アンティーク鑑定士は疑う
- 強盗事件 (69)
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腕利きアンティーク鑑定士でバツイチのアラフォー女性スターリング・グラスが不慣れな犯罪の謎と二度目の恋に挑戦して活躍するシリーズ待望の第2弾です。本当に久々の紹介となるシリーズ第二作ですが、決して紹介が遅れた訳ではなく原著の刊行も四年振りというスロー・ペースなのでした。これは著者がヒロインと同じく現役のアンティーク鑑定士だからで、本業に従事しながら仕事の合間を縫ってゆったりと筆を進められているからでしょう。本書の展開もゆっくりとしたペースで進み中々先が見えて来ませんが、読み進む内に徐々に作品世界の魅力に惹き込まれ、気がつけば何時の間にか深い大人の味わいのミステリーに心を奪われてしまっているでしょう。 前回の事件の縁で保険会社のマットから仕事を依頼されグラスが赴いたのは、今は主なき古い豪邸ウィンダリー屋敷だった。老夫婦が共に亡くなってから博物館として利用されていた屋敷に最近泥棒が侵入して貴重な骨董品のコレクションの数々が盗難に遭い被害の査定を依頼されたのだ。早速調査を始めたグラスは現場を見てある疑惑を抱き、やがて屋敷を管理運営する理事会の理事達が次々に彼女に接触を図って来る。 今回の犯罪も驚く様な奇抜さはなく極普通の今の世の中に現実にあり得るリアリティーを感じさせてくれます。けれどミステリーの興味とは別に本書で一番素晴らしいのはウィンダリー屋敷のかつての主ホイトとマジーのウィンドフィールド夫妻の生前の微妙な関係が明らかになって行き夫人の過去に秘められた悲しい女心が切々と描かれる部分でしょう。この見事な大人の人間ドラマを味わうだけでも本書は一読の価値があると思います。そしてヒロイン・グラスの恋愛模様ですが、彼女のピンチを知って駆けつけた魅力的な二人の男性、保険会社のマットと元牧師のピーターの両方の間で心が揺れ続けそうな感じです。今回偶然に顔を合わせた二人は気の良い男友達になりましたが、果たして何時かグラスを巡る恋のライバルになるのでしょうか?彼らはまだ気弱な所がある物の有能な頑張り屋さんのグラスに内心相当に好意を抱いている様に思えます。けれどそうすんなりとは行かず、二人は共に人生最初のパートナーとそれぞれ離婚と死別の経験を持つ身ですのでどうしても恋愛に慎重にならざるを得ない事情を心に抱えています。それでも様々な思いを振り払い今後どちらが覚悟を決めて彼女との真剣な愛に一歩踏み出す事になるのか要注目して行きたいと思います。 最後に超寡作家の著者の事ですから次回作が何時になるのか全く予想がつきませんが、また充分に練りに練られ熟成された新作が読める日を楽しみにして気長に待ちたいと思います。 | ||||
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