エジンバラの古い柩



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    初公開日(参考)2012年07月
    分類

    長編小説

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    エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)

    2012年07月21日 エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)

    舞台はヴィクトリア朝エジンバラ。やもめの警部補と義理の息子の新米医師が、奇妙な殺人事件と城壁に隠された柩の謎を追う。事件に隠された、英国史を覆す大胆な真相とは? (「BOOK」データベースより)




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    No.3:
    (4pt)

    都合の悪い事実を隠蔽する国家権力

    アランナ・ナイト著、法村里絵訳『エジンバラの古い棺』(創元推理文庫)は英国ヴィクトリア朝を舞台とした歴史ミステリーである。エジンバラ市警の警部補ファロを主人公としたシリーズの2作目である。1作目は『修道院の第二の殺人』である。

    エジンバラ城の崖下で発見された男の遺体を調べるうちに警官であった父親が追っていた事件が重なり、英国の歴史を塗り替える秘密も明らかになるサイドストーリーも恋愛や家族との交流があり、盛り沢山である。

    ヴィクトリア朝イギリスは『シャーロック・ホームズ』など数多くの小説の舞台として描かれてきた馴染みの時代である。しかし、本書にはヴィクトリア朝イギリスの既成概念から外れた魅力がある。

    第一にスコットランドを舞台としていることである。日本人はイギリスと単一の国家のように認識しがちである。しかし、イギリスは連合王国United Kingdomであり、イングランドとスコットランドは別の国であった。そのスコットランド人の心情を本書で味わうことができる。また、ブリテン島に出稼ぎに来ざるを得ない貧しいアイルランド人労働者を描き、経済発展の負の面を直視する。

    第二にヴィクトリア女王の不人気を直視する。ヴィクトリア朝は大英帝国にとって栄光の時代と受け止められがちである。そのためにヴィクトリア女王も偉大な国母と祭り上げられる傾向がある。

    これに対して、『エジンバラの古い棺』では臣民のことを考えていないと噂される存在として描かれる。イギリスの兵士は「女王のために命がけで戦っているわけではない。彼らを動かしているのは、女王への愛ではなく命令だ」と説明される(104頁)。ここには愛国心などの言葉で美化され、歪曲された国家権力の真の姿がある。

    過去の王に対しても「下品で不快な男」「だらしがなくて不潔で、指先以外は滅多に洗わないものだから、ひどく臭かった」「物笑いの種になるほどの臆病者」と手厳しい(142頁)。臭いという外部に現れた体質と臆病という内面的な性質を同一人に重ねている点が興味深い。最低の人間に相応しい形容である。

    ヴィクトリア朝はディズレーリとグラッドストンに代表される二大政党政治が促進された時代であった。保守主義と自由主義の路線対立があり、そのような多様性があることがヴィクトリア朝に自由なイメージを与えている。

    ところが、『エジンバラの古い棺』には衝撃のラストが待っている。そこでは国家権力に都合の悪い事実を隠蔽するという点ではリベラル派の政治家であっても保守派と変わらない実態を浮き彫りにする。糾弾色はないものの、大英帝国の欺瞞を雄弁に物語る小説である。(林田力)
    エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)より
    4488277209
    No.2:
    (5pt)

    まさに大胆な発想。こんなのもありか、と唖然とする。

    ちょっと本の表紙にたじろぎましたが、内容はO. K.
    1870年夏、岩山に聳え立つエジンバラ城の崖下で、男の遺体が発見された。初めは物盗りの転落死と思われたが、現場付近の捜査から、男性の肖像が描かれた古いカメオが発見された。また、捜査を担当する警部補は、警官であった父の遺品から、どう見てもカメオと関連すると思われる“或るもの”を発見するが、それと共に、40年前の1830年にエジンバラ城の壁の中から、赤ん坊の遺体を収めた古い柩が発見された記録も大事に保管されていた。後は読んでのお楽しみですが・・・事件の謎、そして更なる問題はこの赤ん坊の正体なのです。
    英国の歴史を覆す大胆な発想をあなたもお読みください!
    エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)より
    4488277209
    No.1:
    (4pt)

    家族の幸せを強く願うファロ警部補が人生最大の試練に直面する衝撃の歴史推理第2弾!

    英国ヴィクトリア朝のエジンバラを舞台にベテラン警部補ファロとその義理の息子の新米医師ヴィンスの名コンビの活躍を描く大人気歴史推理シリーズ第2弾です。第1作「修道院の第二の殺人」は本格ミステリーとロマンスの味わいが絶妙にブレンドされた深く心に残る稀な傑作でした。そして今回早くも刊行された期待の2作目の内容は前作とは趣向をガラリと変えた国家的陰謀の歴史推理サスペンスの問題作でした。
    エジンバラ城の崖下で身元不明の男の遺体が発見され、早速捜査を開始したファロ警部補は現場で何処か見覚えのあるカメオを見つける。やがて偶然にも警官だった亡き父が遺した40年前の捜査記録から城の壁の中で見つかった小さな古い柩の事件の存在が遺品からは件の物とペアのメアリー女王のカメオが見つかる。しかし捜査が軌道に乗りかけた矢先にファロ警部補の身が危険にさらされ、次には彼の幼い娘達にも魔の手が迫るのだった。
    本書の推理は途中の段階で歴史推理の根幹となる疑惑説の詳細が明かされていますし、真犯人につながる手掛かりもダイイング・メッセージぐらいという事で、前作程の大きな意外性や推理の緻密さはありません。けれども次第に明らかになる巨大な陰謀の全貌と犠牲者達の多さや犯行の無慈悲さに戦慄を禁じ得ない強烈なサスペンスが本書の読み所でしょう。それから暗めの物語の中でも嬉しいのが今回も著者が女流らしく恋愛の要素をきっちりと入れてくれている所です。今回は若きお嬢さんのルシールを巡ってファロとヴィンスの二人が恋のさやあてをする展開にも見えますが、でも両者の間で女心が揺れ動いたりした物の結局は大人の深みに欠ける軽い恋愛遊戯でしたね。どうもファロ警部補は女性にモテモテの割には愛妻リジー亡き後の第二の恋では不運続きでお気の毒ですが、でもまだ四十代初めでは老け込む程の歳ではなく優しくて渋い魅力のある彼の事ですから何時かきっと再び人生の伴侶に巡り会う時が来るだろうと私は思います。またファロ警部補が日頃から離れて暮らし疎遠だった母と娘達と久々に接する事で改めて家族水入らずのありがたさや幸せを強く感じ絆が深まるストーリーにも心が安らぎます。本書のラストを読むとこの先は恋愛どころか普通の正義さえも通用しない暗黒時代に突入しそうな悲しい予感がします。私としては謀略ミステリーも良いとは思いますが、時間が幾らかかろうとも何とかこの大変な状況が落ち着いてくれて再び古き良き時代の謎解きミステリーの世界に帰って来て欲しいと強く願っています。
    本格推理を愛する私としては今回の内容は期待した方向ではありませんでしたが、でも反面手応えを掴んだばかりの安定した路線から離れて敢えて非常に困難な道に踏み出した著者の攻める姿勢は大いに讃えられて良いと思います。ファロ警部補にとって先の見通しが絶望的に思える圧倒的に不利な状況下でこの先どんな風にストーリーが展開して行くのか?私には全く予測不能で早く続きが読みたくて堪らず今後の紹介がますます楽しみです。
    エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エジンバラの古い柩 (創元推理文庫)より
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