大いなる幻影
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「わらの女」で著名なアルレーの中篇2作を収めたもの。作者の特徴は、人間の打算とその打算に溺れた転落の様を冷徹な筆致で描く事にあるが、本作は味付けに特徴がある。 「大いなる幻影」は自堕落な男ジルベールが主人公。突然、義母に多額の遺産金が入る事になる。ジルベールは狂喜するが、サインが必要な遺産手続きの前に、義母が頓死してしまう。作者らしい皮肉な設定である。早速偽装工作を始めるジルベールだが、死体を載せていた車が盗難に合うと言う畳み掛けが圧巻。ジルベールの妻と子供が次第に金の魔力に取り付かれて行く様も風刺が効いている。全編、戯画タッチなのだ。ジルベールは悪友2人と義母の身代り探しに養老院を訪れる。彼等が目を付けた老婆メラニーと3人のやり取りは抱腹絶倒。メラニーを「わらの女」と称する楽屋オチあり。エスプリの効いたサスペンス・コメディの佳作。 「死者の入江」は、崖上の別荘に一人残された病弱な人妻アダをヒロインとしたスリラー。夫が戻るまでの二日間の恐怖を描いたもので、女流作家特有の繊細な心理描写が光る。ストーリーは類型的だが、ヒロインの恐怖の源泉は自らのエゴイズムに起因すると言う論点がアルレーらしい。結末の捻りも作者らしい。 コメディ・タッチとシリアス・タッチの双方で、人間の打算を運命のイタズラが打ち砕く様を描いた異色の中篇集。 | ||||
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