死よ光よ
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偶然、手に取った本でしたが、久しぶりに涙が出そうになりました。70歳を過ぎた末期ガンの元医師のベンが、死に場所を求めて、2匹の犬と旅に出るのですが、旅の途中にこれまでのベンの人生も回想されます。りんご園の子供時代、運命の女性との出会い。17歳で出征し、過酷な軍隊生活や凄惨な戦闘場面。医師を目指すきっかけもていねいに書かれています。旅で目にした遠い山の景色も、出会った人々とのエピソードも、まるで自分がそこに居合わせたかのように感じました。最後のページをめくるのが惜しいような一冊でした。 | ||||
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優秀な心臓外科医の主人公は、自分が、すでに末期がんで手の施しようがないことを悟り、娘と孫と夕食を楽しんだ翌朝。死に場所と決めた狩りに向かう。その途中、家を出てまもなく自動車事故にあう。激しい雨のなかスピンして車は大破。生きているのが奇跡にちかいほど車は破損したが、自身は偶然にも片眼の外傷だけですむ。そこからストーリーは展開・・・・・・心臓外科医として、生きてきた歳月では出会わなかったような、様々な場面に遭遇し、いろいろな人と出会い、思いもかけないその出会いの数々から、自身の生涯を回想する。 死が常に頭にある。妻を見送った。娘も孫も・・・立派に育ち、悔いはない。そして、姑息的なガン温存手術を自らに適応する気にはなれない。そのまま死ぬ覚悟である。 その主人公が、思いもかけない事故で、様々な状況で、いろいろな人との出会いを介して、人生を振り返る。まだ、生きる日々が残っている・・・そう気が付く。 まだ人生なかばである。狩りの途中なのだ・・・やりたいように生きる・・・・このまま狩りを楽しむ・・・そう自覚する。 ガン末期の人間の心情が、うそっぽくなく、淡々と語られている。場面が、とんでもない田舎町であったり山間であったり、広大な原野であったり、そこで出会う田舎の人々の生き方がリアルで、彼らとの会話も、うそっぽくない。機に触れて、はるか昔の少年、青年のころを、徐々にはっきりと思い出す。旅の途中で思い出すのである。 青春の日々の回想が、物語の半分を占める。果樹園を営む両親のもとで過ごした少年の日々、ウオール街の暴落、季節労働者の少女との出会い、真珠湾攻撃を機に17歳で徴兵されイタリアに出撃、友人がドイツ軍との交戦で負傷。瀕死の友を野戦病院に運ぶも、そのとき開胸手術に立ち会う。心臓外科医の開胸、心臓マッサージ、を目の前で手伝ううち、自身も医師になることを決意。果樹園の少女は従軍看護師としてヨーロッパ戦線に従事、彼女と結婚。 そういった、過去の日々が、現在の旅の道中に、はさまるように綴られる。 この作者の「ヒマラヤスギに降る雪」のように、舞台設定が時代考証で練り上げられたわけではないのに、この著のほうが、人間の描写がリアルだ。 おそらく、ガン末期で余命を覚悟している人間の心理を徹底的に丹念に描くことだけに集中したら、大げさな舞台展開などなしに、静かに旅を続ける・・・というシナリオに行き着いたのか?と感じる。主人公の旅は、事故をきっかけに死に場所を探す旅から、残された時間を生きる旅へと変貌する。 旅の途中で愛犬の死に立ち会う。そして、負傷したもう一匹の犬を治療し、さらに、バスで乗り合わせた少年の病気を助ける・・・こうやって、自分に残された使命を、しだいに心に刻んでいく・・・やがて、自宅へと戻ってくる。死ぬ覚悟で、戻らぬつもりで、出た家ではあったが、最後には、また自宅へともどるのである。 すごく!いいです。おすすめします!! 「ヒマラヤ杉に降る雪」も映画化されましたが、この著も、映画化してほしいです!!タイトルの意味がキーワード。 | ||||
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ミステリーの収載の多い文庫だったので、 ミステリーかと思って借りたら、、。 死に場所を求めて、 回想とともに旅する、 末期癌の老医師の話だった。 冒険小説とも違うし、、。 山の光景、 回想の中の母、妻、 りんご園の風景や、 イヌ達の描写、 一つ一つが、繊細で美しかった。 | ||||
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「死」に場所を目指して旅をする老人が、旅の途中で出会った人々に「生」をもたらすうちに、己の「生き方」を見つめ直すロード・ノヴェル。 舞台となる山やりんご園などの描写が美しい、クリント・イーストウッド/監督&主演でぜひ映画化を望む。 | ||||
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