ジェニー・ブライス事件
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今からほぼ百年前アメリカでロマンティック・サスペンスの女王と呼ばれた元祖ミステリーの女王ラインハート女史が自らの故郷ペンシルベニア州のピッツバーグを舞台に描いた日本初紹介作の新訳刊行です。著者は「もしも知ってさえいたら派」というジャンルを確立したサスペンスの名手と呼ばれ、これまで謎解きミステリーの書き手としての評価はイマイチでしたが本書を読むとトリッキーなプロットの良さが十分に感じられ優れた才能の片鱗を窺わせてくれます。 本書のヒロイン、ミセス・ピットマンは夫に先立たれ故郷ピッツバーグのアレゲーニー川下流で下宿屋を営む孤独な女主人です。彼女は毎年起こる洪水に悩まされて来ましたが、5年前間借りをしていた女優ジェニー・ブライスが失踪した事件に巻き込まれ人生の大きな転機を迎える事となります。ミセス・ピットマンは若い頃に実家を駆け落ちした事情で家族と疎遠になり、当地に住む姪のリダと知り合い自分の正体を隠して接する少し悲しく辛い立場に耐え忍びます。リダの恋人で新聞記者のハーウェル氏、その友人の素人探偵ホルコム氏が興味を抱いてミセス・ピットマンと共に事件の謎を追い掛けます。当初は不審な態度を示す同居の夫ラリー氏が犯人の単純な事件だと思われましたが、ブライス嬢の死体が見つからない為に簡単には行かない厄介な展開になる所が著者の巧妙なストーリーテリングの見事さでしょう。やがて女性の首なし死体の発見やブライス嬢の目撃情報の事実が浮上し、開廷した裁判の行方が次々と二転三転して真実が見極められず読者を翻弄します。著者は人間心理を巧みに利用したトリックで意外な真相を披露し、ミセス・ピットマンは驚くばかりでしたが、冷静な素人探偵ホルコム氏が長い苦労の末に勝利を掴みます。本書は推理だけでなく女流らしい細やかな感情の温かいメロドラマも存分に味わえる古典ミステリーの秀作ですので、ぜひ一読をお奨め致します。 | ||||
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