミリガンと23の棺』は、「あの」裁判を終えた後にビリー・ミリガンが当時のオハイオ州司法から受けた迫害を記述しているものらしく、いつか読んでみようと思っている。