アンティーク鑑定士は見やぶる
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腕利きアンティーク鑑定士でバツイチのアラフォー女性スターリング・グラスが不慣れな犯罪の謎と二度目の恋に挑戦して活躍するシリーズ待望の第2弾です。本当に久々の紹介となるシリーズ第二作ですが、決して紹介が遅れた訳ではなく原著の刊行も四年振りというスロー・ペースなのでした。これは著者がヒロインと同じく現役のアンティーク鑑定士だからで、本業に従事しながら仕事の合間を縫ってゆったりと筆を進められているからでしょう。本書の展開もゆっくりとしたペースで進み中々先が見えて来ませんが、読み進む内に徐々に作品世界の魅力に惹き込まれ、気がつけば何時の間にか深い大人の味わいのミステリーに心を奪われてしまっているでしょう。 前回の事件の縁で保険会社のマットから仕事を依頼されグラスが赴いたのは、今は主なき古い豪邸ウィンダリー屋敷だった。老夫婦が共に亡くなってから博物館として利用されていた屋敷に最近泥棒が侵入して貴重な骨董品のコレクションの数々が盗難に遭い被害の査定を依頼されたのだ。早速調査を始めたグラスは現場を見てある疑惑を抱き、やがて屋敷を管理運営する理事会の理事達が次々に彼女に接触を図って来る。 今回の犯罪も驚く様な奇抜さはなく極普通の今の世の中に現実にあり得るリアリティーを感じさせてくれます。けれどミステリーの興味とは別に本書で一番素晴らしいのはウィンダリー屋敷のかつての主ホイトとマジーのウィンドフィールド夫妻の生前の微妙な関係が明らかになって行き夫人の過去に秘められた悲しい女心が切々と描かれる部分でしょう。この見事な大人の人間ドラマを味わうだけでも本書は一読の価値があると思います。そしてヒロイン・グラスの恋愛模様ですが、彼女のピンチを知って駆けつけた魅力的な二人の男性、保険会社のマットと元牧師のピーターの両方の間で心が揺れ続けそうな感じです。今回偶然に顔を合わせた二人は気の良い男友達になりましたが、果たして何時かグラスを巡る恋のライバルになるのでしょうか?彼らはまだ気弱な所がある物の有能な頑張り屋さんのグラスに内心相当に好意を抱いている様に思えます。けれどそうすんなりとは行かず、二人は共に人生最初のパートナーとそれぞれ離婚と死別の経験を持つ身ですのでどうしても恋愛に慎重にならざるを得ない事情を心に抱えています。それでも様々な思いを振り払い今後どちらが覚悟を決めて彼女との真剣な愛に一歩踏み出す事になるのか要注目して行きたいと思います。 最後に超寡作家の著者の事ですから次回作が何時になるのか全く予想がつきませんが、また充分に練りに練られ熟成された新作が読める日を楽しみにして気長に待ちたいと思います。 | ||||
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アメリカでアンティーク鑑定士を本業とする著者が念願のフィクションの執筆に踏み出した記念すべきコージー・ミステリーの新シリーズ第1弾です。本書を読んで最初に感じたのは全体的に優雅なスマートさや繊細さといった女性らしい印象なのですが、実は著者がまぎれもなく男性であるという事実が相当に意外で中々信じられませんでした。最近読んだ男性作家によるヒロイン像で感心した本にA・M・スミスの女哲学者探偵イザベルのシリーズがありますが、本書に初登場する二児の子供を持つバツイチのアラフォー女性でプロのアンティーク鑑定士スターリング・グラスもとても魅力的な人物造形で十分に合格点を与えられると思います。 バージニア州リーモントでアンティーク鑑定士として順調に活躍するグラスが今回引き受けた依頼はつい最近死亡した老婦人の遺産の品々の鑑定だったが、高級なサモワール(コーヒー・ポット)を発見して驚く。やがて彼女にNY在住の老人から電話がかかり相談を持ちかけられる。NYで不審な情報を得た彼女は責任を感じ不慣れな犯罪調査に踏み出して行く。 本書各章の冒頭には鑑定に関するQ&Aが書かれていて雑学知識が得られとても勉強になります。ミステリーとしての構成は捻りが無く至って素直で、2つの事件の関連性にも取り立てて意外性はありません。犯人もそれ程利口ではなく隙だらけですが、ボスに操られる小悪党達の心理描写は手堅く書かれていて読み所だと思います。本書の魅力は何と言ってもヒロインのグラスに負う所が大きく、彼女の亡き母が生前に教えてくれた格言や名言を頭に思い浮かべて対話し相談する癖が一番変わっていると言えましょう。くすりと一人笑いしている姿を人に見られたら不気味に思われるかも知れませんね。他にも優し過ぎて非情になれず犯人にも同情してしまう所や慌てて携帯電話の電源を入れ忘れる所が、まだまだ探偵としては半人前ですがそこが彼女の人間的魅力でもあるでしょう。そして気になる彼女の恋の行方ですが、地元に住む元牧師のピーターはかなり複雑な気難しい性格で、特に終盤彼女が一人で危険の待つNYへ行くと言った時に同行してやらなかったのは(自主性を尊重する大人の態度なのでしょうが)ちょっと冷たい気がしますし、片やNYの保険会社重役のマットは彼女に親切なのですがややビジネスライクな雰囲気でまだ心の中は判りません。昨年(2010年)やっとシリーズの第2弾が邦訳されましたので、これから先が楽しみなグラスの探偵としての成長と恋の行方を追いかけ見守って行こうと思います。 | ||||
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何が事件なのかよくわからないままに読み進んで行きました。骨董品についての解説が面白いし、都会であるニューヨークと、離れた場所の雰囲気の違いなど、飽きることがありませんでした。登場人物も、それぞれの個性がはっきりしていて、好感が持ている人も多く、恐怖感も嫌悪感も感じません。シリーズ化されて、ながく続けば良いなとお願いしたくなりました。 | ||||
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ああ、これミステリーだっけ、人が死ぬのが嫌なもんであまりミステリーは読まないのですが、この作品はよかったです。ヒロインも魅力的で、今後の人物関係や彼女のビジネスの行方の展開が大いに気になります。続きでないかな。 が、本書のもうひとつの特色はアメリカにおけるアンティーク市場の実情や、扱われる品物の基礎知識がQ&A交えて楽しめることではないかな?ジョン・ダニングの「幻の特装本」に通じるものがあります。 | ||||
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それ程「人気がある本」じゃないような印象を受けたせいか、それ程期待せずに読み始めたのですが、良く出来た面白い本でした。事件にまつわるアンティークに関する知識も、すっと理解できるように前知識を入れてくれる構成も良く出来ていました。この手の何かに関する知識が必要な本は、妙に説明ばかりがだらだらと多すぎて、なかなか読み進まない本も多いなかで、テンポ良く勢いに乗ってどんどん読める事ができました。アンティークに関するちょっとした知識も面白かったです | ||||
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